
シンガポールのREITにはいくつか投資しており、これもその一つ。Parkway Life REITはシンガポール
上場のREITでその特色はヘルスケア分野に特化したREITであることだ。昔から投資していたREITと違い、
このREITは金融危機発生後に投資し為、私の数少ない含み益銘柄の一つだ。当ファンドはアジアパシ
フィック地域に特化しており、シンガポールおよび日本での投資がメインとなっている。シンガポール
ではMount Elizabeth, Gleneagles Hospital and East Shore Hospitalなどの病院を保有しており、
日本では千葉での医薬品物流施設や9つの介護施設が千葉、兵庫、神奈川、大阪、埼玉、東京などに
資産を保有している。当ファンドは日本だけでなく、将来のアジアでの高齢化社会の到来により、成長
ポテンシャルの高いヘルスケア資産に特化したREITである。総資産額10億シンガポールドル(日本円で
670億円)、ギアリング(LTVに相当)は22.7%、ローンの平均マチュリティは2.8年とバランスシートは
健全である。NAVは1.34ドル、現在の株価は1.07ドル(8/7現在)、PBRは0.8倍、配当利回りは8%となって
いる。
日本では少子高齢化がすでに常識であるが、アジアでの高齢化も問題となっている。特に中国では
過去の一人っ子政策が災いして将来日本よりも深刻な高齢化が起こるとされている。中国以外でも
高齢化の問題はあり、20-30年の長期的な視点から見ると成長余力は高いと考えられる。またアジア
地域での所得水準の上昇は医療水準の向上が予想されヘルスケア産業の成長はかなり高い。
業績は堅調だ。発表されたQ2の売り上げは28.9%の増加、半期累計では33.1%の増収となった。純不動
産収益(NPI=Net Property Income)はシンガポールの病院の上方修正により27.9%の増益となった。
好調な業績により配当可能利益(Distributable income)は13.7%の増益となった。ヘルスケア分野は
REIT市場でもディフェンシブな銘柄だが、金融危機ではやはり株価が大きく下落したが、それでも
オフィス型と比較するとパフォーマンスはかなり良い。現在はシンガポールと日本がメインだが、
豪州、マレーシアなどの他地域の展開や将来は中国、インド、タイなどの市場も視野に入ると考え
られるだろう。