二胡工房 光舜堂

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楽器は変わる。進化?

2024-05-30 11:26:35 | 二胡の救急箱に書かなかったこと
これはヴァイオリンの指板です。
真黒に見えますね!
しかし、近づいてみると
茶色いのです。
これは、黒檀ではなく小葉紫檀です。50年前のものです。
ここまで黒いと、見分けがつきにくいですね。
それと、これ!


これは黒檀ではありません。プラステイックなのです!
チェロのテールピースです。
先日、お茶の水のクロサワ楽器店さんに行きました。
ご挨拶と、光舜松脂の説明で店長さんにお会いしたのです。
何となく話が弾んで、というか、全く逸れて!
いつの間にやら、ヴァイオリンやチェロのはなしになりました。
一番驚いたのは!世界中のチェロのテールピースが。もう半分以上プラステイックになっているとのこと。
かのヨウヨウマさんノチェロもこれを使っているとのことでした。
そういえば私のチェロのテールピースもプラステイック。
知り合いのヴァイオリン系の卸の会社にチェロの調整を頼んだら、
このプラステイックのテールピースに、、、確かに全部の弦が微調整しやすいですが、
質が均一で軽くてその上問題が出にくい!
確かに!
そうでなくとも、チェロは楽器としてかなり作りの難しいものです。
かなり雑音の多い楽器が多いのです。
ウルフ音など普通に。
チェロもヴァイオリンも、30以上の部品が組み合わさって、接着されたり差し込んだり、彫り込んだりしています。
表板と裏板の木も違いますし、その上これらテールピースやペグなどのフィッテイングなどの質も違うものが使われています。
どうしてこうなったかといえば、木の場合一枚一枚で音が違い中には音色の邪魔に、あるいは良い音にならないものまであるとのこと、それならば、いっそ素材の均質なプラステイックに、と作ってみたらこれがなかなかどうして良い音であり、またどんな楽器にも合う!
ヴァイオリンなども最近はこれらのフィッテイングが黒檀を使わないものが本当に増えたのだそうです。
これはフェルナンブーコですね。
ヴァイオリン系の弓の適材として殆どの奏者がこの木の弓を使っています。
たぶん弓に製材して残った材で作ってみたらなかなか良いと、本当なら相当高額の材料が、その残りで作られるようになったのでしょう。
それはそうですね、原木から買ったら、ベンツ1台2台では済まない金額ですから。
何なしろ最高級の弓の材料だけで20万円を超える金額ですしね。
黒檀は比較的どこを取っても、良い振動をします。
ところが、マメ科の紫檀類(フェルナンブーコも紫檀類)は木の周辺部と芯のところでは相当違う振動をします。
二胡の場合、私は周辺部を胴に、本当に希ですが芯の良いところがあれば同じ小葉紫檀でも棹に作ります。
実は、これは昔の花梨の二胡尚ではそのように作られてきているのが多かったような気がします。
しかし最近ではそんな振動のことまで考えて作っているのは、ほんの少しですね。
ですから音は大きく聞こえるけれど遠くに飛ばない、体を震えさせるような振動が無いのです。
実はこのチェロのプラステイックのテールピース。
音が飛ばないような気がするのは、私だけでしょうか?
確かに楽器そのものがとんでもなく良いものならそこまで気にする必要はないのかもしれませんが、、、、、
光舜松脂は音が遠くに飛ぶように弓の技術を上げやすいのがウリですが、このプラステイックでは、、
これは私の気分だけなのかどうか?
この50年前の小葉紫檀でテールピース作ってみます。
それと比べてみようと考えています。
そうそう、今度関西にはその小葉紫檀と、それに匹敵する埋蔵紫檀の二胡持って行きます。
試し弾きに来てください。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ


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