奈良のお祭りを紹介~田原の祭文・おかげ踊り~
田原地区の伝統芸能「田原の祭文・おかげ踊り」は、本来は祭りの時に神仏に対して祈願や祝詞として用いられていた願文(がんもん)を指します。
しかし、これが後に信仰を離れ、説教節などの物語を語る芸能に発展したものなのです。
語り手とお囃子が一組になり、手に錫杖(しゃくじょう)と法螺貝(ほらがい)をもって、語り手が演目を独自な節回しで語り、囃子手は最初や合間に「デロレン」とはやし言葉を入れます。
明治期まで伊勢参拝の時に盛んに行われていた「おかげ踊り」と一緒に毎年3月、南田原の天満神社か日笠の今井堂天満神社で行われる「おんだ祭り」で奉納されています。
「祭文」も「おかげ踊り」も一度継承が途絶えてしまっていたのです。そのためできる人が少なくなっていたのですが、唯一地区で覚えていた高齢の方たちが昭和50年代に披露し、それ以降、復活し継承しようという動きがおこり、奈良市無形民俗文化財として指定されたこともあり、昭和58年に「祭文」「祭文音頭」「おかげ踊り」を地区で継承していくため、保存会が発足し現在に至っています。
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