初めて福島県の郡山に住んだ直後の頃だ。駐車場でクルマを降りると、その建物の管理人のおばさんが、知人と思しき女性と、おれの方を見ながら何やら話し込んでいた。そして、意を決したようにおれに近づいてくる。「やだあ。おんなじじゃない」「ね。同じでしょ」「こんにちは」 あ。どうも、こんにちは。おれも頭を下げた。「ごめんなさいね」管理人が言った。「あんまり同じなもんだから」 …… . . . 本文を読む
今どきは何でもオンラインだから廃れてしまった方式だが、ちょっと昔までは電話予約で名前のスペルを確認されることがあって、電話で航空便のブッキングなんかのときに日本人の名前なんて馴染みがないから、ひと文字ずつスペルアウトを求められるのだった。 A for America（アメリカのA）、B for Brazil（ブラジルのB）なんていうふうに地名で言うのが一般的だと思う。日本語の綴りだと「朝日のア」 . . . 本文を読む
ああ知ってるよ。アタマにキノコ。冬虫夏草だろ。という話ではない。 ずいぶん昔にいた会社に新卒の娘が入って来て、「わたしたち頭にきたとき、アッタマにキノコ！ って言うんです。なんか可愛いでしょ♡」と言ったのだった。ポンジョを出たばかりで、とうぜん彼女のお友だちもポンジョ卒のお嬢様たちで、まあまあお上品なのだった。 それを聞いたおれの後輩が「それよりさもぁ。アッタマにキンタマ！ の方が怒った感じが出 . . . 本文を読む
日も短くなって、もう秋っぽい。北海道の夏が短いのは有名だが秋も短くて、もう秋だなと思いながら眠りに就いて、ちょっと油断して寝過ごすと、もう冬だ。9月のまだ暑い日でもテレビではスノータイヤのコマーシャルが始まり、うわあ、もうすぐ冬なのかよ、と覚悟する。札幌や道東あたりと違って山の出身の道民は、雪が積もるまでが秋で、根雪になると冬だ、という間違った認識を持っている。山の方はそれで不都合がないんだが、 . . . 本文を読む
新婚から少しだけ経った頃、うちの奥さんからワクワクした顔で「สมัยเป็นนักเรียนあなたถูกเรียกว่า "Sempai" หรือไม่?（学生の頃、あなたはセンパイって呼ばれていましたか）」と訊かれたことがあった。 どうだっけな。呼ばれてなかったかもしれない。「เรียกรุ่นพี่ว่า "Sempai" เหรอ?（先輩をセンパイ . . . 本文を読む
先日、肩が痛くて腕を上げるのが辛いということがあった。 四十肩も五十肩も縁がなく、そういうのは他人事だと思っていたのに、まさかの六十肩。ジジイらしい話題が提供できて嬉しいわけもなく、あれは結構辛いものだ。 そういえば、こないだ入院したときは寝てばかりで、退院してからは運動とストレッチのレヴェルを落として、軽いメニューにしちゃったのがいけなかったのではないか。 だから、ストレッチのメニューを元通り . . . 本文を読む
