ホルネック城館はドイツ騎士団の城塞でした。他の多くの城塞と同様にネッカー川沿いの古城街道にあります。
ホルネック城館の起源はよく分かっていないけれども、13世紀前半の古文書にある記載によると、その頃建造されたのではないかと考えられるようです。そして13世紀の中頃に、所有者であるコンラド・フォン・ホルネックという人物がこの城塞をドイツ騎士団に譲渡し、彼の二人の息子を伴って入団しました。それにより騎士の新しいコミュニティーがこの地に設立されたことになり、コンラド・フォン・ホルネックがその指揮官になったのです。そしてドイツ騎士団によって建物は拡大強化され、近隣の王様を初めとする有力者が次々と滞在しました。このコミュニティーはますます発展し、15世紀の前半にはドイツで3番目に重要な、そして最も裕福なコミュニティーのひとつになりました。ところが16世紀の前半の農民蜂起によってホルネック城塞は憤激した農民に征服され、住居棟も農場も完全に破壊された上、お城の公文書の保管所までもが壊滅しました。城塞はそれでもドイツ騎士団の所有にとどまり、すぐに再建されました。その際、残っていた城塔を含む防御壁の内側に建造されたのは分厚い壁で多階の建物でした。そのルネッサンス様式のお城も30年戦争の時に損傷を受けましたが、すぐに修理されました。そして18世紀の前半には、比較的装飾の少ないバロック様式の城館に改築されたのです。
防御壁の一部 1 & 2
防御壁の一部とワイン畑
城館の全景 1 & 2
19世紀の初め、ホルネック城館は世俗化によってヴュㇽテムベルク王国の所有となり、兵営として使われました。その20年後に城館の複合施設は個人の手に渡り、病院、療養所、自然療養所、ビール醸造所として機能しました。そして第二次世界大戦後に短期間、お城はアメリカ軍の病院として使用された後、肺療養所に改装されて1960年まで使われました。
複合施設の入り口 ‧ 城館への道
城館の真正面
城館を囲む水無し掘り割り 1 & 2
療養所が閉鎖された後、ドイツに住んでいるトランシルヴァニア・ザクセン人の集まりである <ヨハネス・ホンテルス›援助協会が城館の施設を取得し、<トランシルヴァニア›郷土館として利用しています。
ところで、トランシルヴァニア・ザクセン人とは誰なのかわからないのでウィキペディアで調べてみました。
【トランシルヴァニア・ザクセン人とは、12世紀以降、トランシルヴァニア (こんにちハンガリーやルーマニアがある地域) へ移住したドイツ人を指す名称。トランシルヴァニア・ザクセン人の大半が第二次世界大戦後にドイツへ移住 (帰国) していったが、現在も一部の人々がルーマニアにドイツ語を話す少数民族として残っている。】
現在ここには広範囲にわたる蔵書を持つトランシルヴァニア研究所とトランシルヴァニア博物館があります。中でも博物館はルーマニア以外の地にある最も重要な博物館だそうです。
城館の入り口
城館の中庭 ‧ 壁の彫刻
<ヨハネス・ホンテルス›援助協会は2015年に一度倒産したのですが、それまでは郷土館の他に城内で老人ホームを、そしてお城の横の新しい建物で養護ホームを経営していました。
お城の横の養護ホーム
援助協会の倒産不動産はその後トランシルヴァニア・ザクセン人連邦協会が買い上げ、老人ホームを文化会議センターに改築しました。
全部の複合施設は時たま訪問者に公開されるようで、バロック様式の祝賀会場で文化イベントが開かれるほか、城館の主屋にはトランシルヴァニアのモチーフの絵画コレクションが数多く展示されているそうです。
すでに述べたように施設は常時公開されているわけではないので、外観しか見ることが出来ませんでした。それで付近を散策し、背後の丘に登ってみました。
背後から見た城館 ‧ ネッカー川の水門
さて、私の家の料理です。
キャベツのイタリアン風スープ 1 & 2
キャベツを使ってイタリアン風スープを作ってみました。まずキャベツを8分の1ずつに切っておきます。ベーコンをオリーブ油で炒めて、そこにジャガイモとキャベツを入れます。そして鶏のだし汁をいれて20分ぐらい弱火で煮て、塩コショウで味を調えます。妻の作品の土鍋を使いました。食器も妻の作です。寒い季節にスープ料理は最高ですね。
子牛肉の茸マルサラ酒ソースかけ 1 & 2
次は子牛肉の茸マルサラ酒ソースかけです。まずソースですが、茸(シャンピニオンとエリンギ)を細かく切ってオリーブ油で炒め、そこにマルサラ酒と白ワインを入れて煮立てて、さらに鶏のだし汁を加えてしばらく煮込みます。最後は塩コショウで味を調えます。子牛肉の方ですが、片面に燻したハムを張り付けて叩きます。別の片面に小麦粉を振り、フライパンで焦げ目を付けます。焼き上がったらソースの鍋に移してしばらく煮込むのです。上にパセリをふって出来上がり。
〔2022年2月〕
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