kirekoの末路

すこし気をぬくと、すぐ更新をおこたるブロガーたちにおくる

六百文字小説感想編

2009年01月23日 23時04分42秒 | 小説の感想と批評
こだわりみんなすてたら@kirekoです。

>今日の感想と批評

こまごまとやりたい事があるが、やろうとすると手に付かない。
なんやかやしてるそのうちに時間が過ぎていくというのが、
kirekoとしては、とても悔しいわけでして。
うーん、一日が108時間あればいいのに。

というわけで今回は、チョット前から感想を頼まれていた(?)
近藤さんの六百文字小説の感想をやろうじゃないかという話。

*感想テンプレ

■(タイトル+小説直リンク) ジャンル(ジャンル) 作:作者名
:あらすじ(小説家になろう投稿時に書いてあるあらすじ)
:感想(kirekoの感想)

*感想テンプレ終わり

============はい開始==============


六百文字小説集 ジャンル その他 作:近藤義一

:あらすじ
六百文字の小説です。長く繋がったお話を期待されていた方ごめんなさい。文字数はワードで数えています。ほかの表示では差異があるかもしれません。常用するもの以外の記号はなるべく使いません。

:感想
一つ一つが連作ではない、一話600文字の短編集。kirekoも体験したことなのだが、文字表現、しかも他者に伝える情報が、他の書き物より多分に多くなってしまいがちな小説という類になると、作者が意図して文字数縛りを行うというのは非常に難しいものだと思う。例えばオチが30文字あったら、本文は570文字しか使えない。その間に、話の大本、前説からネタふりまでやらなくてはならないと考えると、どんなに話を短くまとめることが得意な人でも、万人が理解でき、納得できるような明瞭簡潔な話を書くのは難しい。普段長い文章を書きなれている人、またはそれを読む読者からすると、文章を構成する力とは、また違う力が必要になってくることがわかるだろう。書き手は全体の構成への目配せ、読者には読んでいる部分以外での書き手が伝えたかった事を汲み取る力が必要になってくると思う。
長々と前説したが、一本一本別々の短編を連ねた短編集のような作品であるため、今回は分割感想でいく。

①「六百文字」について

600文字という制限をこれからするぞという意気込みのような、読者への軽い説明のような、そういうものを「感情」「字幕スーパー」「五十音表」など、判りやすいたとえを用いて捉えた話。テレビなどで多用されるようになった字幕スーパーの氾濫などは、読み物だとしてもわかりやすい例えであると思うし、個人的に好きだった「この五十音表十二枚以上のことは何もない。」という、ちょっとぶっきらぼうな読者へのメッセージは気に入った。

②「遠距離攻撃」について

600文字の小話にしては、いきなり難解な設定だ。この制限の中で読者に飲み込ませるには、少々内容が突拍子過ぎる。話の面白さは、個人的にかなり薄い。状況の説明なども、文字制限プレイがあるため、余りにも詰め込みすぎで、想像できない。おそらくこれは、話の内容云々より、普通ならば使うであろう部位に、文章の区分である句点「。」を使わず、全ての描写を読点「、」で続けた事に意図がありそうだ。時間経過をリアルタイムで読者に読ませたいのか?と最初は思った。

③「景色など眺めても退屈」について

電車に乗って目的地までつく時間(コスト)について書かれた小話。話の中の山と谷、その高低を楽しむ、そういった小説内のギャップの付け方については、作者お得意の手法だと思う。文字、文章をあえて難しく読者に捉えさせ、印象付けて、最期の最期は、拍子抜けさせるように簡単にオトす。こういうギャップは、読者がハマるかどうかで感想は違う物だが、個人的には好きだ。やや中盤の数的捉え方「生命活動は本質的に無駄なコストを嫌うものである」の一文について、しっくりこなかったというのはあるものの、ギャップに弱い人は面白いのではないだろうか。

④「恩師からの言葉」について

以前このブログでやった、テーマ付き描写「毒」の話。前文に2つほど説明の描写が加えられているから、以前より設定が明確になっている。ただ、読者が教授の存在、そして主人公の存在を汲み取るには、まだまだ描写が足りない気がする。文字制限の中でそれをやれというのも無理な話だが。

⑤「愛情表現」について

話としては難しくないし、伝えたい事もわかる。ただ、やはり使うネタが制限に対し重過ぎるし、全体的に綺麗過ぎる。その人の今居る場所、そしてその感情を考えると、余りにも落ち着きすぎているという疑問が浮かぶ。一人称であることもそうだが、読者の眼を惹くには、余りにも一本道であるというか、話の大本が通俗的過ぎる気がした。似たり寄ったりの設定が氾濫してしまっている現在において、この既知感と制限プレイの同居は、読者に詰め込みと作者の余裕のなさを窺わせてしまうだろう。幾つかの描写を削って、他の作品との差別化をはかるためにも、もっとこの話のオリジナリティを持ち出しても良かったのではないだろうか。

⑥「修羅場」について

切羽詰った野球物。一つ一つ、その場その場で思う主人公達の感情も想像できるものなのだが、どうしても説明臭くなってしまうのは否めない。六百文字という中で設定を紹介出来た事は確かにすごい事ではあるのだが、読み手にとって一番大事な話の面白さというのは、実際感じられなかった。どうも個人のモノローグや状況の説明にばかり目がいってしまって、肝心の魅せる表現が置き去りになってしまっている気がした。


以上。


============終わり============


>縛りプレイについて

書く人のタイプや魅せる部分にもよると思うが、おそらく600文字は、それだけで一つの話、ドラマにするにはかなり難しい部類だと思う。続き物ならまだ話は変わっただろうが、600文字という制限に気がいってしまっている事が、読者にわかってしまうと、書き手としては二重の損になるのでは?と感じた。
一話600文字の続編なら、更新も感想も楽に出来そうだとは思うのだが……。



自己鍛錬以外の文字制限プレイは、精神衛生的に悪そうと感じたkirekoであった。



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簡潔な感想編

2009年01月13日 23時03分00秒 | 小説の感想と批評
必要以上をなくしていく@kirekoです。

>今日の感想と批評

どうも、ご無沙汰してます。
感想の切れ味のなまくらぶりだけは一人前なkirekoです。
だからこそ、ふうらい屋さんのあの直観力に憧れる。
一読者(仮)さんのソフトな感想も羨ましい。
戦国アーサー氏の感想の軽さも必要かなと思ってしまう……。












だがkirekoは、神にだって従わない。


※要約
短くて伝わりやすい簡潔な感想を心がけます。


■企画の意図は、こちら
http://blog.goo.ne.jp/kireko1564213/e/7e03a0212eb392c37028780a1c7f63d9

*感想テンプレ

■(タイトル+小説直リンク) ジャンル(ジャンル) 作:作者名
:あらすじ(小説家になろう投稿時に書いてあるあらすじ)
:感想(kirekoの感想)

*感想テンプレ終わり



============はい開始==============

大みそか ジャンル 恋愛 作:尚文産商堂

:あらすじ
大みそかになっても仕事が終わらない俺ら。何かいいことないかな…

:感想
大晦日を主題に、終わるはずだった年末の仕事を片付ける男女の話。全体的に「仕事」という設定が少しボヤけて見えてこないが、決して難しい話ではないし、恋愛としては手軽だ。が、裏を返せば、恋愛要素が薄いという事にも繋がっているので、「唇に、わずかな圧迫感があった。」と包み隠す表現以外は、余りロマンを感じなかった。手軽すぎる面が良いか悪いかは個人差があるが、恋愛として必要なもの(描写)はまだまだある気がする。「仮説ベッド」なんて誤字も気になる。


元日メール2009 あとがき解答版 ジャンル 推理 作:早浪討矢

:あらすじ
少年探偵団の元に届いた怪盗約二十面相からの元日メール。君にこの謎が解けるかな?

:感想
本格的な推理というより、文章の中のなぞなぞ、といった話。少年探偵団に送られてきたメールに入っているなぞなぞの答えは、作者あとがきに書いてあるので、頭をやわらかくして、解けなかったら見てみよう。個人的にはオーストラリアでバカンスを楽しむ怪盗の姿はどんなものか、そっちのほうが気になってしまった。あと、怪盗がメールを送った相手が少年探偵団ということなのに、いきなり「増上慢(仏教用語で過信の意)」なんて言葉はどうなんだろうか。ちなみにkirekoは、何故だかなぞなぞに対して疑問がわかなかった。きっと、疲れているのだろう。


寝正月 ジャンル 恋愛 作:恵多

:あらすじ
大晦日、仕事に出かけたきりの男の帰りを一人部屋で待つオレ。

:感想
今年初めてのBLの感想だ。心を引き締めよう。話は、会社の幹部エリートリーマン(?)と、その会社の代表取締役のボンボンダメ息子が、キャッキャウフフする内容。前書きで言われていたように刺激的な内容はほぼなく、BLという部分と、キス描写を除けば、普通である。読み終わって気になったのは、ダメ息子はともかく、エリートリーマン側の心が見えてこない。本文中で書いていないところをみるに、想像しろという事なのかもしれないが、自分の地位のステップアップの踏み台としてダメ息子との関係をもっているぐらいの理由が必要だと思った。単純に「肉体的に寂しい」という理由だとしたら、別に相手は女性でもいいはずだ。時間軸の設定も、イマイチ生かしきれていない。あと、本文中に負(マイナー)思考という言葉が出てくるが、前後の意味合いを考えるとネガティブの意味違いではないだろうか。男性が男性を愛する事がマイナー(マイノリティ)という位置づけなら、まだ話はわかるが。


魔王マオちゃんの勇者様観察記 ジャンル コメディー 作:雨永祭

:あらすじ
魔王のマオちゃんは勇者に一目惚れしてしまいました。寝ても覚めても頭の中は勇者のことばかり。あんまり好きになり過ぎて、マオちゃんは〈愛の戦士〉になったのです。そうして、マオちゃんは魔王の仕事を他人に押し付け、極めて常識的で善人な親友を巻き込み、勇者をストーキングする日々をはじめるのでした。

:感想
相対するべき、敵対すべき者に恋心抱くというのは、シナリオとしてロマンがある。ただ、それが片思いであり、ベタ惚れとなると、少しそのロマンも陰ってしまう気がする。しかしこれはコメディーなので、そういうロマンよりも、一時の楽しさがあれば良いと思う。短い話ではあるのだが、それに対してキャラクターが多すぎて、若干立ち位置など把握できない感じがあり、後半、盗聴をしていたマオに対し、なぜアモネが逃げたのか、読みが浅いのか理解できなかった。従者が勝手に手を出したから怒っているのだろうか。設定は良いとおもったので、もう少し細かい描写が欲しいなと思った。


ボランティア ジャンル その他 作:柊鏡

:あらすじ
「セックスボランティアって知ってるか?」と、A氏が訊いたので、私は「知らん」と応えた。A氏は、ふぅんと唸ってから、したり顔で説明し始めた。

:感想
うまい話には裏がある。それも考えず行動してしまった人の小話。一定の間隔で纏められた小話、短文というのは、テーマとオチの切れ味が全てだから、オチがよければ面白いと感じるし、オチが悪ければダメだと感じる。じゃあ、この話はどっちなのか?と聞かれると、物が上から落ちて、下にストンと落ちるような読後感を受けた。短文だとしても、別に縛りプレイをしているわけではないのだから、個人的には「しかしそのババアが……」と続くように、もう少しオチにひねりが欲しいと思った。しいて引っかかる部分があるとすれば「なんてな」ってところ。他人事だから、こんな言葉を使ったのだろうか。とても謎だ。


あり得ない 兄弟 ジャンル その他 作:もんつきはかま

:あらすじ
本当にいるのかなあ。それは、兄弟愛?

:感想
ありえないというか、人の眼を余り気にしない、大っ広げ過ぎる姉と弟の話を見た、主婦の話。一見すればわかると思うが、作者の入力したソフトが悪かったのか、台詞、地の文問わず、余りにも字続きな本文は非常に読み辛く感じる。台詞の改行、句読点の打ち方も難解であり、「どうであるか」という内容云々よりも、一読するのにまず苦労する。そういうのを取っ払って内容が面白いのか、といえば、意外と設定は面白いかも、と思う部分があった。ただ、それが「どうであるか?」と読者に問いかけるには、内容が薄すぎる。もう少し、二人が行ったありえない判例など、具体的な描写を用いて読者をひきつけるのも手ではないだろうか。


洋館の女主人とコーヒー ジャンル ファンタジー 作:山之内 博道

:あらすじ
避暑地の洋館の女主人と地元の青年の幻の思い出

:感想
!?
あ、ありのまま起こった事を話すぜ!
何かオチがあると思って読んでいたら、話がそのまま終わっていた!
わけがわからねーと思うが、言ってる俺もわけがわからなかったぜ!
不思議な体験という奴にスポットをあてるにしても、もう少しみせ方がある気がする……。

=========終わり============


>簡潔を心がけたつもりが、ただの省エネモード

頑張って、簡潔な感想(?)を貫いた結果がこれだよ!


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あけましておめでたう感想編

2009年01月04日 22時07分03秒 | 小説の感想と批評
ジグザグ世界は周り、ため息ついて@kirekoです。

>今日の感想と批評

あけましておめでとうございます。
色んな年明けをした人が居ると思いますが、kirekoはクラッカー片手に異次元に放り込まれていました。
年末三が日の激務を終え、とりあえず朝帰ってきて、風呂に入り、七日分ぐらいの洗濯物を一気に片付けた後、8時間ほど寝て、今に至ります。
さて、前口上が長くなったな。
やるかい。

■企画の意図は、こちら
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*感想テンプレ

■(タイトル+小説直リンク) ジャンル(ジャンル) 作:作者名
:あらすじ(小説家になろう投稿時に書いてあるあらすじ)
:読める判定(kireko個人が読めるか読めないか)
:好き嫌い判定(kireko個人が好きか嫌いか)
:感想(kirekoの感想)

*感想テンプレ終わり



============はい開始==============

セラフィン・バニー 4 ジャンル SF 作:葛城 炯

:あらすじ
惑星調査員であるオレの楽しみはハンバーグを食べること。貴重種のハンバーグを食べて満足していたオレは……ステーキにありついた。

:感想
毎度お馴染み惑星調査員が、暇つぶしに海へ漁に行く話。前にも言ったが、一発ものの多い短編でシリーズを重ねるということは、初見読者への最初の説明の長短が最も難しいし、書き手からしたら一番手間のかかる事なのではないだろうか。いっそ長編にしたほうが、序盤の説明の手間を省けるから良いと思ってしまった。さて、というわけで感想に入っていこう。食べるという欲求と、それに順ずる行為が、話と主人公を動かす全ての原動力になっているため、始まりからオチに至るまで、このシリーズのテンプレはほぼ完成しているように思える。話としては、それまでメインの狩猟場であった陸地を離れ、海へ魚をとりに行くという流れなのだが、その中で特に気になったのは、場面(首長竜の岩石魚追い込み)や物質(パイプベッド)については良く書かれているのに対し、メインである生物の描写が散漫な気がする。「岩石のような巨大な魚」という描写があるが、後半の小さい岩石魚=鰹か、小型のマグロという描写が無かったら、大きい岩石魚のサイズや、それを捕食する首長竜についても、外観はともかく、イマイチその大きさが想像できなかったことが残念だ。具体的な数値(何Mで、どのくらいの重さなのか)や、それの対比となるものが何かあれば良かったのだが、そういう疑問が先に来てしまって、上記で感じた場面や話のテンプレ的面白さが半減してしまった気がする。長編ならまだしも、短編一発勝負と考えると、主人公の体格から、セラ(バニーガールに見えるウサギ)の大きさに至るまで、もう少し細かい描写も必要になってくるのではないだろうか。あと、今回はジンマシンですんだが、食べた岩石魚が河豚みたいな毒(テトロドキシンだっけ?)を持っていたら、主人公はどうなっていたのだろう。実際考えてみると怖いものがあったが、毒が解析できないところが、高度な科学力がありそうな環境なのに、どこかぬけていて、話の面白さに繋がるとは思う。
以下、文章の中で気になったところ。
 電磁麻酔銃が効いたのか、それともちょこっとだけ効いて、岩浜に頭をぶつけた衝撃で失神したのか?    兎に角、するべきコトは1つ。
意図的なものでなければ、改行ミスか?
「逃げるぞっ!」 「みっ!」
反応の同時感を出したいというのはわかるが、縦書きだとどういう風になるのだろうか。

:読める判定 既知感もあり、中盤までは読むスピードが落ちる :好き嫌い判定 長編ならわかるが、短編だと理解しにくい点が多い


殺したいオス ジャンル その他 作:菜宮 雪

:あらすじ
私は口うるさいあなたが嫌い。どうしてあなたはそんなにいちいち、私に文句を言うの?私が殺したいオス、それはあなたのこと。

:感想
詩よりも現実的で、ミステリーのような書き方、ある人の深刻な悩みを綴ったダークな内容を持つ、とても短い話。たわごとで更新されていた妄想物語、しいては長編のほうでもあったのだが、少々刺激的な表現を用いて、読者を引っかける話を書くのが得意なのか、書き手の癖が顕著に出ていて、通例的に読む読者には安心して読める内容だと思う。個人的には、このオチにもってくるために、もう少し刺激的な表現や描写を用いて、長く書いてもスンナリ飲み込めそうだった。と、ここで、そのオチについての感想を言いたいのだが、前述した通り「それがなんであるのか」というミステリー要素も入っているので、話のオチを書いてしまうと、面白さが半減すると思う。だから結局、表現の感想になってしまうのは、了解していただきたい。では、この話の中で気に入った部分をピックアップしよう。
あなたは、広い家で我がままいっぱいに育てられたのね。
大切に、大切に、家族から愛されて……
そりゃあ、よかった。だけど、ちょっとねえ……
叱られたことってあるかな?
ないだろうね、きっと。あなたの家族は、あなたに甘すぎるよ。
あなたに人の気持ちなんかわかるわけもない。


読んだ時点では、この描写を見てダメな旦那を想像してたので、オチを知ってからは、「ああ、なるほど」と二重の面白さがあると思う。

その気になれば、毒でも盛って、あなたの寿命を縮めることだってできるよ。
じわじわと、ヒ素でも与えて、誰にもわからないように、あなたを絶命させる。
それとは別のやり方でもいい。あなたさえいなければ、私は幸せ。
頭の中で、あなたに棒を振り上げて、滅多打ちにする自分にうっとり……


じわじわと毒殺も怖いが、棒で滅多打ちにしてうっとりというのは、かなり病的で、過激な表現だった。

:読める判定 短いので読みやすい :好き嫌い判定 もう少し過激な表現が多いほうが、オチとのギャップが出て好みだ


オイル アンド ギア ジャンル SF 作:近藤義一

:あらすじ
バスケ部に所属していた三石は、先輩の横暴に耐えかねて退部した。放課後をそれなりに有意義に過ごしていたが、機械技術クラブの部長である足立に目を掛けられ、疎ましく思いながらも、依頼された無法ロボット捕獲作戦を通じて理解し、ついに入部する。

:感想
元バスケ部でスポーツが得意な主人公三石が、あやしげなクラブの勧誘を受けるという作品。細かな描写よりも、文章の持つスピード感と展開のテンポを重視した台詞劇のような書き方なので、おそらく難解なものが多いSF作品の中でも、かなりライトな部類に入るし、入門編……というより、入り口の三歩手前で手招きされている感じだ。前述したとおり、台詞が主体になっているため、読み手の好き嫌いはわかれるだろう。だが、少々質感は失われているものの、一度台詞劇のテンポに入り込んでしまうと、なかなか抜け出せない面白さがあると思う。内容は、成長を続ける破壊のために造られたマシンを、身体能力が飛躍的にあがるパワードスーツ(?)を着て、捕獲すれば30万円の現金が手に入るので、主人公三石は、改造○イボを捕獲しようと奮闘するという話。小難しいことは一つもないが、やはり一般読者が読むのを意識してか、設定の面白さを生かすには軽過ぎる描写が気になってしまう。改行や、文章校正のミスも多くあり、色々な疑問も解消しないで終わっているので、読み終わって、話として練りきれていない感覚を受けた。「なぜ?どうして?」という部分の解説が幾つかあると、もっと読めたに違いない。ただ、クラブの女子メンバー以外の、主人公三石と、クラブ部長足立というキャラクターが、非常に良く立っているので、台詞劇、いわゆるミュージカル要素を含んだ劇としてみれば、とても面白い。個人的に面白いと思った台詞を、これまたピックアップしてみよう。

「私は諦めない。諦めたときが終わるときで、私はそれを終わらせる気がないからだ」
「もう終わりだ。わかったな」


クラブ勧誘という、めんどくさい話をする足立に対し、スパッと切り返す三石が面白い。

「そうだ。君がよちよちある気を始めた頃にはもう活動を始めていたんだよ我がクラブは」
「俺の歴史とは関係ないだろ。だいたい十五年もやってていまだ部として認められていないってのが問題じゃないか」
「うむ、核心かもしれない。メモしておこう」


足立と三石の台詞。
この足立の切り替えの早さが、なんとも妙だ。
悪口、皮肉の類でも、メモしてしまうところなんかは、話の一区切りのオチとしても、キャラクターの表現としても面白い。

「大会には、簡単に言うと自分の陣地にある風船が破られたら負けというルールがあった。しかし、当時の我がクラブの部長は、相手のロボットを徹底的に破壊する、という目的でロボットを製作し、出場したのだ」

NHKでよくやっている全国ロボット大会の映像を想像しながら、このロボットの驚愕の設定を見て思わず笑ってしまった。

「腕を引きちぎられ、足を踏み潰され、内部のハーネスを引きずり出されてオイルにまみれ、ロボットのベトナム戦争とささやかれた」

敵の風船割りロボットが油圧式なのが何気に気に入ってしまったのだが、ロボットのベトナム戦争という表現が面白い。

「そんなことするか。こう見えても毎日アルバイトをして経費を捻出している身だ、クラブを存続させようと一生懸命なのだ。七十万も独り占めするか。七十万か。いいなあ七十万。七十万あったらなにに使おうかなあ」

足立の本音。
変人だからこそ、このブレるキャラクターが許されるのかもしれない。

「卑怯者っ、悪の科学者っ、政治家っ」

報酬のためとはいえ、体を張っているのに、まさかの裏切りに対面。
足立の声も鬼畜だが、三石の出るコミカルな台詞も、そりゃもっともだと思う。

「我々のクラブは、結局、人間を調べるところから始まる。思考と運動の能力を兼ね備えた機械を造ろうと思えば、手本になるのは人間だけなのだ」

パワードスーツ造った奴が、何いまさら言ってんだという感じで、やや流れが唐突ではあるが、ロボットが持っている全ての運動は、人間の動きがベースになっている事を示唆する台詞。
なんとなく聞きいってしまう。

:読める判定 ミスはあるが、非常に軽い :好き嫌い判定 台詞が面白いと感じる人なら


===========終わり===========

>今年の抱負

今まで通り、素直な感想を貫く。
それだけ。


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恋愛短編感想

2008年12月18日 00時54分33秒 | 小説の感想と批評
今回は苦手な恋愛にスポットをあてる@kirekoです。

>今日の感想と批評

今回の動機「みんなあんなに頑張ってるのに俺が頑張らないでどうすんの」
というわけで、ジャンル恋愛からパッパとkirekoが読んだのを拾っていきます。
(いつもより、ちょっとばかし省エネモードです)

■企画の意図は、こちら
http://blog.goo.ne.jp/kireko1564213/e/7e03a0212eb392c37028780a1c7f63d9

*感想テンプレ

■(タイトル+小説直リンク) ジャンル(ジャンル) 作:作者名
:あらすじ(小説家になろう投稿時に書いてあるあらすじ)
:読める判定(kireko個人が読めるか読めないか)
:好き嫌い判定(kireko個人が好きか嫌いか)
:感想(kirekoの感想)

*感想テンプレ終わり



============はい開始==============


雨のち ジャンル 恋愛 作:はじめ ふみ

:あらすじ
雨、湿気の多い日、くせっ毛女の子の憂鬱。

:感想
くせっ毛の気になる女の子が主人公の話。
どうも恋愛作品というと、最初からジェットコースターのような刺激的な展開が多いが、こういう一見素っ気なさそうで素朴で、短い話をちゃんと恋愛に持っていく事こそ、書き手の腕が試されるものだとkirekoは思う。さて感想に入っていこう。とても短い話だが、一人称でまとめられた内容はスムーズに進み、心情の描写も軽く、その恋愛を意味する表現もまた上手だと思った。kirekoも、かなりクセのある髪質なので、序盤のくせっ毛に対する思いや、周囲から言われた事の感じ方というのは、非常に共感があった。中盤以降は、同じ悩みを持つ者同士が、合意の上でスキンシップすると言う感じなのだが、ここが個人的に一番気に入っている。互いに髪を触れるとき、男の悩みを聞いてから、髪を触らせた主人公と男との会話
「ゴワゴワだ」
「だろ? そっちの方がぜんぜんいい。綺麗な髪だよ。羨ましいな。俺なんて雷様だ」

この言い回しは面白かった。「雷様」なんてのは想像させる言葉選びであったし、くせっ毛を持つ者、ツヤツヤに憧れる者として、非常にわかりやすい台詞だったと思う。ほどよい短さで、きっちり纏められていること、ほのかに匂わせる恋愛の予感を上手く捉えた表現、その後の彼女らがどうなったのかも想像すると、短編としてかなり面白い部類に入るとkirekoは思う。個人的に秀作!

:読める判定 くせっ毛の人は是非 :好き嫌い判定 好きだね



スメル ジャンル 恋愛 作:市松ざんげ

:あらすじ
私はあなたの部屋の匂いが好き。

:感想
煙草を吸う女性と、その匂いを嗅ぐのが好きだという男性、そんな二人の話。
内容を語るにはとても短い文章と内容なので、恋愛作品としての旨味や、主題であるだろう切なさについての情報が少なく、伝わる部分は薄いものの、この二人に何があったのか、そういう想像を促す仕掛けがしてあるのは、何となく受け取れる。本文中で態々(わざわざ)とか、其(そ)れとか、寄越すとか、恋愛物に必要なのか?と思われる漢字が使われているものの、文章の短さもあり、基本的に読み詰まる事はなかった。あと、匂いについて本編では語られているが、グレープの匂いのする男の部屋というのは、なかなか面白い設定だなと思った。芳香剤か何かなんだろうけど、どうせ好きな女の吸う煙草の匂いで部屋が充満するのに、何でわざわざ芳香剤なんかかけるんだろうか、と疑問に思った。たぶん、その辺が短い本編で語らなかった「すれ違い」を覗かせるヒントのようなものなんだろうけど、そのすれ違いがなんなのか、個人的に気になった。

:読める判定 あっちゅーま :好き嫌い判定 続きが少し気になる



プライド ジャンル 恋愛 作:衣緒

:あらすじ
浮気ばかりを繰り返す彼に怒った少女は…。

:感想
15歳の少女が、浮気癖のある男の前に起こした凶行という話。
少し不安定な男女の恋愛話には、浮気のしたとかしてないとか、そういう誤解が生じる話がつきものだと相場が決まっているが、この話は実際浮気現場を見て、知っていてながら、あくまでも冷静に復讐を遂行し、それでもなお浮気癖のある男と付き合おうとする、そんな主人公の行動や気持ちが面白いかどうかで、感想は変わってくると思う。金属バッドで憎き相手の女の顔と体を痛めつけ、ゴミ袋に詰めて「使用済み」と書いて裸で投げ出す冷徹なる残虐性、止めに入った男への執拗な復讐心(己へのプライド)は、想像するとなかなか怖いものだと背筋がヒヤッとした。恋愛物というより、もうこれは一種のサスペンスホラーだ。そういう展開については面白いなと思うものの、女性の力とはいえ金属バッドで思い切り顔面を叩いたら、たぶん一発で卒倒してしまうんじゃないかという疑問と、やや主人公について語られている部分が少なく感じる。タイトルにも、この話の動機にもなっている「安くみるな」というプライドに関しては、もう少し本文中で触れても良かったんじゃないんだろうか。15歳の少女にここまで行動させるには、それなりの背景、理由が必要だと思う。

:読める判定 恋愛というよりスリルもの :好き嫌い判定 恐ろしい



俺と彼女 ジャンル 恋愛 作:たくや

:あらすじ
俺と俺の彼女のストーリーを書いたので読んでください。よろしくね

:感想
もはや何もいうまい。
好奇心の沸く挑戦的なあらすじだったのに、飛び込んでみたら誤字脱字の多い日記だったという罠。

:読める判定 \(^o^)/ :好き嫌い判定 \(^o^)/



それは一つの不幸から始まった ジャンル 恋愛 作:七人

:あらすじ
今思えば、俺と彼女は「被害者」と「第一発見者」――たった、それだけの関係だった。

:感想
事故にあった見ず知らずの女性に語りかけるうちに、その人の事が好きになってしまった男の話。
恋愛要素云々より、ある一つの不思議な話に近いが、その書き方やオチまでの展開は、少し昔のドラマの脚本を思わせるほどロマンティックであり、また小説として想像できる内容だった。被害者女性の家族に「彼氏」だと勘違いされつつも、眼の覚めない見ず知らずの女性を覗き見し、語りかける内に、いつしか恋心が芽生えてしまうという、ちょっと妄想めいた男の主観が面白いかどうかが、この話を読む鍵になってくるだろう。後半はご都合主義的な解釈が幾つかされているが、彼女が目覚めた時の不安、消えようと思い雨の中を歩く主人公の気持ちなどは、描写の短さに対して想像できるものがあったし、その後追いかけてくる彼女と、投げかける不思議な同調の言葉は、なんとなく読んでいる側に安堵を与えた気がする。ただ、やはり問題点も多く見える。薬漬けの未青年が運転する改造車に轢かれてしまった女性を見て、主人公が「赤い敷布団をしいていた」という表現を思い描くというのは、読んでいて綺麗すぎるかなと思った。また後半出てくる、恋の目覚めに気付いた主人公のモノローグ中の「記事に誤りが多くなったり」というのも、最序盤で「インタビュー」という言葉がなかったら、主人公が何をやっているのかわからない読者も居るんじゃないんだろうか。想像させる表現、設定解説の不満足、後付的にもってくる描写の必要不必要、そういう細かい部分まで気を配れれば、もっと話として完成度が増したと思う話だった。

:読める判定 読める :好き嫌い判定 たまに気になる部分あり



=========終了=============

>ふう

見返してみて恋愛物の感想は、やはり苦手だなと思う。


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感想スタイル

2008年12月12日 17時58分24秒 | 小説の感想と批評
大掃除シーズンを前にして@kirekoです。

>見比べてみた

最古の感想
http://blog.goo.ne.jp/kireko1564213/e/9118cbd7644520531ed88477c0e58488

最新の感想
http://blog.goo.ne.jp/kireko1564213/e/5ebc4d373dbeacfc010b119f3fcfd400

見比べて思ったのは、やはり
初回の感想軽ッ!!軽すぎッ!空気いれた風船ぐらい浮いてるしッ!
と、良い具合に自分の過去を振り返って痛みを感じながら
悦に浸る、マゾい成分を解き放っている今日この頃、
皆様いかがお過ごしでしょうか。


>本題

自分がどういうスタイルで感想をし、
どういうジャンルを好んで(または嫌って)読むのか、
またジャンル別に感想の軽重が違ったりする事があるのか、
一応毎回貼る感想テンプレにも、作品を読んだその時々の感想にも書いたんですが、
明確なスタンスを出してなかったので、今の内に言っておこうかなと。
まあ、一般的に通用するネタが完全枯渇したブログの苦肉の更新のためでもあるんですが。


というわけでkirekoのジャンル別感想スタイルについて書こうと思います。
紹介した作品群を読む時の目安にしてみてください。


■ジャンル:SF

:感想のスタイル
kireko自身、興味あるジャンルなので、作品云々によっては感想が長くなったり、解析や推論を唱えたくなる事が多いので、感想を超えた個人的な熱が入る事もしばしばであり、全体的に感想は柔らかめになる事が多い。ただ、やはり専門用語が頻繁に出てくるので、基本的に一般読者の視点に立って読み、用語の説明を怠っていたり、わかり辛い部分があったり、話として成立していないと感じたら、酷評になりやすい。

:SF作品のこういうのが好き
オチの二転三転のどんでん返し。
スケールがでかい展開。
一般読者が理解しがたい部分をなるべく簡単に、簡潔に纏められている、読者に配慮した話が好き。


■ジャンル:推理

:感想のスタイル
おそらく感想をやってきた中で、一番作品数が少ないジャンル。個人的に推理物は長々と語る割に、あっけない最期を迎えたりすることが多いので、感想を言う側からしても苦手なジャンルというか、そういう偏見、先入観がkirekoの中にまずある。推理小説の旨味は、読者が主人公になりきって推理するのか、それとも読者は読者としての目で推理するのか、そういう部分が基本的にわかってないので、個人的な感想は雑になりやすい。

:推理作品のこういうのが好き
最初並べた伏線を、最期までちゃんと回収していくキッチリした奴。


■ジャンル:ファンタジー

:感想のスタイル
作品のジャンルそのものの範囲の多さがあるので明言は出来ないが、現実、虚構、空想どちらにしても、その世界観の設定や、そこに住む登場人物のユニークな一面を読み取っていき、シチュエーション(場面)ごとに使われる世界観を壊さない洒落た表現や、台詞に目が行く事が多い。どちらかというとシリアスな物が好きなので、コメディー要素が中途半端な物や、シリアスを気取っているだけで読者の配慮を欠いた作品には、苦い感想を言う傾向がある。言い回しや、表現の使い方、展開なども含め、SF作品に次いで書き手の書き方に注目するジャンルかもしれない。

:ファンタジー作品のこういうのが好き
現実、虚構関わらず、世界観がちゃんと創られて、読む側に伝わってくるもの。
登場人物の役割がはっきりして、最期までそれがブレないもの。
台詞、表現、ともに書き手の拘りが見えるもの。


■ジャンル:戦記(架空戦記含む)

:感想のスタイル
短編紹介では余りお目にかかれないジャンル。長編作品で読む機会はあるが、その感想を纏めるには時間がかかるので、ここには余り出した事が無い。時代設定にもよるが、やはり戦記の旨味は登場人物の生き様や、格好良さ、その他で言えば兵器の描写だと思うので、テンポや台詞云々よりも描写に特化しているほうが個人的には感想が言いやすい。ただ、余り感想の判例がないので、甘いとも辛いとも言いがたい。ただ、このジャンルで内容がコメディーだと、面食らう可能性が高い。

:戦記作品のこういうのがすき。
坦々と続くナレーションのような三人称で描かれているもの。
登場する兵器について細かい描写を書いているもの。


■ジャンル:ホラー

:感想のスタイル
感想企画初期は、かなりの可能性でぶち当たることが多かったジャンル。感想は、ジャンル詩に次いで、辛めだと思う。どのジャンルでもそうだが、特にホラージャンルで大事な事は「どうやって読者を怖がらせるのか」の怖がらせ方だと思うので、生半可に言葉(「凄惨な事件だった」など)で説明されるより、何がどうなっているのか、それについて逐一細かな描写や、迫力のある演出が無かったりすると、酷評になりやすい。どうしても個人的な感覚で考えてしまいがちなので、感想傾向として、邦画ホラーのような心理的に追い詰められるオカルトな怖さよりも、洋画ホラーの逃げ場の無いパニックや、血飛沫飛ぶスプラッターなど、肉体的で五感に訴える怖さのほうが感想を言いやすい。

:ホラー作品でこういうのがすき。
登場人物の心理と、周囲の展開描写のバランスがちゃんとしているもの。
安易な言葉で片付けず、大事なところは細かく描写し、読者を焦らしてくれるもの。


■ジャンル:コメディー

:感想のスタイル
どのジャンルよりも好き嫌いがはっきりしてしまうジャンル。笑えるか、笑えないか、その成分は確実に第三者目線で判断できないので、内容を分析するという行為よりも、ここが面白かったという部分だけピックアップする感想が多い。そういう事もあり、感想を言う側として笑えない場合、かなりシビアになってしまう。テンポの速い、漫才の台本のような台詞重視のコメディーよりも、ちょっと洒落たジョークの類で魅せ、展開で笑わせるほうを好んで読む傾向がある。

:コメディー作品のこういうのがすき。
たとえ筋立てがバラバラでも、書き手が本気で読者を笑わせようとしている作品。ただし、不条理過ぎて理解不能なのは除く。


■ジャンル:恋愛

:感想のスタイル
長大なものから、短小なものまで、とにかく色々読んできたジャンル。読む時に気になるのは、その話が恋愛云々抜きにして、人間心理として理解できるかどうか、その現実性について考察する事が多い。置かれた状況や、描かれた設定に微妙な好き嫌いはあるものの、人間と人間(または別の存在同士でも)の心理的駆け引き、読者に登場人物の思う焦燥や恋慕の大きさなどが、ちゃんと伝わってくるかどうかによって、感想は苦くもなり、甘くもなる。気に入れば感想を「これでもか」というが、気に入らなければまったく書かないといった感じだ。基本的に登場人物が魅力的に描かれていないと……例えば該当の登場人物が普通だったとしても、普通は普通なりに何かないと、読者として感情移入もしにくく、そういう描写が描かれていないと不満に感じる事が多い。

:恋愛作品のこういうのがすき。
登場人物がユニークであり、何をしたいのか、何をしたがっているのか、その欲望がはっきり見えてくるもの。
心理的駆け引きを細かにやってくれているもの。
場面を想像しただけでロマンティックを感じさせる展開など。


■ジャンル:詩、エッセイ

:感想のスタイル
何を伝えたいのか、それがわかるか、わかんないか。または、それに対して何かかんじる事があったか。なんていうのが、感想を言う側の話だと思う。まず、理解ありきで、それが共感出来るかどうか、使われた表現が素晴らしいかどうか、なんてのを重点的に見る事が多い。それがわからない場合は「何が言いたいんだ」と、酷評することもしばしば。

:詩、エッセイ作品でこういうのがすき。
自分が感じた事を、他人に伝えるのに、判りやすく伝わりやすい言葉や表現を使ってくれたり、そういった読者への配慮が少しでも見えるもの。


>以上、あとは総括

読み方は人それぞれだから、それについての感じ方も千差万別。
だから感想は、感想を言うその人となりが見えて面白い。
つまらない、面白いにも、理由はあったほうが良いと考えるのは
作者のためというのもあるが、そういった物も見え隠れするからであーる。


■長々と書いたが、結局何が言いたかったのかイマイチわからないWEB拍手(何か一言あったらどうぞ)


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SF短編感想

2008年12月10日 21時57分06秒 | 小説の感想と批評
そんな魔物と戦い続けるのは@kirekoです。

>今日の感想と批評

我らが偉大なるふうらい屋さんや、新輝新鋭の一読者さん(仮名)が、あれだけ頑張っているのに、kirekoが頑張らないでどうする。
よし、ここは自作品を書けなくなったカモフラージュのために感想をやろうじゃないの。
望んでる望んでないは、別として、ね。

※今回読むジャンルは、主にSFです。


■企画の意図は、こちら
http://blog.goo.ne.jp/kireko1564213/e/7e03a0212eb392c37028780a1c7f63d9

*感想テンプレ

■(タイトル+小説直リンク) ジャンル(ジャンル) 作:作者名
:あらすじ(小説家になろう投稿時に書いてあるあらすじ)
:読める判定(kireko個人が読めるか読めないか)
:好き嫌い判定(kireko個人が好きか嫌いか)
:感想(kirekoの感想)

*感想テンプレ終わり



============はい開始==============


電車 ジャンル SF 作:水上の魚

:あらすじ
真っ赤な電車、真っ白な電車。それぞれどこへ向かうのか…。あなたはどちらの電車に乗れそうですか。

:感想
天国と地獄へ向かう電車を送る、すでに現世にはいない駅員の話。ジャンルはSFというより、ファンタジーに近いものだが、それよりも全体を通して、何か不思議な雰囲気がある小説だ。ただし、内容は細かな情報を伝える描写よりも、台詞の問答が重視されているため、読みにくい人には読みにくいかもしれない。空想にもリアルな質感を求める読者が、こういうIF、もしもの世界を描写なしに想像するのは難しいと思う。そういった前提があるものの、kireko個人は、何故だか話の中に深く入り込んでしまった。何がそんなに気に入ったのかというと、やはり生前料理人として生きてきた先輩駅員の主人公が言う台詞に惹かれるものがあったからだろう。不思議な世界観で語られる、本文中終盤の理由については、少し腑に落ちない点はあるものの、比較対象の後輩も良い味を出しており、主人公の生き様(すでに死んでるが)の格好良さを引き出せている気がした。もう少し天上世界の設定を知りたいという個人的な意味も込めて、台詞や描写を加えて欲しかったと思った。

:読める判定 不思議な感覚 :好き嫌い判定 語感に惹かれた



史上最悪の○×ゲーム ジャンル SF 作:山川公大

:あらすじ
史上最悪の○×ゲームが世界中で行われようとしている…

:感想
世界中にばら撒かれた「ある時刻をもって東西南北、世界の半分を消滅させる」というメッセージ、それにこめられた意味とは……という作品。あらすじとタイトルに、かなり興味を惹かれたが、書き出しの内容は抜群に面白いと思ったのに、オチが尻すぼみで、結局何をしたかったのか、書き手が迷走してしまった感を受ける。しかし、そうは言うものの、タイトルと発想は十分に面白い。普段なら信用しないであろう流言に満ちたメッセージを、各所で見られた幾つかの例から宇宙人の仕業と信じ込んでしまい、世界の人々に許されたのは「立ち位置がよければ助かる」程度。どうなる世界!どうなる人類!と、いったこの設定は、なんとはなしにワクワクしてしまう。そういう設定が面白いだけに、もう少しオチに向けて、各国、各地域、各家庭の慌しさ、最期に出てくる首相の心情を用いて緊迫感を表したりと、内容をもっと充実させて欲しかった。世界の半分が消えるってのに「なにこのねずみこぞう」と言えちゃう太い肝の首相は、確かに面白いと思うのだが、そういう点は別のところでやれるはずだ。

:読める判定 スラスラ読める :好き嫌い判定 設定は面白い



ゴム ジャンル SF 作:鰤金団

:あらすじ
急がなければ良かった。そうすればこんな事にはならなかったのに・・・。

:感想
いつもと違う事をしたら、足元に何か違和感を感じ、それは……といった話。ふとした日常の習慣の違いから、主人公も読者も考え及ばない、とんでもないスケールのでかさになるという発想が、とてもSF的で、面白いなと思った。実際、想像するとかなりぶっ飛んでいて、それでいて怖い展開なのだが、それでもオチにいくまでコミカルに書いていた事が良い意味で、全体の軽重をコントロールできていると思う。個人的には「靴を通り越して靴下にくっついている」あたりで、かなり引き込まれてしまった。ただ、終盤の展開について、せっかく一人称で語っているのだから、もう少しわかりやすく主人公の目線を描写してくれたほうが、地球の自転や公転について知識の無い一般読者にとっても、理解しやすい無いようになったのではないだろうか。オチ自体の面白味はあると感じたので、それまでじっくりやってきたものの集大成として、合間が短すぎるのは、読者として残念だった点だ。

:読める判定 体育会系の人が出てくるまではスラスラ :好き嫌い判定 オチ周辺の強化を



セラフィン・バニー 2 ジャンル SF 作:葛城 炯

:あらすじ
惑星調査員であるオレにはある目的があった。現地の動物の肉で作ったハンバーグを食べること。だが……

:感想
調査目的で捕まえた動物を、ハンバーグにして食べるのが趣味のハンバーグハンターが、見た目がバニーガールに見えてしまうウサギだけの星に降り立った話、その第二段(説明長っ)。前回このシリーズの続きができたよと本人から報告が来てからというもの、感想を言う機会を窺っていたのだが、良い機会なので、続編も、続続編も観想を言ってしまおうと思う。まず、やはり一本限りというイメージの強い短編作品で、続編というスタイルをとっていることから見て取れるように、初見読者への配慮が行き届いているか、簡単に言うと、前作のあらすじを何処まで簡略化し、伝える事が出来るのか、そういう部分に目がいく。前作を知っている人(今回はkirekoもこれに入る)には、そういった序盤説明はややクドめに感じられてしまうものだが、一人称独特の表現を使った、読者に語りかけるような序盤での設定説明は、後半のメカ云々の話をぬけば、かなり明瞭簡潔に書かれていたと思う。そういう説明の面で、全体の話の勢いが若干衰えている印象は受けるが、やはり中盤以降の「どうすればハンバーグを食えるか」については、個人的にわかりやすい展開であると思うし、一見さんでも想像しやすい書き方をしていると思う。視覚を誤魔化す暗視ゴーグルのような物をかけて調理をする姿や、故障のため結局調理出来なくて、ハンバーグにしようと思っていたウサギを治療して返す、といった、そういう面白味、展開の旨味は殆どコメディーに近くて非常に面白い。前回はハンバーグエデン(ハンバーグの楽園)という言葉に惹かれたが、今回は見方を変えてハンバーグヘブンとなっている部分にも、面白味を感じてしまう。前回のインパクトの強いオチの苦々しさとは、また違ったものはあるが、とてもスマートに書き上げていると個人的に感じた。
話は変わるが、実際宇宙食ってそんなに不味いんだろうか。話の中で語られている部分では素っ気無い味っぽいが、ハンバーグには及ばないにしろ、最後に主人公が香味野菜のチーズ焼き食うぐらいだと、とても不味いんだろうなー。

:読める判定 前半の設定説明以外は手軽に読める :好き嫌い判定 良いね



セラフィン・バニー 3 ジャンル SF 作:葛城 炯

:あらすじ
惑星調査員であるオレの楽しみはハンバーグを食べること。だが『在る理由』でそれを諦めていたのだが……やっと食べることが出来る。

:感想
前述の続編。細かい説明や指摘は↑のほうでやったので、今回は単純に感想だけ述べていこう。第三段ということで、続けて読む読者としては、穏やかで半端なコメディータッチの展開よりも、何らかの動き、刺激が欲しいと思うのが普通だ。今作は、前回傷を負った長耳ウサギに懐かれた主人公を描いているものの、起承転結の転を思わせる動きがあった。陸地に繁栄する長耳ウサギと呼ばれる生物が何故、視覚を惑わせる「擬態能力」を持っているのか、その生態系の謎について、少しばかり語られているところが、なかなか想像と興味をそそられる。個人的に良かったのは、やはり序盤の電磁麻酔銃の先端につけたバルーン弾の使い方だろう。わかりやすい伏線だが、作者に珍しくスピード感を重視した展開と、その後の納得できる内容だったことも加味し、想像しやすく面白いなと感じた。ただオチについては、もう王道、テンプレみたいな流れなので、もう一押し笑わせてくれるポイントが欲しかった。本文中で、ちょっと疑問だったのは、長耳ウサギ本体(視覚的擬態ではない方)の描写は詳しいのに、初めて出てきた長耳ウサギの外敵、猛禽類種「キョクハヤブサ」の表面的な描写について余り語られてなかったこと。調査に来て、データが無いという理由だとしたら確かに納得なのだが、読者が「名前だけで獰猛」と判断するには、少し情報が足りなかったのではないだろうか。主人公の慌てぶりから、その存在の脅威を察するしかないとしても、個人的にはもう少し感情的に錯綜したほうが、演出として盛り上げる事はできたと思う。

:読める判定 読める :好き嫌い判定 わかりやすい展開は○



===========終了============

>気付いた事

短編検索だったけど、ジャンルSFでの投稿数の少なさにビビッた。
なんというか、SF企画の感想をしているときにも思ったけど
読者全体から見て、SF作品って、とっつきにくいのかな?
確かに知識が必要なものも多いけど、意外と読んでみると
コメディーや、恋愛の次に一般読者が入りやすい
話としての面白さに秀でるジャンルなんじゃないかなと思うわけ。
片足ファンタジー入り込んでるって意味もあるしね。
SFジャンルだから難しいというイメージを、一般読者には脱して欲しいなと思うkirekoでした。


■なにより話の面白さに着目するWEB拍手(何か一言あったらどうぞ)


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新たなる感想ブログ

2008年12月09日 18時29分47秒 | 小説の感想と批評
何は無くとも新たな感想人@kirekoです。

>今回ご紹介するのは

笑ってる人だって心は孤独

というブログ。
ふうらい屋さん経由で知った(ふうらい屋さんの感想ブログ探索能力の凄さに驚きつつ)のだが、どうやら手軽な短編より、長編を取り扱って紹介、更新しているようだ。
パッと見たところ、kirekoとは違い、かなり温和な言い方で感想を述べている。
長編メインなので、他の感想人の読み比べなどは出来ないと思うが、陰日向にひっそりと埋もれた名作を掘り出してくれる可能性は、短編よりも期待できると思う。

個人的にエールを送りたいと思うのは、やはり長編の感想を行うということだろう。
以前kirekoも幾つか取り上げたが、長編というのは短編と違って、感想を言うのに色んな要素を考慮する必要があるので、感想人としての直感が冴えている人でも、話の全体面を捉えながら感想を言うのは、かなり難しいことだと思う。
しかも、いろんな面で難儀の多いgooブログで感想ブログをやろうとする、その負け戦前提で戦おうとする男気溢れる意気込みは、新鮮でいて強烈だ。

手軽さメインの短編に少し飽きてきた方は、覗いてみては如何だろうか?


ところでブログ名↓のサブタイトルを見てると、どうしても裸の大将を思い浮かべてしまう。
僕はおにぎりさえあれば良いんだなぁ、っていうアレね。

感想依頼作品

2008年12月08日 18時08分23秒 | 小説の感想と批評
めぐりくる感想とは何か@kirekoです。

>今日の感想と批評

依頼が、来た。
では、読もう。


■企画の意図は、こちら
http://blog.goo.ne.jp/kireko1564213/e/7e03a0212eb392c37028780a1c7f63d9

*感想テンプレ

■(タイトル+小説直リンク) ジャンル(ジャンル) 作:作者名
:あらすじ(小説家になろう投稿時に書いてあるあらすじ)
:読める判定(kireko個人が読めるか読めないか)
:好き嫌い判定(kireko個人が好きか嫌いか)
:感想(kirekoの感想)

*感想テンプレ終わり



============はい開始==============

鍋をつつく ジャンル 文学 作:Seimei

:あらすじ
やもめになって、弟子や職人に辞めてもらい、独り親方になってから、鍋料理なんざ面倒臭くて食べたこともない。娘・律保が訪ねて来るまでは。

:感想
自分の身勝手から、一人者になった父親の元に、突然十六年前に別れた自分の娘が鍋を造りにやってくるという話。
依頼人曰く、このブログでやった「どんな描写すんのシリーズ第四弾、鍋を突付く」からの派生で出来た短編らしい。それならば鍋がメインの話になるだろうと思いきや、内容は意外にも人情話だった。前に言ったかもしれないが、小説においてkirekoが大事だと思っている事は、「書き手が話を通して何を伝えたいか?」が、明確に伝わってくるかどうかという点と、「そのために読者に対して過不足無く情報を与えているか?」という点だ。この作品において、それら二つの点が十分に配慮されているかと言うと、kirekoの読みの浅さもあるかもしれないが、どちらも中途半端な感を受けた。確かに書き手がやりたい事、その方向に持っていきたい展開云々は読み取れる。ただし、何だか全体的に台詞も描写も平坦で、個人的な読後感は、妙に味気なかった。それは何故かと本文を追っていくと、やはり登場人物たちの抱える気持ちが判りにくく、今一見えてこないからだろう。特に、父親の主観で語られている割に、父親という人物が見えてこない。十六年という歳月を経て、三十路になった娘と出会い、鍋をつくって食べるまでに、年月という距離感、娘の些細な心身の変化、そういった気付くべき所は幾らでもあるのに、鍋の「牡蠣」「猪肉」といったくだりを見ていると、余りにも打ち解けすぎているというか、平静とし過ぎているというか、二人の間にあるはずの、時間と気持ちの空白が見えてこない。後で使うとはいえ、喉元まで持ち出した松枝の話にしたって、もう少し父親として突っかかっても良いのでは?と思う。まあそういう設定だとすれば納得なのだが、そういう設定について語られている部分が冒頭の一幕でしかなく、読者とすれば判りにくいのではないだろうか。そういう事もひっくるめて、気持ちの入りやすい一人称物にしては、感情が薄味過ぎた気がした。互いの台詞の多さと比べて、父と娘の仕草や表情が、はっきり見えてこない点も、余り感心しない。これはきっと、前述の「何を伝えたいか」の点に関わってくる問題なのだと思うのだが、この作品のメインテーマを「長年別れた親子の告白」とするなら、おそらく、その親子愛が伝わってくる描写が、全体的に不足しているのではないかと個人的に感じる。これが音声、または映像付きなら、この台詞だけで済ませる事が出来るのかもしれないが、やはり文字表現だけだと、二人の心情は伝わらないのでは?よ感じた。
以上の事から察してもらえるように、読みやすいかどうかで言うと、個人的には読みにくい印象を受ける。鍋についても、二人の接点を引き出すための軽いオマケ扱いになってしまった事は、非常に残念だった。
kirekoは特に、面白い表現や展開、独特の台詞回しなど、そういう点で読む関心を惹かれる事があるので、今作では、余りにも平坦な作風に読む手を引っ張られてしまった感がある。どうしても展開が日常的になってしまうこういうネタにおいて、「この話の旨味は、ここのここなんです!」という部分が目立っていないと、やはり読者は想像しにくいし、結果読みにくくなってしまうのではないだろうか。
個人的に感じたのは、変に台詞や描写で遠まわしに読者に訴えかけるよりも、「その時どういう気持ちであるのか?」などの心情を、短く一語で表現する事が必要なのではないだろうか。その部分と平行して、話の中で情報の順番立て(いつ何処で誰が何をした)なんかを簡潔にまとめ、もう一度工夫する必要があると感じた。

:読める判定 文章の何を旨味とするか :好き嫌い判定 好きではない


============終了===========


>ふと思うこと

小説って寿司みたいだなって思う。
扱うネタ(ジャンル)はどういうもので、そのネタで一番美味しいのはどの部分(場面・表現・展開・心情・台詞)か。
それがわかってる調理人(書き手)と、わかってない調理人では、
食べる人(読者)にもよるが、かなりの差が出てきてしまう気がする。
ネタによったって、トロが美味しいのか、赤身が美味しいのかなんてのは、
食べる人次第なんだけどね。
調理次第では美味しくなりそうと感じるだけに、読んでて苦々しい思いをすることもあるということ。
なんてね。

前にも言ったけど、
対象とする読者層は何処なのか。
自分がこれを通して何を伝えたいのか。
書き手のやりたい事が、はたして読者の旨味と合致しているのか。
そして書き終えたとき、自分で書いた話が面白いと感じられるか。

と、こういうのを考えてると、まるっきし筆が進まなくなるので
自由に書くのが一番だと思うkirekoでした。


■寒さに凍結するWEB拍手(何か一言あったらどうぞ)


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ぐは、や、やられた!!

2008年12月06日 21時13分08秒 | 小説の感想と批評
自分がやる前に、またもやまさかの第三者ネタ@kirekoです。

>してやられたっ!!

首に噛み付いたつもりが、逆に噛みつかれていた……!
菜宮さんのたわごと最新より

http://www.ac.auone-net.jp/~y-namiya/details1.htm

妄想物語3(ホラーぎみ。グロ、残虐表現、流血あり)
出演:男性役ツバメさん 女性役ニメさん 

http://www.ac.auone-net.jp/~y-namiya/profile1011.htm

というわけで、まさかの第三者からのネタ提供。
いや、たしかに嬉しいけど、首ネタからの仕事速すぎっすよ!
しかも、キャッキャッウフフのほのぼのイチャイチャ話かと思いきや、
首をネタにしたマジでビビる猟奇ホラーとか!!
しかも猟奇するほう俺じゃないか!
こわいよーーーっ!!たすけてくれーっ!
まさかの猟奇ジャンルにkirekoも驚き……!


====ここから本音====


またもやルパン(菜宮さん)にしてやられたっ!!
ちょっとばかし長編読んだからかもしれないけど、
相変わらずの「思わせぶり」な書き方とか、
「え、どうなっちゃうの?マジっすかー」みたいな書き方は、
どんでん返しネタ好きkirekoとしては、本当にしてやられっぱなしな気分だ。
くっ、思わずアッチに拍手もせずに記事を書いてるが、
とにかく焦らしと、「実はこうでした」っていう、どんでん返しが上手いなぁと思う。
D子が一体誰に当てはまるのか、そんな余計な事を考えつつも、
最期のエロシズムを感じさせる描写(食った物を考えると、ちょっと大胆すぎる気もするが)も、それとなくオチとして使えてるあたり、すげえぜ……。
是非こんな風にイチャイチャしてみてえ……じゃなかった、こんな書き方を短期間で出来るのって、やっぱり菜宮さんはすごいと思うわけでして。

しかし何より「してやられた」と思った事は
今書こうとしていたkirekoの話に近い雰囲気だということ。

鍋ネタで一つ浮かんだのに、まさかの妄想かぶりとはっっ……
くっ、こうなりゃ一から焼き直しの出直しだぜ!
あと、言い遅れたけど、菜宮さん書いてくれてサンキューだぜベイベー!


■まさかのハプニングに驚きを隠せないWEB拍手(何か一言あったらどうぞ)


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感想番外編

2008年12月05日 19時17分46秒 | 小説の感想と批評
内容は主に一つの長編の感想@kirekoです。

>今日の感想と批評(番外編)

番外編と称して何か大それた事をやるかというと、そうではなく
短編とは一味違った長編小説を感想対象にしています。
今回読ませてもらったのは、菜宮雪さんの長編小説の中の一つです。
何か不快な面や、間違っている事があったら、遠慮なく言ってください。


*感想テンプレ

■(タイトル+小説直リンク) ジャンル(ジャンル) 作:作者名
:あらすじ(小説家になろう投稿時に書いてあるあらすじ)
:感想(kirekoの感想)
:個人的に好きな台詞(本編でkirekoが好きな台詞)

*感想テンプレ終わり

============開始==============

古家の新婚夫婦 ジャンル 恋愛 作:菜宮 雪

:あらすじ
結婚式を終え、新居として用意した古家へ入居した恵美と祐二。自然いっぱいの田舎のこの家で、新生活を始めた二人だったが、夫の祐二は恵美に隠し事をしていた。やがてすべてを知った恵美が選んだ道は……前半はミステリー、後半はファンタジーのような感じです。【全二十二話完結】

:感想
結婚式を終えて、廃屋まがいの家を新居とした、新婚二人の話。
全22編、総文字数62443文字、読了時間約125分の長編作品。
ジャンル恋愛となると、少し読むのに身構えてしまうものの、書き方はkireko好みの全編三人称であるし、途中で変にふざけたりしないシリアス調が終始変わらず、一歩身を引いて、読者の想像を促す演出などは、最期まで良く纏まっていたと感じた。また人間心理と不思議さが入り混じった内容は、登場人物達の会話や設定に少しでも興味が沸けば、読み嫌う事もせず、読者が最期まで飽きずにサクサク読める良い長さだと思う。それが証拠に、kireko自身余り引っかかるところは無く、この作品を一気に読破することが出来た。
あらすじの解説通り、前半13話までは、読者に推理を促すような伏線、または物語上のキーパーツを幾つか用意して、解答を後に載せる推理、ミステリー要素が強く、16話以降の後半はちょっと不思議な話、妄想空想を孕むファンタジーと言って過言はない。
ただ、だからといって大本の恋愛要素が置き去りになっているかというと、まったくそんな事はない。全編通して主人公恵美を中心とする心情描写、特に前半の新婚生活への淡い期待や、ちょっとした事件への反応、結婚相手である祐二を信じたいと思う女性的な気持ち、そしてその結果引き起こされる疑問と憤り、その全ての押し引きの具合が上手く表現されていると思う。
通俗的な恋愛主観にとらわれたり、おふざけコメディー要素の多いライトな恋愛小説と比べると、かなり異色な設定ではあるが、その設定も読者の想像の範疇を超えないギリギリのラインで、描写においては現実味を感じさせる質感があり、本編において想像させる説得力は確かに存在していたと思う。そして説得力に後押しされた、その異色さ、設定に絡められたストーリーこそが、本作の旨味になっていると思う。
そういう異色な設定であるからこそ、物語の各話解説をしたりするとネタバレとなり、話の面白味が半減してしまうので、ここからは是非、本編を読破してからkirekoの感想を読んでいただきたい。


==========こっからネタバレあり===========

長編小説は眼をパチクリさせるびっくり仰天なオチも大切だが、kireko個人の意見を言えば、そのオチを読ませるまでの過程こそ、大事だと思う。いわゆる読者を飽きさせない工夫、アクション映画でいえば戦闘シーンなどに例えられる、エンターティメント性を重視したつくりが、小説では大事になってくると感じる。そういう意味で、この作品は、読者の興味をそそらせるのを全般的に怠らなかったという点が、非常に高く評価できる。前述した通り、恋愛作品としてあげるならばかなり異色だ。kirekoは今回、ジャンル恋愛という部分だけを汲み取っていたので、「きっと新婚ラブラブな話をベースに、誤解が誤解を呼ぶ展開なんだろうな」と決め付けていた。ところが読み始めてみたら、日を追っておかしくなる日常生活と、何かおかしな気持ちと雰囲気。特に新居に越して三日目ともなると、○○刑事の事件簿も真っ青な、読者を不思議がらせる要素が入っていると個人的には感じた。不思議がらせる要素だと思ったところを厳密に言うと、第2話、初夜の濡れ場(に値すると言ったほうがいいか)で、恵美に祐二が言った台詞中の伏線
「恵美……おまえ、結構色白なんだな。白くて細いきれいな体だ。白蛇じゃないか」
最初kirekoは「好きな人の体を白蛇とか変な奴だな」と感じてしまい、面白い例え方だと思っていた。きっと、何かおかしい比喩表現だなと感じる人には、伏線だと感じられる話だが、最初から奇妙な恋愛物だと思いこんで読んでいたkirekoには、凄く印象的なたとえではあるものの、恋愛の範疇を超える事の無い普通の話だと、その次から始まるおかしな訪問客や事件のほうに目がいってしまった。だから、13話で明らかにされる祐二の正体を目の当たりにしたとき、作中の恵美とともに、一読者として本当に騙された感じがしてしまった。個人的に好きなのは、やはり前半のクライマックスである13話、14話、15話だろう。それまで恵美の心と同調するように悶々としていた疑問が、どんどん解決していくのだが、恋愛物だと思い込んでいた読者(kireko含む)には、13話最期、祐二の放った台詞が、とてつもないどんでん返しに聞こえただろう。
「俺は人間じゃない」
愛した者が人間ではないという事実。
「どうして襲った主婦に噛みつかれた傷が直っているのか」の解説にもなっており、これには度肝を抜かれた。作中の恵美の言葉を借りるなら、婚約者が文字通り「人でなし」な蛇だったということ、そしてその異形の蛇から愛されつつ、自らも蛇に成り果てるというのは、化け蛇である祐二の感情も、人間である恵美の心情も想像しつつ、読む手が止まらない演出と、それに見合ったテンポと台詞であった。前半だけでも読者の興味をそそるエンターテイメント性に満ちた、かなりの工夫がなされていると思うだけに、蛇に成り果てた(人間に変身可)恵美の、新婚以前の人間であった時の思い出と、勝手に化け物にされてしまった憎しみ、その愛の狭間を描く17話以降の表現や、恵美を守ろうとして傷ついた祐二が、恵美に嫌われてもなお放つ、人間的に一途な台詞などは、読者によっては少々気長と感じられる部分もあったが、個人的には、どこか胸に迫る、人の生を失った二人の本当の距離感、その恋愛模様が十分に描かれていると思った。特に後半は、深手を負った祐二の視点で読んでしまったためか、恵美の健気な奉仕を見た後に、21話のデレッデレな台詞(祐二に少し元気がありすぎるような気もするが)には、読んでるこっちが恥ずかしくなるほど、良い後読感があった。
と、そういったエンターテイメント性もあり、設定が普通な恋愛小説をただボケーと読むよりは、確実に良い小説だったと思う。
ただ、問題点をあげるとすれば、やはり前半に比べて後半のテンポが落ちてしまったこと、序盤は細やかにやっていた描写が、後半はやや粗く、長い台詞表現が目立ってしまったところ。あと、前半、恵美が祐二に感じていた疑問の量を見ていると、いくら信頼しているとは言え、信じ過ぎなんじゃないかと思うので、祐二がそれとなく騙す台詞や描写を、もう少し入れても良かったんじゃないだろうか(終盤で恵美は「バカ」と自身を評しているものの、全体通してそこまでバカじゃないと感じたので。まあでも祐二が殺してしまった主婦をあれだけ罪悪感を感じながら、お祈りだけで済ますあたり、バカと言えばバカかも)。それと、細かいところで言えば、第3話における「トトロの森」などといったメタな発言が少し気になる。せっかく全体通して、良い表現を使っているのに、何だか現実に戻されたようで気になった。

:個人的に好きな台詞
本編、第十九話より、祐二が恵美に言った台詞
「おまえが、俺に幸せをくれたからだよ。だから、俺はおまえの為ならどんな事でもしようと思った。今でもその気持ちは変わらない。おまえが俺を離れてどこへ行こうとも、俺はおまえのことは忘れない。俺が許せないならそれでいい。おまえの好きに生きろ。おまえの幸せが俺の幸せだから。ただし、死ぬな。こんなふうに飛び込むことなんか、俺は絶対に許さない」

その前にある
「俺は後悔したくないんだ。もうおまえに会えないかもしれないから」
という台詞も良いけど、やっぱ恋愛作品として考えるとこれだね。
相手に思いを寄せつつ、相手の自由を尊重し、でも縛り付けるように「許さない」なんて言っちゃう、こういう台詞は痺れる。


============終了============

>雑感

プレゼント返しというと、おこがましい内容ではあるものの
素の気持ちで「あ、こういうの良いな」と最期まで読みきれた感じがした。
その作品の感想を書く書かないは別にして、
手軽でいて話に没頭でき、なおかつ読み疲れない小説というのは、
実は長編において最も必要な事なのかもしれない。
もちろん、読者の好き嫌いもあるし、短編においても必要なんだろうけど
やっぱり長編読むなら、自分の肌にあったサクッと読める奴が一番ってことなのかな。

■しかし一向に依頼はこないWEB拍手(何か一言あったらどうぞ)


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ハンバーグ小説の感想

2008年11月26日 15時11分40秒 | 小説の感想と批評
ハンバーグを食べる的な奴@kirekoです。

>単発、感想と批評

予想はしてたけど、まったく感想依頼がこない!
このままでは、せっかく毎度の事、うちのブログを取り上げてもらっている
ふうらい屋さん以下感想ブログの方々に面目が立たない!
というわけで、以前やってもらったハンバーグのお題について
教えていただいて読んでた作品の感想と、それぞれの感想ブログから
一本ずつ作品を持ってきて、まるっとやろうかな、と。
思いついたわけです。

*感想テンプレ

■(タイトル+小説直リンク) ジャンル(ジャンル) 作:作者名
:あらすじ(小説家になろう投稿時に書いてあるあらすじ)
:読める判定(kireko個人が読めるか読めないか)

*感想テンプレ終わり



============はい開始==============

ハンバーグを初めて作ってみた ジャンル その他 作:菜宮 雪

:あらすじ
一人暮らしの僕がハンバーグ作りに初挑戦。ハンバーグを作ることって、楽しいことだったんだね。その味はというと……最高さ!

:感想
20代一人暮らしの男が涎たらしながら初めてハンバーグを作る話。最期まで読むと、主人公がなんだかとんでもない悪党に思える(隣人トラブルに発展しそう)。で、まず、この作品を読むのに大切な事は、何かを食べながらとか、飲みながら読むとかいうのは、やめといたほうがいいとkirekoは思った。個人差はあるものの、ちょっと想像してウップス、と胃の中から何か出てくる感じがした。というわけで感想に入っていこう。基本的には作者が、どうしてもハンバーグを食べたいという主人公の意思を読者に伝えたいのか、ハンバーグ自体の描写や、それを捉えた表現が多い。ただその表現が、なんとも普通じゃない。ハンバーグの形を「メタボ」、あふれ出る肉汁を「ヘドロ状になった白い肉汁」と、想像するだけで食欲が減退する感じだ。料理を美味しそうに例えたり、さも読者の食欲をそそる書き方をする人は多くいるが、こういう風に調理の下手さ、食べ物の不味さを前面に出すというのは、挑戦的だと思う。オチからしてわかるように、きっと狙って書いているのだと思うが、美味しいハンバーグを追求し、想像しながら読む人(kireko)には、かなり難易度の高い作品になっていたと感じた。あと読んでて思ったのは、前半の文章の詰め込み具合、特にハンバーグの描写に拘りすぎて、横書きで読ませるには、読者の読ませる勢いを欠いてしまったという点。後半のスムーズな展開に比べて、作業工程が、時間と描写ともに重めに仕上がっているのが気になった。確かに詳しく書かれているのだが、テーマがテーマだけに少し盛り込みすぎの感を受ける。見た目や焼ける音だけではなく、もう少し多面性を用いて、ライトに「不味そうに」書いても良かったんじゃないだろうかと個人的に思った。主人公が食事タイムに入ってから、オチの持っていき方(特に入れるはずだった小麦粉の描写は、ある意味何かを通り越して、痛快さすらあった)は面白いと思うのだが、まずそういった表現や前半の重めの描写を飲み込めるかどうかが、この作品を読めるか読めないかの鍵になると思う。ただ、本文中のフライ返し押し付けた後のモノローグと、食べた後の「うぇっぷ」な感想は、対比として良いなと思った。



セラフィン・バニー ジャンル SF 作:葛城 炯

:あらすじ
惑星調査員のオレはある星へと降り立った。何をするためか?ハンバーグを食べるためだ。

:感想
惑星調査員の名を借りて、ありとあらゆるハンバーグを求める、好奇心旺盛なハンバーグハンター(勝手に命名)が、ウサギだけの星に来た話。このブログでも、200文字制限でその片鱗を見せてもらったが、まさかこういう全容だとは思っていなかった。他の読者から「設定が重い」とか「用語が難しい」と不等な扱いを受けがちなSF作品としては、内容や設定はかなり軽めに仕上がっているし、話の流れも簡単で、動機も単純、読んでいて想像も容易く出来る話だと思う。一本のSF短編としては、読者を問わず気軽に読める作品だと感じた。個人的に気に入ったのは、やはり星を降りてからの主人公のハンバーグに対する情熱を思わせる表現の仕方。原文中で言う
 草原にウサギだらけの島。
 それが目指すハンバーグ・エデンだ。

は、かなり笑わせてもらった。いくら草食ウサギだけの島とはいえ、ハンバーグのエデン(楽園)っていう表現は、食欲に特化し過ぎている言い回しが好みだ。その他、星の野生動物をハンバーグにし、その肉に入れる香味野菜(実際に味覚を邪魔するほどの臭気や、毒性の強い肉には解毒作用の多い草を繋ぎとして使うことがあるらしい)の割合や、食料品(チーズ)の持込は料金各自負担なんていう細かな設定が見える描写は、個人的に好きだった。最期の一文も、文明人の見栄みたいのが見えて面白かった。



痴漢の話 ジャンル その他 作:中鳩 仁

:あらすじ
「この人、痴漢です!」そういって手首を掴まれたのは、少々変わった男だった。痴漢による冤罪の話。

:感想
ふうらい屋さんのオススメから拾ってきた作品。痴漢されたと叫ぶ女と、痴漢をしてないと罪を認めないまでも、罰を受けると名乗り出る男と、それを見ていた主人公の話。嘘の嘘は実。馬鹿の反対は天才。みたいな、とんちの聞いた話は、オチの鋭さもあって結構読める作品だと思う。話の流れが軽い割に、確かにそうだなと納得してしまう部分もあり、痴漢という、世間から見れば卑しく見え聞こえるキャラクターが、あくまでも冷静に、理性的に、インテリジェンスを感じさせる話をするというのが、kirekoだけではなく、被害者である彼女の心をも動かしているところが非常に面白い。最後の最後のオチまでが一本の話として良く纏まっており、疑わしきは罰せずの話も、ネタとして面白かったし、「電車内の痴漢」という大衆的で、日常的に起こりうる部分に、やや思想を絡めた意外性とイイワケを求めてくる展開は、最期の最期のどんでん返しもあり、読んで損する作品じゃないなと感じさせてくれた。


「今はもう気にしてないのよ。」 ジャンル その他 作:そこぬけ。

:あらすじ
ダメな夫に彼女は言う。「今はもう気にしてないのよ。」と。

:感想
kanameさんの感想ブログから拾ってきた作品。本編は、とても短いが、何をやっているのか、または何をやってしまったのかというのが、少ない文字列で伝わってくる話だった。これは、殆ど全てが独り言なので、場面を想像する人向けの話だと思う。実際にどんな惨劇が起きてしまったのか、その一部始終を読者に任せるというタイプの話だが、ミステリーにしてもサスペンスにしても、もう少しヒントが欲しい。それこそ毒殺なのか、絞殺なのか、はたまたそれ以上におぞましい殺し方だったのか、そこら辺まで想像できれば良いかなと思う。タイトル名と、本文中の反復、読ませるテンポの造り方は上手いなと思ったが、演出だとしても、もう少し情報が欲しいところだ。


優しい惑星の優しい記憶 ジャンル その他 作:ヤマモトQ

:あらすじ
ある惑星のある記憶。少年が黄昏の街を歩いています。

:感想
戦国アーサー氏の感想ブログから引っ張ってきた作品。美しい場景と少年の黄昏?をメインテーマにしているためか、非常に幻想的な表現が多く、何を持って旨味とするかの判断が非常に難しい。kirekoは残念ながら、話にも、その表現にも旨味を感じる事が出来なかった。質感のある描写が好きなkirekoとしては、描写が余りにも浮いていて、想像するにはちょいとばかし気に食わないものが多かった。例えば一文目の死ぬ程透明な風に満たされたの死ぬ程なんてのは、どのぐらいなのか想像しにくく、また少年の動作や仕草、その動向を思わせる描写も、余りにもオブラートに包まれすぎているというか、肌に合わない作品だった。kirekoの想像力が足りないと言ってしまえばそれまでなのだろうが、想像の範疇外の事が多すぎた気がする。例えばレンガの町並みに残る「明るい昼間の余韻」が何故甘酸っぱい匂いなのかの説明や、「教会の鐘の音や家へ帰る子供達の笑い声、露天商が店仕舞いをする音」から、察するべき世界観が見えてこないのは、美しさで誤魔化すには少し強引な印象を受ける。これもたぶん好き嫌いの話になってくると思うのだが、描写が浮きすぎて、質感の無い表現を使う幻想物語というのは、読んでいて納得できないから、敬遠してしまうことが多いのだと個人的に感じた。


>総括

読み方は人それぞれと自分で言っているだけに感じること。
他人の読み方との違いや、好みの違いってのは、如実に現れるもんだなと思う。
特に恋愛系なんかは、感情に左右される事が多いから
感想人の読み方の違いが、すぐに感想に出てしまう。
ただ、ふうらい屋さんも、kanameさんも、自分の好きなジャンルというのが
ある程度確立(?)しているみたいなので、その辺は読み方の傾向があって
研究してみれば面白そうだなと思った。
ただ、戦国アーサー氏のブログのように、
その日のケツから三作品を読むとなると
以前kirekoがやっていたように、感想作品のジャンルや作風を好き嫌いで選べず
投稿した順番に左右されてしまうため、紹介する作品も感想も
当たり外れの確立がかなりあると思う。


と、何を言っているのかわからなくなってきたので、まとめると
このブログは感想をする皆さんを、影ながら応援してます。頑張ってください。
ということを伝えたかったわけです。

感想ブログ運営者同士で会話なんか出来ると、
相互の意見がもらえて面白そうなんですがね。
それこそ感想人同士の同時多発感想企画とか、そういうの面白そうで……。
ラジオの1コーナー的なノリでやりたいもんですなー。



で、全然関係ないんですが
割と本気で、ハンバーグエデンに飛び込みたいです。
しかし、そのハンバーグには重曹が入っているオチなのでした。
ちゃんちゃん。


■小麦粉卵にーパン粉をまぶしてー揚げればーコロッケじゃねえか!!WEB拍手(何か一言あったらどうぞ)


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毒入りケーキの食わせ方

2008年11月21日 18時50分45秒 | 小説の感想と批評
毒入りケーキを知りながら食わせられるのこええ@kirekoです。

>個人的に面白かったので、ちょっと無断で

http://www.ac.auone-net.jp/~y-namiya/details1.htm

いつぞや発見してから、菜宮さんのたわごとに日参しているkireko。
今回更新されたハンバーグ小説は後で読む事にして、
記事の毒入りケーキ食わせるSSが読んでて気に入った。
なんていうのかな、知らないで食わされるのと、知ってて食わされるのは
やっぱ怖さの度合いが違うよね。
毒殺した後に妻が言う「首絞め」とかいう残虐台詞に、ちょっと、ツボった。
なんていうのかな。
想像しながら読む派には想像出来過ぎちゃって怖い話だった。
いやはや、こういう短いのもたまには良いね。

流星の11月9日(最終回)

2008年11月10日 22時06分57秒 | 小説の感想と批評
遙かな時に、全てを掛けて。@kirekoです。

>今日の感想と批評

皆さんここまでお疲れ様でした。
ついに最終回です。

■企画の意図は、こちら
http://blog.goo.ne.jp/kireko1564213/e/7e03a0212eb392c37028780a1c7f63d9

*感想テンプレ

■(タイトル+小説直リンク) ジャンル(ジャンル) 作:作者名
:あらすじ(小説家になろう投稿時に書いてあるあらすじ)
:読める判定(kireko個人が読めるか読めないか)
:好き嫌い判定(kireko個人が好きか嫌いか)
:感想(kirekoの感想)

*感想テンプレ終わり



============はい開始==============

会議室で生まれし恋 ジャンル 学園 作:にゃおや

:あらすじ
昔から知り合いだった委員長の那覇と主人公が、会議室をきっかけに付き合いはじめる、恋のストーリーです。

:感想
学生たちの恋愛話。
再三このブログで言ってきたことだが、恋をするという事に理由も、これといった経緯もない(または描写不足がたたって納得できない)恋愛というのは、読んでいて旨味が無く、ストーリーに一つでもアクセントが無ければ面白くないのは当たり前だ。この作品は、そういった恋愛作品での問題点が、全て結集している作品だろう。浮き足立った表現、書き方による読み詰まり、理由や心理を描写せずキャラクターだけが一人歩きする設定、ストーリーの平坦さ、どれをとっても気になることだらけだ。ケータイで投稿していることから、こういう風になってしまっていると思いたいが、変なところで改行したり、または改行しなかったりというのは、読んでいて拷問だ。何故会議室で委員長は泣いていたのか、何故主人公は告白したのか、どうやって二人は付き合っていったのか、七年間の合間に何も無かったのか、そういう描写が一つでもあれば、少しは理解できるものの、その経過も何もすっ飛ばして、ただキャラクターの感情だけ(といっても肝心の心理の描写が一つとしてないのが)が、物語にポンと置いてあるだけでは、読者の感動もくそもない。告白からキスまでの早すぎる展開は、まるで中身の無いインスタント食品のように、無価値で、無残だ。かといって読者の想像を促すぐらい文章に余韻があるかといえば、その余韻すらないのがまた……。駄作!読む価値なし!

:読める判定 悪い意味で気になることだらけ :好き嫌い判定 内容が無いよう



丁半草履 ジャンル その他 作:yoichi

:あらすじ
小さな宿場町を訪れた旅人は、荷物持ちの子供と博打をすることとなった。あっけなく決した勝負には実は裏があり……。一風変った博打を扱った時代物です。

:感想
ここはおまえらが 後人生を賭け死力を尽くしている
言うなら 戦場だ・・・・・・
戦場で後ろから撃たれた後ろから・・・・・・と 騒ぎたてる兵士がどこにいる・・・・?
いたら物笑いの種にされるだけだろう
戦場では だまし打ち 不意打ちが日常・・・・・・
皆・・・・・・・・ なんとか相手の寝首を掻こうと・・・・ 後ろに回ろうと・・・・・・
策を巡らしている それが真剣勝負というものだ
おまえは今 ただ・・・・後ろから刺された それだけだ・・・・! 散れっ・・・・!


という黒服の言葉が聞こえてきそうなオチは、やっぱりギャンブル物の面白味だと思う。
というわけで話がズレたが、博打が好きな旅人(商人?)と荷物持ちを買って出る悪童との博打の話。
本作品は小説というより、どちらかというと滑稽を主観とした落語に近い雰囲気だ。その時代の文化、時代考証など細かい部分を知らなくても、台詞主体の問答が続くので、全体的に文章が軽く読みやすいのではないだろうか。さて、というわけで感想に入っていこう。珍道中、というまでには至らないものの、悪童と主人公の話が想像しやすく、トントンと一定のリズムで本文が進んでいくため、そういう流れが面白いと感じる人も中には居るだろう。時代的には江戸時代中期あたりを想像しているのだが、その時代の博打というと、時代劇などで見る丁半博打が有名だが、今作品では札付きの悪童と草履の裏表で博打をする。このギャンブルの方法を見た時、ちょっと既読感を感じたのだが、それがなんだったか思い出せない。「博打うちの千切れ草履」ということわざもあるが、あれは博打なんかに興じるとその内草履も買えなくなっちゃうよって意味だったしな。さて、話を戻そう。ギャンブル小説や漫画には、ギャンブルに熱を入れてのめりこむ敗北者の心理や姿が印象的に書かれる場合が多い。この小説もギャンブルに熱を入れた男が隙を見せた途端一転して敗北する話なのだが、作品全体の軽さも相まってか、「全てを失った主人公の悔しさ」の描写や、それを表す台詞が今一描ききれていない感じがした。こういう作品だから、そういう描写になってしまうのは仕方ないと思うのだが、話の流れは簡単であり、読者も素直に飲み込めるのだからこそ、そこでグッとギャンブル作品の旨味である「負け様」「勝ち様」の心理を徹底的に印象付けしたほうが、読者の眼を惹く事も出来るし、作品全体が締まって良いのではないだろうか。あと、悪童の使うイカサマの理屈が少しわかりにくい気がした。草履に詳しくない人が「鼻緒がとれるようになっている」だけで、そのイカサマを理解できるだろうか。その辺が気になった。
全然関係ない話だが、個人的には童子と旅籠がグルになっているオチを期待してしまった。というより、金子を何処に隠していたのかは知らないが、肌を離れる手荷物の中に隠すのは流石に無用心過ぎるのでは。まあそんな人間の甘さが、こういうゆるい話の面白いところではあるのだが。とにかく、ギャンブルに関しての小説は珍しいので、個人的には頑張って欲しいと思う。よく聞く話で「ギャンブルに勝つ一番の方法はギャンブルしないこと」という言葉があるが、やはり人間、特に男というのは、金銭のかかった博打ともなると興奮してしまい、賭け事が好きなのだと思う。一度目の前に大量の金銭と勝利の熱が入れば、止めようとしても止まらないほど熱中してしまうのが、ギャンブルの恐ろしさであり、魅力でもあるということか。

:読める判定 軽く読める :好き嫌い判定 軽すぎる気が



ナガラ ジャンル ファンタジー 作:荒也

:あらすじ
生まれなおしながら絶えず生きていく清魔。長良はそんな種族の一人だった。旅の途中ふと辿りついた村にはかつて恋人だった女性が宿を営んでいた。

:感想
長命種と、それに関わる人たちを描いた和風ファンタジー作品。
最終回でも手は抜けないなと思う本作品の長さ、16439文字、読了時間約33分。目に悪い背景色を使っていることもあり、かなりkirekoの神経をすり減らしてくれた。さて、じゃあその長大な内容を、あえてkirekoが無駄の無い一言で表すと何かというと、独りよがりだ。kirekoの趣味に合わないっていうのもあるが、とにかく書き手の癖が出てしまっているのか、文章から一般読者、しいては誰かに伝えようという意思が感じられない。世界観が異質であったり、設定が独りよがりになりがちなファンタジー作品でも、描写や理屈が整っていて「読ませてくれる」面白い物は色々あるが、これはそれら良作とは別の独りよがり。気持ち悪さばかりが目に付く話だった。気持ち悪いと感じた理由の一つとして、作者は自分の作品が長大だと認識しているのにも関わらず、文章の「読みやすさ」を捨てて、「自分の世界」にお熱になり、読者への配慮をしなかった事だ。以前にも言ったかもしれないが、作品が長大であるからこそ、読みやすい構成、理解しやすい文章表現、そういった読者への配慮が必要なのに、描写は綺麗さばかりが目立って読みにくいわ、ファンタジー作品で一番重要な人物や世界観の設定は常時説明不足で回りくどくて飲み込みにくいわ、唯一面白いと思った戦闘シーンも、なんだか中途半端に片付けられているわ、とかく長さの割に言いたい事がまとまっておらず、展開も話自体の設定が理解できてないから想像するのも難しく、文章の長さの分だけ頭を痛くしてくれる。それについて端的な例題をあげるなら寝過ごした時間が勿体無いと、こう考えてしまうわけだ。傭兵稼業でそこそこ貯めたので良いかと思っていたのに、妙なところで野武士なのだなと、一転して苦笑。こういうところ。大して時代背景の説明もしてないのに野武士なんて単語が出てくるあたりいけ好かないが、野武士という存在がこれこれこうだったから、とか知らないと、なんでこいつ笑ってんの?意味不明ーって一般読者は感じる部分なんじゃなかろうか。こういった、作者は知っているから説明しないという不備のある描写が、読者の知らない「作者オリジナルの設定」にまで食い込んでくるから、読んでいて不快極まりない。話の面白さ云々の前に、まず説明しろと言いたい。例えば何も知らないズブの素人が、真っ更な状態からファンタジー作品を読むのだから、説明や描写は、理解を促せるぐらい丁寧でなければいけない。想像し難い無駄な表現や回りくどい描写をするぐらいなら、それを削って、理解しやすい、ちゃんとした説明を書き込んで欲しい。基本的な文章作法を守っている点は評価できるが、こういう説得力も無ければ納得もできない書き方で構成されたファンタジー作品は総じて読みにくく、はっきり言ってしまえば文字の拷問だ。この場を借りて言っておきたいのは、小説において作品が長大になるというのは、決して「作者が語りたい事を語って無駄が多い」のではなく「ストーリーや設定について丁寧に描写をしたから必然的に長くなる」のである。確かに設定やキャラクターの存在は面白いが、読者が飲み込めなければ只の文字の羅列だと思う。担当→短刀なんて誤字もそこらじゅうにあるし、ズブの素人が読むものと仮定して、もう一度第三者視点から自分の作品を読み返してみるのが良いんじゃないだろうか。

:読める判定 読者は作者ではない :好き嫌い判定 最も嫌いな書き方のファンタジー作品



Spirited away ジャンル ファンタジー 作:光差す海

:あらすじ
厳しいIT業界で働いた吉永祐輔は心の病に苦しんでいる。ある日、ゲームを買いに行ったアキハバラで易者の水晶玉を覗き込むと・・・。

:感想
過酷な仕事で、鬱病に悩まされる主人公が異世界に行くという話。
どうやら最終回ということで、神か誰かがkirekoを殺そうとしているようだ。面白い、俺は神にだって従わない!というわけで、文字総数35914文字、読了時間約72分という長編顔負けの短編作品だ。と、意気込みは強く言うものの、内容は至って簡単だ。非常に一本気なストーリーで読みやすく、巻き込まれた異世界に存在する、生きとし生ける万物が擬人化した登場人物の魅力や、やや変な改行については疑問が残る物の、どんな読者でも想像しやすいほど簡単な文章、入りやすいように工夫された世界観そのものの書き方、そのものの説明は、非常に読者に配慮した作品だと思う。だから、短編とは言いがたい長編とはいえ、最期まで緊張せず、コメディー調の表現もあり、スラスラ読めたと思う。現代に生きる人間を主役に置いているため、メタな発言が本文中に多いが、物の描写を簡単にしているという工夫として読めば、決して気になるところではないだろう。とにかく、その世界観がとても魅力的だ。「希望なき世界」と本文中では書いているが、その異世界の内容は娯楽が少ない以外、「生きる」という感覚で言えば希望に満ち溢れている気がする。とにかく異世界に存在する(つれてこられた)キャラクター達が、色とりどりで良い。口の軽い管理者であるタツノオトシゴ、パワフルな用心棒ゾウ、人間大のカブト虫のカブスなどといった、どこまで擬人化されているかはわからないが、その外見と中身のキャラクターは千差万別であること、それは本作品の魅力であると思う。本文中で気に入ったシーンが幾つかあるのだが、その中でも新入りのキツネがゾウに「削除」された時に、
見れば紙に「ユウ用。」と書いて貼ってある。見れば、下のベッドには「ネキ用」とある。
と思った瞬間、タツノがそれをひっぺがした。

という、少々の描写がこの世界の厳しさと、タツノというキャラクターの性格を同時に現していると思う。他の部分では擬人化なすびが風呂場で主人公に
「あと、中には石鹸とかシャンプーは備え付けてあるよ。持ってないんだろう。
俺には入浴の習慣はなかったけどね。風呂は好きになったな。」
と、ナスススと笑った。

なんていう、笑い声にまで拘る描写もあり、何度も言うが、登場するキャラクターが愛くるしい。該当となっている生き物が身近な存在であり、擬人化と一言で片付けてられてはいるが、その実、見てくれが想像しやすいからこそ、読者が愉快と感じられるという、無駄の無さと旨味を同時に伝えてくれるところが凄い。ファンタジー作品とは思えないほど、現実と密接している描写は、本作品の読みやすさである、その特徴的でユーモラスな一面と世界観を伝えるのに、実に上手く演出していると思う。ただ、そういう擬人化された生物や、同じ人間でも口の聞けない軍人上がりの青年のほうが目立ってしまうので、ややテンプレじみたヒロインの影の薄さは否めない。
しかし、kirekoが特筆したいのは、やはりこの不思議な世界での骨組みというか、世界観設定の説明が簡単で、緻密なところだろう。特に食べ物の話。生きとし生ける万物が働いているため、食事の時間は、生物同士の自然界の弱肉強食、食物連鎖がどうしても発生してしまう。そういった種族間の食事問題を解決する描写が、今作品は良く出来ている。食事をする時間や部屋の違い、食べる物品も、植物は光合成とジュース、肉食獣は青色の肉、草食獣などは四角い木の実(何の肉とか、何の植物とか、その他の種族にわからせないための工夫は、とても上手いと思った)、虫類は黄色いビスケットと、世界観のリアリティを裏づけする描写、その発想力の豊かさには驚かされるし、納得できるところが凄いと思う。擬人化ニシキヘビのラジオ体操の様子が気になったりもしたが、基本的に引き込まれる世界観と、その描写だった。
後半、主人公とアヤのデートシーンについては、ちょっと現代に引きずり出された感覚が残されるものの、二人が世界を脱出するための答えに気付き、最期の試練を受けるところなんかは、展開自体は安直だが、それまで長い間描写してきた事も相まって、まるでヒーローものの最終回でも見ているような印象を受けた。どうでもいい話だが、どうしても最初のシーンと世界観の構造の部分で、映画千と千尋の神隠しを彷彿とさせる描写があって、ああ、ああいう感じなのかと想像を膨らませていた事が、作品を読む上で良かったのかもしれない。
しかし、総じてこの作品の凄味であり、旨味であるところは、ファンタジー作品として何よりも一番大事な、作者の描くファンタジーな世界観に、読者がすんなりのめりこめる話であるということだろう。秀作!

:読める判定 変な改行の具合さえ直せば :好き嫌い判定 素直に面白い



給食のツンデレ。 ジャンル コメディー 作:にーとん

:あらすじ
もはや萌えシリーズと化した給食シリーズ。俺の作品は全部読んどいた方が良いかもよ?

:感想
             __-- 、,. -‐;z.__
           `> `    ′ <     言わなければ言われる‥‥
          ∠..           ヽ      言わなければ言われる‥‥
           ∠,.  , ./`ヘ. i. 、    l        言わなければ言われる‥‥
            /  ,ィ_l/ u ヽl>,ゝ、 :|
         イ ィ.‐-ニjl  l'∠-‐; |n |     言わなければ言われる‥‥‥!
.          j fl|`u゜‐/ v゛ゝ゜~'u|fリ |
          / lj| v / _ 、 U v lレ'  ゝ          ‥‥‥‥
         / .ハ にニニ二} ,イ  ハ.、_\
        _∠イ |0ヽ. ー u/│ l ヽ `T!'ー- 、._    けど‥‥‥‥‥‥
   , -‐'''´ || / │ |::\./ O .|. j   \||     `ゝ、
   ハ    |レ'   lル'::::: u   ,.イルi  /o >    /  i  言わないっ‥‥‥!
  / l   ∠o_o_/c| `::ー-‐0´:::::lyト、<o ,.イ!    ,'   l
  〉  |    ||.  〈ヽ| :::::::::::::::::::::::l0| ` ´ .||    i     l  言わない‥‥‥‥
. /   l__o_.||__,∨:::::::::::::::::::::::::|. L___」|_o___」   /|   言わない‥‥‥‥
 ハ.   |T¨「 ̄|. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ̄「 ̄「|  ./ |
 ! ヽ.  | | |  |  , ‐┐   , ──‐ 、   |  | │|     ハ 言わないんだっ‥‥!
∧     | L⊥._|  ┐│    l ┌┐ |   L.⊥._」 |    / l

感想を言うとかそういうレベルじゃないってことは作者が一番わかってそうだ。
最後の最後にこれがくるとは、くっ、感想には魔物がついているな。

:読める判定 \(^o^)/ :好き嫌い判定 \(^o^)/



============終了===============

>お疲れ様でした。

これにて約半年間長らくやっていた当日感想企画は終了です。
突然に感じる方も居るでしょうが、とりあえずボトムズの予告を掲載前に入れ始めた頃から、この予告が全て終わったら、感想も終わらせるという決まりが自分にもあったので、ここで企画の終了を宣言したいと思います。
幸い、新しい感想ブログや、コブラ君の感想ブログポータル構想も実現に向けて邁進していることもあり、そういった感想に携わる人たちが徐々にではありますが、増えてきているので、kirekoの感想が無くても、毎日の刺激や感想に事欠く事は無いと思います。

こんな自己満足に関わってくれた、感想仲間のふうらい屋さんや、kanameさん、
良くコメントなどで応援してくれた一読者さんや、その他諸々の感想について
拍手で感想をくれたり、助言をしてくれた百戦錬磨の勇者たち、
そして、ここを覗く全ての読者に、感謝と労いの言葉を送ります。

長らくの間、おつかれさまでした。
kirekoの感想にお付き合い頂き、ありがとうございました。

■最期の最期のWEB拍手(何か一言あったらどうぞ)


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修羅の11月8日

2008年11月10日 02時27分21秒 | 小説の感想と批評
全てを得るか、地獄に落ちるか。@kirekoです。

>今日の感想と批評

出会って別れて。
また出会って消えて。

感想文の改行、行頭一字あけやめました。
理由はこのブログの仕様にあわないと感じたのと、kirekoが飽きたからです。

■企画の意図は、こちら
http://blog.goo.ne.jp/kireko1564213/e/7e03a0212eb392c37028780a1c7f63d9

*感想テンプレ

■(タイトル+小説直リンク) ジャンル(ジャンル) 作:作者名
:あらすじ(小説家になろう投稿時に書いてあるあらすじ)
:読める判定(kireko個人が読めるか読めないか)
:好き嫌い判定(kireko個人が好きか嫌いか)
:感想(kirekoの感想)

*感想テンプレ終わり



============はい開始==============

マイラブリーボーイ~異説源氏物語・彼女がもしも彼だったら? ジャンル 恋愛 作:秋鹿 柚玖

:あらすじ
もし源氏物語の紫の上が男の子だったら?そんなパラレルで、お馬鹿なコメディです!源氏物語が好きな方は読まないことをお勧めします^^;

:感想
あの古文でやった長編小説、源氏物語の一部の内容を、ちょっとパラレルに解釈してみた意欲的な作品。
BL物と、少し厄介なネタだなと思いつつも、原作で超がつくほどスケこましであった光源氏君が幼少時から付け狙っていた紫の上が、もしも男だったらという面白い観点で出来ているところは、なかなか評価できる点ではないだろうか。なぜ面白い観点であるかというと、紫の上は源氏の正妻(その間に紆余曲折あり)でありながら、養女はあっても、その間には実子が出来なかった。では何故子が出来なかったのか?と、そういう疑問の部分を紫の上が「男性」と捉えるところによって解消するというのは、なかなか目新しい解釈なのではと感じたからだ。源氏物語はFF(二次創作)作品に入るのか?という理由もあり、どうしようか迷っていたが、意外と面白そうな内容だったので、読んでみた。源氏物語というと、雅な世界が好きな人ならともかく、気だるく眠たいという印象があるが、この作品に関しては、ストーリーの桃尻語訳がなされていて、全体を通して非常に軽い話だ。それに準じて登場するキャラクターも、噛み砕いた性格で書かれており、台詞が主であり、使用する表現も簡単なので、若干源氏物語とは違った印象を受ける。理屈はどうあれ、歴史物を扱うのに重要な歴史観の説明などは省かれているのが気になるが、実際kirekoのような原作に興味を持っていない人でも、少しは読める作品に仕上がっていると感じさせる、わかりやすい文章だった。話は変わるが、中途半端にシリアスな色恋沙汰や、女々しく気持ち悪い心情描写が入るBL物を、大がつくほど嫌いなkirekoが、なぜこのBL物と銘打った作品を最期まで読めたのか。その理由の一つに、コメディー色を残す友愛に近い関係で物語を完結させている部分がある。もちろん、男同士の一晩の夜伽なんてのは、まったく興味が無いが、終盤似つかわしい若干の弱さを見せる雄々しい紫の上の快活なキャラクターが良かったのか、源氏との会話がシーンとして良かったのか、なんとなく面白いと感じられる部分はあったのと、下手に行為に及ばず、変な男同士の友情物として見れる物語の余裕が、作品の最期まで読める事を可能にしてくれたのが、個人的にありがたかった。ただ、問題としてあるのは、「しょうこにもなく」などの誤表記(おそらく「性懲りもなく」と考えられる)や、前述の通り、物語全体の軽さを重視したために源氏物語に描かれる、その時代の風俗や文化、風習に関して、もう少し簡単な説明をしておけば、一般読者がより想像しやすくなって良かったんじゃないだろうか。
 
:読める判定 簡単に読める :好き嫌い判定 風俗、文化についてもう少し描写を



哀れなドラゴン ジャンル 童話 作:無色

:あらすじ
昔々、今は存在しない国の一匹のドラゴンの話

:感想
人に利用された悲しきドラゴンの話。
誤字、脱字、句読点の無さ、改行のしすぎととにかく読みにくい上に、完成度が低い作品だ。童話だから、と言ってしまえば簡単かもしれないが、それにしたって、もう少し理由があってもいいんじゃなかろうか。海底の国が他国との戦争のために、今作品ではそれなりに自我や思考をもったドラゴンという生き物を利用し、全部捕獲するならまだしも、絶滅寸前まで血みどろの争いをするのは、とても非効率的だと思った。狩られた側である優しいドラゴンの誰かの役に立ちたいという理由や、苦しむ人間たちを見て葛藤するシーンなども短く、「壊れた」という表現も読者にとっては何が起きているのか非常に理解し辛いと思う。ジャンル:童話として、全てを細かにちゃんと書くのは難しいが、この書き方ではオチも投げっぱなしと思われて仕方ないのではないだろうか。

:読める判定 \(^o^)/ :好き嫌い判定 まずは、とりあえず推敲を。



カフェオレの君 ジャンル 恋愛 作:シーダイメイ

:あらすじ
私がバイトしていたカフェに、彼はやって来た。初めて言葉を交わした日、彼は言った。「今日で最後なんです。遠くに、行かなくちゃ、いけなくなってしまって……」

:感想
カフェにいつもいる美少年が、主人公と交わした最初で最期の言葉。という話。
とても想像させる話なのだが、やはり恋愛要素と云々よりも、何故彼が遠くに行ったのか、その理屈がないことに目が行ってしまう。遠いところというのが、何処をさしているのかわからないが、後半出てくる彼の兄と言う人の口ぶりからすると、たぶん「自主的に上の世界」に行ってしまったと思うのが妥当だ。しかし、少なくとも主人公に恋をしている人間が、最期に会話しただけで満足し、そんなことをするだろうか。描写を端折って、読者に想像させたいのだとしても、少し動機の面が、おざなりになりすぎているのではないだろうか。とにかく、遠くへ行った彼の心が謎だ。確かに終盤の表現は小説的で、含みがあって良いのだが、そこを打開しないと納得できる話ではなかったと思える。

:読める判定 読めるが :好き嫌い判定 いったい何が彼をそうさせた



こころの折り方 ジャンル 恋愛 作:餅煎餅

:あらすじ
彼の折り方を教えてもらって一ヶ月間。なかなか上達しない彼女が折り方を教えてもらう理由とは……。

:感想
男女が折り紙を折る話。
折り紙の折り方について書かれているので、kirekoも実際に話と平行して紙を折ってみた。……kirekoは手先が非常に不器用なので、折り紙で鶴なんて出来ねえよ馬鹿野郎ー!と、思わず彼女の心とシンクロしてしまった。と、そんな感じで始まる話なのだが、恋愛を感じさせる作品としては意外とベタベタな内容なのではないかと感じる。中盤から終盤にかけて、恋愛作品にしては、要素を匂わせる肝心の話の進行具合が早すぎると感じたので、全体のバランスを考えつつ、二人の関係についてもっと描写してくれると良かったと思う。中盤以降のデレデレぶりには、流石のkirekoも顔から火が出るかと思ったが、その辺は読める人と読めない人が限られてくるだろう。ただ、個人的な好みでいうと、この主人公である彼女が最期にとった行動は、なんとなくニヤニヤしてしまう。前半でこれでもかと言うほど「不器用」というイメージを植えつけられたので、不器用なのに徹夜しての折る彼女の姿を思うと、健気で良いじゃないと感じさせてくれる。

:読める判定 序盤に比べて中盤以降が早すぎる :好き嫌い判定 不器用が一転して健気を演出するオチは好き



虹色サンゴ ジャンル 恋愛 作:紙原孝養

:あらすじ
少年は泳ぐ。島の海を。ただがむしゃらに。

:感想
島で起こった悲劇、人魚の呪いと言われる不治の奇病に感染した母親を救うために珊瑚を探す主人公と、同じく奇病に侵されながらも主人公を支える少女の話。
なんだか今日は恋愛作品が多い気がする。kirekoの日ごろの行いが悪いからだろうか。しかしもっと驚くべきは、この作品の総文字数30567文字、読了時間約62分という圧倒的なプレッシャー。これといって読みやすいという感じでもないので、読むのには相当の覚悟が必要だ。是非、読む時は覚悟を決めて読んで欲しい。というわけで、感想に入っていこう。序盤の話の筋立ては時間軸通りに進まない、やけに次の展開まで長ったらしい描写が来て、少々イラッと来るものはあるものの、全編を通して見ると、非常に展開の起伏があって面白い。ネタバレになってしまうので、そういうのが嫌いな読者は読み飛ばすか、先に本編を見て欲しいのだが、読者に判りやすいように噛み砕いて本編の流れを点々と解説すると、人魚の呪いと称される謎の風土病、主人公の母親の危機、おとぎ話を信じて突き進む主人公の前に現れる奇病を患うパートナーの登場、いつの間にか主人公はパートナーと恋仲になりサーカスでデートを敢行、すれ違いが見えた二人を他所に主人公の母親の死が舞い込む、そして意気消沈する主人公の元に同じく病気が発病したパートナーの姿、その後死期迫る彼女のために賢明に珊瑚を探す主人公は、ついに最期の最期激流の潮が流れる海域へと飛び込んでいく、という風に見せ場や展開は、よく出来ていたと思う。長文ゆえに、三箇所ほど誤字脱字が見えたところが惜しいが、後半の主人公が抱く焦燥の描き方は、書き手の熱が入ってしまったのか若干荒々しい表現や、勢いで済ませる描写も多いが、展開でつけた文章の勢いもあり、主人公の切迫している感じが伝わってきた。告白や恋愛パートは、少しご都合的な感じもするが、話をドラマ仕立てにするには必要だったろうし、最期の演出に関しても納得できる感覚だった。個人的に一番好きだったのは、母親が死んでから意気消沈する主人公の元に現れる彼女の姿が、どんどんやつれて変わっていくところ。それに応じて終盤の焦燥も勢いのある描写になっているのだが、悲劇の展開をドラマティックに演出していると思う。一番想像できたのは、突然の交際宣言の次の日、病魔に冒される彼女と行ったサーカスの描写の細かさ。この辺は、空間を想像しながら読めたと思う。
ただ、問題点としてあるのは、描写に拘る部分が見えるのに、何故最期の最期で一番大事なシーンを台詞描写でまとめてしまったのか、という点と、やはり表現が似たり寄ったりになる部分が多いので、読者が「文章が長過ぎる」と感じてしまう事だろう。展開面の面白さはあると思うだけに、この二点に関しては改良の余地があると思った。文章の長さを感じるのは、地の文がやや回りくどく、――線や、台詞文に「……」といった表現が多用されて、やや平坦になってしまっているからだと思う。物事が展開する1パートは、それほど長いとは思えないのだが、主人公達の視点や感情にばかり書き手の表現が集中して、その他の描写や表現、読者が読むのを飽きさせない一歩身を引いた書き方、それを比喩などを使って滑らかに表現すること、それを使うタイミングなど、色々な原因があると思う。後者の問題に関しては、少なくとも本文中で描写を端折っている感じは無いのに、なぜか最後の最後に陳腐な台詞描写で済ませているのが気に食わなかった。この辺は作者の間合いだと思うのだが、どうしても不思議と感じてしまう。

:読める判定 細かい部分がまだまだ気になる :好き嫌い判定 展開は面白い


==========終了===========

>ふう

あまりの恋愛ラッシュ、そして最後の作品の長さ。
開始したのが23時00分くらいだったので、予定よりかなり時間をかけてしまった。
決して意地で読んでるわけじゃないが、
そういう意地みたいのが見えちゃう感想になってないか、心配だ。
さて、最期の更新も頑張ろう。


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乱雲の11月7日

2008年11月09日 21時58分17秒 | 小説の感想と批評
もう止められる者はいない。@kirekoです。

>今日の感想と批評

好きなものを好きなだけ食べられるようになると
好きなものは好きでなくなるのかもしれない。

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*感想テンプレ

■(タイトル+小説直リンク) ジャンル(ジャンル) 作:作者名
:あらすじ(小説家になろう投稿時に書いてあるあらすじ)
:読める判定(kireko個人が読めるか読めないか)
:好き嫌い判定(kireko個人が好きか嫌いか)
:感想(kirekoの感想)

*感想テンプレ終わり



============はい開始==============

珍獣オークション ジャンル その他 作:山川公大

:あらすじ
金持ちが集まり、極秘に開催されるオークション、そこでは不思議な生き物が取引されている…

:感想
 人為的な実験によって産まれた不思議な生き物が競売にかけられ、それを買ったある人の話。
 非常に台詞が多い。というより、描写云々より台詞主体の話だ。
 本文を読んでいて、特に気になった事なのだが、前後同じキャラクターが喋っているはずなのに、合間に何らかの描写もいれずに、カギカッコを一度閉じて、またカギカッコで台詞描写をするという部分。
 おそらく台詞に一呼吸を置きたかったのだろうが、なぜ描写を怠ったのか、しかも大事な説明の部分を連続的に話す重要なパートだけに、不思議でたまらなかった。もしかしたら会場に居る違う人が話しているのかもしれないが、それでも、文章の間合いが取りたかったら息を吸い込むなり動作するなり、人が変わったなら、人が変わったなりの描写をしないと、読者が混乱してしまうのではないかと感じた。
 手軽に読めそうなネタだけに、そういう文章バランスの悪さ、読者への配慮の無さが目立つ作品だった。
 というわけで、感想に入っていこう。
 メインストーリーとなっている部分、アメリカ人青年の買った不思議な動物は、結局何もなかったのだろうか。そういう点が気になるものの、話は物凄く回りくどい美女の落とし方という感じ。
 競売をかける実験者側の発言も、気になるものがあるが、結局なんだったのか答えが書いてない、描写も抜けきっている、すっきりしないやり方なので、読者の納得を誘うには難しいのではないだろうか。

:読める判定 台詞が多い :好き嫌い判定 すっきりしない



魔的ハロウィン ジャンル ファンタジー 作:逢魔

:あらすじ
少年が一人。家にて休んでいると、間違った挨拶かましてやってきたハロウィン仮装少女。

:感想
 ハロウィンの夜にハロウィン衣装を着る少女が来るという話。
 近年流行のそれ系の話にもっていこうとしながら、後半の展開の起伏があるのは上手いなと感じた。
 話の流れは自然であり、「まさかそんなことが」の連続は、確かに読者の眼を惹くには十分な要素なんじゃないんだろうか。
 ストーリーのオチは難解というより理解不能に近いが、展開は面白いかなと感じた。
 ただ、個人的な好き嫌いの話をさせてもらうと、この作者の書き癖というか、文章の書き方が余り好きではない。
 物事を極々ストレートに表現すればいいのに、一々が一々、コマ送りのスローモーション動作でも見ているように書き立てられ、無意味な言葉の反復や、熟語の応酬、そんな余計な情報ばかりが刷り込まれている文章は、読んでいる側からすれば作者の書き癖がくどく感じる部分なのではないだろうか。はっきり言ってしまえば、不必要、無駄であると思う。
 書き手の文章のオリジナリティを示したいのはわかるが、眼を惹きたい部分がかえって毒となっては、本末転倒ではないだろうか。
 後半の展開に持っていくまでに話の旨味はあるのだから、そういった不必要な書き癖を直して、理解しやすいホラー要素を組み込むべきではないだろうか。首が飛ぶにしても、肉を刺すにしても、もっと鬼気迫るような生々しい描写を、散る鮮血の一つまで質感が伝わってくるような細やかな描写をして欲しかったと思う。

:読める判定 なんだかな :好き嫌い判定 めんどくせえ文章だと思う



『ゴンの挑戦』 ジャンル ファンタジー 作:森田牧明

:あらすじ
キツネのゴンは何をしても一番ビリだった。走っても駆けてもいつも一番ビリッケツ。名前も本当の名前、ゴンとは呼ばれず、ビリのビッケ、ビッケとからかわれ呼ばれていた。ゴンも自分が何をしても一番ビリなのをよく知っていた。本当はみんなと同じように本名でゴン、ゴンと呼ばれ一緒に遊びたかったが「自分がビリでノロマだから、しょうがないや」と諦めていた。そんなある日だった。ライオンに追いかけられ必死で駆けた。ようやくライオンを突き放しほっと胸を撫で下ろした…その時,ふっとゴンは思った。

:感想
すまん、感想は無理だった。
 11月入って、初めて本格的に感想が出来ない作品にぶつかった気がする。
 その理由としてあるのは、読んでいてまったく興味が沸かなかったという事。
 何か感じる物があれば、書けるとは思うんだが、何も感じなかった。
 本当にもうしわけない。

:読める判定 もうしわけない :好き嫌い判定 もうしわけない



おまえも・・・ ジャンル ホラー 作:gorilla

:あらすじ
除霊行脚の法力僧、除霊の度に霊の漏らす、ある言葉の意味とは・・・ショートショートホラーです。(5分程度で読めます)

:感想
 世に迷える霊を沈めに出た坊さんの話。
 身の毛もよだつホラー成分よりも、ヒーロー物に近い感覚を受ける作品だった。
 彼をたぶらかす魑魅魍魎の類についての描写で怖いといった感覚は無かったし、その除霊方法の描写に関しても、名前は出てくるが具体的な物の怪の怖さが無かった。
 そういうホラー成分は薄いものの、除霊した霊たちの残す「おまえも」という言葉について、予想が出来てしまう安直さではあるが、なかなか想像すると面白いオチが書いてある。
 オチが全ての旨味、オチこそが重要な作品だろう。
 穏行などの設定について、やや説明不足なのが気になったのもあるが、一応オチを読み取るに「彼がそうだったから」という部分で決着がついているところは面白い。
 どうでもいいけど、彼はどうやって(○○でありながら、実際にどのようにして)除霊していたのだろうか。

:読める判定 説明不足が多い :好き嫌い判定 オチは上手い



雨、のち冬 ジャンル 恋愛 作:るい。

:あらすじ
ある少女の独白。貴方は雪が好きでした。それに対して私は、嫌いでした。

:感想
 秋から冬になる、その季節の変わり目と自分を重ねて、思う事を吐く話。
 相手は居るものの、とても一方的な視点なので、細かく言えば小説というより、ジャンルとしては詩や、エッセイに近い内容なのではないだろうか。
 非常に短いので読みやすいとは思うものの、展開で恋愛色を出すわけでもなく、性格について細やかに描写することもないので、恋愛というより「あるカップルの自己紹介では?」と感じてしまうほど、そういう要素は薄いと感じられた。
 特に難しい事は書いてないし、表現は綺麗さがある。
 しかし、独白という形式からか、彼女の気持ちはいいが、相手の気持ちが見えてこないので、何故だか他人の妄想日記を覗いているような感覚に読み手が陥ってしまい、嫌いな人は嫌いな文章なのではないだろうか。
 作者の言う完成度(おそらく恋愛作品として)云々よりも、ただ山場もなく、こういう人と付き合っているという紹介で終わってしまっている事、そんなジャンルとしての味気なさが否めない作品だった。

:読める判定 読めるんだが :好き嫌い判定 味気ない


============終了============-

>気になったので読んだ

今回、続編だから飛ばしたものの中に三国志ネタがあったのと、本編を読まなくても良いというあらすじから、一応読んでみた。

戀・番外篇 『 瓊ちゃんの恋 』

いや、うん、そうだな、kirekoも人の事言えないが、こりゃ無理というより無茶だ。
たぶんこの編だけ読んでも一般人は理解できないし、
モノローグと台詞ばっかなのも気になるが、
戦乱に生きる曹操も、郭嘉も、ジュンイク先生も、
色恋沙汰とか、ロマンスとかいう、くさくさした空間に放り込まれると、
やっぱこんな発言すんのかな、という感想だった。
うーん、頭痛い。


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