視覚障害者きうっちの自立への道

視覚障害者きうっち(S52年生)が気の向くままに日々の生活をツラツラとつづるブログ

PCトーカー内のキーボードガイドを使ってみよう

2012-02-18 09:00:01 | 視覚障害
 PCを使っている全盲の視覚障碍者の方の中には
『自分は目で見て字を識別することができないから、キーボードのどのキーが何のボタンなのかは目の見えている人に確認してもらわないと分からない』と思っている人もいるかと思います。…というか自分自身がつい最近までそうでした(汗)。
でもPCトーカーという、音声読み上げソフトを利用している人に限っては全然そんなことはないんです。
意外と知られていない(というか自分自身が知らなかっただけかもしれませんが(滝汗))このことを、この記事では紹介しようと思います。

■そもそもキーボードガイドって何?
 ちなみに、ここで言っているキーボードガイドとは
キーボードガイドが起動している間は、キーボードの『どれかのキー』を押せば、
それが何のキーなのかというのを音声の案内で返してくれるモードのことです。
また、キーボードガイドが起動している間(正確にはガイドにフォーカスが当たっている間)は
キーボードのどのキーを押しても、画面上では何の反応も示しません。
つまり、ガイドが軌道している状態でテキストに文章を書いたり、どこかのリンクを開いたりするということができないということです。
なので、キーボードガイドが起ち上がっている間はどのような状況でどのキーを押したとしても何も起きないので安心というわけです。

■キーボードガイドの起動方法と終了の方法
 次にキーボードガイドの起動と終了の方法について。以下、それぞれを箇条書きにして記します。

・キーボードガイドの起動の方法
AOKメニューを起ち上げた後、
マイサポート→ツール
と辿って行くと、その中に『キーボードガイド』という選択肢があるので
そこでEnterキーを押すとキーボードガイドが起動します。

・キーボードガイドを修了させる方法
キーボードガイドを修了させるには
『Windowsボタン』を連続で何回か押します。これでキーボードガイドは終了します。

■こんな時にキーボードガイドを利用するといいかも
 このキーボードガイドという機能は、結構変なところにありますし
ある程度キーボードの操作に慣れている人、特にPCトーカーの読み辞書機能を使おうとする発想が無い人は、知らない可能性が高いと思います。
…というかまさに『自分自身』がそうだったのですが(苦笑)。

 ところで、このキーボードガイドはPCに初めて触るような初心者の人以外でも
結構使いではあると思います。考えられるケースとしては

1.新しいノートPCを購入したのだけど、今まで使っていたノートPCとキーボードの型がだいぶ違うので、どこに何のキーがあるのか分からない
2.普段あまり使わないキー(Print screan等)の場所を確認したい時

のようなケースですかね。特に1のケースは意外とあると思いますし
自分のように単身生活を送っているような全盲の視覚障碍者にとっては、結構重宝する機能だと思います。
『自分はもうキーボード操作は全然大丈夫♪』と思っている全盲の方でも
このキーボードガイドの存在は頭の片隅にでも留めておいていいかもしれないですね。

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点字ってこんなものなんですよ(目次)

2011-11-23 12:00:00 | 視覚障害
 このブログでは随分昔、自分が点字の訓練をしていた頃に点字の文字体系などのことを記した記事を書いたことがありました。
最近、このブログの記事について色々整理していて『いっそ点字関係のこともライブラリのようにしておいた方が後で確認する時に便利なんじゃないのか?』と思ったので
こんな、点字関係の記事の目次のようなものを作ってみました。別にこんなものを作らなくても、ブログのトップページから『カテゴリー別に記事を閲覧』すれば済むことなのではあるのですが
アクセシビリティの観点からも『目的の記事へ辿り着くまでの方法』はいくつあっても構わないと思うので…。
なお、この目次の記事はトップページの一番下の方にあるブックマーク、他のリンクさせていただいているサイト等の近くにリンクを貼っておきます。点字の調べものなんかをしたい場合に利用してもらえると幸いです。

 また、今回Excelで点字の文字の形一覧.xlsのようなものを作ってみました。
音声読み上げソフトでPCで作業している全盲の方で、かつExcelがある程度使いこなせるのであれば
恐らくこちらのファイルの方が文字の形は確認しやすいと思います。よかったら上のリンクからファイルをダウンロードしてください。
上のリンクをクリックすると新しいページが起ち上がります。そこでタブキーを10回程度押すと『~.xls』というリンクがあります。そこでEnterキーを押してダウンロードを始めてください。

 そして、ここで紹介している点字の記事の内容は、一応当時わたしが点字の訓練をしていた際の先生に
内容を添削してもらったものなので、大きな間違いはないはずです。その点についてはどうかご安心を。

2009/10/03 点字ってこんなものなんですよ(その1) 50音、っ、長音編
2009/10/10 点字ってこんなものなんですよ(その2) 濁音、半濁音、拗音他編
2009/11/07 点字ってこんなものなんですよ(その3) 数字、簡単な数学記号編
2009/11/14 点字ってこんなものなんですよ(その4) アルファベット編

コメント (2)
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点字ディスプレイをPCと接続した際の機能が強化された…らしい(汗)

2011-11-12 19:00:00 | 視覚障害
 AOK Officeでは点字ディスプレイを使用しているPCと接続した際の機能も強化されたらしいです。
……らしい、とここで表現を濁しているのは、わたしきうっちが自身で確認をしていないから(汗)。
これに関しては、自分は製品の仕様書に記してあった機能をそのまま書いているだけなので…。

 自分は点字のヘビーユーザーではないため、手元に点字ディスプレイがありません。
なのでこの機能-。正式名称はブレールワークスというらしいのですが-。は残念ながら実際に使ってみることはできていません。
このあたりはどなたか情報を持っておられる方は、この記事のコメント欄、またはわたし宛てまでブログのトップページからメールを送っていただければ幸いです。

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結論

2011-11-12 19:00:00 | 視覚障害
 ここまで様々な角度から長々とAOK Officeを分析・解説してきました。
そしてもし、このAOK Officeという音声読み上げソフトの購入を考えているのであれば

1.とにかく長い間、PCトーカーに慣れている
2.これからPowerPointやOutlookを用いて、色々と作業をしたい
3.正直、これまで使っていた音声読み上げソフトには物足りなさを感じている。でもJAWSのあの読み上げ方はどうも好きになれない
4.現在、それなりに高機能のPCを持っている
5.今後、MS-DOS プロンプトで一切作業をするつもりがない(←これの意味することが分からない人は、つまりこの条件に当てはまっているということです(笑))
6.標準価格13万円超という値段はあまり気にならない
7.たくさんの女の子の声を聴きながらPCの作業をしたい(笑)

という条件に当てはまる人は、このソフトの購入を考えてもいいのかなと思っています。…まぁ正直7の条件は大概の人にとってはどうでもいいことだと思いますが(笑)。
AOK Officeは全体的に高機能の音声読み上げソフトだと思いますし、ソフトをインストールしたPCで作業をしている感覚はJAWSよりずっと動きが軽いです。個人的な感触では、これまで使っていたPCトーカーと動きはほぼ遜色はないですね。

 ただ正直『色々とできるようになったし色々読み上げてくれるようになった』といっても、それはこれまでのJAWS以外の音声読み上げソフトと比べて、という話。
そのJAWSと比べると正直なところ、読み上げてくれないツールも結構あったりします。
上にも挙げていますが一つの例として、MS-DOS プロンプトは一切読み上げてくれませんしね。

 この『AOK Office』という音声読み上げソフト、比較対象になるのはやはり同じような値段の音声読み上げソフト『JAWS』だと思うのですが
このJAWSというソフト、自分は幸運なことに今年7月まで職業訓練をしてきた国立職業リハビリテーションセンターで散々使わせてもらうことができました。
なので、自分はこの『JAWS』というソフトのいいところも悪いところもそれなりに分かっているつもりです。
で、今回この『AOK Office』も2週間ばかりですが、それなりに使ってみていいところ、悪いところがだいたい把握できたつもりです。
その自分が2つの音声読み上げソフトを比べてみて感じた、個人的な印象を一言で表すと↓のような感じになりますかね。

・他の音声読み上げソフトと比べると少しクセがあり使いこなすのは少々難しいけど、使えば使いこむほど色々なことができるようになるのがJAWS
・確かに操作するのは簡単だしそれなりに色々とできるようになったし読み上げてくれるようになったけど、本当に『それなり』のことまでしかできないのがaOK Office

 そして、何よりソフトの値段が値段(13万4400円)なので、やはり購入する際には慎重を期した方がいいと思います。
できることなら、やはり体験会や誰かに直接触らせてもらうのがベストだと思いますね。
ただ、大半の人は恐らくそういう機会には恵まれないと思うので、今回先に購入した自分がこのような資料を作ってみました。
冒頭にも述べたように、このAOK Officeについては正直公開されている情報があまりにも少ないです。
今後、このソフトの購入を考えている方たちに、自分が作成したこの拙い資料が少しでもお役に立てるのであれば幸いです。

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このあたりはAOK Officeのだめなところかも…

2011-11-12 19:00:00 | 視覚障害
 ここまでこの『AOK Office』について、こんな感じに読み上げ方が強化されました、こんな感じに機能が良くなりました、みたいに良いところばかりを挙げてきました。
ただAOK Officeにももちろん『ダメなところ』というのもいくつかあります。
以下に、自分がこの2週間ほど、AOK Officeを使っていて『これはちょっと何とかならんもんかね』と感じたところを、3つほど紹介しておきます。

1.AOK OfficeのインストーラがUSBメモリに入っているため、全盲の視覚障碍者が一人でソフトをインストールすることが大変困難
2.インターネットを閲覧している際のブラウザを読み上げる際の音声が、これまでのPCトーカー7 ver2やXP ver5とほぼ変わらない
3.AOK Officeをインストールした端末を使う場合には、専用のUSBメモリを常に差し込んでおかなければならない

 まず1について。実はAOK Officeのソフトのインストーラは、普通のパッケージソフトのようにCD-romに入っているのではなく
パッケージ内に付属されている、USBメモリの中に『setup.exe』というファイルの形で入っています。
ここで問題になってくるのが、AOK Officeをインストールしようとする際には、同じメーカー、高知システム開発の音声読み上げソフトがインストールされていてはダメだということ。
つまり、他社から販売されている音声読み上げソフトが自分のPCに入っていない場合、ユーザーは音声の案内無しでソフトのインストール作業をしなければいけないということなのです。
これは正直、全盲のPCユーザーにとっては相当キツイです。当初、自分もこのソフトのインストールをしようとした際には相当困りました。恐らく大半の全盲のユーザーは、目の見えている方のサポート無しではソフトのインストールができないのではないでしょうか?
さすがにこの事実には『目の見えてない人向けの商品のはずなのに、これってどうなのよ?』と思いましたね。
まぁ一応、この項の一番下に記してある※以下のような手段を使って全盲の人でもやってやれないことはないのですが…。
ちなみに自分は、※以下の手段を使い『気合と根性(苦笑)』で自力でソフトをインストールしました。
ところでわたしのPCに載っているOSはWindows 7なので、同じ7ユーザーなら同じような方法でソフトのインストールができるかもしれませんね。もっとも、正直あまりオススメはできませんが(苦笑)。

 そして2について。AOK Officeでは、残念ながらインターネットを閲覧する際のブラウザについては、特に読み上げ方を強化しているような感じは見受けられませんでした。
PCトーカー7 ver2やXP ver5を既に使っている人は、それらとほぼ同じような読み上げ方と考えていいと思います。
個人的にはテーブルタグの構造を全く読み上げてくれないのが一番痛いかな……このあたりは、同じような値段のJAWSと比べてマイナスポイントなのかなと感じました。

 そして最後の3について。AOK Officeという音声読み上げソフトは、ソフトのインストールをした後も
常に専用のUSBメモリをPCに差し込んでおかないといけないんです。これはAOK Officeをインストールした際のPC側の負担を軽くするためのメーカー側の処置らしいのですが…。
ただその場合、AOK OfficeがインストールされたPCで作業をする場合は、常にUSBのポートを1つ埋められた状態にしてなければいけないので、
これは、人によっては意外とわずらわしいと感じるかもしれません。まぁ確かに、これだけ高機能のソフトが常駐されている状態にも関わらず、JAWSと比べてPCの動きは非常に軽快なのですが……もっとも、このあたりはある程度割り切ればいいのかなとも思いますけどね。
高機能の音声案内を、非常にPCの負担が少ない形で実現している。その代わりPCのUSBのポートが1つ犠牲になっている-。と、こんな風に考えてもいいのかなと最近自分は思うようにしています。

※ 音声の案内無しでのソフトのインストール方法の一例
まずPCを起ち上げたら2分ほど待つ。
そしてWindowsボタンを押し、十字キーの↓を3回、←を1回、続いて↓を4回押しEnterキーを押す。
これでWindowsの『コンピュータ』が開くので、ロールダウンキーを押す。するとカーソルがUSBメモリにあたる『リムーバブルディスク』にいくのでEnterキーを押す。
するとAOK OfficeのインストーラがあるUSBメモリの中に入れるので、そこで 
a
Enter
s
Enter
の順番でキーを押す。
これでsetup.exeを開くことができるので、あとはしばらくするとAOK Officeのインストーラが音声付でめでたく起ち上がります。

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