二胡工房 光舜堂

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低音二胡考。日本人には低音が似合う

2014-04-01 08:33:02 | ■工房便り 総合 
低音の魅力というのがありますが、その魅力の一つは、お腹に響くような振動でしょう。

低音はむしろ音色というより振動という感覚があります。

これは好みかもしれませんが、今の中胡と言われるものにはそれが無いのです。

もちろん、あの音が好きという方もいらっしゃるとは思います、が、あれこそ低音の魅力という方はあまりいないようです。

というより中胡の音というのを聴いたことがある方の方が、関西以外では少ないかもしれません。

大体売っていませんしね。

東京ではたぶん、ほとんどのお店においていなくて低音の楽器と言ってもせいぜい二胡より少し大きめのAEに調弦する二泉二胡くらいでしょう。

ましてや、革胡(カッコ)に至っては関西以外では見たことがありません。

それが関西に修理で呼ばれた時には、なんと一日で8台も見せてもらいました。

今回、4月12日、「日本の二胡物語」では、その革胡、登場します、私が修理させていただいたものですから、何となく愛着のある楽器です。

という事は置いておいて、

とにかく、低音の二胡というのは、合奏用に開発されたものなのか、中胡用の演奏曲というのが有るのかどうかも私にはわかりません。

その低音と言ってもヴィオラほどではないですし前に書いたようにG のヴァイオリンの最低音です。

いわゆるクラシックでしたら、いつも出てくる音ですし、ごくごく普通なのです。

低音というのは弦が太くも長くもなります。

もちろんポジション次第では、チェロなどは相当高音が出ますし、ヴァイオリンの曲を弾かれる方までいます。

でもその太い弦で響かせる高音というのは、独特の音色を持ち、たとえヴァイオリンの曲を弾いたとしても、チェロの魅力がたっぷり現れます。

やっぱり低音楽器も一つの楽器である以上、最高音までなって欲しいですし、その魅力を十分に発揮してほしいです。

チェロ大好きです、ヴィオラも良いですね、という低音好きの人は日本人には沢山いますが、中胡大好きですという方はほとんど聞きません。

それは楽器としての完成度が無いのと、なんの曲を弾いて良いかわからないという方が多いからです。

たかがGDですから、5度低いだけですから、なんの曲でも弾けるのです。

二泉映月だけではありません。

普段口ずさむ曲なら何でも弾けなければいけないのです。

多少声の低い女性なら、歌うのと変わらないはずですし、男子ならほとんどみなさん歌っている音域のはずです。

ですからあえて低音ということでもないのです。

二胡がいつの頃か、今のDAというヴァイオリンの真ん中の2本の弦に対応するように調弦されるようになってきました。

あえてその音にしてきたのは中国の人たちです。

似たような弦楽器がある東南アジアの各地では、まだまだその時に、あるいは人によって、調弦というのは違っていたりもします。

殆ど自分が歌うのに合わせてという感じの楽器もおおいのです。

それが今のDAというのは、中国語、あるいは中国の人たちの歌う声の高さに合わせたともいえるかもしれません。

もし、今のように中国で一応完成されたという形で無く、この二弦の楽器が日本には入ってきていたとしたら。

むしろ、もっと低い、CGぐらい、あるいはAE(今の二泉二胡)くらいにもなっていたのではないでしょうか。

私はかなり声が低いようです。

首が長いですから。

何を間違えたかミロy九的な声とおっしゃってくれるかたも、います。。。(苦笑い)

普段聞いている自分の声に近い音というのは、とても親しみやすくなじみ深い物でしょう。

日本には日本の調弦が有っても良いのかもしれませんし、今ヨーロッパの楽器群が普通に日本でも使われていますから、

それらに合わせた楽器という作り方も、調弦の仕方もあるのではないでしょうか。

そこで、皆さんにも低音二胡をお持ちになったらと勧めます。

何台かお持ちの方は、皮を張り替えさえすればその時に、低音二胡に作り替えられます。



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4 Comments

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低音は貧乏くじ? (石原)
2014-04-01 19:16:44
失礼極まりない話だと承知して居ますが
奏者としては目立ってナンボと言う事みたいで
出来る人は京胡や高胡に行くと聞きました。
バンドでもそうですがベースも地味なのに
外すとすぐ解るし、文句言われるし・・
あまり広がらないのも解る気がします。
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石原さんこんにちは (nisino)
2014-04-01 20:14:36
音楽は目立つためにやるというのが解せません・

良い音楽、良いハーモニー、ほんとに気持ち良くハモった時には、聴衆も、演奏者もとても幸せです。

音楽は自分の為ではなく聴衆の為ですし、いかに人を感動させるかが、演奏者の幸せだと思います。

楽器を調整するのも作るのも、自分の為ではなく楽器の為ひいては演奏者のためと私は考えています。

だからこそ弾きやすくなりやすく響きやすい楽器を目指すのが楽器つくりの仕事です。

もちろん自分の為に弾くという事はあるとは思います、それは自分が聴衆になっているのでしょう。

自分も良い聴衆でありたいですね、その為にこそ良い音楽を聴き良い物を着て、美味しい物を食べ、良い女と付き合うのです。
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まさに (Yasuda.K)
2014-04-04 21:23:12
>低音の魅力というのがありますが、その魅力の一つは、お腹に響くような振動でしょう。

>低音はむしろ音色というより振動という感覚があります。

先日はお邪魔致しました。
二胡は今まで
西野さんのところで触らせて頂いた2度だけですが
こちらの文章はまさに先日、感じた事だったので思い切って書き込みさせてもらいます。

新しい二胡、もちろん左手の持ち手がとても自然な感じで二胡っていいなーと思いました。
次に新しい楽器を一弦?音を出した所
響く!と振動を感じてSさんに驚きの報告をしました。

二胡はわからないものの、感覚というのは知らない者にとってもあながち間違いではないのですね。
まさに振動ははやり二胡も体が響版の役目をはたすのだろうか?と思いながら、ただひたすらに音を出して
音楽はボリューム、音量ではないと思いつつも、
はやり表現の幅が広がると思いますし
体と楽器はやはりひとつなんだと思いました。

音楽の為、その周りの人の幸せを願う西野さんの楽器作り、すばらしいです。
いつもお邪魔させて頂き、ありがとうございます。
今回も楽しく、勉強になりました。


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Yasuda.Kさん (nisino)
2014-04-05 14:00:12
ありがとうございます。楽器は振動でしょう。チェンバロにしてもピアノにしても二胡にしても体とその振動というのが大きくつながるのではないですかね。一杯にならせないと、小さく鳴らそうとしても楽器としての性能は落ちてしまいます。大tの大きさというより鳴りという事でしょうね。
二胡は手に持っていますから余計その振動が体と結びつきやすいのだと思います。だkらでしょうか同じ楽器でもそう乙人によって音色が変わります、すべての楽器に言えること、でしょうが、二胡始めませんか?
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