二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡作りの勧める良い二胡の選び方。

2010-04-24 19:39:47 | ■工房便り 総合 
二胡を習い始めた時は、ともかくとして、有る程度、弾けるようになってくると、

二胡そのもののことが知りたくなる。

ある程度経つと、二胡友もでき、あのお店に行くとこんなものが有る、とか。

あのブログ読んでいたら、こんなことが書いてあった、とか。

良い二胡とは、と様々な、情報をウェブで調べたりする。

まあ、先生が選んでくれたんだから、そんな悪いものではないか、と、納得したりもする。

そこで、私、二胡作りが、自分で作ったうえでの経験を、披露しよう。

やっぱり、まず皮。

「鱗は、大きければ大きいほど、良い。」

これは、間違い。

ホントに鳴る皮は、そんなに、鱗は、大きくはない。

なぜなら、良い皮は、十分な厚みが有ること。

縦、横の、伸び率が、比較的均等なこと。

ある程度の厚み(1,5ミリ前後)が有ると、低い音高い音、両方の音を十分に拾い出す。

蛇の皮の中で一番厚いのは、肛門よりお腹にかけての、背中の皮。

二胡に作って、3,4台。

蛇は、子羊一匹、丸のみしたりする。

普段は、直径15センチくらいだとして、食べた時には、50センチくらいにも皮は伸びてしまう。

確かに、お腹のあたりの、鱗は大きいし厚い。

しかし、二胡の胴に張り込む時は、思い切り引っ張るわけだから、鱗も大きくなるが、

薄くもなる。

皮の一番厚いのは、後ろから60センチくらい、尻尾に近く良く動くのと、

食べるときにも、伸びない。

勿論、鱗も大きく、厚みも十分という皮もある。

それは、10年以上も生きた、長さ9メートルもあるようなもの。

それにしても尻尾に近いやはり3、4枚。

皮やさんに聞くと、今の皮は、全て養殖。

効率から言って、だいたい5、6年で、皮にしてしまうそうだ。

でないと、とにかく羊一匹とか言う食べ方をするわけだから、餌代の方が、懸ってしまう。

また蛇は、面積で販売される。

だから、皮を取ってすぐ、なるべく面積を広げようと、養殖やさんが、広げてしまう。

これをやると、細胞が破壊されるのと、薄くもなる。

どこの、だれが言い出したかしれないが、大きな鱗が、良いとされ、見栄えもあるのだろうが、お客が、そう望むので、大きな鱗に、作り上げてしまう。

お陰で、みばえは良いけど、ということになる。

大きな鱗の二胡は、音に奥行きが、感じられない。

さらに悪いことには、

「二胡は、2、3年弾き込まないと、良い音にならない」

と言われる。

確かにできたての、二胡(どんな弦楽器も)は、音が若い。

「若いのと、鳴らないのとは違う。」

このように、楽器屋さんに言われると、みんな納得するしかない。

鱗の大きさ気にしないで、とにかく、弾いてみればよい。

また、次のような、選び方もある。

二胡の後ろから光を透かしてみる。

何台か比較して、見ると解るが、比較的暗いものは、皮が厚い。

それと、明るいものと、弾き比べてみると、いい。

また、皮に触ってみるのも、良いかもしれない。

人の手は、厚みの違いを、見分ける。

確かに、鱗が大きく厚みのあるものも、在る。

それは多分、相当な、高額のはず。

二胡は、皮で、鳴りが違うというのが定説になっているから。

でも、私の意見では、3割、皮、7割が木と考える。

なぜなら、皮は消耗品、長くて20年、短ければ10年。

三味線や、三線など破れることも、多いし、プロは5年くらいで張り替える。

なにせ、生皮だから、伸びても来るし、痛んでも来る。

今からの、これは問題。

もしかしたら、10年くらい使っている人は、そろそろ張り替え時期に来る。

このこと、みんな考えているのかしら、どうするのだろう、張り替え。

今、皮張り替えられる楽器屋さんは、2軒、きり日本にない。


光舜堂では、皆さんに、4メートルの、本物の、錦蛇の皮、お見せすることにしよう。

触ってもらえれば、今の私の意見に納得してもらえるだろう。


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