二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二つ目の共通点。

2010-04-23 21:38:43 | ■工房便り 総合 
蘇州、北京とも、花窓に近い最後部が、薄くなっている。

此処は、高音のポジション。

高音は、周波数が短いし、音の振幅幅も小さくなる。

理由は私には、解らないが、後ろから40ミリのところまでが、高音のでるところ。

此処の消すり方一つで、高音がでるかでないか決まってしまう。

ついでに言うと、真ん中のあたりが、低音部分得御受け持つようだ。

音全体の、ボリュウムは、皮の面積と、その皮の張ってあるところの形状が、大きく影響する。

全体としてなってはいるのだが、真ん中あたりの厚みは、低音を形造り、

後ろの、厚みが高音を形造る。

この3ケ所の削りのバランス。これが二胡の音を作る。

まえにも、言ったが、これは、材質によっても、それぞれ、変わる。

また、胴を構成する6枚の板が、同じキー音を持つように削らない限り、雑音となる。

拍子木と同じ。

基本的には、製材の段階で、一枚の板から、同じ6枚を取るのが一番同じ音になりやすい。

最初から、1セットとして、製材するべきだろう。

また内部を削る時、刃物で削ったとしても、出来うる限り、細かい、刃の後が残るように
削る。

あるいは、紙やすりで言えば60番くらいの、比較的荒いやすりを使い、

木目に対して、直角方向の荒らしをするべき。

あるホームページで見たことが有るが、決して、表面と同じように仕上げてはいけない。

理由は、音にふくらみがなくなる、演奏している、その音だけが際立ってくる。

一音一音が際立ち、次につずく余韻がなくなる。

ある意味、小さな、エコー現象がなくなる。

二胡独特の、揺れる音作りが出来なくなる。

全ての弦楽器は、その内部の荒らしかたによって、音にふくらみと、幅と、奥行きが出る。

だから、各楽器制作者は、此処に自分の、音楽のセンスを、注入する。

幸いにも、二胡の場合、組みあがって、弦を張ってから、後ろから作業できる。

バイオリンや、三味線など、閉じられた楽器は、一発勝負になるので大変。

外側の削りだけで、調整する以外にない。

これらのことを考えると、量産品の物は、よほど縁と運に恵まれない限り、

良い楽器に、出会いにくい。

かと言って、私が今までに弾いた数万円のクラスの二胡の中にも、これはと、思うような

鳴りをする楽器にも、出会える。

それは、たまたま、6枚の板のキー音が整い、たまたま、うろこは小さいが厚みのある皮が張ってあるという場合だろう。

(鱗は、決して、大きいほうが良い音がするわけではない。鱗が大きいのが良いというのは、迷信、このことは近いうちに書くつもり)

多分、数千台に、一台かもしれない、でも、それがまた二胡という楽器の面白さかもしれない。

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