戦後、社会福祉が発達して家族が少ない家庭、孤立状態の人が増えたと思います。人間関係が希薄でも生きていける社会になったと思います。若い時、我が強くても生きていけるので脱皮を経験しないまま(我を捨てないまま)老人になってしまう人が非常に多いと思います。
しかし老病苦しむようになると、社会福祉制度があっても不安になります。金持ちであっても我が強くては近所から嫌われます。お金を使えばそれなりのサービスは受けられますが、家族的なサービスはうけられません。反対にお金を取られるようなサービスが多く、孤独な人は社会不信になります。そして孤立します。
不安はます一方になりますが、近所の人間関係はありませんから、孤立は深まり、不安は不幸の原因になります。
結局お金を取るサービスを受ける以外に手がなく、有料施設で、死なないだけの不平不満に満ちた孤独な晩年を強いられます。
若いときから脱皮を経験しながら近所の人が助け合って生きることに慣れることがだいじです。他人との関係を軽視するわがままな生活をよしとしていると、いかに社会福祉が発達している社会でも孤独老人は幸福を味わうことはできません。
人間関係が「薄められた」現代社会は、今は自由で生活しやすくてもやがて不幸な生活を強いられることになります。