二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

蛇皮の良し悪し、あるいは適不適。

2016-01-06 10:38:40 | ■工房便り 総合 
二胡の音色は蛇皮によるという意見は、昔から多いです。

にもかかわらず紫檀の音色、黒檀の音色とも、木の違いでね色が違うというのも皆さんご存知だと思います。

音色そのものは、その基本は木の持っている振動によります。

しかしその木を振動させる蛇皮の質によっても大きく変わります。

蛇皮を張替えてみた人でないと同じ木でも、

二胡の音色がどのように変わるかというのはわかりにくいかもしれません。

蛇皮を張替えると音色はそれほど変わりません、鳴り方が変わります。

また、響き方も大きく変わります。

その響き方の違いが蛇皮のどこから出て来るかと言いますと、皮の厚みによって違いが出て来る場合が多いです。

二胡の胴を後ろから覗いて、画像に取りました。



これは昔の二胡それも北京系の皮です。

全体にかなり明るく光が入ってきます。

北京系の特徴は蛇皮をとても薄く、剝くのです。結果として、音は皮が振動しやすく大きく成ります。

弓で弾いても、すぐ反応して、弾き易く感じる方も多いです。

クリアーな音がして弾き易いと思う方も多いですが、

ただ音色が今一つと思う方も多く、二胡独特の倍音の多さが活きないと思われる方もお多いためでしょうか

最近は北京系を使う方が少なくなってきています。

しかし音に雑味が少なく他の楽器などと合わせやすいということもあります。



真っ暗ですね。

これは相当皮が厚いですね。

これは蘇州系の、名人クラスの二胡師が作る楽器に多いです。

相当皮が厚く外の光りが見えません。

音色はとても複雑で如何にも二胡の音色という音を紡ぎだします。

多少大きめの楽器に多く、それも相当質の良い紫檀の二胡に使われる場合が多いです。

20年くらい前は、これほど厚い皮というのは使われていませんでした。

が、二胡そのものが高級品化してきて、蛇皮の良さは鱗の大きさと言う、間違った知識が出回ったせいなのか、鱗の大きいものが好まれるようになりましたが、

鱗が大きいというのは年を取った蛇7歳以上の物が多く、皮も厚く成ります。

すると鳴りだすまでに相当かかります。

たぶんかなり良い張り方をしていたとしても、鳴りだすのに、毎日2,3時間弾いたとしても、2,3年かかってしまうかもしれません。

但し鳴なりだしたらとても良い音色になるのは間違いないですが、、、

問題は皮の下ごしらえにとても時間がかかり、通常1月もあれば、十分に仕上がるのですが。

その辺は購入して1,2年しないとその結果は出てきません。



これくらいが平均ですかね。

全体に薄く光が入ってきます。

このくらいだと5歳くらいの蛇のかなりしっぽに近い所の光の入り方です。

鱗はそれほど大きくはありませんたぶん5,6ミリの大きさでしょう。

鱗はお腹の辺りが一番大きく、首としっぽの方は小さいのです。

でも首の辺りよりしっぽの方が、厚みは厚いです。

たぶん皆さんお持ちの楽器はこのくらいの光の入り方が多いかもしれません。

適度に厚く適度に弾き易い、そして、1年も真剣に弾けば相当良い音色が引き出せる楽器だと思います。

皆さんも、ご自身の楽器を後ろから覗いてみて、もし暗いようでしたら、たくさん弾いてやってください。

いずれにせよ、蛇皮は弾き込めば弾き込むほど良い音がします。

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