Bankの秘密基地

個人日記兼つれづれなるままに

資金循環統計

2021年03月25日 | マクロ経済


発表された日銀の資金循環統計見ると家計のキャッシュの積み上がりが顕著になつている。2006年以来最高の38兆円まで積みあがっている。見逃せないのは企業(金融機関除く)のキャッシュも大きく上昇している。理由は単純で、コロナショックでの売り上げの大幅な減少で企業が自己防衛を図り、運転資金の確保の為にキャッシュを積み上げている。家計もそれに似ている部分はあるが、一つは政府からの移転収支も影響しているだろう。いわゆる持続化給付金やコロナ給付金は生活費にあまり流用されてはおらず、家計防衛として預金に回っていることを示している。



現預金の積み上がりが顕著なのは上の図表から読み取れる。特に右側の四半期ベースでみると増加のほとんどが現金・預金である。これは企業についてもいえる。20年の2Qから4Qにかけて企業のキャッシュの積み上がりが顕著だ。


家計の金融資産におけるキャッシュは1000兆円を突破した。少子高齢化、コロナショックなどの影響だと説明は可能だが、それにしても日本人のリスク回避傾向は世界的にも珍しく、非常に保守的であることがわかる。それでいてバブルなどになるとリスクを顧みずにみんなで突っ走るところなど。よく言えば影響を受けやすい、悪く言えば考えなしともいえるかもしれない。日経平均が3万円を突破し、1年で50%以上のリターンになっている。もし日本の家計資産の構造が米国のそれと同じであったのなら、経済回復は極めて速くなっただろう。



そうならないところが、まあ....日本人らしいというか

注) 出所は全て日銀公表資料
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