役場に行ったとき気がついたのは「マイナポイント」のポスターが、あちこちに貼られていたことで、「マイナ? なんだそれ」と考えた。てっきりマイナスポイントとか、マイナーポイントとか、そういう事なんだと早合点してイヤな気持ちになった。そうやって否定的な単語で国民を脅すんだよな、この国は。なんかもっと上手くやれよ。そう思っていたんだが、こないだ細かい説明を読んで「え。そうなの」と気持ちを改めた。 マイナ . . . 本文を読む
宝くじにまつわる噂話というのが、かつてのタイにはふんだんにあって、真偽の程を問わなければ話としては楽しいものだった。‘90年代半ばに聞いた話で、いちばん最初のものは新聞にも載ったというのだが、おれはまだタイ文字が読めなかった頃のことだからソースはなく、聞いた話だ。 タイの宝くじは、いっぱんには「ล็อตเตอรี่(ロットゥリー)」と呼ばれ、これは英語のlottryとかlottery . . . 本文を読む
タイにはヤードムという嗅ぎ薬があって、成分としてはメントールに樟脳、ボルネオールというボルネオの樟脳にスパイス類、芳香族なんかの香りをブレンドしたもので、そこにアンモニア水溶液を加えたものが基本だった。 アンモニアは、試合相手の拳に思い切り頬を打ち込むなどして膝から崩れ落ち、リングの床で液状化したボクサーに嗅がせて強制的に意識を取り戻すのに使われるもので、気付け薬としては優秀だが、劇物指定されて . . . 本文を読む
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昨日の吹雪が嘘みたいに晴れて、冷たい微風に舞う雪の粒子がキラキラと輝く、いちめんの雪原。そこに、ひたすら真っ直ぐに続く足跡を見つけると、北海道の子供は「ああ。キタキツネだな」と言う。子供のくせに大人びた言い方なのは、父、あるいは祖父の言い方を真似てしまうからで、そのまた父や祖父も、同じ言い方だった。「ああ。キタキツネだな」 ただ、知っているのはここまでだ。まっすぐ歩くのは、キタキツネ。では、野ウ . . . 本文を読む
遅れるには、だいたい理由がある。それでも「それが理由なの?」という呆れるような些細な理由のこともあって、たとえば茅場町駅の乗り換えで「たまには牛乳、飲みてぇ」という衝動耐えがたく、腰に手を当てぐいぐいと飲み干しただけなのに半時間も遅れてしまうのは、そのあとでキオスクの文庫本を眺めていたせいかもしれず、でもそういうことは誰にでもあることだ。 20代後半の頃に勤めていた会社では始業の定時に遅れると、 . . . 本文を読む
昭和の34年というと戦後14年も経っているのだから、さすがにもう戦争なんて過去のことだと忘れ去られていたのかと思うかもしれないが、そうでもない。この年におれは生まれているのだが、とうぜん当時の記憶は、さっぱりだ。「あ。今、ものごころがついたな」と思ったのが6歳のときで戦後20年だったが、ふつうに「トラ! トラ! トラ!」とか「ニイタカヤマノボレ」なんていう映画が公開されていて、そのポスターが銭湯 . . . 本文を読む
新聞配達が来るでしょ。毎朝。 夏だったら夜が明けた直後で、新しい空気の匂いがする、あの感じ。まだ涼しいの。 足音で、わかる。あ、新聞くるぞ。って。 たっ、たっ、たっ、というゴムの靴底が地面を蹴る音。 足音が近づいてくる。 玄関で、扉ポストの受け取り口を、そっと開けて待つ。階段を昇りきって、廊下を駈ける足音に切り替わる。もうすぐだ。しゃがんで待っていると、ドアの前で足音が止む。そして。 固く畳まれ . . . 本文を読む