ここで書くものに登場するのは、ヘンなタイ人とばかな日本人とニコニコっぽい華人ばかりだが、他にアメリカンな友人もいる。やはり飲んだくれでデタラメで、いつもおれと騒ぐのが好きなお調子者だったが、職業は大学の教授だった。じつはインテリだったのだ。 飲んでいたときに同席の者が、大学の先生と聞いて「英語を教えているのですか」と訊いたら、いえ、そういうのではないのです、と落胆していた。歴とした社会学とか数学 . . . 本文を読む
道を憶えるのが苦手という話をしたことがあったが、それで実際に困ったことがあったかというと、そんなにない。 憶えるのが苦手なばかりに感動したことならある。 30歳になる少しまえの頃だったかな。香港の友人の事務所を訪ねて行ったときだ。いつも地図をアタマに叩き込んでから鞄にそれを仕舞い、足を踏み出す(地図を見ながら歩くようなことはしない。大声で「観光客です。良いカモです」と叫んでいるのと同じで、危険だ . . . 本文を読む
廣東省の珠海がまだ中国領の頃に行ったことがある。まあじつは珠海は今でも中国領で、何を言ってるんだって話だが、深圳と共に珠海も経済特区になってしばらく経っていたのに、田舎町という印象しかない。途中数万羽のアヒルの行列に出くわし、為す術なく遣り過ごすのに十数分を要した。中国の新興都市って話じゃなかったのかよ。80年代の後半だった。もう35年くらいまえのことじゃないか。香港の友人と行ったのだが、それが . . . 本文を読む
オッキドッキーってのを、たまに聞くことがある。最近のアニメで幼児の登場人物が言うのを聞いて「へえ。まだ言うのか」と思った。 オッキドッキーはスペルアウトすると「okey dokey」になるのかな。前半で言ってる通り「オーケー」ってことなんだけど、これを最初に聞いたのは1980年代半ばの西海岸で、当時すでに死語扱いだった。年寄りか田舎者が言うくらいで、若者がふざけて言うのを、ごく希に聞いた。「オー . . . 本文を読む
里帰りしていたヨメを迎えに、成田空港へ行ったときのこと。デズに行きたいと言うので、浦安にホテルを取った。デズというのは、もちろんディズニーランドのことで、あんなウソでウソで、その上に更にウソを塗り固めたような所は、ウソの多重構造である上に長年の継続で、ウソに磨きがかかって世界屈指の騙しテクニックに裏打ちされているのであって嫌いになる要素がない。そんなはずなのに、おれは今一つ好きになれないんだが、 . . . 本文を読む