SIDEWALK TALK

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古武士の碑

2013-03-29 10:13:25 | うんちく・小ネタ
Matabei久しぶりに山口に出張した。
かつては週イチで訪れていたのだけど、
最近は数ヶ月に1度という程度になっている。


萩市から山陽小野田市のお客さまに向かう途中、
道路脇に「来島又兵衛 生誕之地」という案内板が設置されていて、
以前からずっと気になっていた。
けど、さして広くもない市道だし、駐車場も見当たらないので、
ずっとスルーしていた。


今般、思い立って、立ち寄ってみた。
何の変哲もない。
鳥居があるから、ここは神社なんだろうか?
石碑の横にこぢんまりとしたお堂らしき建物があるのみだった。


幕末史に興味がある人なら、
来島又兵衛は馴染みのある名前だろう。
なんとなく愛嬌を感じる人物だ。
当時の最先進藩の長州にありながら、
戦国絵巻から抜けでてきたようにな猪武者で、
藩内にあって京都進軍を猛烈にアジテートした。


古武士然としていたのはその性格だけじゃなく、
禁門の変では風折烏帽子に先祖伝来の甲冑という
戦国武者さながらの出で立ちで出陣した。
その最期は、銃弾に胸を打ち抜かれ、
敵の手で死ぬことを潔しとしなかったのか、
自ら槍で喉を突いた後、首を刎ねられ絶命した。


高杉らからは敬意とユーモアを込めて
「御老人」などと呼ばれていたようだが、
享年は47歳にしか過ぎない。
若いころ江戸留学なども経験してるから、
単なる田舎侍じゃなかったと思う。
藩の要職も歴任している。


生誕地が山陽小野田市だったとは、意外だった。
藩庁のあった山口にも萩城下にも遠く、
どういう機微で藩に見出されたのだろうか?
何の変哲もない「生誕之地」は、
その素朴さ故に古朴な又兵衛が忍ばれて、
僕はしばし漫然とその場に立ち尽くした。

つくしんぼ

2013-03-25 15:21:49 | 写真
Horsetail朝晩は冷気を感じることもあるけど、
ここんとこ日中はぽかぽか陽気、
めっきり春めいてきた。
会社敷地内の一本桜も満開に咲き乱れてる。


会社のお花見の予定を4月8日と早々に発表してしまっている。
お花見は意外と寒いので少しでも暖かくなってからという配慮と
肝心の仕事の納期とかを考慮しての開催日決定だったんだけど、
完全に時機を見誤った。
ま、花より団子だから、これでいいのだ!


会社内の奥は原木置き場、いわゆる土場になってるんだけど、
土場のわずかしかない土の部分につくしが芽吹いていた。
そのことに初めて気づいた。
おそらく昨年以前も生えてたんだろうけど、
まったく知らなかった。


つくしを実際に見るのは久しぶり。
20年ぶりくらいだろうか?
桜の「どうだ!春だぞ」っていうこれ見よがし感もいいけど、
野辺にひっそり芽吹いたつくしも春を仄かに感じられて気分がいい。
ガラにもなく、ほっこりした...

男前女子

2013-03-22 14:50:48 | うんちく・小ネタ
Joshikai僕にはガールフレンドというか、
女友達が数人いる。
男女間に友情は成立するのか?
という議論があるけど、
若い時分も含めて、
僕は彼女らに恋愛感情を抱いたことはない。
向こうもそうだろう。
だから、友情は成立すると思っている。


僕のガールフレンドたちに共通してるのは、
そこいらの男よりもずっと男らしいというところ。
いわゆる「男前女子」なのだ。
ある女子は事業を起業し、
ある女子は母親になり、
ある女子は今もシンガーであり、
さらにある女子は何やら小難しい化学系の特許を取ったりしている。


僕には子どもがいないから、
PTAなどでお母さんたちと交わる機会はない。
が、先日、世間のしがらみで、
ある母親同士の仲裁というか、板挟み状態になったことがあった。
どちらかに非があるわけじゃなく、
双方わが子を思う故の相反だった。


正直、閉口した。
僕が付き合いがあるのは竹を割ったような男前女子ばかりだから、
思いもしない言動にたじろいだ。
弟などは身の丈もわきまえずPTA会長を拝命しているらしいが、
こういうことは日常茶飯事なんだろうか?
だったら、僕などはとうてい務まらない。


君子危うきに近寄らず。
僕はひたすら、男前女子と付き合っていくことにした!

真の自在

2013-03-17 09:40:28 | 佐野元春
Zooey_master僕にとっていつもそうだが、
佐野元春の新作を聴くときの瞬間のうれしさは例えようがない。
アルバムをプレイヤーにセットすると、
不思議とそこだけ空気が透きとおってくる。


このひとはいつもGraceを胸に抱き、いわば恭謙な姿でいる。
シャツの裾を引っ張って身繕いをし、ライオンのように漫歩する。
目が合うと、口をすぼめて微笑する。
ロックグレイツになった今も、
ことさらに自分を大きくみせることはなく、
むしろ慎重に自分の実像を発信しようとしている。


新作『ZOOEY』が届いた。
佐野元春の、というよりロックンロールの歴史が凝縮されたような作品だった。
エルヴィス、モータウン、ビートルズ、スカ、フィル・スペクター、ブルー・アイド・ソウル...
縦横無尽、変幻自在なサウンド・プロダクションに息を呑む思いがした。
元春流 Wall of Sound のひとつの到達点、
奥行きのあるバンドサウンドが心地いい。


リリックは、「愛」や「命」にまつわるラインが数多く採用されている。
すべてを3.11に結びつけることは、佐野さんの望むところではないだろう。
人生を重ね、様々な恋愛を経験し、
得たりな失くしたりを繰り返しながらも、
ひたむきに前に進み続ける。
そんな知性と自由をオプティミズムの薄皮に包んだ人びとへの賛歌だ。


佐野元春は、茫漠としたロックンロールの荒地をずっと歩き続けている。
そういう太虚そのものの空間を歩くのに、この人ほど似合う人はいない。
逞しげでもなく、弱々しげでもなく、低回するわけでもなく、目的に向かって急ぐわけでもなく、
かといって、足を瞬時もとどめない。


刻々矛盾の中にいながら、刹那に矛盾を解き明かし、
つねに明るく自己を解放している。
「自在」とは本来禅語だが、
つまり佐野さんはいつも自在の中にいるのである。
新作『ZOOEY』を聴いて、
佐野元春はいつだって僕らの味方だということを再確認した。

Working Saturday

2013-03-16 10:06:47 | 健康・病気
Saturdayウチの会社は変形労働時間制でシフトしていて、
土曜日は営業したり休みだったりする。
毎年この時期、夏に向かって繁忙期に入るから、
今日からお盆まで、土曜日は毎週営業することになっている。


社員さんは大変だろうけど、僕は休みをもてあます方だから、
売上云々と関係なくありがたい。
予定のない休日は、自堕落な潜水生活に陥ってしまうのが関の山だからだ。


その潜水生活はこんな感じだ。
オッサンになったから朝寝坊はしないんだけど、
まず日課である朝のワークアウトをサボる。
朝っぱらからビールを片手に、映画をみる。
ポテチやチョコなどを肴に飲むから、それが昼飯(ブランチ)になってしまう。
そして案の定、寝落ち。
夕方、目が覚めて、風呂に入って、晩飯でまた一杯。


うん、やっぱ仕事の方が断然いい。
そんなこんなで、夏まで社業に励もうと思う。


この先へもっと!

2013-03-13 09:39:34 | 佐野元春
Zooey_amazon火曜日、僕は仕事で車を走らせることが多い。
幸いなことに、毎週火曜、10時から
「元春レイディオショー」の再放送があって、
道中の慰めになっている。


きのうの再放送は、佐野さん自身の新作『ZOOEY』の特集だった。
先行トラック2曲を含む、6曲が紹介された。
聴き馴染みのある「La Vita e Bella」の解説で、
佐野さんは「3.11以降に書いた最初の曲はこの曲でした」と語った。
なるほど!そういう視点で聴けば、いろんな発見があった。
「この先へもっと」というラインに改めてグッときた。


夕方、社に戻ると、
デスクの上にAmazonのパッケージが置かれていた。
アルバム『ZOOEY』の公式発売日は3月13日、
佐野さんの誕生日に設定されている。
つまり、前日に届けられたことになる。


誕生日にリリースというスケジュールはある種の偶然だろうし、
そういうアイドルまがいのことは
かつての佐野元春ならことさらに避けただろう。
けど今は、そんな衒いも気負いも気取りもない。
これが自然体なのだ。


僕はすぐにでも聴きたい衝動を懸命に抑えて、
そのパッケージを仕舞った。
佐野さんが誕生日リリースを決めたのなら、
僕もファンとしてそれに従う。
それには何か意味があるはずだから...


Happy Birthday! Mr. Moto
夜が待ち遠しい。

春うらら

2013-03-09 08:56:11 | まち歩き
Factoryオッサンになって、ホント寒がりになった。
ここんとこ春めいた陽気がつづいていて、
寒がりやの僕には過ごしやすい日がつづいている。


でも.....、だ。
2~3日まえから目元がかゆい。
若干ではあるけど、鼻づまりもしている。


ついに花粉症になったんだろうか?
と、おののいてるんだけど、
真性の花粉症である嫁さんや経理の子の症状とはちがう感じがするし、
まったく目のかゆみや鼻づまりをしない時間帯も多くある。


ということは.....、あれか。
最近メディアで取り上げられている PM2.5 の影響なんだろうか。
まだまだ研究途上らしいが、
これが花粉や黄砂、光化学スモッグなどと結合することによって、
より悪性の有害物質に化学変化する危険性もあるらしい。


家に引きこもって潜水生活をおくることが一番の対処法なんだろうけど、
今日はホワイトデイのプレゼントを買いに街に繰りだす予定にしてる。
おまけに夜は、気が置けない仲間との「春のうららのジンギス会」という飲み会。
春うららは大歓迎だけど、これを機に真性の花粉症になりはしないかと
戦々恐々としてる今日のこの頃だ。


勝者の呪い

2013-03-05 15:15:30 | うんちく・小ネタ
Tokyo_tower2IOC 評価委員会による、東京の五輪計画の視察がおこなわれている。
空港では動員された小学生が旗を振って評価委員を出迎え、
安倍首相は東京五輪の歌をアカペラで披露し、
猪瀬都知事はさして上手くもないテニスでアピールする。
この光景に、僕は違和感を覚える。


招致合戦を争ってる他国も同じようなことをやってるんだろうが、
評価委員会にそんなにおもねる必要あるのだろうか?
ロビー活動という名目で、
評価委員の妻や子どもの誕生日にバースデイカードを贈ったりしてるという。
へいこらすることが招致への必要十分条件なら、この慣習はバカげてる。


仮に招致に成功したとしても、
勝者の呪いがすべての五輪開催都市に結果として降りかかる、
と憂慮するのはひねくれ過ぎだろうか?
予算超過、プロジェクトの見直し、工期の遅れ、スポンサー収入の見込み違い、
これらを原因とする財政赤字と借金は普遍的なものになっている。
勝者の呪いは、例外ではなく、常態化してるといえる。


開催都市を高額なオークションで決める IOC の意図は何だろう?
招致に成功した都市に呪いがかかり、
素晴らしくはあるが高くつく五輪の開催費用を払う。
このシステムは IOC がその巨大イベントの実際の費用を自分で払わなくて済む
カラクリだと思ってしまうのは、僕の穿った見方なんだろうか。


好き嫌い

2013-03-04 15:00:06 | うんちく・小ネタ
Lobster白状すると、僕はエビが嫌いだ。
かといって甲殻アレルギーなどではなく、
カニは大好物だし、かっぱえびせんもやめられないとまらない。
ま、気分の問題かな。


ガキのころはチョー偏食で、野菜やキノコ類も嫌いだったし、
焼き肉もカルビーとロースだけで、ホルモン系は食さなかった。
オフクロの影響もある。
母はグロ系が苦手で、鶏肝などの内臓系はいうまでもなく、
鶏のから揚げも骨付きは食卓に上がらなかった。
だから、嫌いという以前に、遭遇さえしてなかった。


大人になって、酒を飲むようになって、外食が増えて、
嫌いな料理や未遭遇の食材も克服していった。
なのにエビだけは、今もどうも苦手だ。


けど、このままでいいと思ってもいる。
会席料理や和食店、お寿司やさん、結婚披露宴などにいくと、
必ずといっていいほどエビをフィーチャーした料理がでてくる。
隣席のひとに「エビ嫌いなんですけど、食べます?」とすすめると、
たいがい喜んでもらってくれる。
奇特なひとは「じゃ、代わりにウニをあげます」なんて、
アンビリーバブルなことをいってくれたりもする。


これがネギ嫌いやグリーンピース嫌いだと、こうはいかないだろう。
つまりエビ嫌いは、ひとに喜ばれる「好き嫌い」だと独り合点してる。
おまけに、ウチの奥さんはエビが大好物ときてる。
だから、僕のエビは自動的に嫁の胃袋に運ばれる。
僕のエビ嫌いは、家庭円満にもひと役買っているのだ。


The Price You Pay

2013-03-01 11:55:08 | 社会・経済
Fujisan富士山の入山料徴収について、
静岡・山梨の両県が導入を検討している。
うん、取ればいい。
うろ覚えだが、登山者アンケートでも大多数が容認していた。


登山の道程、山道といえば自然のものだと思いがちだけど、
これはまちがい。
登山道が整備されていない山を登ることは、
よほどの熟練者じゃなければ不可能だ。
ましてや(登山シーズンの)富士山は、ビギナーズラックの山なのだ。


この数字もうろ覚えだけど、
富士山には年間30万人ちかい人が登山している。
ほとんどの登山者が8合目付近の山小屋で一泊して、
翌朝、山頂で御来光を迎える。
この30万人の排泄物処理のことを考えるだけでも、
無料には無理がある。


徴収方法や徴収場所、金額などは議論があるかと思う。
けど、富士山に限らず登山道を利用する人にとって、
入山料は払うべき代償なんだよな。