東京 DOWNTOWN STREET 1980's

東京ダウンタウンストリート1980's
1980年代初頭に撮影した東京の町並み、そして消え去った過去へと思いを馳せる。

神田川、日本橋川めぐりツアー

2011-07-12 17:08:01 | 東京の川
さて、暑い日が続くので、そんな日々に涼を感じられるお話をということで、以前参加した神田川、日本橋川の川めぐりツアーのことを書いておこうと思う。参加したのは2009年10月のことだったのだが、調べてみたところ今も開催されているとのこと。このツアーは本当に面白くて、お勧めできる。この川めぐりについては、NPO法人あそんで学ぶ環境と科学倶楽部というところが催しているもので、「都心の水辺でエコツアー」というタイトルが付けられている。そう堅苦しいものではないので、ご心配なく。私は一日コースに行ってみた。費用は大人一人5、000円。集合場所は都営大江戸線のかちどきからほど近いNPOの事務所だった。

簡単なブリーフィングの後、早速出発。乗る船は小さな電動のボート。屋根付きで周囲を透明ビニールで囲っているので、吹きっさらしではない。夏場は外してしまうのかもしれない。


マリーナというより船着き場といった出発地点を出ると大川こと隅田川である。広い川幅に小さな船で、時折すれ違う船の波を受けると結構揺れる。ちょっとスリリングな雰囲気。最初の見所は勝ち鬨橋。橋は水面から見るのが一番美しい。


隅田川の景色を楽しむ内に両国橋をくぐると、神田川の入り口である。神田川から言えば最下流だけど。見えている一番手前の橋が柳橋。


そこから遡っていく。見慣れた景色なのだが、視点が変わることでこう違って見えるのかという面白さ。万世橋に差し掛かる。


そして、前半のハイライトである御茶ノ水へ。


見飽きるほどに見慣れた場所だけど、こんな所から見たのは生まれて初めてだった。何とも良い景色。


この辺りの神田川は見通しがきかない。という風に作られているわけである。これは戦国時代の作法と言うことで、戦を考えた川の堀方をしているのだという。そのお陰で、一瞬だけどビルも隠れる瞬間がある。


この後、飯田橋で休憩になる。船着き場があり、そこに係留して皆下船して各自で昼食。旧飯田町貨物駅の裏手に当たるところで、少し歩けば飯田橋駅の辺りに出られる。昼食休憩終了後、再度ここに集合して出発。これは鎌倉橋の際に残る鎌倉河岸。江戸城築城の際に伊豆から運び出した石材、木材などは一旦鎌倉の材木座に集められた。そこから再度現地であるこの場所へと送られてきたので、鎌倉の名が付いた。


山手線や新幹線など、たくさんの線路の下を潜ると、常磐橋である。日銀本店の前でもあるのだが、ここが元々の江戸城の正門だったところ。このツアーに参加して初めて知った。東京でも有数の古い石橋である。明治10年に熊本から石工を呼び寄せて掛けられたという。元々は常盤なのだが常磐になっているのは、石で出来た丈夫な橋だからという江戸っ子の洒落だという。この橋の前後には常盤橋と新常盤橋が架かっている。


そして、このツアーのメインイベントでもある日本橋。首都高速が出来てからしか知らない私にとっては、この橋が美しく立派な橋だと初めて痛感できた瞬間だった。架橋100年を迎えた。もっとも、古い話を読むと架橋された頃は、キリンビールにライオンの広告か?なんて言われたりもしているのが面白い。東京の繁栄を祈る守護神として、キリンとライオンの彫刻が沢山付けられている。


この橋の下では、関東大震災の時に油を積んだ船がここで燃えた。その高温で石が溶けた跡が今も残っている。


そのまま日本橋側を下っていくと、亀島川との分岐点。霊岸橋が架かっているところを覗く。この向こうは、江戸以来のこの大都会の水の入り口であったところ。江戸湊と呼ばれてきた船の玄関口である。この時に知ったのだが、今も日本古来の船着き場のスタイルである雁木になっている。つまり、水辺が階段状になっている。これが今でもそのまま残されているというのは、驚きだった。


再び隅田川へ。今はリバーサイドには超高層ビルが建ち並ぶ。でも、このビル群が町へ吹き込む海風を遮っているのかと思うと、複雑な気持ちになる。


かつて、材木で栄えた時代の遺構。


というわけで、一日のコースを終えて出発点の勝ち鬨に戻って終了である。
船の上からの景色が良いのは最高だし、解説もちゃんとして貰えるので、楽しめることは請け合える。別の団体が似たような川めぐりをやっていたりもするので、時間や費用なども含めて、都合の合うものを選べばいいのではないかと思う。ここの一日コースが一番欲張りに楽しめる盛り沢山だと思う。興味のある向きには是非お勧めしたい。詳細や申込はここからどうぞ。


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