太陽系の第三惑星。われわれが住む地球のユーラシア大陸。その東南に位置する国の一つがタイ王国で、そしてその首都バンコクの路上。 20世紀も終わろうとしていた頃、そこで背後から音もなく近づくものがあった。 そのひとつは、象。 大きくて、鼻の長い、あの象だった。象は、気がつくと、だしぬけにそこにいて、驚くが、少し遅れて嬉しい気持ちが追いついてくる。 象を見つけたときのひとびとの反応は、国籍、性別、宗教 . . . 本文を読む
防水のブルートゥーススピーカーを買ったんだけどね。思いのほか良い物で、驚いた。風呂場で音楽でもラジオでも聴ける。自作のSportfyのプレイリスト（非公開）なんかを再生してるんだ。それまで風呂に入る時くらい、音楽の我慢もできないのかよ、と思っていたんだが、これが違った。風呂場に音楽がないのは、あたりまえのことで、べつに我慢なんかじゃない。でもね。音楽があると、がぜん楽しくなる。ただ、それだけの簡 . . . 本文を読む
世界でいちばん旨いものといえば、そりゃ桃だ。桃が嫌いな奴なんか、いない。 いや。例外があったな。泥棒は桃を食べないんだった。これには歴とした根拠があって、おれは泥棒が桃を食うのを見たことがない。あなたは、あるだろうか。ないでしょ。 だから、つい出来心で盗みを働きたいという衝動すさまじく抑え難くなったら、急いで桃を食うといい。桃に妖力が宿るという考えは古来、道教から陰陽道へ移行した時期に日本へも入 . . . 本文を読む
酒が嫌いという訳でもないんだが、飲まなくなって3年半経った。 ある日を境に、脱皮でもするように「やめよう！」と決意したのではなく、「なんか、飲みたくないから、飲まない」気分が3年半続いている。だから飲みたくなったら、また飲んでもいいとは思っている。よく止められたと思うかもしれないが、もともと毎日飲むような習慣がなかった。この3年半まえの以前に飲んだのはさらに数ヶ月まえとか、そんな感じで、飲まない . . . 本文を読む
