kirekoの末路

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第七回『三勇士、初陣』

2008年04月19日 17時47分23秒 | 『英雄百傑』完全版

― 香川上流のほとり ―

 難攻不落の『鏃門橋』の砦攻略のために、官軍の若き知将、ミケイの唱えた夜襲作戦は着々と進んでいた。夜襲の要である砦に火を放つ決死隊には、武功を立てるためミレム、スワト、ポウロの三勇士を含む100騎の義勇軍が名乗りを上げた。

 作戦の指揮官であるミケイから承諾を得て、三勇士はその下知を賜ると、意気揚々と野営地から2里半(約10km)ほど離れた香川の上流に息を潜めて待機した。

 ここは鏃門橋の西の丘陵に位置し、雄々しく群生する背の高い木々に囲まれ、人家も無く、隠れて行軍し、敵に気付かれず川を降るのには、まさに絶好の場所であった。

 三勇士と決死隊は、日が昇りきる頃に到着すると、野営地から持ってきた丈夫な植物の弦(つる)や、何重にも巻かれた太い編綱(あみづな)を、周辺でスワトが斧を使って切り取った丸太と繋ぎ合わせ、人間三人と武具が乗るほどの小さな筏(いかだ)を作り上げた。

 ポウロの号令によって、少ない人数をより効率的に動かすための分担作業が功を奏し、日が沈む夕方頃には、およそ百人が悠々に乗れる五十隻程度の筏が出来上がっていた。

 そして日が沈み、辺りに夜の帳が降り始める。
すると決死隊は、バシャバシャと音を立てて敵に気付かれないように、慎重に川に筏を浮かべ、川に流されないように大きな重い石に縄を張り、筏と結びつけて、自分達の武具や城壁を登るための道具、矢に火を灯すための燃料を運んだ。

 リーリー…
 ホーホー…
 ザワザワー……

 夏を前にして盛んになる夜行虫や猛禽類の鳴き声、川から吹きあげる風に木々が揺られる音は聞こえたが、河川は流れも穏やかで静寂を保ち、辺りはこれから夜襲が始まるというのに、不気味なまでの静けさに包まれた。

 しかし、それはまさに嵐の前の静けさであった。

 一帯の雲が闇夜に沈み、黒い幕を天に張ると、漆黒が辺りを包み、木々を揺らしていた穏やかな風は止んで、ビュウビュウと寒気がするような強い風が川べりから吹いた。

 穏やかな河川は、一気に殺気立った空気に包まれた。

 頃合の好機と見た決死隊は、筏に乗り込み甲冑や剣を纏い、鏃門橋の南端の官軍の動きを覗き込む。作戦の指揮官であるミケイ将軍自ら、陽動部隊の先頭を駆ることを知らされていた三勇士は、夜襲をすべき頃合、その合図を待っていた。

 「ミレム殿、いよいよでござりますな!はっはっは!それがしも腕がなりまする!」
 「…」
 「どうか致しましたでしょうかミレム殿?顔が青ざめておりますが…」
 「…」

 筏に乗りながら、夜襲作戦を前に意気揚々のスワトやポウロを尻目に、ミレムの体は震え、ミケイの決死隊に名乗りを上げた時とは、まるで逆で、血の気が引いた様に顔は白く、青ざめていた。

 「ハッハッハ、ミレム殿!我らが慕う明主が、それではいかんでござるよ」

 その様子に気づいたスワトは、高らかに笑うと、ミレムの肩を叩きながら言った。

 「戦場の臆病風に吹かれましたかな!しかし、心配無用!それがしが決してミレム殿から離れず、横についているでござる。まかり間違っても、ミレム殿の体に敵の手を触れさせるようなことは、誓って致さんでござる」

 スワトが動くと、筏が川に波を立てるほど強く揺れる。
スワトが一緒に乗るため、一際分厚い丸太と、強い縄で作った筏であったが、やはりスワトのような巨体が動くと、浮力の平均が崩され、筏が傾いてしまう。

 「豪傑殿、やめないか。あなたが笑うと筏が沈んでしまう」

 筏を漕ぐために必要な櫂(かい)(…今で言うオールのような物)を掴みながら、ポウロがスワトに言う。

 「はっはっは、これはすまんでござる。少しそれがしの明主が臆病すぎるのを見かねてな」
 「豪傑殿。ミレム殿にとっては、これが初陣なのです。もちろん私もですが」
 「いや、それを言うならば、それがしも初陣でござるよ」
 「あなたのように、命をいつ失ってもおかしくないような『場慣れ』している初陣とは、訳が違います。ミレム殿は元々気の優しいお方。少々臆病になるのも無理はありませんよ」
 「ふうむ。そんなものかのう」

言葉の意味が理解できず、不思議がるスワトに若干幻滅しながら、ポウロは、それでもなお沈み続けるミレムを心配し、話しかけた。

 「しかしミレム殿。豪傑殿の言うように、合戦を前にしてその顔はいけませんな。集まった兵達も、初陣のほうが多いのです。大将がそれでは、皆、不安がりますぞ」
 「そ、それは、わかっているのだが…」
 「いや、ミレム殿はわかっておられぬ。砦内の敵は2千に対し、こちらはたった100騎。そのような不利な状況で夜襲を仕掛けるのです。どの者も決死の気持ちで臨んでおるのに、大将だけ臆病顔では余りにも…」
 「ふ、ふうむ…」
 「夜襲成功のため、決死の覚悟を決めた兵のため、もっと心を強くもちなされ」

 大将としての気構えを説く、ポウロの的確な叱咤激励。
だがミレムは、聞けども聞けども、その臆病顔と体の震えを解く事は無かった。

 ポウロは少し様子を見た。
すると、今度はミレムが口を開けた。

 「ふ、ふふ…どんなに臆病と罵られても、心を強く持てと言われたとしても、どうしても震えがとまらんのだ。大将がこれでは、皆笑いたかろう。笑いたければ隠せずに笑えばいい。私は戦を前にして無力であることを自覚しているのだから」

 自分達の命を預かる大将であるミレムのこの言葉に、兵士達は動揺した。
ミレムの言葉によって不安が増幅し、全体の士気が徐々に落ちてゆく。流石にこれはまずいと思ったポウロは、すかさずミレムに言った。

 「ミレム殿、では臆病に利く特効薬を差し上げましょうか?」

 ポウロは、筏の前に座るミレムに素早く近寄ると、懐から皮製の水筒をミレムに差し出した。

 「なんじゃ、これは」
 「蓋を開けて御飲みなされ、特効薬が入っておりまする」

 半信半疑でミレムが、水筒のフタをあけると、開けた途端、良く熟れた果物の匂いというか、酸味のある柑橘類の匂いというか、なんとも言い難い不思議な甘い香りが、ミレムの鼻腔を刺激した。

 ミレムは、その良い香りに不安で一杯だったはずの胸が弾むような気がした。
そして、手に持った水筒をチャポンと震わすと、ポウロに尋ねる。

 「嗅いだ事の無い実に良い香りだ。これは本当に特効薬か?」

 ミレムの表情は、未だ半信半疑であった。
だがポウロは、その態度を見抜いていたかのように、一度その場を下がり、両足と両手を正して礼をすると、冷静にミレムに言った。

 「これは我が家に伝わる霊験新たかな神水。一滴飲めば、たちまち万力を得、二滴飲めば、浮かぶ迷いは千切れ雲のように消え、三滴飲めば、俊英の如き冴えが、一瞬にして体中に渡りまする。ささ、騙されたと思って御飲みなされ」

 商品を捌く口上のように流暢な調子で、ミレムを安心をさせるポウロ。
スワトのような怪力の豪傑も必要だが、こういうところにも知恵が回るポウロのような人物と出会ったことも、ミレムにとっては幸運だった。

 「躊躇などしている時ではないか…今はこれに頼るほかない!」

 ミレムは流され、鼻腔に充満する香りを放っている水筒に手を当てると、グイッと一気に唇に持っていった。

 ゴクッ…

 「くわああぁぁッ!!!!!!!!!!!!!!!」

 瞬間、甘味のような酸味のような鮮烈な果実の匂いと供に、キリりと舌に立つ一本気な辛口が、激流となって焼くように口内を通過し、食道に入り、胃に収まる。すると胃の中から、脳が目覚めるような強烈な刺激が全身を駆け抜け、鼻腔に残る果実の甘い匂いが、沈んでいたはずのミレムの心を弾ませる。

 ミレムは、刺激と風味にすっかり安心し、手元の水筒をまるで水でも煽るようにグビグビと飲んだ。

 ゴクッ…ゴクッ…!
 ゴクッ…ゴクゴクッ…!
 ゴクゴクッ…ゴクリッ…!

 唇の先で、喉の奥で、胃の中で、沸き立ち踊るような祭囃子が聞こえたかと思うと、たわわに熟れた果実の香りが、鼻腔を通って胸を透く。そして訪れる好奇心を満たして溢れる、刺激的な悦楽の胎動!続く快楽を求めるため、ミレムは戦の前だという事を忘れ、水筒を手放せず、次から次へと口へ運ぶ。

 「うおおおーーーーーッ!!!か、体が熱くなってくるぞぉぉぉぉ!あははっはっはっは!うはははははははっ!ウヒョヒョヒョヒョッ!こ、この特効薬!まさしく特効じゃのう!うははは!これは利くな!ポウロよぉ!」

 余りに衝撃的な中身のせいか、ミレムの脳内には抱いたことの無い高揚感が駆け巡り、いつの間にか臆病な心や、体の震えなどは消え、先ほどまで恐怖の余り血の気が引いていた顔も、赤みを増しては熱を帯び、いつの間にかミレムの全身は紅潮しはじめていた。

 ポウロはすかさず、上機嫌なミレムに言った。

 「それは良かった。では戦の前に我ら決死隊の士気をあげるため、大将自ら声を上げ、兵達を励ましてくだされ」
 「おう、まっかされーよ!」

 高揚に高揚を重ねて今や幸福の絶頂を迎えたミレムは、すっかりポウロの言葉に乗せられていた。力強く歩を進め、筏の中央に立つと、後ろの筏に不安げな表情を浮かべる百名の兵に向けて、大きく声をあげた!

 「聞けぇ!我が決死の義勇の軍団よ!敵多くとも、恐れることなかれ!敵は所詮どこぞの賊に毛の生えた烏合の衆!邪教に狂い、己のためには帝の領土を略奪するような逆賊ぞ!そんな者達に、我ら義によって集まった精鋭が負けるはずあるまい!我らの前では奴らの剣なぞ柔らかな羽毛の如く!矢は蚊虫の一撃の如く!高くそびえた城壁は、葦の如く!奴らの鎧などは、その辺の泥も同じじゃ!葦に住む泥毛虫の兵で、我らに立ち向かう頂天教軍なぞ、何するものぞー!!」

 「「「 オ オ オ ー ッ !!」」」

 ミレムの声と手が高々にあがると、兵士達のまだ消えていなかった不安げな顔も消え、鬨の声を上げると同時に、決死隊は天を突くような意気を得た!これまた幸運だったのは、吹き始めていた川の強い風が、ミレムと兵士達の声を消してくれたことだった。

 様子を見ていたスワトは、少し驚いてポウロに言う。

 「な、なんたる妙薬。あの臆病に怯えていたミレム様だけでなく、兵達の意気をも飲み込んでしまうとは!むむむ、ポ、ポウロ殿!お願いでございます!景気をつけるために、それがしにも神水を一杯くれませぬか!?」

必死に頼むスワトに対して、ポウロは笑って答えた。

 「はっはっは!豪傑殿には必要ないでしょう」
 「な、なぜじゃ?決死の作戦の前でござるというのに。そのように、もったいつけず、分かち合うのが仲間ではないか!」

ポウロは一度フフッと笑うと、スワトの耳に近づき説明した。

 「…いえいえ、豪傑殿。神水と申しましたが、あれは私の村で一番度数の高い蒸留酒に上物の梅酒と上物の杏酒を混ぜた、ただの酒でございます」
 「なんじゃと…!」
 「臆病者の気付けに特効薬として重宝しますが、度数の高い酒をあれだけ飲めば、どうなるか…豪傑殿も私もそれほど馬鹿ではないはずなのでわかりましょう?いやぁ、寒い寒い。ミレム殿の翌日の朝の事を考えると、実に身震い致しますな。ワッハッハッハッ!」
 「夜襲前だというのに、な、なんという…!」

 耳打ちされた事実に驚いたスワトは、思わず筏につんのめった。
筏が揺れ、バシャッと水が跳ねる音がすると、スワトは視界の先で異変を感じた。
スワトの視線の先には、うっすらと鏃門橋が見える。

 ボッボッボッボッ!

 鏃門橋の南から、幾数もの松明のかがり火!
うすらと風になびきながら掲げられる、官軍の兵達の旗!旗!旗!
ミケイ将軍の指揮する、陽動部隊が動き出したのだ!

 「あれは!ミレム殿!合図ですぞ!」

 スワトの報告に気付いたミレムは、再び高らかに声をあげた。

 「おう、わかったぞスワト!聞こえたか!我ら決死隊の義勇の士達よ!この初陣を、官軍の大勝利で飾るのだっ!いざ!鏃門橋の砦に向けて出陣じゃーっ!!」

 「「「 オ ー ッ ! 」」」

 手に持った櫂(かい)を上げて、進む三勇士の筏を先頭に意気盛んな百人の決死隊は、留めた関を切ったように、緩やかな香川の流れに乗って、勢い良く下っていった。

 「…(む、むう。しかしあれほど利くとは私も思わなんだ…)」

 夜襲を前にして、ミレムの突き抜けるような高揚の姿を見て、勧めたポウロの心中は複雑だった。しかし、一度流れた川の流れは、もう誰も止めることは出来なかったのである。


― 同刻 鏃門橋 南端 ―


 夜の闇に煌々と照らされた松明の光の下。
目の前に広がる鏃門橋の前で、剣と大盾を持った歩兵、小弓を持った弓兵、馬に乗り槍を構える騎兵、道具や旗を持った工作兵で構成された乱雑とも思える陽動部隊は、合わせて1千を数えた。

 その前面に立ち、各部隊に指揮をする若武者が一人。
隠しきれず出てしまう鋭気を光らせ、輝く白銀色の甲冑を着た、細身で華奢な武者の姿。
それは、南部方面軍が誇る、若き知将ミケイ。その人であった。

 ミケイは指揮すべき兵達の前で細身の剣を抜くと、手をスッと前に出し、兵達に号令した。

 「よいか!今から難攻不落の鏃門橋の砦に向かう!しかし我らは、砦の兵をひきつけるための陽動部隊である!無理攻めはせず、このミケイに従い、時間を稼ぐことだけ考えよ!その内に決死隊が城に火を放つ!その時が我らの勝負の時である!皆のもの、覚悟はよいな!砦に火の手があがるまでの辛抱だが、勝てば我が官軍全ての誉れぞ!進めーッ!」

「「「 ワ ァ ァ ァ ー ッ ! ! 」」」

 兵達の喚声が上がると供に、幅の狭い橋を渡り、砦へと軍を走らせた!
ミケイのとった陣形は、不思議な物であった。まず機動力の低い歩兵、工作兵が前に行き、狙われやすい弓兵は陣形の中間に置かれ、機動力の高い騎兵は後部という隊列。
平地の戦闘では、まずなされない奇妙な陣形で、ミケイは夜襲作戦を始めた。



― 同刻 鏃門橋 砦 ―


 鏃門橋の砦の高い城壁の上には、頂天教の兵2千が、すでに配置を終えていた。
対岸で上がる無数の松明の明かりを見て、その意気すさまじいと思った砦の守将、エウッジとズビッグ兄弟は、互いに敵軍の動きを見つめ、守備兵たちを動かすと、進む官軍兵を前にして迎撃の準備を万端にしていた。

 「兄貴!エウッジの兄貴!わたわたと官軍の兵が進んでくるぜ!どうする?俺が行って蹴散らそうか?」
 「まあ待て弟よ。力において天下五本の指に入ると言われたお前が、つまらぬ戦に出ることもあるまいて」
 「へへへ、そう褒められるとなんか恥ずかしいな。いやぁしかし、さすがは俺の兄貴だぜ!見張りの兵を増員しておいたことに、こんな意味があったなんてな」
 「ふふ、ズビッグ。攻めあぐねて虚を突いての夜襲など、実に頭の足りぬ南部官軍の愚かな将が考えそうなことだ」

 このエウッジ、ズビッグという武将は、元は官軍の有能な将達であった。
しかし、余りある才能を郡の太守に煙たがられ、今の世を恨み、少なからず野心もあったため、そそのかされる形で頂天教に入信すると、砦の守将に任じられるや否や謀反に参加した者たちであった。

 兄のエウッジは知恵者であり、兵達の統率に優れ。
 弟のズビッグは勇猛な将であり、巨大な斧を軽がると振り回すほど武勇に優れた。

 「ややっ?兄貴。あのかがり火を見るに、奴ら思ったより数が少ないぞ」
 「ふむ。あの様相…指揮官は誰だ。1千程の兵が、万にも見える意気だ」
 「ハッハッハ!兄貴、だがこの強固な鏃門橋の砦は、早々抜けまい!」
 「ズビッグよ。例え勝てる戦にも念には念をいれんといかんぞ。獅子狩る時全力にて当たる、ということだ」
 「むう??どういうことだ」
 「クックック。獅子は例え弱き獲物を狩るときでも、いつも全力という事だ。すでに北、西、東の三つの要害に居る、我が軍の援軍を頼んでおいた。これでこの勝負、勝利以外はあるまいて」
 「さすが兄者!冴えるな!」
 「ふっふっふ。それだけではない。この期に一機に官軍の本拠地である野営地を焼き払い、次の攻略の布石にしようと思ってな」
 「あ、兄貴!じゃあ敵陣への斬り込み隊長は俺に任せてくれよ!」
 「わかっている、わかっている。それにはまず、敵の気勢を挫くのが大事だぞ。それズビッグ!城壁の弓兵を正面に固めさせろ!官軍を矢の雨で強撃するのだ!」
 「わかったぜ兄貴!」

 エウッジ、ズビッグ率いる頂天教軍の守備兵2千が大挙して砦の城壁に構える。
そこに今まさに襲い掛かろうとする、ミケイ将軍率いる陽動部隊1千。
そして川を降り、夜襲を成功させ、初陣を飾ろうとするミレム達三勇士の決死隊1百。


 今まさに、香川を境にして、官軍と賊軍の戦いの火蓋が切って落とされようとしていた。
果たして勝利の軍配は、どちらに上がるのか?
天をも知らぬその答えは、ただ静かに揺れる、川の流れだけが知っていた。

「「「 ワ ァ ァ ァ ー ッ !!!」」」

鏃門橋の戦いの始まりである。