二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

少し心配、年間2万トン!

2015-01-22 09:48:02 | ■工房便り 総合 
楽器の良し悪しと言うのは難しいですね。

一つには好みと言うのもあります。

ヴァイオリンなどは、遠鳴りのするもの、音が大きく出る物、もちろん安定してどんな技術にもこたえてくれるもの。

二胡の場合はどうでしょう?

むしろ遠鳴りするものや、音の大きなものと言うのは初心者用の花梨であったり、老紅木などに多いです。

でもそれらは高級品とは言われません。

比較的高級品と言われる楽器を弾いてみると、音はそれほど大きくもないのですが、ずっしりとした弾き応えと、そして、

どなたが聞いても良い音色という答えの返ってくる楽器が多いです。

そのずっしりとした弾き応えというのは楽器のどこから来るかといいますと、

殆ど木の重量感です、むしろ木の密度と言うことが言えると思います。

木の密度と言うのはそれぞれの樹種によっては違います。

木の密度の高い物の筆頭はやはり小葉紫檀、あるいはスリランカの真黒でしょう。

そしてブラジリアンローズウッド、縞黒檀。チンチャン。

やはり昔から言う良い木、紫檀黒檀、本物のということが出来ます。

その楽器としての、造りの良さ、そして皮の張り具合というのもありますが、

やはり、木そのものの持っている音色の良さと言うのに尽きます。

問題はもうそんな木はほとんどないという事です。

私にしても、小葉紫檀(レッドサンダー)は、もう20台分くらいでしょう。

真黒に至っては残り5台分くらいです。

チンチャンは私はたくさん持っています。

安心なのは、縞黒檀だけは、1000台を超えるくらいな数が日本国内にあります。(ちょっとほっとしますね)

今二胡界の主要な木と言うのは殆どアフリカ材です。

東南アジアの良い材料と言うのはもう残っていないか、あるいは残り少ない為に相当な高額になっています。

インドの小葉紫檀にしても、伐採禁止ですし、今から15,6年前までは、密輸で中国に入っていたそうです。

だいたいが、これらの紫檀類が楽器として使えるくらいの大きさになるには、300年以上もかかります。

もっと大変なのは、伐採してから使えるくらいに乾くのに20年以上はかかるのです。

ですから最近入ってくるようになった、大葉紫檀と言うのはかなり乾燥度が甘いものが多く、

一昨年去年と、2年間で胴の割れた物が11台光舜堂に来ています。

まあ、一度割れてしまえば、その後は狂いにくくなるので直してしまえば問題はないのですが、

でもショックですよね!!

胴が割れるというのは、これはいずれはどんな二胡でも必ず来ます。

必ずです。

木はどうやっても200年ぐらいは伐採以後動きますし、胴の板を接着しているニカワにしても耐久力は200年くらいでしょう。

それも相当保存が良くてです。

ですから明清何とかという材料が珍重されます。良く乾いているからです。

アフリカ材でもかなり安心なのは、パドーク、くらいかもしれません。

いずれにせよ、中国国内でいまだに、年間25万台位は作られています。

家を建てるとして400軒くらいは出来る量です。

10トントラックに、2000台分です。2万トンの船一杯の量です。

凄いでしょ。

これが毎年消費されているとしたら、、、先行きどうなるのでしょう。

ですから、私は言います、今お持ちの二胡を最大限有効に使う。

それには毎年きちんと調整して、たくさん弾いてあげるというのが良い楽器を作り出すことでもありますし、

長年もたせることにもなります。









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