「北の山・じろう」日記

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ドネツク州アウデイーイウカ戦線北部、ロシア軍がノボバフムテイフカとソロヴィオーヴェを制圧した模様<ウクライナ紛争2024.04.26

2024-04-26 20:28:24 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

2024.04.25
ロシア軍がソロヴィオーヴェを占領、ノボバフムティフカで隊旗を掲げる
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-troops-occupy-soloviove-and-raise-their-flag-at-novobakhmutivka/

アウデイーイウカ戦線北部防衛の要の拠点である、オチェレティネ(オケレタイン)Ocheretyneをロシア軍が制圧した効果は、絶大でその後1日か2日で南のノボバフムテイフカNovobakhmutivkaをロシア軍が制圧しました。
更に1日後、その西のノヴォポクロフケNovopokrovs'keを制圧しました。
ロシア軍がオチェレティネ(オケレタイン)Ocheretyneを制圧する段階からウクライナ軍の撤退が目立ちましたが、ノボバフムテイフカNovobakhmutivkaとノヴォポクロフケNovopokrovs'keでは、ほとんど戦わず撤退したようです。

これは現地の部隊指揮官が勝手に判断して撤退していると思います。上部司令部の命令を無視していると思われますので、ウクライナ軍の指揮命令系統は部分的に崩壊していると言えます。

むしろロシア軍の方が追撃する部隊がいなくて困っていると思います。それほどウクライナ軍の逃げ足は速いです。

この2拠点のウクライナ軍は、西のソキルSokil方面に撤退したようです。
こうなるとロシア軍は、南西方向のウクライナ軍の拠点のノヴォポクロフケNovopokrovs'keに向かって進撃すると予想されます。
ここが陥落してしまうと❓

中央で戦っているベルデイチBerdychiとセメニフカSemenivkaのウクライナ軍は、補給路どころか撤退路を失います。
もうすでに中央付近は、ゴミ捨て場のような土地ですが、ウクライナ軍は湖の西に撤退しなければ、やがて包囲されます。
現地の指揮官がバカでなければ、上部の司令部の許可がなくても撤退すると思います。包囲されれば全滅か降伏です。

何故こうなったかを考えてみると、やはりアウデイーイウカ市街の防衛部隊を使い捨てにして見殺しにしたのが、大きく影響していると思います。
撤退命令を出さなかったために市街にいた部隊は、相当数が捕虜になったか戦死していると思います。
市街の西にいて自分たちの判断で勝手に撤退した部隊以外は、撤退できなかったと思います。

それは、アウデイーイウカ戦線にいる全部の兵士や指揮官が知っています。
同じ目に会うなら自分たちの判断で撤退する部隊がいても不思議では、ありません。

しかも、ここだけではありません。

ルートE-50のベルヴォマイズケPervomais'keの先までロシア軍が進撃したために、その南のウクライナ軍の突出部が包囲されかかっています。
ここでも1部隊が、勝手に撤退して残っている部隊が包囲される寸前でした。これは、数日前の話です。
残された部隊が撤退していなければ、もう包囲されていると思います。

これらの事が示しているのは、アウデイーイウカ戦線のウクライナ軍は崩壊しかかっていると言うことです。

更にアウデイーイウカ戦線の西の方を見ると防御に適した集落や地形がありません。
ウクライナ軍が、ロシア軍の進撃を止めるのはかなり難しいように見えます。
抗戦して一時的にロシア軍の進撃を遅らせて、徐々に西に撤退を繰り返すしか方法が、ないように思います。

ウクライナ軍が、ある程度強固な防衛ラインを作れそうなのは、州境に近いポクロウシクPokrovsk周辺しかないように思います。
この付近を要塞化して防衛ラインを作るにしても、今から突貫工事で始めないと間に合わないかもしれません。

全部の戦場を維持しようとするウクライナ軍の欠点が、モロに出ていると思います。
全部を守ろうとするから全部が疎になり不利になります。
戦場の取捨選択をして戦線を縮小して、ウクライナ軍の数を増やさないと守り切れない現状を理解していないようです。
現在は広すぎる戦域を少ないウクライナ軍が守っている状況です。普通に無理です。
(理解していないのは、ゼレンスキーです。)
そして前線の後方に防衛ラインを作ることもしません。
(人手や資器材の不足で、事実上出来ません。)
都市や集落のまばらな地域では、防衛の拠点すらありません。
アウデイーイウカの西側は、ポクロウシクPokrovskまでこんな地形が続いています。

ウクライナ軍の参謀本部が、それに見合った対策を立てないとロシア軍が、ずるずるとポクロウシクPokrovskまで進撃する可能性が出てきたと言えます。

※現在、まだ地面がぬかるみから固まっていないと思いますからロシア軍が本格的な軍事行動を起こすのは、5月に入ってからだと思います。
おそらく旅団までは行かない程度の部隊に、ウクライナ軍の守備部隊が蹴散らかされているようでは、ロシア軍が本格的に攻撃を開始したら、ほぼ防戦不能なように思います。
防戦する前に各部隊が自己判断で撤退するかもしれません。そんな心配が起きてくるアウデイーイウカ戦線北部の現状です。


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次④
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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