前回までの点字の記事でかな文字50音、濁音、半濁音、拗音と
だいたい日本人の名前を表す事ができるくらいの点字の形は紹介してきました。
で、今回はこれまでとはちょっと毛色を変えて数字やそれら数字に関わる基本的な数学記号なんかを紹介していこうと思います。
また、例によって前回までの点字の記事のリンクを↓に貼っておくのでそちらも併せて今回の記事も見てもらえれば。
2009/10/03 点字ってこんなものなんですよ(その1) 50音、っ、長音編
2009/10/10 点字ってこんなものなんですよ(その2) 濁音、半濁音、拗音他編
■点字での数字の表し方
点字で『1』や『2』のような数字を表す場合『数譜(すうふ)』という
ちょっと特殊な文字というか記号を使って表すのですが
・
・
・・
上に示した点字の形が『数譜』というもので、点字を使って数字を書く場合
『ここから先に書いた文字は数字を表してますよ』という意味で一番先頭にこの数譜という記号を用います。具体的な使い方としては
・ ・
・
・・
・ ・
・ ・
・・
こんな感じになります。二段書いてある上の点字の形が数字の『1』で
下の形が『12』なのですが、上の『1』に関しては2マス使って表していて
1マス目が『これから表す文字は数字』という意味の数譜、2マス目が数字の1を表しています(何故これが数字の『1』を表しているのかは後述)。
また下の『12』に関しては3マス使って表していて、1マス目が『これから表す文字は数字』を意味している数譜、2マス目が数字の1、3マス目が数字の2を表しています(何故これが数字の『2』なのかも後で解説)。
■あいうるら えれりおろ
点字について何も知らない人がこの小見出しのタイトルを見ても『何じゃこりゃ?』という感じだと思いますが(苦笑)。
ま、それについてはこれからの説明を見ていけばおいおい分かるかと思うので、この時点ではとりあえず『保留』という事で。
点字では数字を表す場合、あ行とら行を用いて表します。
あ行とら行、その文字の数を数えるとちょうど10個、じゃあ普通に考えればあ行から順番に『1、2、3なのか?』かというとそう簡単な話でもなくて
1 2 3 4 5
(あ) (い) (う) (る) (ら)
・ ・ ・・ ・・ ・
・ ・ ・
6 7 8 9 0
(え) (れ) (り) (お) (ろ)
・・ ・・ ・ ・ ・
・ ・・ ・・ ・ ・・
というような感じで表します。で、一応数字に対応する点字のすぐ傍にその点字が本来かな文字で表している字も添えているのですが
ここで数字の『12345 67890』が点字のかな文字の順番で『あいうるら えれりおろ』となっているのが分かるかと思います。
それで小見出しのような呪文みたいなタイトルになるわけですよ。というか点字で数字を表す形を覚えようと思った場合、
本当に上の呪文のような小見出しを延々と唱え続けるのが一番早かったりするのですよね、実際のところ(苦笑)。
事実、自分も点字の数字を紹介された時は上の小見出しを『呪文のように何度も唱えて暗記するように』と教えられましたし。
だからこの点字の数字に関してはもう理屈も何もなくみんなで唱え続けるしか道はないのですよね。『あいうるら えれりおろ』と(笑)。
■改めて点字での数字の表し方
ここで改めて転じでの数字の表し方のおさらい。点字で数字を表す場合、まず1マス目に数譜、そして2マス目以降に数字を表す『あ行』か『ら行』の点字という形で表します。
例えば『わたし31歳』みたいな文章の場合
わ た し 3 1 さ い
・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・
・ ・・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・・ ・
みたいな感じで書きます。一応厳密に言うとちょっと違うのですが
点字では数字を表す『数譜』を打つ場合はその前のマスを必ず1マス空ける、みたいな感じで覚えておけばいいと思います。
それから点字で数字を表す場合は『4桁ずつで区切る』『4桁ごとの区切りごとに億、万のような単位?をつける』というルールがあります。
例えば『3246』という数字を書く場合は
3 2 4 6
・ ・・ ・ ・・ ・・
・ ・ ・ ・
・・
というように打つのですが、これが『383246』となると
3 8 ま ん 3 2 4 6
・ ・・ ・ ・ ・・ ・ ・・ ・・
・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・
・・ ・・ ・・
みたいな感じで打ちます。万の位までの『38』を打った後には数字の大きさを表す『万』をすぐ後ろに打ち
その後スペースを1マス空けて、千から一の位である『3246』を打ちます。
ただ、実は点字で数字を表そうと思った場合、これだけではちと不完全なのですよね。それをこれから紹介していこうと思います。
■『つなぎ譜』というものの存在理由
突然ですが点字には『つなぎ譜』という特殊な使い方をする記号があります。
これは主に点字で数字を表す場合に使うのですが、
例えば『1億2000万』みたいな数字を点字で表そうと思った場合、
1 お く 2 0 0 0 ま ん
・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・・ ・・ ・・ ・ ・
・・ ・・ ・ ・・ ・・
のように点を打ちます。ご覧の通り、最初の『1』と『億』の間に今回紹介した『つなぎ譜』を打っています。
そもそも何でこんな事をしているのかというと、点字の数字がかな文字の『あ行』と『ら行』を浸かって表しているという事からきています。
試しに上で書いた『1億2000万』からつなぎ譜を抜いた点字の形を表してみると
1 9 く 2 0 0 0 ま ん
・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・・ ・・ ・・ ・ ・
・・ ・ ・ ・・ ・・
『19く2000万』などという訳の分からない形になってしまいます。そもそもどうしてこういう事が起こってしまうのかというと
上でも言いましたが点字で数字を表す場合、かな文字の『あ行』と『ら行』の文字を使っているからこういう事になってしまうわけです。
そこでここで紹介した『つなぎ譜』というものが俄然存在意義を発揮してくる、というわけです。
点字で数字を表す場合、その数字を打った文字のすぐ後ろに『あ行』か『ら行』の言葉が来るケースにおいて
この『つなぎ譜』をしようして前述したような『かな文字で表したい点字の文字が数字に化けてしまう罠』を防ぐために使います。
実はこの点字で数字を表す場合につなぎ譜を使うケースというのは、意外なほど使う機会が多いんですよね。しかも日常生活の中で。
一番分かりやすいのが通貨の単位をつけてお金を表す場合です。例えば『10ドル』や『10ユーロ』では
『つなぎ譜』を使わないでそのまま
10ドル
・ ・ ・ ・ ・・
・ ・・ ・ ・・ ・
・・ ・
10ユーロ
・ ・ ・ ・ ・
・ ・・ ・・ ・・
・・ ・・
のように普通のルールで書けるのですが、これが『10円』だったりすると
・ ・ ・ ・・
・ ・・ ・ ・
・・ ・・ ・・
こんな風に『数字』と『円』の間に『つなぎ譜』が必要になるわけです。
ここではあえて書きませんがこれは『ウォン』やもう無くなってしまいましたがイタリアの旧通貨『リラ』でも同じですね。
こんな風に『つなぎ譜』は意外なほどその出番は多いです。もしこの先、点字で数字を扱おうと思った場合、
この『つなぎ譜』は上で挙げた『あいうるら えれりおろ』の呪文(笑)と共に必須なんじゃないですかね。
■日本語独特の物の数え方
日本語の物の数え方では、例えば『2、3個(にさんこ)』のような数え方をする時がありますよね。
こういうケースでも点字で表す場合はちょっと特殊なルールがあって、上のような場合は
2、3個(にさんこ)
・ ・ ・ ・・ ・
・ ・ ・ ・
・・ ・・ ・
のように書いて表します。『数譜 2 数譜 3 個』みたいな感じで点字を打つわけで少々面倒くさいのですが
こうしないと点字では『2、3個(にさんこ)』ではなく『23個』になってしまうので実は仕方がない面もあるんですよ。
で、ちょっとマニアックな話になってしまうのですが、実はマージャンの点数の数え方なんかも上で紹介した方法で書けてしまうんですよ。
マージャンでは『1300、2600、5200』という点数を
『イチサン、ニーロク、ゴーニ』と数える個ともできるのですが、これを点字の書き方で書いてみると
イチサン(1300点)
・ ・ ・ ・・
・ ・
・・ ・・
ニーロク(2600点)
・ ・ ・ ・・
・ ・ ・ ・
・・ ・・
ゴーニ(5200点)
・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・
・・ ・・
みたいな感じで書く事ができます。まぁこれはマージャンを知らない人には何の個とやらサッパリだとは思いますが…。
まぁこの例に限らず、こういう自分の趣味や興味のある事と結びつけて新しい物を覚えようとするのは実は新しい事を覚える一番の近道だったりするんですよね。
■点字での簡単な数学記号の表し方
ここまで点字での数字の表し方を一通り紹介してきました。で、数字の書き方がある程度分かってきたら
次は計算式を書いてみたい、と思うのが人情というもの(でもないのか(苦笑))。というわけでここでは点字で数字を使って
簡単な計算をする際に用いる記号の点字での表し方を紹介しようと思います。
ここでは『+、-、×、÷』を紹介しようと思うのですが、今回はそれらを一気に紹介していきます。
+ - × ÷
・ ・ ・
・ ・
・ ・ ・ ・ ・
計算で使うそれぞれの記号はこのように書くのですが、見ての通り『÷』記号以外は1マスで表します。
そして何故『÷』記号だけが2マス同じ形の文字を二つ並べるのかというと、実はこの『3、4の点』の文字が
一つだけだとそれは分数を表す時の真ん中の棒を示すから、なのですよね。なので『÷』記号だけは同じものを二つ重ねて表します。
というわけでそれぞれの計算記号は点字では上のように表すのですが、簡単な覚え方としては
基本的に数値が増える『+』や『×』は点字で表す時は右下がり、
逆に数値が基本的に減る『-』や『÷』記号の場合は点字で表す時は左下がり、
さらに増える(減る)値が大きい記号、+より×、-より÷記号の方が点字で表す時は『点字で書いた時の見た目の背が高い』みたいな感じで覚えるといいと思います。
特に『÷』記号は、普段からコンピュータに慣れ親しんでいる人には
÷記号が『/』で表している個ともあり、それを基準に覚えていけばこれらの記号がゴチャゴチャになる事はそうはないと思います。
それともう一つ大事な計算記号をご紹介。『計算式』を書いた後に必ずといっていいほど書く『=』記号。
この=記号、点字では以前紹介した『ー(長音)』を下のように二つ連続して打って表します。
・・ ・・
そして、これでとりあえず計算式を作るために必要な記号はだいたい揃いました。
というわけで実際に計算式を点字で書いてみたいと思います。
…でも実は点字で計算式を書くのって相当面倒くさいんですよね。試しに一番簡単な『1+1=2』を点字で表してみると
・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・・ ・・ ・ ・
・・ ・ ・・ ・・
というわけで一番簡単な『1+1=2』でも点字で表したらこんなに長々とした式になってしまいます。
ちなみに点字では『+や-、×や÷、=などの記号』を浸かった場合はそこでその前に打った『数譜』の効力がそれ以降無くなってしまうというルールがあります。
そういうわけで上の『1+1=2』の式でも+や=の記号が出てくるたびにイチイチ『数譜』を打っている個とが分かるかと思います。
だからこそ、たかだか『1+1=2』のような簡単な式を表すだけでこんな長々とした式になるのですが。
ちなみにこれで点字を用いての簡単な数式を作る紹介は終わりにしたいと思いますが
最後に分かりやすいように引き算や掛け算、割り算の式の例も各一つずつ挙げておきたいと思います。
2-1=1
・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・・ ・・
・・ ・ ・・ ・・
2×2=4
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・
・ ・ ・ ・ ・・ ・・ ・ ・
・・ ・ ・・ ・・
4÷2=2
・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・・ ・・ ・ ・
・・ ・ ・ ・・ ・・
■最終回はアルファベットの書き方をご紹介
ここまで3回に渡って点字での主なかな文字の表し方、数字や簡単な数式の表し方を紹介してきました。
次回、最終回はいよいよアルファベッドの書き方を紹介していこうと思っています。
実はこの点字でのアルファベット、今回紹介した数字以上にややこしいというか面倒くさいので
実は記事を作る自分自身も結構大変だったりするのですが……まぁもう最後だしもうひとふんばりだと思って頑張りますわ。
それと次回の点字の記事は『例によって』いつ更新されるのかは未定という個とで(苦笑)。
だいたい日本人の名前を表す事ができるくらいの点字の形は紹介してきました。
で、今回はこれまでとはちょっと毛色を変えて数字やそれら数字に関わる基本的な数学記号なんかを紹介していこうと思います。
また、例によって前回までの点字の記事のリンクを↓に貼っておくのでそちらも併せて今回の記事も見てもらえれば。
2009/10/03 点字ってこんなものなんですよ(その1) 50音、っ、長音編
2009/10/10 点字ってこんなものなんですよ(その2) 濁音、半濁音、拗音他編
■点字での数字の表し方
点字で『1』や『2』のような数字を表す場合『数譜(すうふ)』という
ちょっと特殊な文字というか記号を使って表すのですが
・
・
・・
上に示した点字の形が『数譜』というもので、点字を使って数字を書く場合
『ここから先に書いた文字は数字を表してますよ』という意味で一番先頭にこの数譜という記号を用います。具体的な使い方としては
・ ・
・
・・
・ ・
・ ・
・・
こんな感じになります。二段書いてある上の点字の形が数字の『1』で
下の形が『12』なのですが、上の『1』に関しては2マス使って表していて
1マス目が『これから表す文字は数字』という意味の数譜、2マス目が数字の1を表しています(何故これが数字の『1』を表しているのかは後述)。
また下の『12』に関しては3マス使って表していて、1マス目が『これから表す文字は数字』を意味している数譜、2マス目が数字の1、3マス目が数字の2を表しています(何故これが数字の『2』なのかも後で解説)。
■あいうるら えれりおろ
点字について何も知らない人がこの小見出しのタイトルを見ても『何じゃこりゃ?』という感じだと思いますが(苦笑)。
ま、それについてはこれからの説明を見ていけばおいおい分かるかと思うので、この時点ではとりあえず『保留』という事で。
点字では数字を表す場合、あ行とら行を用いて表します。
あ行とら行、その文字の数を数えるとちょうど10個、じゃあ普通に考えればあ行から順番に『1、2、3なのか?』かというとそう簡単な話でもなくて
1 2 3 4 5
(あ) (い) (う) (る) (ら)
・ ・ ・・ ・・ ・
・ ・ ・
6 7 8 9 0
(え) (れ) (り) (お) (ろ)
・・ ・・ ・ ・ ・
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というような感じで表します。で、一応数字に対応する点字のすぐ傍にその点字が本来かな文字で表している字も添えているのですが
ここで数字の『12345 67890』が点字のかな文字の順番で『あいうるら えれりおろ』となっているのが分かるかと思います。
それで小見出しのような呪文みたいなタイトルになるわけですよ。というか点字で数字を表す形を覚えようと思った場合、
本当に上の呪文のような小見出しを延々と唱え続けるのが一番早かったりするのですよね、実際のところ(苦笑)。
事実、自分も点字の数字を紹介された時は上の小見出しを『呪文のように何度も唱えて暗記するように』と教えられましたし。
だからこの点字の数字に関してはもう理屈も何もなくみんなで唱え続けるしか道はないのですよね。『あいうるら えれりおろ』と(笑)。
■改めて点字での数字の表し方
ここで改めて転じでの数字の表し方のおさらい。点字で数字を表す場合、まず1マス目に数譜、そして2マス目以降に数字を表す『あ行』か『ら行』の点字という形で表します。
例えば『わたし31歳』みたいな文章の場合
わ た し 3 1 さ い
・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・
・ ・・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・・ ・
みたいな感じで書きます。一応厳密に言うとちょっと違うのですが
点字では数字を表す『数譜』を打つ場合はその前のマスを必ず1マス空ける、みたいな感じで覚えておけばいいと思います。
それから点字で数字を表す場合は『4桁ずつで区切る』『4桁ごとの区切りごとに億、万のような単位?をつける』というルールがあります。
例えば『3246』という数字を書く場合は
3 2 4 6
・ ・・ ・ ・・ ・・
・ ・ ・ ・
・・
というように打つのですが、これが『383246』となると
3 8 ま ん 3 2 4 6
・ ・・ ・ ・ ・・ ・ ・・ ・・
・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・
・・ ・・ ・・
みたいな感じで打ちます。万の位までの『38』を打った後には数字の大きさを表す『万』をすぐ後ろに打ち
その後スペースを1マス空けて、千から一の位である『3246』を打ちます。
ただ、実は点字で数字を表そうと思った場合、これだけではちと不完全なのですよね。それをこれから紹介していこうと思います。
■『つなぎ譜』というものの存在理由
突然ですが点字には『つなぎ譜』という特殊な使い方をする記号があります。
これは主に点字で数字を表す場合に使うのですが、
例えば『1億2000万』みたいな数字を点字で表そうと思った場合、
1 お く 2 0 0 0 ま ん
・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・・ ・・ ・・ ・ ・
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のように点を打ちます。ご覧の通り、最初の『1』と『億』の間に今回紹介した『つなぎ譜』を打っています。
そもそも何でこんな事をしているのかというと、点字の数字がかな文字の『あ行』と『ら行』を浸かって表しているという事からきています。
試しに上で書いた『1億2000万』からつなぎ譜を抜いた点字の形を表してみると
1 9 く 2 0 0 0 ま ん
・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・・ ・・ ・・ ・ ・
・・ ・ ・ ・・ ・・
『19く2000万』などという訳の分からない形になってしまいます。そもそもどうしてこういう事が起こってしまうのかというと
上でも言いましたが点字で数字を表す場合、かな文字の『あ行』と『ら行』の文字を使っているからこういう事になってしまうわけです。
そこでここで紹介した『つなぎ譜』というものが俄然存在意義を発揮してくる、というわけです。
点字で数字を表す場合、その数字を打った文字のすぐ後ろに『あ行』か『ら行』の言葉が来るケースにおいて
この『つなぎ譜』をしようして前述したような『かな文字で表したい点字の文字が数字に化けてしまう罠』を防ぐために使います。
実はこの点字で数字を表す場合につなぎ譜を使うケースというのは、意外なほど使う機会が多いんですよね。しかも日常生活の中で。
一番分かりやすいのが通貨の単位をつけてお金を表す場合です。例えば『10ドル』や『10ユーロ』では
『つなぎ譜』を使わないでそのまま
10ドル
・ ・ ・ ・ ・・
・ ・・ ・ ・・ ・
・・ ・
10ユーロ
・ ・ ・ ・ ・
・ ・・ ・・ ・・
・・ ・・
のように普通のルールで書けるのですが、これが『10円』だったりすると
・ ・ ・ ・・
・ ・・ ・ ・
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こんな風に『数字』と『円』の間に『つなぎ譜』が必要になるわけです。
ここではあえて書きませんがこれは『ウォン』やもう無くなってしまいましたがイタリアの旧通貨『リラ』でも同じですね。
こんな風に『つなぎ譜』は意外なほどその出番は多いです。もしこの先、点字で数字を扱おうと思った場合、
この『つなぎ譜』は上で挙げた『あいうるら えれりおろ』の呪文(笑)と共に必須なんじゃないですかね。
■日本語独特の物の数え方
日本語の物の数え方では、例えば『2、3個(にさんこ)』のような数え方をする時がありますよね。
こういうケースでも点字で表す場合はちょっと特殊なルールがあって、上のような場合は
2、3個(にさんこ)
・ ・ ・ ・・ ・
・ ・ ・ ・
・・ ・・ ・
のように書いて表します。『数譜 2 数譜 3 個』みたいな感じで点字を打つわけで少々面倒くさいのですが
こうしないと点字では『2、3個(にさんこ)』ではなく『23個』になってしまうので実は仕方がない面もあるんですよ。
で、ちょっとマニアックな話になってしまうのですが、実はマージャンの点数の数え方なんかも上で紹介した方法で書けてしまうんですよ。
マージャンでは『1300、2600、5200』という点数を
『イチサン、ニーロク、ゴーニ』と数える個ともできるのですが、これを点字の書き方で書いてみると
イチサン(1300点)
・ ・ ・ ・・
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・・ ・・
ニーロク(2600点)
・ ・ ・ ・・
・ ・ ・ ・
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ゴーニ(5200点)
・ ・ ・ ・
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みたいな感じで書く事ができます。まぁこれはマージャンを知らない人には何の個とやらサッパリだとは思いますが…。
まぁこの例に限らず、こういう自分の趣味や興味のある事と結びつけて新しい物を覚えようとするのは実は新しい事を覚える一番の近道だったりするんですよね。
■点字での簡単な数学記号の表し方
ここまで点字での数字の表し方を一通り紹介してきました。で、数字の書き方がある程度分かってきたら
次は計算式を書いてみたい、と思うのが人情というもの(でもないのか(苦笑))。というわけでここでは点字で数字を使って
簡単な計算をする際に用いる記号の点字での表し方を紹介しようと思います。
ここでは『+、-、×、÷』を紹介しようと思うのですが、今回はそれらを一気に紹介していきます。
+ - × ÷
・ ・ ・
・ ・
・ ・ ・ ・ ・
計算で使うそれぞれの記号はこのように書くのですが、見ての通り『÷』記号以外は1マスで表します。
そして何故『÷』記号だけが2マス同じ形の文字を二つ並べるのかというと、実はこの『3、4の点』の文字が
一つだけだとそれは分数を表す時の真ん中の棒を示すから、なのですよね。なので『÷』記号だけは同じものを二つ重ねて表します。
というわけでそれぞれの計算記号は点字では上のように表すのですが、簡単な覚え方としては
基本的に数値が増える『+』や『×』は点字で表す時は右下がり、
逆に数値が基本的に減る『-』や『÷』記号の場合は点字で表す時は左下がり、
さらに増える(減る)値が大きい記号、+より×、-より÷記号の方が点字で表す時は『点字で書いた時の見た目の背が高い』みたいな感じで覚えるといいと思います。
特に『÷』記号は、普段からコンピュータに慣れ親しんでいる人には
÷記号が『/』で表している個ともあり、それを基準に覚えていけばこれらの記号がゴチャゴチャになる事はそうはないと思います。
それともう一つ大事な計算記号をご紹介。『計算式』を書いた後に必ずといっていいほど書く『=』記号。
この=記号、点字では以前紹介した『ー(長音)』を下のように二つ連続して打って表します。
・・ ・・
そして、これでとりあえず計算式を作るために必要な記号はだいたい揃いました。
というわけで実際に計算式を点字で書いてみたいと思います。
…でも実は点字で計算式を書くのって相当面倒くさいんですよね。試しに一番簡単な『1+1=2』を点字で表してみると
・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・・ ・・ ・ ・
・・ ・ ・・ ・・
というわけで一番簡単な『1+1=2』でも点字で表したらこんなに長々とした式になってしまいます。
ちなみに点字では『+や-、×や÷、=などの記号』を浸かった場合はそこでその前に打った『数譜』の効力がそれ以降無くなってしまうというルールがあります。
そういうわけで上の『1+1=2』の式でも+や=の記号が出てくるたびにイチイチ『数譜』を打っている個とが分かるかと思います。
だからこそ、たかだか『1+1=2』のような簡単な式を表すだけでこんな長々とした式になるのですが。
ちなみにこれで点字を用いての簡単な数式を作る紹介は終わりにしたいと思いますが
最後に分かりやすいように引き算や掛け算、割り算の式の例も各一つずつ挙げておきたいと思います。
2-1=1
・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・・ ・・
・・ ・ ・・ ・・
2×2=4
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・
・ ・ ・ ・ ・・ ・・ ・ ・
・・ ・ ・・ ・・
4÷2=2
・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・・ ・・ ・ ・
・・ ・ ・ ・・ ・・
■最終回はアルファベットの書き方をご紹介
ここまで3回に渡って点字での主なかな文字の表し方、数字や簡単な数式の表し方を紹介してきました。
次回、最終回はいよいよアルファベッドの書き方を紹介していこうと思っています。
実はこの点字でのアルファベット、今回紹介した数字以上にややこしいというか面倒くさいので
実は記事を作る自分自身も結構大変だったりするのですが……まぁもう最後だしもうひとふんばりだと思って頑張りますわ。
それと次回の点字の記事は『例によって』いつ更新されるのかは未定という個とで(苦笑)。