けろろの「浜あるき・野良あるき」

漁あるところ、農あるところへ、風土のにおいに誘われて、いそいそ出かけています

長崎・松浦市の青島

2011-03-03 02:43:10 | 浜あるき
またまた、「青島」という島に行ってきました。
今度は長崎県、松浦市です。
そして宮崎の青島とは違い、松浦の御厨からフェリーで20分。
80戸、人口250人ほどの、れっきとした有人島です。

同じフェリーに、神主さんと市の移動図書館「きらきら号」も、同乗していました。
フェリー待合所にあった、島内案内板。「by青年団」が、いい味出してます。

  

小型定置網漁、ハーブをエサにしたサバやアジの養殖、いろんな漁業がさかんです。
それから、タコ壷漁もきっと! みごとに美しいタコ壷です。
素焼き壷が最近減っていて、こんなぜいたくな光景に、“タコ壷フェチ”のわたしはうっとり

  

松浦市は、広域13地区でネットワークを作り、体験観光での地域振興をはかっています。
「松浦党 ほんなもの体験」という看板で、本物の漁業体験、農業体験をアピール。
青島は、13地区の中で、漁業体験を最初に始めた地域なのです。

島内の協議会役員で、修学旅行のとりまとめをしている、民宿のお母さんにお会いして、
いろいろとお話を聞きました。
ご親切に、島内案内もしてくださり、最後に港での別れでは、
遠ざかる船上のわたしに、ずーーーーーーーーーーーっと、手を振ってくれました(泣)。
これが、偽りのない島のもてなし。…ぐっときました。

青島の海女さん

2011-03-03 02:42:30 | 浜あるき
長崎・松浦市の青島で、海女さんを紹介していただきました。
68歳の、現役バリバリ。島内には、海女さんは4人残っているそうです。
長崎では、冬にアワビ、サザエ漁の素潜り漁が解禁に。
さすがに南。でも、やっぱり冬の海。寒いだろうな~。

これが、見せていただいた、“海女の七つ道具”です。



お話を聞いたこの海女さんは、船舶免許をもっていて、自分で船を出して沖で潜るそうです。
船上に、火をたいて温まれる道具立てが作ってあります。
で、時化で沖に出られないときは、トラクターに乗って磯へ。トラクターっていうのが、またカッコいい!
海女道具一式と、焚き火の薪、お弁当などを積んで行くそうです。

  

また来ます。今度は、一緒に海に潜らせてくださいね!!
そうお願いして、お別れしました。

もてなしの島

2011-03-03 02:40:28 | 浜あるき
もいっちょ、青島の話題を。

「あ、今日は○○さんちのおばあちゃんの、四十九日だ。行ってみましょう」。
島の案内をしてくださった、民宿のおかみさんに連れられ、「ごめんくださ~い」。
いきなりすいません。
家の中はきれいに片付いていて、立派な祭壇がどーんと飾られています。まずは手を合わせて、と…。

前の晩から仕込みをして、朝から近所や親戚のおばさん(おばあさん)たちが手伝って、
すんごい御馳走が並んだところでした。うわ、ラッキー! 
精進なので、魚と肉はナシ。でも、煮物、天ぷら、サトイモの白和え、ちらし寿司…、あ~、何たる至福の光景。

珍しかったのは、海藻のお料理。
左が、イギスという海藻を煮溶かして固めた寒天みたいなもの。
右の黒いのは、カジメという海藻の味噌漬け。
カジメは一度干してから、筒状にしっかり巻き、味噌、しょうゆ、砂糖に漬け込むこと3年。
これが、ごーーっつい美味い! コンブとはまた違う、独特の香りと歯ごたえです。
思わず、「白いご飯いただけませんか~?」。

  

島はどこでもそうかもしれませんが、青島には日常生活のなかに、
神事や信仰にかかわる年中行事が、しっかり残されています。

玄関先には、ユズリハにお餅とアワビの切り身(ナメクジじゃないですよ。同じ貝類だけど)。
これも、決められた日のお供えの風習。
ちなみに、青島のお正月のお雑煮は、焼きアゴ(トビウオ)出しに、丸もちとアワビの切り身だそうです。
おじゃましたお家の天井にも、不思議なものが。魔よけのおまじないだそうです。

  

青島は、本当に、すばらしく奥深い。
ニッポンの、こころのふるさとが、この島にはあります。