建設業で外国人受け入れ拡大 政府・与党調整
2014/3/26 2:00
政府・与党は人手不足が深刻な建設業で、外国人労働者の受け入れを拡大する方向で最終調整に入った。外国人向けの技能実習制度を実質的に拡充し、最長3年間の受け入れ期間を2年延ばしたり、過去の実習生の再入国を認めたりする。受け入れ人数はピーク時に現状の2倍の3万人規模に増える見通し。2020年の東京五輪に向け「即戦力」を活用し、膨らむ建設需要に対応する。
政府・与党は幅広い業種で外国人労働者の活用を検討しているものの、意見集約には時間がかかると判断。まず建設業で20年度までの期間限定で外国人を増やす考えだ。
発展途上国の外国人を対象にした技能実習制度は現在、受け入れ期間が3年間。希望者についてはさらに2年間働けるようにする。実習を終えて帰国した外国人も一定期間をおけば最長で3年程度、再入国を認める。
従来の滞在期間の3年を超える分は、いずれも法相の指定する「特定活動」という在留資格を与え、特別に働けるようにする。1万5千人規模の受け入れ人数はピーク時に3万人程度になる。
技能実習制度を巡っては、実習生の劣悪な労働環境や賃金未払いなどの問題も指摘されている。行政による立ち入り検査や、国や建設会社などでつくる協議会による監視などを通じて、適切な制度運用を目指す。
自民党は人手不足の業界全般に外国人労働者の活用を促す提言をまとめた。技能実習制度は優秀な人材に限り2年間延長し、再入国も認めるなど制度そのものの拡充を提案。1社あたりの受け入れ人数枠も従業員の5%から1割に増やすよう求めた。子育てなど生活環境の整備や、日本で稼いだ所得に対する日本と母国の二重課税の解消も課題とした。
<日経会員記事>