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SIDEWALK TALK

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茶会

2025-04-07 11:27:47 | アート・文化


ふとしたきっかけでお茶会に呼んでいただいた。
いうまでもなく僕は茶事には暗く、
その作法などは承知していない。
けれど、せっかくのお誘いだから出かけることにした。

流派は藪内流で、利休時代の茶風を留めているらしい。
茶道は利休時代、武家の嗜みだったから、
袱紗を他流とはちがい帯の右側にはさむ。
左側には脇差しがあるという理由らしい。

茶室のお道具、
額、掛け軸、茶碗、棗、茶杓、水指、柄杓、茶釜、茶筅等々。
すべてに何かしらの意図を持って準備されているのだろう。
僕には解読する知識や能力がない。

何かしらの本で読んだんだけど、
茶道には「苫屋に千金の馬を繋ぐ」という
ある種屈折した美意識が流れているという。
だから本来ダイナミズムを楽しむ芸術だと素人解釈して、
作法や礼式にこだわらず今回のお茶会を楽しんだ。

人生の敗北者

2025-03-12 11:42:19 | 健康・病気


五十路をいくつか越えて、花粉症が発症した。
僕の症状は目の痒みと腫れである。
痒みは耐えがたいほどだし、
腫れの方は会う人がびっくりするほどひどい。

花粉症なんてのはデリケートな人がなる病気で、
僕のような粗雑な人間には無縁だと高をくくってた。
なので当初はものもらいか何か、
眼の疾患だと思ってた。

亡き妻は花粉症だった。
主に鼻炎系の症状だったと思う。
春も夏も秋もつらそうだったけど、
僕には斟酌できる経験も思いやりもなかった。

花粉症はつらいのだけど、
亡妻のそれが乗りうつったと思えば、
何やら供養のようにも思えてくる。
それに僕の症状は春先2~3週間程度でしかない。

「花粉症の人は人生の敗北者」だという格言(?)を
何かしらの本で読んだ記憶がある、
この格言の真意ははかりかねるけど、
今はひっそりと季節が移ろうのをただただ待っている。

中津三大美味い飯

2024-12-14 11:53:35 | 食・レシピ


こないだ拙宅のキッチンのブレーカーが落ちた。
冷蔵庫や電子レンジ、IHコンロはいうに及ばず、
照明さえつかない状況。
自宅飯はあきらめて、愚弟とランチにでかけた。

弟のリクエストで、
子供のころから親しんでいる「とんかつ豊後」に。
ここのとんかつはデミグラソースで食すのが特徴なのだ。
変わらぬ美味しさに舌鼓を打った。


とんかつ豊後のロースカツ
川扇のうな重
宝来件中央町店のラーメン


僕はこれらを「中津三大美味い飯」と勝手に規定している。
どのお店も先代からのお付き合いで、
幸運なことにどのお店もご子息があとを継いで
お店の伝統を守っておられる。

とんかつ豊後さんはひさしぶりだった。
他の2店にもちかぢか訪れてみたい。

厄払い

2024-12-11 11:19:49 | 悩み


還暦を迎えるとき、厄払いをするという風習があるらしい。
僕の同級生でも厄払いをしたっていうヤツがいる。
僕はこの手のイベントには無頓着で、
本厄のときもとくになにもしなかった。

年末になって今年を振りかえってみると、
プライベートはともかく、
仕事においては激動の1年だった。
それも悪事が多かった。

業績自体は好調だった。
けれど、好事魔多し。
社員さんやその家族に事故や病気、トラブルがつづいた。
ここまで色々あると、やはり厄払いした方がいいのかな?
そんな悩みを抱えている年末なのである。

恋の西武新宿線

2024-08-20 10:04:09 | まち歩き


大学入学当初、僕は西早稲田に下宿していた。
部屋の環境もイマイチだったし、
地政学上の問題もあったから、
2年生に進学するとき中野区野方に引っ越した。

野方を選んだ理由はとりとめもない。
浜省の「西武新宿線」という曲が好きだったからだ。

通学は、野方から各駅停車に乗って、
高田馬場で山手線に乗り換えて一駅。
駅から大学の西門は徒歩1分以内という便利さだった。

卒業以来、野方を訪れたことはない。
いつか恋の西武新宿線に乗って、
自分のろくでもない素晴らしき青春の軌跡をたどってみたい。

丑の日に想う

2024-08-05 09:08:42 | 食・レシピ


若いころ、同級生のマドンナ的女の子をデートに誘って、
柳川に出かけたことがある。
柳川にはたくさんの観光スポットがあるが、
どこを訪れたのかはおぼえていないんだよね。

唯一の思い出は、ファミレスでランチしたこと。
柳川といえば鰻のせいろ蒸しが有名なので、
僕は人気店を調べ、彼女にご馳走しようと息巻いてた。

が、いざ現地に行ってみると、
彼女は鰻が苦手だという。
仕方なく僕らはファミレスでランチすることにした。

彼女は眉目秀麗で優しい娘だったけど、
こと食に関しては、鰻に限らず、
肉類NG、お酒もNGという偏食家だった。

あの柳川の日から時は経ち、
令和の夏は殺人的な猛暑の日々が続いている。
まだ日にちは決めてないけど、
近所の幼なじみと鰻で一杯やる約束をしている。
彼女はマドンナとちがって酒豪だから、
いっしょに鰻を堪能できるはずだ。

今日が土用の丑の日だからということなのかな?
どういうわけか柳川デートを思いだした。

たこパ

2024-07-02 09:13:50 | グルメ
Letter「たこパ」
いうまでもなくたこ焼きパーティの愛称で、
たこ焼きをつくって楽しむホームパーティである。


過日、幼なじみが拙宅に集って、たこパをやった。
当日は明石焼きにもチャレンジしてみた。
美味しかったし、楽しかった。
んで、またやろうといってお開きになった。


みんなでわいわい騒ぎながら、
みんなでたこ焼きをつくって、
みんなで食べるのが本来の姿のはず。
僕一人で買い物をして、
僕一人で段取りをして、
僕一人がたこ焼きを焼いた。
そしてみんなで舌鼓を打った。


これではまるでたこ焼き屋のオヤジのケータリング。
でも、これでいいのだ!

寿退社

2024-03-27 10:02:15 | 桐箱ブログ
Letter18歳新卒で入社して丸9年。
舞ちゃんが寿退社をする。


9年前のある日、
地元高校の先生が来社して、
就職希望の生徒が1人いるので、
面接してほしいと依頼された。
僕はてっきり男子生徒だとひとり合点してたんだけど、
現れたのは可憐な女子高生だった。
以来、舞ちゃんは桐箱づくりの現場で活躍することになる。


ちょうど大谷翔平選手の結婚報道があったとき、
舞ちゃんから寿退社の報告を受けた。
大谷ロスより舞ちゃんロスの方が遙かに大きい。
とはいえ彼女が幸せになるのなら、
笑顔で送りだしてあげたい。


弊社は毎年お花見を社内でするのだけど、
今年は舞ちゃんの送別会を兼ねて、
お店で懇親会をすることにした。
その幼気な容姿とちがって、意外と酒豪の舞ちゃん。
楽しい会にしたいと思う。

霍去病

2024-03-07 09:55:32 | 旅行
Letter以前から司馬遷の『史記』を、
もしくはそれに関わる本を読みたいと思っていた。
けれどかなりの長編だし、
内容も難解な気がして手が出なかった。
今回、ふと思い立って、
北方謙三著の『史記 武帝記』を読みはじめた。


この小説も全7巻という長編で、
まだ1巻の途中までしか読み進んでない。
今のところあんまりおもしろくはないのだけど、
文中に霍去病が登場したのはうれしかった。


10年ほど前、仕事で訪中した際、霍去病の墳墓を訪れた。
漢の武帝から愛と尊敬を受けつつ若く死んだ霍去病は、
武帝の意志によって武帝の陵墓「茂陵」のそばに葬られた。


西安(長安)の郊外を西へでて、
ほどなく渭水の橋を渡ったころから、
天気が悪くなった。
見渡すかぎりの麦畑の上に雲が降りたように雨気が満ちて、
急に寒くなった。
前日、洛陽では暑かった。
気候は日本とさほど変わらないはずなのに、
雨が降ると様子が変わるのかもしれない。


中国に行って驚きを感じつつもあきれてしまうのは、
2千年前の人物の墓が、
2千年前に「史記」に書かれたとおりの姿で、
無造作に野原に遺っていることだ。
霍去病が匈奴を破った祁連山に似せたと思われる人造の山があって、
その頂上に灰色の磚でつくられた祠があった。


霍去病の墓で、いま目を楽しませてくれるものは、
巨石に素朴に刻まれた石人石獣だ。
熊と格闘しているという、お伽話のような造形もある。
また、人があおむけに倒れているような形の石に、
歯をむき出して泣いている人間の顔がユーモラスに彫られている。


「この、倒れて泣いている人は、誰ですか?」
と同行してくれた取引先の陸さんに尋ねると、
奴隷主だと教えてくれた。
霍去病は、こんにちの解釈では奴隷主を倒した。
負けた奴隷主は泣かざるをえない。
しかし実際は匈奴の王かなにかにちがいなく、
顔をみてみると、アーリア人系のように思えた。


匈奴が何人種だったかについては、諸説ある。
紅毛碧眼のアーリア人という説もあるし、
トルコ人だという説もある。
僕は、論証なしに、モンゴル人だったと思っている。


いずれにしても騎射に長けた騎馬民族だったことにはちがいがなく、
この強力な騎兵隊を霍去病が騎馬戦で破ったということに、
今さらながら彼の将才にあらためて感心させられた。


このときは、商用で訪れていたために時間がなかった。
ずっと憧れていた霍去病の墓を訪れたことには満足したけど、
有名な武帝の茂陵には行けず終いだった。
次回、中国に出張するとき、
チャンスがあれば茂陵にもいってみようと思う。

浅草散歩

2024-03-06 08:57:54 | まち歩き
Letter東京で同年代の同業者(桐箱屋)と
隅田川辺の老舗鰻店で会食した。
あちらの方がお客様なのに、
お代は彼が負担してくれた。
さらに彼は下戸なのに昼酒までつきあってくれた。


その後、ジャスミンガールと待ち合わせして、
東京国立博物館で「中尊寺金色堂展」を鑑賞し、
浅草寺に向かう参道(仲見世)をぶらついた。


夜は彼女レコメンドの江戸蕎麦のお店を訪れた。
お店は向島の小路にひっそりとあって、
知らなければとてもたどり着けない。
イチローモルトのハイボールもうれしかった。


ほぼノープランの逍遙だったんだけど、
お江戸のシック(粋)みたいなものを感じられて、
少し贅沢な気分になった。