もう年寄りだから、新しいことに抵抗があることだってある。コンビニでの買い物の支払いでは後ろに人が並ぶことも多いし、並んでなくても店員さんはにこやかに接してくれてはいるけれど、ここで現金出したら(うっわ、昭和かよ。ジジイ面倒くせぇ。老害なんて、どうにかなってしまえばいいのに)と思われるような気がして、スマートフォンで「おサイフケータイ」的な決済をしちゃったりするんだが、スーパーなんかだと違う。自分 . . . 本文を読む
まだ若くて他人のことなんかに考えが及ばなかった頃、夏のフロリダに行ったことがあった。合衆国南部のオーランドだったが、あの街では差別された記憶がない。たまたまだったのだろうが、それが南部の街ってのは幸運ってことなのかな。憶えているのは、ひたすら暑かったってことだ。松岡修造に説教されたことはないが、ガミガミ言う松岡修造の手首に巻かれているサポーターに籠もった熱よりも暑い、と断言できる暑さだった。この . . . 本文を読む
数年まえスーパーで、とうもろこしが安売りされていて、買おうかどうか迷っていたら、30代くらいの見た目の夫婦者か恋人同士っぽく見える男女の御婦人のほうが、「あ! とうきび、やっすーい♡」と言った。北海道では玉蜀黍を「とうきび」と言う者が多い。「あー……、うーん。一本99円か……。安すぎないかい? あれでないの? 2番手とか3番手とか」と男。「 . . . 本文を読む
北海道弁と津軽弁に共通する「ぱりごりん」という方言があって、北海道弁だと「あの人だら、ぱりごりんだもね」というふうに遣う。津軽弁だったら「あんふとだば、ぱりごりんだべぉん」になる。何を言っているのかというと、どちらの方言でも「あの人は、パリのオリンピックでしょう」という意味になる。今思ったが、ひょっとしたら「ぱりごりん」は方言ではなく、標準語でも言うのかもしれない。横須賀昌美 恋のマグニチュード . . . 本文を読む
突然、思い出した。風呂場で洗髪していたとき、ふいに浮かんだ名が「マンスール メリア ホテル」だった。 ん? どんなホテルだっけ。ていうかどこの都市だったかな。いつ頃行ったんだっけ。同時多発的に疑問が湧いたが、思い出す手懸かりが微塵もなかった。 身体を拭いて、下着を穿くのももどかしくパソコンを起動してググった。そうしないと、また忘れてしまう。 ええと。まんすーる……。 . . . 本文を読む