「北の山・じろう」日記

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クルスク侵攻作戦は、ウクライナ紛争の大きな転機になりつつある<2024/09/12

2024-09-12 13:52:36 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

2024.09.11
ロシア軍の反撃、ウクライナ軍部隊がクルスク方面で包囲された可能性
https://grandfleet.info/category/war-situation-in-ukraine/
これは航空万能論の最新記事です。
しかし7月ごろの記事から見ていくとはっきりした傾向が見えます。
それを書く前にクルスク侵攻作戦が何故考え出され実行されたかを推測してみます。
これについては、未だに誰も納得のいく答えを出していません。キエフ政府の後付けの理由があるだけです。

この前にロシア軍のハルキウ州北部侵攻がありました。
電撃作戦と言ってよいスピードでかなりの面積をロシア軍が占領しました。
これを許したウクライナ軍への批判は、ウクライナ国内では非常に大きかったです。
更に本来建設されているはずの防衛ラインは、汚職と手抜きでほとんど建設されていませんでした。
両方合わせた批判は大きく、この頃ウクライナ国内では停戦論が語られるようになりました。

キエフ政府は、集められるだけの部隊をハルキウ州北部に送り込み、同時にゼレンスキーはロシア軍を国境の外に叩き出すことを宣言しました。
ところが戦況は持久戦になりゼレンスキーの宣言は実行できる見込みがありません。

個人的には、ロシア軍のハルキウ州北部侵攻を易々と許した不手際とそれに伴い浮上した大きなキエフ政府批判と停戦論を封じるために、クルスク侵攻作戦を考え付いたと思います。
いわばゼレンスキーとウクライナ参謀本部への批判をかわすための作戦です。
目的は単にそれだけですから軍事的合理性も明確な軍事目的もありません。

つまりゼレンスキーとウクライナ参謀本部が自分たちの大失敗を隠すためにクルスク侵攻作戦を考え実行したのだろうと思います。
『※これは、あくまで私の個人的な推測です。』

しかし予備兵力の枯渇しているウクライナ軍が、この作戦を実行するためには準備も必要です。数か月前から準備したと言っています。
その準備のために主に東部戦線から戦闘力の強い機甲部隊を中心に部隊の引き抜きを行いました。
東部戦線の事など考えていません。

その部隊の引き抜きが始まったであろうころから、特にトレツクТорецьк~ニューヨルクNiu-York方面とポクロウシクPokrovsk戦線でウクライナ軍の劣勢が酷くなりました。

トレツクТорецьк~ニューヨルクNiu-York方面では、トレツクで市街戦が継続中で、更にロシア軍はその北部にも進撃を始めました。その動きに呼応してバフムトのロシア軍は、バフムト南西方面で占領地を拡大中です。

面積の広いポクロウシクPokrovsk戦線では、状況は更に壊滅的で戦場は、中部ドネツクの西部に移動しました。(ウクライナ軍が西部に押し込まれました)

ドネツク南部では、各方面でロシア軍が進撃を始めています。

どれもクルスク侵攻作戦のために各戦場から戦闘力のある部隊を引き抜かなければ、防げたことだと思います。
クルスク侵攻作戦のために予備部隊をほとんど投入してしまっていますので東部戦線の戦況が、どう悪化しようとウクライナ軍は増援部隊を送ることが出来ません。

つまりクルスク侵攻作戦を実行したために、東部戦線全体の戦況が悪化し、トレツクТорецьк~ニューヨルクNiu-York方面とポクロウシクPokrovsk戦線では、ほぼ敗勢と言えます。
これが、たった2か月程度で起きた東部戦線での戦況の悪化です。

しかもここに書いただけではありません。

Hara Blog
http://hara.livedoor.biz/
ロシア側の情報を、そのまま伝えるHara Blogによると南部のヴフレダルVuhledar方面も相当、戦況が悪化しています。

バフムト北部では、ロシア軍がスラビャンスクСлов'янськに向けて進撃を開始したと伝えています。

これまで余り動きのなかったリマンЛиман~クレミンナ方面でもロシア軍が活動を活発化させたようです。

クピャンスク東岸方面では、ロシア軍がピシュチャネPishchaneの突出部を拡大しつつオスキル川Oskil Riverに向かって進撃しようとしています。

東部戦線を穴の開いたバケツに例えると、ほぼ全部の穴からロシア軍が、漏れ出たというのか進撃しています。
こうなってしまえば、予備部隊の枯渇しているウクライナ軍は対処のしようがありません。

これがクルスク侵攻作戦を実行したために東部戦線で起きていることです。
クルスク侵攻作戦には、軍事的合理性も明確な軍事目的も全くないことが分かります。

単なるゼレンスキーの延命のための作戦であり、そのために実行されました。
その結果、東部戦線全域でウクライナ軍は劣勢になり、戦場によっては敗勢に陥りました。
この意味でクルスク侵攻作戦は、ウクライナ紛争の大きな転機になると思います。
ウクライナが敗北するとすれば、クルスク侵攻作戦が直接的な原因になると思います。


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑥
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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