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SIDEWALK TALK

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神の盾

2008-02-20 13:57:07 | ニュース
Winston_s_churchillまずは、僕の立場を述べたい。

僕は、自衛隊容認論者だ。
「防衛庁」が「防衛省」になったことも、「自衛隊」が「自衛軍」になることにも、
なんの抵抗もない。
自衛隊の海外活動にも賛成だし、
今もイラクで輸送活動をおこなっている空自や、
インド洋で給油活動をおこなっている海自についても
日本人として誇りに思っている。


だけど、こんな僕でも、今回のイージス艦と漁船の衝突事故は容認できない。


事故原因について、メディアがさまざまな検証をおこなっている。
僕は、門外漢だから、無用な詮索はしない。
今後、精緻な調査を、軍事評論家や海洋専門家に委ねたい。


どのような原因があるにせよ、
イージス艦「あたご」は軍隊として絶対やってはいけない行為を冒した。
その行為とは、
「国軍が、その武器や兵器をもって、自国民の生命を奪う」
という、最悪の失態だ。


理由はなんであれ、
フセイン政権下でのクルド人弾圧、
ロシア軍のチェチェン侵攻、
人民解放軍によるチベット進駐、
スーダン政府のダルフールでの住民虐殺
などと結果は同じだ。


わずか7トンの繊維強化プラスチック(FRP)製の漁船に、
ミサイルをも防御する装甲を纏った8千トンの軍艦がぶつかればどうなるか?
素人目にも明らかだ。
建造費1400億円、年間維持費40億円の兵器が、善良な国民の命を奪った。
どんな言い訳も通用しない。


「イージス」(Aegis)とは、
ギリシア神話において、主神 Zeus がその娘 Athena に授けた「万能の神盾」
と伝えられている。
今となっては、この由来も虚しく響く。


真相究明はもちろんだけど、
政府や防衛省には、国軍の何たるかを真剣に再考してほしい。
日本には、自衛隊が必要だから…。


冬灯雑記

2008-02-13 15:37:29 | ニュース
Pine未明に降りだした雪が、まだ断続的に舞っている。
気温は充分寒いと思うのだけど、積もったりはしていない。
もっとも、積もってほしくはないけど…。
舞っている雪をみながら、漠然と沖縄のことを考えている。


沖縄でまた、米兵による少女暴行事件が起きた。
これは刑事事件であり、人権にかかわる問題。
政治問題化して騒ぎたてるのは、本末転倒だろう。
犯人には、厳罰をもって対処すべきだ。


犯人を擁護する気も、ましてや被害者を責め立てる気など毛頭ないが、
これは被害者の自衛によって回避できた事件じゃなかっただろうか?
沖縄に基地を押しつけている僕らにはいう資格はないが、
暴兵が駐屯している地域に住んでいる婦女子の心得として、
あのような時間にあのような場所にいることはいかがなものだろう?
自分をもっと大切にしてほしかった。


もし岩国市長選がこの事件後の投票だったら、
選挙結果は自ずから違ったものになったにちがいない。
岩国市民は、どう感じてるんだろうか?


唐突だけど、「源氏物語」についてふれたい。

いつ書き上げられたのか、正確な時期はわからない。
けど、「紫式部日記」には、
少なくとも作品の一部が当時の貴族の間で読まれていたことを示す記述がある。
いずれにしても、平安初期には成立していたことはまちがいなく、
世界最古の長編小説という栄誉は変わらない。


ことしは、「源氏物語千年紀」とされている。
源氏物語のスゴイところは、
文章日本語がまだなかった時代に、その豊かな構想力を美しい文体で著した
ということだ。
文章を発明しながら小説を書いた、といっても過言じゃない。


現在 僕らが使用している文章日本語は、夏目漱石によって完成をみた。
自分の心情も語れるし、政治問題についても議論ができ、
哲学思想も探求できるし、痴話喧嘩さえも生々しく表現できる。
万能といっていい。


かな文学でさえ未成熟だった当時、
紫式部独自の手法なのか?それとも、そういう文体が貴族社会にあったのか?
とにかく源氏物語の成立は、ミラクルとしかいいようがない。


「源氏物語」を発見?し、世界に紹介したのは、
ドナルド・キーン(Donald Keene)氏だ。

キーン氏と日本語(日本文学)を結びつけたのは、皮肉にも戦争だった。
米海軍日本語学校で学んだのち情報士官として海軍に勤務し、
太平洋戦線で日本語の通訳官を務めた。
おそらく、その卓越した語学力を駆使して、わが邦の暗号も数多く解読したにちがいない。
そんなことは、どうでもいい。
僕ら日本人は、キーン氏にいくら感謝してもし足りない。


悪名高き二千円札には、沖縄の首里城守礼門と源氏物語がフィーチャーされている。
だからか、今回の少女暴行事件のことを考えていると、
源氏物語やそれを世界に紹介してくれた元米兵キーン氏のことなどに想いが至った。


きょうは主題など、とくに設けてない。
雪灯りに明滅するように、以上のことが頭をよぎった。
思いつくままに書いてみた。


半月晴天 一夜雨

2008-02-11 14:16:21 | ニュース
Sunnemun大病を患って闘病生活をおくっている人には申し訳ないけど、
かるい風邪程度なら、時にはベッドでウダウダするのも悪くないな。
ふだんなら手をつけない書物などを、閑にまかせて読んだりできるからだ。


きょうは、ボサ・ノヴァともカフェ・ミュージックともつかぬ
オムニバス CD を聴きながら、宗詩の本を繰っている。
陳造という詩人の「田家謡」という作品の中で、タイトルの句をみつけた。

半月天晴れ、一夜雨降る。

特別な意味はない、と思う。
「半月も晴天続きだったけど、一夜、雨が降った」、というだけの内容だ。


この詩は、江南(中国江蘇省)の農家と田園を詠んでいる。
恵みの雨のお陰でようやく田植えができ、稲の苗が一面にそよいでいる。
ただ江南の風景を描写しているだけの句で、
尚かつ、まったくの季節外れだけど、なんとなく心にとまった。
微熱のせいかな?


話は、韓国の方へ、ガラッと変わるけど、
ソウルの「南大門」(崇礼門)が焼失した
というニュースをみた。
出火原因は特定されてないけど、放火の疑いもあるという。


僕は、南大門についてほとんど知るところがないので、個人的にはなんの感慨もない。
けど、ソウルの象徴としてメディアにしばしば取りあげられてたり、
ソウルに現存する最古の木造建造物として国宝第1号に指定されていたりしているところをみると、
単なる歴史的建造物じゃなくて、
ソウル市民(韓国民)の精神的支柱的な役割も果てしてたんじゃないだろうか。


いずれにしても、韓国民だけじゃなく、
人類共通の遺産のひとつが失われたことだけはまちがいない。
隣国の傷心の人たちに火事見舞い以上のお見舞いの言葉をかけたいのだけど、
未だ言葉が見つからない。


白色度

2008-01-25 09:59:58 | ニュース
Paper製紙会社が再生紙に含まれる古紙の配合率を偽装していた問題、
いわゆる「エコ偽装」について。


ある意味、食品の表示偽装や産地偽装よりもけしからん、と思う。
なぜならば、ひとの善意を踏みにじる偽装だからだ。


わが国でも、1990年代初頭から環境問題についての意識が高まってきて、
現在では環境省というお役所までできている。
国民(市民)一人ひとりの環境への配慮も、
高度成長期やバブル期にくらべると、別の民族ではないかと思うほど深まっている。
値段が高くても環境に配慮された商品を選ぶ、「グリーンコンシューマー」と呼ばれる購買層も少なくない。


僕は、1994年前後、ある社団法人で環境について勉強し、
さまざまな提言をまとめたり、フォーラムを開催するお手伝いをさせていただいた。
そのとき、まだトレンドじゃなかった(むしろ、過去の遺物とされていた)古紙回収についても勉強した。

当時の提言は、
森林破壊に繋がる木材パルプを使用せずに、「ケナフ」「バガス」などの非木材紙を使っていこう
というものだった。


そして、再生紙については…。
単なる再生紙じゃなくて、白色度70%以下の再生紙を使用しよう
という提言をまとめた。


再生紙だからといって、必ずしも地球に優しいわけじゃない。
真っ白な再生紙を作製するためには、漂白のために大量の化学薬品を必要とし、
結果、産業廃棄物(汚染物質)が大量にできてしまう。
これでは返って、バージンパルプの普通紙よりも環境破壊につながってしまう。
その点 白色度70%以下ならば、見てくれは悪いが、
地球に優しいのだ(もちろん、廃棄物ゼロ・無公害というわけにはいかないけど…)。


出版物をよく見ればわかるように、真っ白な紙に真っ黒な印刷というのはない。
コントラストが、目にキツイからだ。
だから通常、白色度の低い紙に、グレーが混じった黒インクで印刷されている。
つまり、白色度70%以下のコピー用紙は、人(の目)にも優しい紙なのだ。


最近では、行政機関などでも使用されていているが、
1990年代、白色度70%以下のコピー用紙はあまり流通してなくて、むしろコスト高だった。
一部の企業や人びとが環境に対するコストを払い続けたことで、
白色度70%以下のコピー用紙が採算ベースに乗り、流通するようになった。


話しが長くなったけど、きょうの本題。
年賀状のエコ偽装について。


「再生紙」と表示されてる年賀状の白色度は知らないが、バージンパルプ並の白さに見える。
これ自体意味がないのに、古紙の配合率まで偽装していたのだから救いようがない。
環境に配慮どころか破壊していた、といっても過言じゃない。


偽装した製紙メーカーは、「地球のため、人類のため」と願い込めてエコハガキを購入した人たちに、
どういう釈明をするつもりなのだろうか?
事ここに至れば、僕らが再生紙を利用する際は「白色度」を意識すべきだし、
メディアも「白色度」について取りあげてほしいと思うのだけど…。


危険運転致死傷罪

2008-01-09 10:01:02 | ニュース
Driveいっそのこと、飲酒運転の取り締まりなどやめたらいい。


まったく罪も落ち度もない3人の幼児が犠牲になった飲酒運転追突事故で、
福岡地裁は危険運転致死傷罪を適用しなかった。
これでは、
人によっては酒を飲んでいても正常な運転ができる
という判断を裁判所が下したことになる。
司法が飲酒運転を容認した、ともとれる判決だ。


わが国は、法治国家だ。
法は厳正に適用しなければならないことは、いうまでもない。
僕は、法律家じゃないから、法解釈のことはわからない。
また、感情論で罪の軽重を論じるべきじゃないことも承知している。
それでも、いくら「危険運転致死傷罪」が若い法律で判例が少ないとはいえ、
今回の量刑には釈然としない。


今回の判決は、遺族にたいしてなんの救いもない。
それどころかこういう裁判例は、僕ら国民にとっても、不利益以外の何ものでもない。
検察には控訴してほしいし、またするべきだと思う。
遺族と僕ら国民のために、控訴審でのマトモな判決を期待したい。


カタギな生活

2008-01-07 10:14:26 | ニュース
Weighing_machineきょうは、仕事始め。
酒浸りのヤクザな日々とおさらばして、やっと堅気な生活に戻れます。


この時期、たくさんのブロガーさんが書いてる思うけど、
僕もご多分に漏れず、正月太りネタを…。
ふだん体重計に乗る習慣がないから通常時よりどれくらい太ったかは不明だけど、
確実にアップしている。
まっ、きょうからの堅気生活で、じょじょに戻ると思います。


ところで、
フランスのサルコジ大統領がモデルで歌手の恋人と結婚する
というニュース。
サルコジ氏は、前妻との離婚からわずか4ヶ月で、3度目の結婚とのこと。
まぁ、独身だからいいんでしょうけどね。


サルコジ大統領といえば、G8 ハイリゲンダム・サミットで、
記念撮影のため各国首脳と庭にでてきたとき、
ケータイで話しながら歩いてたのにはビックリしましたね。
だれと話してたのかな?いずれにしても、あのシチュエーションでケータイは NG でしょッ。
あんなシーン、後にも先にも見たことありません。
さすがフランス人!インディビジュアリスト(単なる自己チュー?)ですね。


このニュースと直接は関係ないけど、
フランス人は政治家の能力と下半身は別モノと割り切ってる、と以前きいたことがあります。
日本では政治生命に関わるようなスキャンダルでも、フランスでは政治能力が優れていれば OK!
という、非常に寛大な国民性らしいですね。
もっとも、このネタの仕入れ先はうろ覚えでハッキリしてないので、真偽のほどはあやしいですが…。


とにかく、2008年は政治の力でいい年にしてほしいですね。


カバーアルバム

2007-12-26 14:09:36 | ニュース
このブログは、無用な批判やひとの悪口を控えて、
できるだけ楽しく運営していこうと心がけてるんだけど...
きょうは、最近の J-POP シーンへのちょっとシニカルな感想。


徳永英明が女性ヴォーカルの楽曲をカバーした
アルバム『 VOCALIST 』シリーズ3作の総売上枚数が、
カバーアルバムのシリーズ作として、史上初めて100万枚を突破した
というニュースを、少しまえに耳にした。


VOCALIST3 VOCALIST3

 徳永 秀明
 価格:¥ 3,000(税込)
 発売日:2007-08-15


この偉業にたいして、
徳永英明は「たいへん光栄」との喜びのコメントを発表していたように思う。


僕は、このことに疑問を感じる。
いくらファンやマーケットの支持を得ているとはいえ、
アーティスト(それもメジャーな)が自身のオリジナルを封印し、
安易にカバーアルバムを連発していいものだろうか?


徳永にしてみれば、自分はあくまでもヴォーカリストであり、
そのアイデンティティは独特な歌声やヴォーカル・スタイルにあるのであって、
オリジナル曲には頓着がない、ということなのだろうか?


カバーアルバムは、ミュージシャンが自身の音楽のルーツを再確認するためのものだろう。
だから、カバーアルバムをリリースすること自体は悪いことじゃない。
それでも最近の J-POP シーンは、カバーアルバムのオンパレードだ。
もはや、一大ムーヴメントといっていい。

  佐藤 竹善 『 ウタヂカラ ~ CORNERSTONES4 』
  河口 恭吾 『 君を好きだったあの頃 』
  夏川 りみ 『 歌さがし 』
  杏里 『 tears of anri 』
  伴 都美子 『 Voice ~cover you with love~ 』
  山崎 まさよし 『 COVER ALL-YO! 』『 COVER ALL-HO! 』
  甲斐 よしひろ 『 10 Stories 』
  and more
  
僕が知らないだけで、まだまだあるにちがいない。


驚くことに、みんな一流のミュージシャンばかりだ。
これほどまでカバーアルバムのリリースが続発するのは、
徳永英明の成功にあやかって、商業的な目的だけで制作されてるのではないか?
と感じるのは僕のうがった見方だろうか?


リアルファンなら、あくまでもオリジナルを聴きたいハズ、と思うのだけど…。


春夏秋冬

2007-12-21 11:17:31 | ニュース
薬害 C 型肝炎集団訴訟の和解協議で、舛添厚生労働相は、国側の新たな修正案を発表した。

国が解決責任を負うべき約7割の被害者と、それ以外の3割の被害者を選別し、
未提訴者も含め計30億円を原告側が設立する財団に支払う
…という内容。


骨子案の8億円からは大幅増額していて、
舛添大臣曰く「事実上の全員救済」として提示したが、原告団はこれを拒否。
あくまでも全員一律救済の政治決断を求め、和解協議を中止する意向を表明した。


春夏秋冬 春夏秋冬

 SION
 価格:¥ 2,500(税込)
 発売日:2004-03-24


僕は、親父を4年ほど前に亡くした。
直接の死因は呼吸器系の疾患だったが、その病根は C 型肝炎だった。
亡父の肝炎は薬害じゃなかったと思ってるけど、
この和解協議、どうしても原告団の方に肩入れをしてしまう。


一連の原告団の主張と国側の対応をみていると、どっちが国家なのかわかんない。
僕は、商売人だからか、
「事実上の全員救済」ならいいじゃないか
と、思わなくはない。
けど、原告団は逡巡なく和解案を一蹴した。


今回、原告団がこの和解案を拒否したのは、肝炎患者だけじゃなく、
今後も発生するかもしれない他の薬害患者のために、
司法をこえた政治決断の道筋をつけ先鞭をつける役割を担おうとしているからだ。
国家の定義を「国民の生命・財産を守る機構」とするならば、
原告団の主張こそ国家そのもだといえるのではないだろうか。


今回の和解案に失望した原告団の代表のひとりが、記者会見で、
泉谷しげるの名曲 「春夏秋冬」のリリックの一部を引用して、
その無念さを表現していたのには胸が締めつけられる思いがした。


「今日ですべてが終わる。今日ですべてが報われる。と、思っていたけど、みんなゴメンね」


季節のない街で、原告団の闘いは続いていく。






春夏秋冬


季節のない街に生まれ
風のない丘に育ち
愛のない家を出て
愛のない人にあう

人のために よかれと思い
西から東へ かけずりまわる
やっとみつけた やさしさは
いともたやすく  しなびた

春をながめる 余裕もなく
夏をのりきる 力もなく
秋の枯葉に 身をつつみ
冬に骨身を さらけ出す

今日ですべてが終わるさ
今日ですべてが変わる
今日ですべてが報われる
今日ですべてが始まるさ


死刑制度

2007-12-10 14:14:23 | ニュース
Trialこの度、法務省は死刑を執行した3人の氏名を初めて明らかにした。
氏名公表について、鳩山法務大臣は、
「極刑が適正に粛々とおこなわれているかどうか、被害者あるいは国民が知り、理解する必要がある」
と、述べている。


僕は、日本が死刑制度を法制化している現状では、
法に基づいて執行した死刑を秘匿すべきではないと思う。
むしろ、今までが秘密主義的だったといえる。
無用な秘密主義は、
国家や法務大臣が死刑執行に後ろめたさを感じているような印象を与えかねない。
堂々ととはいわないが、粛々とおこなわれるべきだ。
わが国は法治国家なのだ。


死刑制度は、本当に必要なのか?
ヨーロッパの先進国の多くが、死刑制度を採用していない。
かといって、
死刑制度を採用していないから先進国で、死刑制度があるのが野蛮な国だ
という理屈は成り立たない。


わが国の場合、極刑の死刑に次ぐ刑罰は無期懲役。
無期懲役は法律上、
「無期刑に処せられた者に改悛の状のあるときは、10年経過後に仮釈放を許可することができる」
という規定になっている。


要するに、「無期」と謳っておきながら、最短10年で仮釈放が認められる場合がある。
もちろん10年で仮釈放されるケースはごく稀で、
実際の運用では最低20年以上の服役が一般的なようだ。
それでも、被害者遺族にとっては納得できないだろう。


死刑については、存置論と廃止論が対立しているのが世界的現状だ。
死刑には、犯罪の抑止効果が本当にあるのか?
誤判の場合に、とりかえしがつかないではないか?
国家が、意図的に人を殺していいのか?
犯人が罪をさとり、改善される可能性までうばっていいか?
こういう問題をかかえて、さまざまな意見がある。


僕は、わが国が死刑制度を廃止するためには、
絶対的終身刑についての議論を深める必要があると思う。
死刑制度の是非については専門家による検証にまかせたいが、
シロウトの雑駁とした感想を許してもらえるならば、
「重犯罪人への刑罰は、犯罪者の人権よりも被害者遺族の心情の方にウェイトを置くべきだ」
と、思う。


裁判員制度が、間もなくはじまろうとしている。
僕ら一般人が、死刑判決をジャッジすることもあり得るのだ。


入国管理システム J-VIS

2007-12-07 09:34:24 | ニュース
Airportパリ@フランス中心部の弁護士事務所で6日、小包爆弾が爆発し、
弁護士の秘書1人が死亡し、5人が負傷した
とのニュース。


以前だったら、遠い他国での出来事でもあり、
平和ボケしている日本に住んでいることも相まって、
「外国は物騒だなー」くらいの感想をもつだけだったろう。
ブログを通じてパリ在住のブロガー“うさたろう”さんと出会い(といっても Web 上で、実際に会ったことはない)、
彼女のブログをしばしば訪れてるせいか、今回のニュースは他人事とは思えなかった。
うさたろうさん、大丈夫だったかな?


ところでわが国では、テロ対策の一環として、改正出入国管理・難民認定法が先月から施行され、
特別永住者や外交官などを除く16歳以上の来日外国人に、
顔写真の撮影と指紋採取に応じることが義務づけられた。
この種の制度を導入するのはアメリカに続き2番目らしく、
これは先進的制度なのか? 世界の常識からみて特異な制度なのか?
議論が分かれるところだろう。


この制度の導入に中国や韓国から非難の声があがってるようだけど、
お隣さんは何をやっても噛みついてくるんで気にはならない。
けど、ヨーロッパ各国の多くの NGO も、人権問題や経済活動への支障などを理由に、
この制度に反発している。


島国日本と EU 誕生後のヨーロッパでは、置かれてる状況がまったくちがう。
一昨年だったか、ヨーロッパを旅したとき、
国境を越えるのは日本の県境を越えるのと同じくらいの感覚で、
その利便性に驚かされたし、うらやましくもあった。


EU 加盟国以外の入国者はともかく、
EU 圏内なら、武器を携帯していようが、麻薬を所持していようが、フリーパス状態。
だから EU では、このような入国管理システムを導入しても、たいして効果がないのにちがいない。


この制度の是非について、僕にはこれといった識見はない。
ただ事実として、制度導入の初日だけで、
5人が入国が認められないブラックリストの人物の指紋と一致し強制送還された。
入国審査システム「J-VIS」は、国際空港ではかなりの確度で機能すると思われるが、
国際港となると J-VIS を配備していない港湾が大多数らしく、海からの進入には課題を残しているようだ。


「スパイ天国」、と揶揄され続けてきた日本。
将軍様のご長男が敵国系テーマパークで遊ぶためにしばしば来日していたことも、公然の秘密だ。
今回のパリの事件でも、1人の尊い命が失われた。
ありきたりな意見だけど、人の命よりも大切なものはない。
J-VIS 導入は、日本政府としては、国民の生命・財産を守るための苦渋の決断だったのだろうか?