二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

楽器は調整するのが当たりまえ!

2024-06-03 12:08:28 | 二胡の救急箱に書かなかったこと
神戸元町の「あーるふぅ」さんでの二胡の調整会1日、2日と14名様+たくさんの飛び込みの方、ご参加ありがとうございました。

光舜堂の楽器の調整会というのは、ひたすら修理、木軸削りは当たり前ですし、中には台の修理もその場で。
流石に胴の割れなどは持ち帰らなければいけませんし、皮の張替えはさらにですね。
本当はこれはもうそろそろ皮張り替えたほうが良いのかなというものなどもありました。
20年、良く鳴ってきたようです。
今回は、富士駒をつけて何とかしのぎましたが、この駒でも鳴らなくなるほど皮が伸びたら張り替えるきりないでしょう。
二胡の寿命というのがとても変なのです。
大体紫檀黒檀は楽器に作ってそれこそ500年以上は問題ないはずなのです。
正倉院の琵琶など1000年を超えて響いてきているそうです。
単に皮お張り替えれば良いはずなのですが、皆さん敢えて新しい楽器を購入して更に育てるのに苦労しているようです。
楽器は弾きこんでこそというのが徹底されていないようです。

教育産業としての二胡の最大の問題でしょう。
先生たちが楽器を販売することで生計を成り立たさるを得ないからかもしれません。
教えもせず楽器を売りもせず演奏だけで食べている?のは、木村ハルヨさんくらいではないでしょうか。
まあそれだけ二胡という楽器に対する一般の興味が、無いのかもしれません。
中国の楽器であるという意識が強すぎるのかもしれません。
反対に中国の若者に聞くと「アールフゥ」??なにそれ。
あれは、田舎の人たちのなどといった言葉も聞かれます。
それこそ、ヴァイオリンの生産は世界一。
年間60万台の生産量、という反面どうやら二胡は生産量がガタ落ち、というか過剰な在庫で破綻しそうなメーカーもあると聞いています。
国内需要が減ってきて、売れるのは世界各地の華僑たちへ。
古き良き文化を楽しむのはかえって国外に進出した人たちなのかもしれませんね。
過剰な在庫を抱えたメーカーから、買い叩いてきて見てくれだけの楽器を、100万200万などと、とんでもない数字で販売している業者さんも、、、、
(何台皮張り替えたことか!)
それと、多かったのは、もう手に入らない小葉紫檀。
14名様の内、約半分の方が小葉紫檀、いまでは100万円ならやすいといわれる楽器です。
新しく買うより、皮を張り替えてご自身の楽器の音の良さ楽しんでいく方が良いのではと、皆さんに提案しています。
それから、、 見事な調整の楽器に出会いました。
お客様が自分で「二胡の救急箱」を見ながら調整したのだそうです。
多少古い楽器で、木軸が短めその木軸の短いのに合わせて、駒の高さも千斤の巻き幅もとても良く調整されていました。
これはほぉさん喜びますね。役に立ったのですね!

それと黒毛の「黒旋風」の人気は凄かったです。
鳴尾牧子さんにも試してもらい、最初は「うん?うん?」と確かめながら。
これは気に入らないのかな・・???とお客様の楽器の木軸を削り、ネオちゃんは弓毛を整えていたところ、突然。
「これはいいわ!、まえのより弓として全然良い。
あの、その前の弓は私が作ったのですが、、、その黒旋風はネオちゃん!!!!
まあ!までは、今ではすっかり弓つくりの腕が逆転したのかもしれません、、いやいやまだ頑張りますが。
ハルヨちゃんもあとからラインてきて、何ですかこの弓!すっと弾けるバランスが良い、そして敏感。
これ、もしかしたら、黒毛と光舜松脂「B」のお陰ではと思うのです。
金沢の孟さんも、試しにと置いてきた「B」が大のお気に入り。
「西野さんBいいわ!、大好き!」と突然ラインしてきたりしています。
二胡系にももう一つ「B」をベースにしたもの作っても良いかもしれません。
兎に角、かなり上級者向け、そして何より整った馬毛に、ですから中国製の弓には向かないかもしれません。
そして、かなり脱力が大切になります。
あるいは、脱力しやすくなるのか??そういう意味では中級者から上級者むけかもしれません。
もう少し広く試してみます。
そんなこんな様々ありました。お店を開放してくれたMさんありがとうございます。
そのMさんとも話したのですが、この人の楽器ちゃんと調整すればもっと鳴るのにと、思う方が沢山いる、でも、調整なんかいらないという方もとても多いのです。と、
楽器は調整されて初めて本来の鳴りになる、などというのはヴァイオリンの世界の演奏者は何をいまさらというくらいな常識です。
だからですかね。二胡は何だか下に見られていますし、そこで松脂作っている光舜堂も二胡だからなるのではなどといわれますね。
来年は関西まで行けるのか?後は残る年を数えるようになってきましたね。
出来たら、また来年お会いしましょう。
神戸元町の「アールフゥ」さんでの二胡の調整会でした。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ

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