ビタミンP

苦心惨憺して書いている作品を少しでも褒めてもらうと、急に元気づく。それをトーマス・マンはビタミンPと呼んだ。

英国では、感染して入院した人の約40%が、少なくとも1回は接種を受けていた

2021年07月30日 19時26分02秒 | Weblog

「ブレイクスルー感染」、デルタ株で予想以上に増加か
(2021/07/30(金) 17:00配信 Forbes JAPAN)


 各国で接種が進められている新型コロナウイルスのワクチンは、高い割合で重症化を防ぐことが確認されている。だが、感染そのものを「完璧に」防ぐわけではない。

 実際のところ、2回のワクチン接種を完了しても起きる「ブレイクスルー感染」は、これまで考えられていたより多く発生している可能性がある。新たに出現した変異株、特に現在各国で優勢になっている「デルタ株」は、より多くのブレイクスルー感染を起こしている恐れがある。

 これが重大な問題なのかといえば、答えはイエスだ。まず、ブレイクスルー感染した人が重症化する可能性は、ゼロではなない。英国では7月20日、感染して入院した人の約40%が、少なくとも1回は接種を受けていたとする調査結果が公表された。

 また、オランダでも12日からの1週間に入院した人のうち、少なくとも14%が接種を完了した人だったと報告されている(75%は未接種、11%は発表時点で不明)。どちらも、デルタ株がワクチンに対し、いくらかの耐性を持つ可能性があることを示唆するデータだといえる。

 ブレイクスルー感染が起きていることのもう一つの問題点は、接種完了後でも感染すれば、本人が重症化しなくても、または無症状でも、他の人に感染を広げる危険性があることだ。

 オランダのウイルス学者らは先ごろ、複数の医療機関に勤務する接種完了者を対象に調査を実施。これらの人たちが再び感染し、未接種、または1回しか接種を受けていない同僚たちに感染を広げていたことを明らかにした。

 それだけではない。感染は接種を完了した人たちの間でも起きていたという。新たに感染したのは大半が未接種の人だったというが、ブレイクスルー感染した人が感染を広げるリスクがあることは、確認されたことになる。

 これが意味するのは、デルタ株は私たちに、恐るべき難題を突き付けているということだ。(米ファイザーやモデルナなどが開発した)mRNAワクチン、(英アストラゼネカなどが開発した)その他のワクチンは、重症化を防ぐという点で高い有効性を維持している一方、感染の拡大を防いではいない。

■「ワクチン頼み」では対応できない?
 イスラエルは先ごろ、ワクチンが感染者の重症化を防ぐ効果は88~91%とする調査結果を発表した。約4カ月前に公表された数値と比べて低下はしているが、大きな差ではない。

 一方、感染を防ぐ効果は、大幅に低下していた。7月上旬に同国の保健省や英国、シンガポールで公表されたデータでも、同様の変化が示されている。

■いま求められることは──?

 ジョー・バイデン米大統領は21日、ブレイクスルー感染の問題について尋ねられ、「起きる割合は非常に小さい。感染しても、生命を脅かすようなものにはならない」と答えた。そしてメディアは大半が、データに矛盾するこの見解を、そのまま伝えた。米紙ニューヨークタイムズもこの翌日、「ブレイクスルー感染の発生は“比較的まれ”」だとする記事を掲載している。

 だが、実際にはブレイクスルー感染は、珍しいことではない。オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM、米疾病対策センターに相当)の発表でも、同国で7月上旬の1週間に確認された陽性者のうち、9%はワクチン接種を完了しており、14%は1回の接種を受けていた。

 同国でワクチン接種を完了した医療従事者のその後の感染状況について調べたウイルス学者らは、屋内の公共スペースではワクチンを2回接種した人にも、マスク着用とソーシャルディスタンスの確保を求めるべきだろうと指摘している。

 米疾病対策センターは27日、各地で感染者が再び急増していることを受け、マスクの着用に関するガイドラインの見直しを実施したと発表。こうした地域では、屋内では着用するよう呼び掛けている。

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