天台寺門修験

修験道の教義は如何に

修験第百十二号 新編寺門天台宗学読本(2) ―第一編 ―

2014年08月16日 13時22分11秒 | 新編寺門天台宗学読本

 

  第二章  宗学の組織

 第二節  教観二門

 教観二門

 既(すで)に圓(えん)の三学(さんかく)が宗学(しゆうがく)の根本(こんぽん)をなす体系(たいけい)であるとするならば、宗学には大約(たいやく)するに自(おのづか)ら二方面(にほうめん)が存(そん)することを知り得(う)るだらう。即ち一つは哲学(てつがく)で理論問題(りろんもんだい)の方面であつて、恵学(ゑがく)がこれにあたる、則(すなは)ち教理門(けうりもん)であります。また一つは定学戒学(ぜいがくかいがく)の学で価値(かち)の問題を中心とした観行門(かんげうもん)がこれであります。


修験第百十二号 新編寺門天台宗学読本(2) ―第一編 ―

2014年08月16日 09時52分59秒 | 新編寺門天台宗学読本

 

 第二章 宗学の組織

 第一節 圓三学

 三学一源

 禅定(ぜんぜう)であつて、実践観法(じつせんかんはぶ)の宗教であり、恵学(ゑがく)は眞理(しんり)を知識する哲学の方面であります。この三学は互(たかひ)に対立し孤立(こりつ)してゐるものではない、圓頓三学(えんどんさんがく)は阿字実相(あじじつそう)なる統一原理(とういつげんり)に一源(いちげん)してゐ三即(そく)一・一即(そく)三の関係(かんけい)に於(おい)て成立してゐる。この三学一源(さんがくいつげん)は三学具足(さんがくぐそく)ともいひ、完全に佛教の総(すべ)てを把握(ひあく)した最高の教法(けうほう)を意味して、宗学(しゆうがく)の根本体系(こんさいたいけい)をなすものであります。これ寺門(じもん)に於て成佛(せうぶつ)なる絶対的人格完成(ぜつたいてきじんかくかんせい)に関しては、至高(しゆかう)なる道徳的(だうとくてき)、宗教的、哲学的教養を全(まつた)うする圓三学(えんさんがく)を具備(ぐび)するを必要とするを強調(ちやうてう)する所以(いぇん)であります。