
僕は飲み屋街で生まれ育ったから、
野草や山菜にはうとい。
嫁さんは安心院という山あいの盆地の出身だが、
これまたこの手の知識はない。
けれど、嫁の実家にいくと、
お義母さんが山菜料理をだしてくれる。
結婚してはじめた食べたタラの芽の天ぷらは、
ホント美味だった。
そして今回、ふきのとうをいただいた。
ふきのとうは、雪解けを待たずに地表から顔をだす。
そう、春を告げる使者だ。
冬眠から目覚めたクマ(九州にはクマはいない)は、
最初にふきのとうを食べるといわれている。
ふきのとうといえば、
天ぷら、ばんけ味噌(味噌炒め)などが代表料理で、
いかにも「和」な感じだけど、
今回はちょっとイタリアンな
ジェノベーゼ風(ソース)にしてみた。
パスタに絡めれば、
イタリア人も「Mamma Mia!」と声を上げるだろう。
トーストにのせても、クラッカーにのせてカナッペにも。
そして、焼いた肉にもよく合う。
カルパッチョにトッピングしてもよく、
意外にも冷や奴にもマッチする。
当然ながら、ワインやビールにも合う。
どんなものでも酒の肴に変えてしまうミラクルソースだ。
この苦み走ったジェノベーゼ風ソースは、
苦み走っただけの男より使い途が多い。
役立たずの僕などと比べると、
遙かにスグレモノなのである。