二胡工房 光舜堂

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二胡って、何だろう!古楽器の魅力

2022-06-28 08:58:19 | 二胡の救急箱に書かなかったこと
この一年くらい、ヴァイオリンを良く弾いてきました。
松脂の効果を確かめるためです。
最初の内は、正当にヴァイオリンを肩に当てて普通に弾いては見たのですが、ダメですね。1年で、あのヴァイオリンの右手の使い方がマスターできるとも思えません。
そこで昔取った杵柄、チェロを弾くようにヴァイオリン膝の上にのせて弾いてみると、チェロのボーイングで十分良い音にもなりますし曲も弾けます。
ヴァイオリンも昔は今の様に肩にはのせず、左手の上にのせて弾いていたようです。左手もほとんど第一ポジションくらいでしたでしょう。高音部にまで左手の指が届きませんね。
劉天華師が洋楽の様に二胡を扱うような曲を書き始めて、初めてポジションの移動というのもできてきたと聞きます。
その頃からでしょうか、西洋のバイオリンの様に二胡も弾けないかという動きが出てきて、二胡の改造が進みました。
胴も大きくなったり、皮もより厚いものを使うようになったりしてきて、弦もスチールに変わってきました。
音も大きくなったし、高音もよりよく出るようになったけれど音が出にくくもなりました。弾きにくくなったのでしょう。
一つには楽器は進化したけれど、弓は進化せずそのままだったということもあります。そして弾きにくい楽器を弾くための技術がいるようになりました。
昔の楽器を弦堂さんに何台か弾かせてもらって思ったのは、弾きやすいのです。
胴も小さいですし、皮も比較的薄いので、弓を当てるだけですぐ良い音になってきます。
たぶん、初心者のかたが普通に良い音で弾ける感じです。
もしかしたら、ニ胡は東洋のヴァイオリンを目指すことで、弾きにくくなったのではないかと、最近では思うのです。より良く鳴ることを目指したお陰で、ウルフ音も出やすくなったりもしています。本来なら村の祭りや、日常の楽しみであった楽器が、より難しく、高度な曲を弾くために、元の音色の良さを損なってしまったのかもしれないという気もします。
今までも、私としては弾きやすい楽器というのを提供してきたつもりです。
どうしても蛇皮だと1年2年弾き込まないと良い音になりません。
そこで考えたのが、CDMという和紙と繊維を素材とした人工皮です。
いずれは蛇が動物愛護の観点から、自然保護ということもあり無くなっては行くとは思うのですが、、、
ただやはり、みなさん殆どの方が感覚的に二胡は蛇皮と考えます。確かに感覚的にはこの蛇皮があるからこそ二胡という気分が味わえるのでしょうね。
楽器を楽しむというのは、馬頭琴の馬の頭の様に象徴的なところも必要なのかもしれませんね。(しかし二胡の頭の形は様々で、まだ完全にこれと決まっていないようなところもありますが)
色々な点で、二胡はまだ,途上ということが沢山あります。
8角形にしろつい10年くらい前には日本では相当広がっていましたが、今ネットなどを見てもほとんど販売されていないようですし、偏8角形の二胡などもありました。またジョージガオさんの様に全く独自の形態の胴を勧めている人もいます。
しかし、古楽器の音色の良さというのをなかなかに実現できていないですし、尚且つ、パワーもあり、弾きやすい楽器というのが望ましいと思います。
弾きやすく魅力のある音色の二胡、そして形。さらに追及していきたいです。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ




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