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二人きりの成人式

2012-01-09 14:30:27 | アート・文化
Kite久しぶりの完全休日で、日がな一日、ダラダラと。
見るとはなしに TV をつけているけど、見たい番組がひとつもない。
オッサンになったってことだろうな。


朝から成人式についてのトピックを、ワイドショーやニュースでやっている。
去年までちがうのは、東北の被災地の成人式をピックアップしていること。
安全地帯で惰眠を貪ってる僕などはあの惨事をつい忘れがちになるんだけど、
今も懸命に闘っている人たちが画面の中には確かにいた。


反面、二十歳まで生を長らえたことに、まったく感謝していないバカどもがいる。
毎年この時期、バカ新成人の乱行報道にはウンザリする。
プライバシーへの配慮ということだろう。乱行成人の顔にモザイクをかける。
法律で禁止されてるわけじゃないからメディアの自主規制だろうけど、
マジメな新成人の顔を放送することとの整合性はあるんだろうか?


一方、ディズニーランドや鴨川シーワールドなどの
テーマパークで成人式を開催する自治体がある。
大人になるのに遊園地で式典とは?
そこまで新成人におもねってまで参加してもらう必要があるのかな?


とはいえ、報道されているのは特異な例で、
ほとんどの成人式は晴れやかに、そして粛々とおこなわれているんだろう。
平成の御代の若者は、バブル狂騒時代の僕らに比べると、
一様に優しく思いやりがあって、いわゆる草食系になっているらしい。


僕自身は、成人式には出席していない。
二十歳のその日、一学年下の後輩と二人、千葉県岩井の民宿にいた。
ヤツも一浪していたから新成人だった。


野郎二人旅の目的は、所属サークルの春合宿の下見だった。
宿主は人のいい老夫婦で、僕ら二人が新成人ときくと、
成人式に出席できないことを気の毒がって、夕食の他にお寿司の出前を取ってくれた。
僕らは、お寿司に舌鼓を打ちながら、二人きりで成人式を祝った。


翌日、東京へ戻る内房線の車窓から空を見上げた。
透きとおった青い空に一朶の雲が浮かんでいて、
鳶がクルリと輪を描いていた。