☆2011年3月11日に東日本大震災が起きてから、
☆死者行方不明が2万人近い大災害を起こした、
☆この東北地方太平洋沖地震につい て、
☆日本人は早くも関心が遠ざかっているのではないだろうか。
ZAKZAK2013.02.26より
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不気味な衝撃だった。
25日夕方に栃木県北部で強 い地震が起き、最大震度5強を観測した。
今年に入っ てから関東の内陸を震源とする地震が目立ち、
何となく震源が首都圏に寄ってきているような印象も受け る。
東日本大震災以降、
「マグニチュード(M)7級 の首都直下はいつ起きてもおかしくない」
(地震学 者)とされるだけに「気のせい」では済まされない。
突き上げるような強い揺れに悪夢がよみがえった。
25日午後4時23分ごろ、栃木県日光市で震度5強 の地震があった。
規模はM6・2(推定)で、
この地震前後に同じ栃木県北部を震源とする体に感じる
(有感)地震が相次ぎ、震度4を観測するなど有感の余震は30回を超えた。
先の震災以降、宮城・福島沖での地震は珍しくはないが、
1月28日には茨城県北部を 震源とする震度5弱(M4・9)、
同31日にも同県北部で5弱(M4・7)、
2月1日 には茨城県南部で3(M4・2)が起きた。
そして今度は栃木県北部。首都圏の手前まで震源が寄ってきているような感じもする。
前兆なのか。
『直下型地震 どう備えるか』(花伝社)などの著書がある
武蔵野学院大の島村英紀・ 特任教授(地震学)は
「先の震災で東日本全体の地下がリセットされて
地震が起きやすい 状態になっている。
1930年に北伊豆地震(M7・3、最大震度6)を起こした活断層
(丹那断層など)をみるだけでも先の震災以降、
地震発生の頻度が66倍。
これに現れているように内陸の地震が活発化している」と解説する。
島村氏によると、首都圏は関東ローム層が複雑に堆積し、
地下の状態が見えにくいた め、
「大規模な直下型地震のリスクは相変わらず内包している」という。
いつきてもおかしくないを肝に銘じて、
できる限りの防災態勢を整えておきたい。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130226/dms1302261538015-n1.htm
『直下型地震が東京(首都圏)を襲う--どう備えるか』 島村英紀
島村英紀 『直下型地震 どう備えるか』 花伝社
「前書き」と「後書き」と「目次」など
2012年3月20日発行。花伝社。本文223頁。四六版ソフトカバー。
ISBN 978-4-7634-0629-3 C0044。1500円+税
この本の前書き
2011年3月11日に東日本大震災が起きてから、
この本の執筆時までに一年がたとうとしている。
しかし、死者行方不明が2万人近い大災害を起こした、
この東北地方太平洋沖地震につい て、
日本人は早くも関心が遠ざかっているのではないだろうか。
あれだけの大地震を受けて、立ち止まってじっくり考えること、
そして将来も襲って来るに違 いない次の大地震に、
なにを、どう備えればいいのかを考えることこそが大事なのだろうが、
それら必要なことが、東北地方太平洋沖地震によって引きおこされて、
まだ終息にはほど遠い。
東京 電力福島第一原子力発電所の事故の陰に隠れてしまおうとしているのではないか。
それを地震学者として怖れている。
じつは1995年に起きた阪神淡路大震災のときもそうだった。
地震は1月17日に起きて、6400 人以上の犠牲者を生むという、
日本では約70年ぶりの震災が起きた。
しかしそのすぐあと、そ の年の3月にはオウム真理教教団が起こした地下鉄サリン事件、
そして12月に福井県にある高速 増殖炉の原型炉
「もんじゅ」でナトリウム漏洩という重大事故があり、
当時の動燃(いまの核燃 料サイクル開発機構)の
事故隠しもあって大きなニュースになって、
地元や関係者以外の多くの 日本人は、地震のことから関心が遠ざかってしまった。
この本に書いたように、日本列島のどこを、次に地震が襲うかは分からない。
しかし、震災と地震とは別のものだ。
地震は、日本人が日本列島に住み着くはるか前から
繰り返し起きてきた自然現象であり、震災は、
そこに人間社会があってはじめて起きる、いわば社会 現象である。
つまり震災は地震と社会の接点で起きる出来事なのである。
自然現象としての地震はこれからも襲ってくる。
それを避ける方法はない。
人類が起こるべき 地震を制御することも不可能である。
だが、震災は、備えがあれば、小さくも、また防ぐことも できるはずのものだ。
この本にも書いたように、あいにくなことに、
いままでの震災の歴史は、地震の歴史のあとを追いかけてきた歴史でもあった。
大地震のたびに、いままではなかった災害が生まれてきたので ある。
今回も、原発震災という、いままでに警告されながらも
備えが不十分だった原子力発電所が破壊された事故が起きてしまった。
その事故の終息はいまだ見えず、解決には途方もない時間がか かる。
今度襲って来る大地震のときに、
それが大きな震災を生まないですむような備えが出来るかど うか、
そこに人間の知恵が試されているのである。
この本の後書き
この本に書いたように、地震は弱者を選択的に襲ってきた。
弱者とは、古くて弱い家に住み続けなければならない人たちや、高齢者や障害者である。
阪神淡路大震災のときに神戸大学では39名の学生が亡くなった。
そのうち37名が下宿生だっ た。
これは神戸大学が特別に下宿生の割合が高かったのではなくて、
下宿生が、古くて弱い住宅 に住まわされていたからなのである。
住宅密集地である首都圏をはじめ、
各地にはまだ古い家に住み続けなければならない人たちも 多い。
これから襲ってくる地震で、
また弱者が痛めつけられる構図が繰り返されることを心配し ている。
そして、日本を襲う二つの地震のタイプのうちの片方、
直下型地震のときの局地的な地震の揺 れは、
もうひとつの地震のタイプ、海溝型地震よりも大きいことが多い。
このため、阪神淡路大震災で明らかになったように、
もし次の直下型地震が住宅が密集してい る都会を襲ったら、
また大震災が繰り返される、
あるいはもっと巨大な震災が起きるという可能 性が高いのである。
この本に書いたように、山地が多い日本では、
わずかな平地に人々が集まって都会や町を作っ ているのが普通だ。
しかしこれらの平地は、どれも地震に弱い「わけあり」な土地なのである。
しかも、以前は人々が住んでいなかった、
あるいは住むのを避けていたところにも、住宅が拡 がっている。
谷を埋めたり傾斜地を削って作った宅地造成地、
かつての海や沼や砂州を埋め立て た土地、川や海よりも低い低地帯。
都会や町は、前よりも一層、地震に弱くなっているの である。
ここで、「前書き」の最後を繰り返さなければならない。
今度襲って来る大地震のときに、
そ れが大きな震災を生まないですむような備えが出来るかどうか、
そこに人間の知恵が試されてい るのである。
この本は昨年『巨大地震はなぜ起きる これだけは知っておこう』を
出してくださった花伝社 の平田勝社長からのお薦めで世に出ることになった。
また具体的な編集作業は同社の佐藤恭介さ んが手際よくやってくださった。
このお二人がなければ、この本が生まれることはなかった。深 く感謝したい。
この本の目次
第1章 東北巨大地震とはどんな地震だったのだろう
第2章 直下型地震の怖さとは
第3章 首都圏を襲う直下型地震
第4章 日本で起きた内陸直下型地震
第5章 直下型地震の被害が増えている
第6章 地震予知はお手上げ
第7章 活断層はどのくらい警戒すべきだろうか
第8章 震災を押さえ込むのは人類の知恵
(出版社による)この本のキャッチコピー
直下型地震についていま分かっていることを全部話そう
海溝型地震と直下型地震 直下型地震は予知など全くお手上げ
地震は自然現象、震災は社会現象
大きな震災を防ぐ知恵、地震国・日本を生きる基礎知識
読者からの反応
2012.3.18 「気象庁のマグニチュードは問題がありますので早急に変更すべきだと思います」 (気象庁のOBから)
いろいろ考えながら読んでいます。
気象庁のマグニチュードは問題がありますので早急に変更すべきだと思います。
気象庁がどう考 えているのかも現在は分かりませんが、
出来るだけ早く変えないないとならないと思います。
東京が大震災に遭った場合、日本は本当に大変なことになります。
対策は何もとられていない 現在、とても怖いです。
何か動きがあってもいいと思うのですが今のところ何も見えていませんね。
2012.3.27 「もっとセンセーショナルなタイトルにして行政に
本格的な地震対策の必要性を感 じさせるようにしても良かったのでは」
『直下型地震 どう備えるか』を読みました。
ここのところ、毎日のようにテレビに地震速報が 出ますが、
東京が地震多発箇所であることを改めて認識し、興味深く読みました。
島村さんの考 えとは違うかも知れませんが、
もっとセンセーショナルなタイトルにして行政に
本格的な地震対 策の必要性を感じさせるようにしても
良かったのではないかと、思っています。
なぜ、いまの場所に首都を置くことになったのかについて書いてありますが、
私の意見の追加です。
徳川実記では「秀吉に家康が命じられた」とありますが、
僕は明治維新の時、金のない政府(大 久保利道)が前嶋密の建議で、
「狭い大阪でなく官庁を収容できる大名屋敷が多数残っている江 戸が良い」と
判断してしまったことに直接の原因があると思います。
実際そういう問題はあった のでしょうが、
幕臣であった前嶋にとっては江戸がゴーストタウン化している事に
寂しさがあっ たのではないでしょうか。
花伝社より
http://shima3.fc2web.com/kaden2.htm
地震発生を時系列で見ると日本列島の歪みが分かる
http://blog.goo.ne.jp/hirat55/e/2a282b674c597ccfc280e9fb356f5839