ハンブルクに現存する唯一の城はその郊外のベルゲドルフという所にあり、何世紀にもわたって、例えば17世紀初頭、17世紀後半、19世紀の終わりから20世紀の初めにかけてゴシック様式やネオゴシック様式、あるいは地元のスタイルを使って拡張され再建されてきました。
城館 1 & 2
堀に囲まれたベルゲドルフ城の起源はまだ明確には明らかにされていませんが、「堅固な家」が14世紀に初めて文書に登場しました。ある伯爵が13世紀はじめにビル川を堰き止めて水車小屋を建設したので、その時に最初の保護構造としての城が建設された可能性があります。恐らく二重の堀と跳ね橋を持ち柵で囲まれた複合施設であったでしょう。内部には他のドイツの低地の城と同様に、攻撃を受けた場合の退却場として巨大な塔があり、厩舎と井戸を備えた農場と住宅の建物もありました。しかしこれまで体系的な調査は行われていないため、これは推測の域を出ません。
城館 と 池 1 & 2
城館 と 池 3 & 4
15世紀の前半までこの複合施設はしばらくの間ある公爵の住居として使われていましたが、その後地主、役人、そして後にベルゲドルフを担当するハンブルクの元老院議員が管理する行政の所在地になり、そして19世紀後半には裁判所や警察など市政のさまざまな部分が入居していました。20世紀の中頃以来城にはベルゲドルフ博物館があり、常設展では地域の歴史を紹介しています。毎年恒例の特別展では社会的および歴史的なトピックに光を当てています。さらに年に数回、地元のアーティストが作品を展示しています。城内では博物館の部屋や城の中庭で文化イベントがほぼ毎週開催され、夏には無料の野外映画館が開催されます。城の1階にはミュージアムカフェがあります。そして城内で結婚式を挙げることも可能なのです。
城門 ・ 中庭
建物の入り口 ・ ジェラート
さて、ハンブルクにある在独日本総領事館での用事をすませて帰る途中にベルゲドルフ城を訪れました。ベルゲドルフの町の中心部にハスが生育している池を持つ公園があり、その真ん中にこぢんまりとした城があります。月曜日なので博物館も城内カフェレストランも閉まっているのですが、歩行者天国商店街の隣なので多くの人出があり、城の敷地にも散歩や日光浴をする人がたくさんいます。私は商店街の一角にあるアイスカフェでイタリアンジェラートを食しました。暑い日なので旨いのです。
〔2024年6月〕
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます