花追い放浪記

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トモエシオガマ

2017-09-08 | コウの花図鑑

10月に見つけた野草の花

 

トモエシオガマ(巴塩竈)

 Pedicularis resupinata L. subsp. teucriifolia (M.Bieb. ex Steven) T.Yamaz. var. caespitosa Koidz.

 

ハマウツボ科 シオガマギク属

花 期 : 8月~10月

生育地 : 山間の草地

分 布 : 近畿以北

RL指定 : なし

 

撮影 10月 熊本県

 

トモエシオガマという植物は、よくわからないものである

分布は、近畿以北の亜高山~高山帯という事になっているが、なぜか大分県のレッドデータブックでは絶滅危惧ⅠB類に分類されている

また、福岡県の平尾台に自生するとのブログが見られるのである

 

シオガマギクの変種とされ、区別点は花が茎先に集まり、ねじれた花冠が巴形に並ぶ

また、葉はシオガマギクよりやや幅広だという

 

下図、阿蘇で撮影した個体の花は、茎先に集まり巴形になっている

茎の下の方に花がついているように見えるが、よく見ると下部から分枝した茎の頂部に付いた花なのである

私の認識が違っているのかもしれないが、阿蘇で撮影した個体はトモエシオガマとして整理する事にした

 

ハマウツボ科の植物の多くは寄生植物で、トモエシオガマ(シオガマギク)も同様だが、普通葉を持ち光合成も行うので、半寄生植物という事だ

根に吸器を形成して、宿主の根に侵入し、宿主の維管束と自己の維管束をつなげ、栄養を横取りする

コシオガマを用いた試験では、寄生されたシロイヌナズナの根が4倍にまで肥大化したそうだ

これはコシオガマが吸器を介して、自ら生成した成長ホルモンをシロイヌナズナの根へ注入し、宿主の二次成長を促したのだ

宿主の維管束を肥大させることで、効率的に栄養を奪う事ができるというわけだ

初版 2017年9月8日

記事アップロード 2022年10月16日

画像アップロード 2022年10月15日