二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

コンマ1ミリの奈落。終わり。

2012-05-18 09:36:10 | ■工房便り 総合 
二胡は楽器です。

いわゆる民族楽器の中では飛びぬけて、楽器としての完成度は高くかなりヨーロッパの楽器群に近い物の一つです。

民族楽器の特性というのがあります。

そのほとんどが、量産されていないという事。

そのすべてがハンドメイドであると言う事。

そして、定型というのが無いという事でしょう。

そう言う事から言うと、二胡はその大きさなどがかなり決まっていて、完成度が高いのかもしれません。

初期の頃はバイオリンも、ボディーに象嵌や装飾が施されていたりもしましたが、楽器としての完成度が上がるごとに、音を出す以外の装飾というのは取り払われていきました。

もちろん今でも装飾的なバイオリンというのは作られてはいますが、楽器としての性能よりも工芸品としてのバイオリンです。

楽器として、その音の鳴りというのにこだわった時、例え1ミリコンマ1ミリの違いでも無駄な物にはしたくないのが、楽器作りです。

ここで問題は、楽器自体が、天然の素材で出来上がっている事です。

黒檀や紫檀のように緻密な木目を持ったものは、年輪の幅一つ一つが音に影響します。

影響すると言う事は解っていても、それらが、他の部材、例えば、二胡で言えば、蛇皮などとの関係が、はっきり分かっているというのが無いのです。

バイオリンや、ギターなどの振動板のスプルスの木目の細かさは、細かければ細かいほどよいとされていますが、それが、側板とどのように影響しあうかなどというのは解ってはいないのです。

バイオリンなどはもうすでにその大きさなどは、殆ど確定しています。

ビオラはその確定された大きさというのはまだないのです。

楽器それぞれに大きさが違ったりもします。

二胡の場合、蘇州系は蘇州系でサイズ等はほぼ確定されています。

ところが、素材はバラバラなのです。

黒檀も紫檀も蘇折れぞれに10種類以上のものが使われています。

それぞれに、


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2 Comments

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やすぞーさん (nishino)
2012-05-18 22:08:55
そうですね、弦によっても太さも粘りも硬さも違いますから。

そして、木軸も基本的には10ミリなのですが、材料によってはその弾力と弾みが違いますから、

そして、皮の厚みというのも大きく影響します。

ドイツの、弦はかなり厚い皮出ないと対応しきれないと思います。

弦の弾んだ時の応力の問題になります。

これらが、複雑に組み合わさると、もう無限大の変化が出てきます。

という事で答えは、やってみなければわからないという事になっていしまいますが

硬い木には強い弦、柔らかい花梨等には、柔らかい弦が良さそうですね。
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1つ疑問が… (やすぞ~)
2012-05-18 11:07:07
この項で、ふと思ったのですが、楽器としての二胡における千斤と駒の距離は、構造上での理想ですよね?
で、気になったのは、弦です。
お琴の様に同じ太さの弦を『じ(漢字は柱でしたっけ?)』でもって、振幅幅を決めるなら分かるのですが、二胡の弦はそれぞれで太さが違います。
これはギターやバイオリンと同じです。
しかし、後者は距離が決まってます。
では、二胡の弦はいったい振幅幅何ミリを想定して開発されているのでしょうか?
調弦で変わるのは当たり前としての、その弦特有のポテンシャルを100%引き出す距離があるように思えてきました。
コンマ何ミリで弦も表記されてますが、大体の傾向として、距離を短くすれば(手の小さい方)太目の弦が良いとかあるんですかね?
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