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【経営四字熟語で目から鱗が落ちる】2-06 岡目八目 全体におけるポジショニングの把握 利害関係者より、第三者の方がよく見える

2024-07-27 12:03:00 | 【心 de 経営】 経営四字熟語

  【経営四字熟語で目から鱗が落ちる】2-06 岡目八目 全体におけるポジショニングの把握 利害関係者より、第三者の方がよく見える   


 
  四字熟語というのは、漢字四文字で構成された熟語であることはよく知られています。お恥ずかしいながら、その四字熟語というのは、すべてが中国の故事に基づくものとばかり思っていましたが、実はそうではないことを発見しました。
 経営コンサルタントという仕事をしていますが、その立場や経営という視点で四字熟語を”診る”と、今までとは異なった点で示唆を得られることが多のです。「目から鱗が落ちる」という言葉がありますが、四字熟語を講演や研修の場で用いたり、自分の仕事や日常会話に活かしたりするようにしましたら、他の人が私を尊敬といいますとオーバーですが、自分を見てくれる目が変わってきたように思えたことがあります。
 四字熟語の含蓄を、またそこから得られる意味合いを噛みしめますと、示唆が多いですので、企業経営に活かせるのではないかと考えるようにもなりました。これを「目鱗経営」と勝手に造語し、命名しました。
 以前にも四字熟語をご紹介していましたが、一般的な意味合いを中心にお話しました。このシリーズでは、四字熟語を経営の視点で診て、つぶやいてみます。以前の四字熟語ブログもよろしくお願いします。

  第2章 思考力を高めてビジネス全快
 四字熟語の中には、物事の発想や思考に関する熟語もあります。「理科系の人は理屈っぽい」とか「あの人に理屈でまくし立てられますと、太刀打ちできない」などという言葉をしばしば耳にします。
 たしかにビジネスの世界では、上手に説明ができなかったり、自分が主張していることが相手に正確に伝わらなかったりすることが多く、自分の非力さを痛感することが多いです。
 四字熟語の中に、思考に関して示唆ある熟語が想定以上に多くあります。その中には、相手の言っていることを正確に理解できるようになるための示唆を与えてくれるものがあります。どの様に発想したら、相手に自分の思いをわかっていただけるのかを感じ取らせてくれる四字熟語もあります。思考力のハウツー本としてではなく、四字熟語の中に、思考力を高めるヒントを見つけていただきたいと思います。
■2-06  岡目八目 全体におけるポジショニングの把握
 ~ 利害関係者より、第三者の方がよく見える ~


「俯瞰細観(ふかんさいかん)」に類似した四字熟語に「岡目八目(おかめはちもく)」という熟語があります。昔の日本では、夏の風物詩のひとつに縁台将棋とか囲碁があります。二人だけの勝負の様に見えますが、二人の勝負にそれを見ている外野も参加したイベントです。
 碁や将棋を打っている人は、自分が関心を持っている局面に意識が集中してしまい、他の部分に注意が届かないことがしばしばあります。「一心不乱(いっしんふらん)」という状態です。
 しかし、その状況を後ろや脇から覗いている人は、比較的冷静に、客観的に見ていることもあり、良い手が見えたり、危機を察知したりすることができます。自分で気がついたことを当事者に伝えたいのでむずむずしてしまいます。
これは、状況を俯瞰的(ふかんてき)に観ているとも言えます。俯瞰的に観ると言うことは、鳥瞰図的に観るとも言われます。鳥が大空から下界を見下ろすように全体を把握するものの見方で、論理思考の分野でもしばしば使わる言葉です。
「岡目八目」というのは、「当事者よりも、回りで観ている人達の方が、直接の利害に関係しないこともあり、ものごとの全体の流れ、時にはものごとの真相を理解することができる」という意味です。
 経営者は、「おれの会社のことは、おれが一番よく知っている」と思い込みがちですが、実はそうでもないのです。われわれが企業を訪問しますと、第三者的な冷徹な目で企業を診ることもあり、経営者が気がついていない、あるいは気がついていてもその重大性に気がついていないことなどに目が行きます。ここに、別項で記していますように外部ブレインの存在価値があるのです。
 「新幹線理論」というのがあります。一見すると高度な鉄道技術など、難しい技術的な理論のようですがそうではないのです。私事になりますが、息子が小さい頃、速い新幹線に乗りたいというので乗せました。上りの新幹線と交叉したときに「ああいう速い新幹線に乗りたい」と言い出しました。自分から見ると自分の新幹線は止まっているように思えたのかもしれません。すれ違う列車の方が速く走っているように見えたのでしょう。
 その渦中にいますと、自分が高速で移動していることを忘れてしまうのです。自社の状況は、自分が一番よくわかっているつもりでも、あまりにも身近で見えなくなっていることが多いのです。客観的な目で見るとなんでもないようなことを見落としていたり、あまりにも当たり前になってしまっていて、自分たちがやっていることが第三者から見るとおかしなことをしたししているということが多々あるのです。すなわち経営者は経営コンサルタントに冷徹な第三者からの目で見てほしいと望んでいるのです。
 経営者の中には、社員の言うことには耳を貸さないという人もいます。そのような時には、社員の代弁をし、経営者をいさめることも必要です。しばしば、その企業の問題点の元凶が経営者にありますので、経営者を変革させることが最も重要なテーマであることもあります。
 岡目八目は、碁を打っている当人二人よりも、むしろ外野の方が全体を見渡せ、八目先までも読めるという意味で、転じて、傍観者の方が状況や深窓を読めるという意味にもなり「傍目八目(ぼうもくはちもく)」というようにも表現されます。
 客観的に見ることにより見えると言うことでは、別項の「俯瞰細観」でもご紹介しましたが、私たちは、いろいろと目に見えてくる事象や思考やアイディアなど目に見えないものの集合の中から、最適と思われるものを選びながら日々を送っています。このように、いろいろな物の中に、自分にとって必要なもの、価値のあるものを選ぶ局面が多いです。
 このようにいろいろな物が混じり合っている状況を「玉石混淆(ぎょくせきこんこう)」という「抱朴子」にでてくる四字熟語で表現します。「種々雑多(しゅじゅざった)」も「いろいろな物が雑然と混じっている」という意味で使われます。
「玉石」は宝石や石ころのことをさし、「混淆」は「混交」という文字を昨今では使うことから、「玉石混交」と書くこともあります。「玉石雑糅(ぎょくせきざつじゅう)」ともいいます。「糅(じゅう)」は、「主食の量を増やすために混ぜ加えて炊く物。アワ・ヒエなど。加薬。(weblio)」という意味です。高価なお米ばかりでは満腹感を得られませんので、粟(あわ)や稗(ひえ)等を混ぜた食べ物から来ています。
 ビジネスの世界では、「石」を「人」とか「人材(人財)」と置き換えて考えることがしばしばあります。すなわち「優れた人とか必要な人と劣った人、必要とされない人というように人財というのは入り混じっている」という様な意味で用いられます。
 また、価値あるものとして自分が選ぶべきものもあれば、とりあえず保管しておいて、後で判断するもの、廃棄するものに分別するという整理術の基本にも繋がります。
です。
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【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 7月26日 「筋の通った人生を送るためのスキル体得ノウハウ」

2024-07-27 08:21:00 | 【小説風 傘寿】老いぼれコンサルタントの日記


  【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 7月26日 「筋の通った人生を送るためのスキル体得ノウハウ」 

 平素は、私どものブログをご愛読くださりありがとうございます。

 この度、下記のように新カテゴリー「【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記」を連載しています。

 日記ですので、原則的には毎日更新、毎日複数本発信すべきなのでしょうが、表題のように「老いぼれ」ですので、気が向いたときに書くことをご容赦ください。

  紀貫之の『土佐日記』の冒頭を模して、「をとこもすなる日記といふものを をきなもしてみんとてするなり」と、日々、日暮パソコンにむかひて、つれづれにおもふところを記るさん。

【 注 】

 日記の発信は、1日遅れ、すなわち内容は前日のことです。

■【小説風 傘寿の日記】

 私自身の前日の出来事を小説日記風に記述しています。

7月26日(金)

 パリオリンピックがスタートしました。

 使用する施設の95%が既存の建物・施設だそうです。

 東京のように、何もかも新しく作った大会とは大違いですね。

 もっとも、裏金を捻出するには、新規に作る方が名目が立ちやすいですからね。?????

 「文章を書くことは、脳の活性化に繋がる」ということを聞いたことがあります。
 それを信じて、毎日複数回、つぶやきとしてSNSに書くことにしています。
 老いぼれコンサルタントが、心も頭も老いぼれないように願って・・・

コーヒー

■「筋の通った人生を送るためのスキル体得ノウハウ」
 

 この度、日本人の多くが不得意としている論理思考力体得のための書籍「ロジカル・シンキングがよくわかる本」を、新規書籍に匹敵するくらい大幅改訂をして上梓することになりました。

 ロジカル・シンキングを身に付けて、筋の通った思考をし、説得力ある表現力を身に付け、一歩上の人生を歩んでいただくことを祈念しています。

 


■■自己変革体験をベースにしたロジカル・シンキング書
 ビジネスに役立つ論理的思考法「ロジカル・シンキング」が図解でよくわかる入門書です。2006年に本書初版を出版してから3回の大きな改訂を含む改訂を繰り返してきたロングセラー・ビジネス書です。

■ 本書執筆の契機
 筆者は、必ずしも論理思考力を駆使して、商社マン10年、経営コンサルタント約半世紀を過ごしてきたわけではありません。むしろ、論理思考の必要性を痛感してきました。
 そのために、業務を通して必死に論理思考力を身に付ける努力をしました。努力をしたといいますよりは、努力をせざるを得なかったのです。
 その過程で、ロジカル・シンキングやクリティカル・シンキングが、論理思考を業務に活かせることを発見しただけではなく、ロジカル・シンキングそのものが論理思考力を身に付けるための強化ツールであることも発見しました。

■ 他書とどこが異なるか
 論理思考に関する書籍はコーナーがひとつできるほど、いろいろな書籍が出ています。ロジカル・シンキングは、その中でも比重が非常に高く、従って既刊書の数も他の分類よりも多くなっています。
 本書は、大きく、次の5つの点で他書と異なっているといえます。
 ①論理思考を不得意としている者が執筆している
 ②講演・執筆実績から内容が進化し続けている
 ③筆者自身の思考力養成体験から執筆している
 ④ハウツー本+トレーニングブックという性格を持っている
 ⑤ロジカル・シンキングだけではなくコミュニケーション力も重視

■ 本書の内容
 本書の目次は、下記のようになっています。
  第1章 ロジカル・シンキングの基本と本質
  第2章 ロジカル・シンキングの思考手法
  第3章 ロジカル・シンキングで活用する便利なツール
  第4章 ちょっと高度なツールでロジカル・シンキングに挑戦
  第5章 ロジカル・シンキングによるニーズ把握
  第6章 ロジカル・コミュニケーションで理解を得る

 本書第1章から2章までは、論理思考力を高めるために、ロジカル・シンキングに不可欠な基本的知識を応用力として活かすには、なにが基本で、どの様な思考手法を「体得」したら良いのかという観点を重視しました。
 第3章では、ロジカル・シンキングを行う場合に必要なツールについて、どのようなツールがあり、それをどのように使ったらより効果を上げられるのか、利用面からの分類と特質を詳説しています。
 第4章以降は、ロジカル・シンキングを実務にどの様に活かすか、とりわけコミュニケーションを効果的に進めるには、ロジカル・シンキングを通した論理思考をいかに活かすかという視点で改訂しました。

 本書は、単なる読み物として、あるいは参考書としてのロジカル・シンキングではなく、実務に使いながら、論理思考力を高められるように、「思考しながら体得する」をキーワードにして追補し、改訂しました。

■ 詳細情報・ご注文

 書店でご注文して下さると幸いです。

 アマゾンでも購入できますので、こちらからのご注文でも結構です。

  図解入門ビジネス 最新ロジカル・シンキングがよくわかる本 | 今井信行 |本 | 通販 | Amazon

■【今日は何の日】

  当ブログは、既述の通り首題月日の日記で、1日遅れで発信されています。

  この欄には、発信日の【今日は何の日】などをご紹介します。

   https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/7c95cf6be2a48538c0855431edba1930

  ■【今日は何の日】 7月27日 ■ スイカの日 ■ 第30回 夏季オリンピック

■【経営コンサルタントの独り言】

 その日の出来事や自分がしたことをもとに、随筆風に記述してゆきます。経営コンサルティング経験からの見解は、上から目線的に見えるかも知れませんが、反面教師として読んでくださると幸いです。

■日光を見ずして結構というなかれ 726

「日光」の語源といいますか、名前が付けられた経緯というのは、やはりあの人が絡んでいるのですね。

 しかし日光の起源は、8世紀末に遡ります。

 当時は、日光という名前を使っていなかったようです。

 日光を開山したのは、勝道上人で、四本竜寺を建立したのが日光の起源といわれ、日光山の中心寺院として発展してきました。

 1653(承応2)年に、三代将軍・徳川家光公の霊廟である大猷院(たいじゅういん)が境内に造営されて以来、徳川幕府の庇護を受けるようになりました。

 日光は、1999年(平成11年)に「日光の社寺」として世界遺産に登録されています。

 登録内容は、日光山内にある二荒山神社、東照宮、輪王寺です。総数103棟(国宝9棟、重要文化財94棟)が含まれています。

 私が訪れたのは10月下旬で、紅葉には一週間早すぎた感がします。それでも、処々に紅葉や黄葉した木々が、私を迎えてくれました。

  http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/tochigi/nikko2016-2.htm

■ ぽつりと独り言

 2010年の今日、娘が十余年にわたり勤務していた会社を退社し、上司や同僚が送別会を開いてくれました。

 大きな花をいただき、涙を流すまいと思っていたけど流れてしまったそうです。


 写真のようなブーケを6つもいただいたとか・・・涙が出ても仕方がないですね。6つの内の一つをわが家に届けてくれました。(写真)


 長い間、ご苦労様でしたという気持ちが今でも起こります。

 その娘も今や二人の子持ちです。

■ 【心 de 経営】ブログのバックナンバーを閲覧するには

 下記URLのいずれかををクリックしてください。

  http://keieishi.dgblog.dreamgate.gr.jp/c2599.html

  http://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/c0de6df80dd146916f8efdb2b4de2a54

 

■【小説】 竹根好助の経営コンサルタント起業

 「【小説風 傘寿】老いぼれコンサルタントの日記」から独立して、最初から発信していたします。

 

 私は、経営コンサルタント業で生涯現役を貫こうと思って、半世紀ほどになります。しかし、近年は心身ともに思う様にならなくなり、創業以来、右腕として私を支えてくれた竹根好助(たけねよしすけ)に、後継者として会社を任せて数年になります。
 竹根は、業務報告に毎日のように私を訪れてくれます。二人とも下戸ですので、酒を酌み交わしながらではありませんが、昔話に時間を忘れて陥ってしまいます。それを私の友人が、書き下ろしで小説風に文章にしてくれています。
 原稿ができた分を、原則として、毎週金曜日に皆様にお届けします。

【これまでのあらすじ】
 竹根好助は、私の会社の後継者で、ベテランの経営コンサルタントでもあります。
 その竹根が経営コンサルタントに転身する前、どのような状況で、どの様な心情で、なぜ経営コンサルタントとして再スタートを切ったのかというお話です。

 1ドルが360円の時代、すなわち1970年のことでした。入社して、まだ1年半にも満たないときに、福田商事が、アメリカ駐在事務所を開設するという重大発表がありました。
 角菊貿易事業部長の推薦する佐藤ではなく、初代駐在所長に竹根が選ばれました。それを面白く思わない人もいる中で、竹根はニューヨークに赴任します。慣れない市場、おぼつかないビジネス経験の竹根は、日常業務に加え、商社マンの業務の一つであるアテンドというなれない業務もあります。苦闘の連続の竹根には、次々と難問が押し寄せてくるのです。
【過去のタイトル】
 1.人選
 2. 思いは叶うか
 3.アメリカ初体験
 4.迷いの始まり
  <最新版> 18 甥御さんへのネクタイ選び

  毎週金曜日正午頃発信

■【老いぼれコンサルタントのブログ】

 ブログで、このようなことをつぶやきました。タイトルだけのご案内です。詳細はリンク先にありますので、ご笑覧くださると嬉しいです。

 明細リストからだけではなく、下記の総合URLからもご覧いただけます。
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【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 7月25日 元気な会社 世界一周旅行で「たくましい」社員に 3118-4725

2024-07-26 08:21:00 | 【小説風 傘寿】老いぼれコンサルタントの日記

 

  【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 7月25日 元気な会社 世界一周旅行で「たくましい」社員に 3118-4725 

 平素は、私どものブログをご愛読くださりありがとうございます。

 この度、下記のように新カテゴリー「【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記」を連載しています。

 日記ですので、原則的には毎日更新、毎日複数本発信すべきなのでしょうが、表題のように「老いぼれ」ですので、気が向いたときに書くことをご容赦ください。

 紀貫之の『土佐日記』の冒頭を模して、「をとこもすなる日記といふものを をきなもしてみんとてするなり」と、日々、日暮パソコンにむかひて、つれづれにおもふところを記るさん。

【 注 】

 日記の発信は、1日遅れ、すなわち内容は前日のことです。

■【小説風 傘寿の日記】

 私自身の前日の出来事を小説日記風に記述しています。

 

 

 私の事業を引き継いでくれた竹根好助ですが、その部下が時々自分の顧問先や元気な会社に私を招待してくれます。私が企業で、何を観て、何を話すか、私の半世紀のコンサルタント経験を盗み取り、コンサルタントとして、それを顧問先に活かしたいという考えのようです。

 これは、私が平素いっている「まねぶ(まねる+まなぶ)」が浸透している証左といえます。

 竹根の部下が紹介してくれた企業は、遠方にあるので、オンラインでインタビューと社内見学をさせていただきました。

◆【成功企業・元気な会社・頑張る社長】 世界一周旅行で「たくましい」社員に 3118-4725
 社員教育の一環として、公募制により社員が一人で「世界一周旅行」をするユニークな活動を実施している企業がある。1918年(大正7年)に創業し、穀物用乾燥機や精米機の開発・生産・販売を主力に、ペットボトルのラベルを剥がす機械や発泡スチロール減容機、プラスチック材質判別装置など環境関連機器を手がけるY社(本社=山形県天童市)である。
 事前に世界一周旅行の目的をプレゼンテーションしてもらい、その権利を勝ち取った社員は、帰国後に世界一周旅行で得た経験を全社員に報告する。社長のYさんは「どうしてそこを見てきたいのかを明確にし、帰ってきた時に自信を持って報告できることを経験してほしかった」と、その狙いを語る。コロナ禍で中断したものの、2013年に第1回を開始して以来、毎年社員が渡航し、世界を肌で感じてきた。
 例えば2013年に世界一周旅行を経験した経営企画部の社員(渡航当時は関東営業所に所属)の場合。ある時、国民総幸福量(GNH)ランキングという存在を知り、日本のランキングの低さに驚いた。それをきっかけに「食の安心安全・地球環境の保全」こそが世界共通の幸福指標であることを確かめるため、ランキングを提唱したブータンと上位国(タイ、イタリア、オーストリア、ノルウェー、スイス、米国など)を巡りながら、26日間かけて「真の幸福とは何かを見つける旅」をした。
 渡航の条件は(1)発展途上国もルートに入れ、約1カ月間で世界一周する(2)航空券は世界一周航空券を購入する(3)渡航先は事前に情報収集し、安全最優先の旅とする(外務省が発出する「渡航危険レベル1以下」を基準とする)の三つ。「私自身、若い時からさまざまな国を訪れ、特に途上国を見る大切さを知った。このため、発展途上国を必ずルートに入れることを条件にした」という。世界一周航空券や燃油サーチャージ代、空港税は全額支給するほか、宿泊費補助・渡航保険代として1日1万円の日当を支給する。
 「当社の一番の強みは社員だ」とYさん。新型コロナの感染が拡大している時期は、社員同士の接触を極力減らすため、建物間の移動を制限した。会議は原則オンラインとし、リモートワークも実施するなど、国や自治体が推奨するコロナ対策を徹底して行った結果、約300人いる社員のコロナ感染者はゼロだった。「社員一人ひとりが感染対策を実直に行ってくれたおかげで、会社への影響を最小限にすることができた」と振り返る。
 コロナ前と比べ売上高は減少せず、結果的にコロナによる業績への影響はなかった。同社の経営理念は「人をつくり、商品をつくり、豊かさをつくる」であり、まず人を中心に据える。これからも人財の育成や人と人との繋がりを通して、価値ある商品・サービスを提供していく考えだ。

   出典: e-中小企業ネットマガジン


【コメント】

 昨今では、入社して数年で転職する人が40%もいると聞いています。

 ところが、同社の場合には、特例を除き、転職者はいないといいます。同社の経営理念は「人をつくり、商品をつくり、豊かさをつくる」です。社長のYさんが、胸を張って「当社の一番の強みは社員だ」といえるのは、経営理念が浸透している証左であると考えます。

 「良質な人材が、良質な商品を作り、良質な資金を作る」という、「ヒト・モノ・カネ」等の経営資源の良質化循環がキチンと回り続けていることがわかります。

 「ヒト」が良質化することにより、環境関連という時流に乗った、高付加価値な「モノ」を生んでいるのです。

 私の会社に、世界一周旅行を4回した人がいました。(50代で早逝)ものの見方が豊かで、コンサルタント業界でも頑張ってくれました。

 私は、仕事ですが世界一周をしたこともあり、海外出張は地球は何十周かした計算になります。社名に「グローバル」という言葉を入れた背景には、私の、海外経験からと言えます。当時は、「グローバル」という言葉を理解できる人はほとんどいない時代でした。

 先を見て経営を行うことは重要なことです。

■【今日は何の日】

  当ブログは、既述の通り首題月日の日記で、1日遅れで発信されています。

  この欄では、発信日の【今日は何の日】などをご紹介します。
      https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/7c95cf6be2a48538c0855431edba1930
 

  ■【今日は何の日】 7月26日 ■ 日光の日 ■ 奈良薬師寺竜王社祭

■【経営コンサルタントの独り言】

 その日の出来事や自分がしたことをもとに、随筆風に記述してゆきます。経営コンサルティング経験からの見解は、上から目線的に見えるかも知れませんが、反面教師として読んでくださると幸いです。

◆「思考する」ということを誤解している人が多い

 「人間は考える葦である」と言ったのは、 フランスの思想家、数学者、物理学者であるパスカルの名言です。

 ところが、私達は自分の行動を振り返りますと、熟考もせずに走り出していることに、過ちや失敗をしてから気がつくことが多いです。

 日経新聞社から刊行されている「ビジネスシンク」に、『思考はビジネスの要で、他の全てを始動させるビッグバンである』と記述されています。S.R.コヴィーのビジネスシンクは、私にとっては座右の書のひとつです。

 私達の多くは、過去の延長線上の発想で、「先輩から引き継いだので踏襲しています」と惰性で行動している面が大きいです。

 今、行動を起こそうとしていることの目的は何か、背景に何があるのかを思考し、常に意識し、繰り返し思考すべきです。その実現・達成にはどの様な問題が待ち受けるかというリスクマネジメント的な思考をし、そのためにはどのような予防策があるでしょうか、予防策の重点順位は何が高いか、それに対処するための5W1Hは何か、等々を思考しなければなりません。

 どの段階でも、クリティカル・シンキング的視点を忘れずに、「これで良いのか」「なぜこうなのか」と思考を繰り返すことです。

 しかし、私達が、何か行動をしようというときに、期限が迫り、時間がないことがあります。拙速で「走りながら考える」ということを余儀なくされることが多いです。

 けっして、このような行為は薦めることはできませんが、やむを得ないときには、たとえ走りながらであっても上述のようなことを意識しながら、行動に反映させていくべきです。

 手前味噌の話で恐縮ですが、従業員13名であった某メーカーのお話です。赤字が続き、いつ倒産するかも知れないという状況の時に、社長さんにお会いしました。

 すぐに顧問契約をし、3年ほど経過したときのことです。久しぶりに役員会に出席したところ、30代の常務さんが会議の進行をしていて、その雰囲気がかわったことに驚きました。

 かつては社長さんが一方的にしゃべる、暗い雰囲気の形式的な役員会でした。ところが、全員参加で、戦略的なテーマに、戦術論を交えて、それがロジックツリーを用いて、キチンと体系立てて整理し、率直な意見を述べあっているのです。

 社長さんの独壇場であった役員会が、社長さんは一歩下がってオブザーバー的な参加の仕方で、他の役員全員参加の会議に変貌していたのです。

 終わってから、若い常務さんが私のところに来て、「先生がおっしゃっていた『論理的に思考する』ということが少しずつですがわかってきました」と満面笑みを浮かべて、活き活きと話してくれました。

 このクライアントは、厳しいご時世にもかかわらず、3年で従業員30名にまで成長してきました。「ああ、この会社にもビッグバンが訪れたのだ」とコヴィーの書を思い浮かべたことがあります。

◆ 大気汚染や異常気象をなくしたい 718
 近年「光化学スモッグ」という言葉が、あまり聞かれなくなりましたが、日本における大気汚染に対する意識の高まりの契機となった言葉です。
 かつての神奈川県川崎市の大気汚染は、2010年代の中国にも負けない程のひどさでした。
 光化学スモッグに対する契機となったのは、体育の授業中に起こりました。

 豪雨による洪水が頻発する昨今です。
 日本全国各処で集中豪雨・線状降水帯などにより、毎年のように大きな被害を引き起こしています。
 その原因が、地球温暖化にあることは、科学的にキチンと証明できなくても、種々の裏付けからもわかります。

 2018年にアメリカ・トランプ大統領は、パリ協定から脱退するなど、あまりにも自国中心的な考え方として、多くの人の顰蹙を買い失望させました。
 アメリカ一極覇権の時代が終わったとしても、大国としての責任はあると思います。

◆ ドライバーの認知能力低下を車が検知してくれる 718
  少々以前の読売新聞に、車の走行状態や運転者のわずかなクセなどを分析して、運転者の体調の異変をAIが見つけてくれるようになるという内容の記事を読んだことを記憶しています。
 その背景には、社会問題となっている高齢ドライバーの事故を減らそうということがあるようです。これが実用化しますと、認知症の早期発見につながるそうです。それだけではなく、視野が欠ける緑内障という目の病気を早期発見するというような健康状態にもつながるような懸念材料を提供してくれるようになりそうです。
 磁気共鳴画像(MRI)技術をもとに、各種センサーを使って、運転者の脳や目の動きを分析します。
 たとえば、運転者の視線をカメラで検知し、横断する歩行者の見落としを警告してくれます。車が左右にふらついたり、車間距離が短くなったりする傾向を捉え、認知機能や空間把握能力の低下を見出してくれます。
 運転者の視線や顔の向きや表情、まぶたの開き具合などをカメラでとらえ、異常を検知すると警告音を発したり、シートベルトを振動させたりして注意喚起をしてくれます。
 運転者の行動から、事故につながるミスの原因が何であるかをAIで分析することにより、このようなことが可能になるようです。それどころか、体調や病気の疑いの分析までもしてくれるようになるそうです。
 このようなシステムを使うことにより、自分ではあまり気がつかない高齢者による運転能力の低下に気づきを与えることになるようです。
 一方で、自動運転技術の開発も進んでいます。
 前者の技術はすぐにでも必要であり、自動運転の技術が実用化されますと、その技術はあまりメリットが大きくないように思えます。この技術の実用化は2030年が目標だと言います。
 開発は、その内容は当然のことながら、実用化スピードがものをいいます。この技術が実用化されたときには、陳腐化された技術と言われないようであって欲しいです。

■【老いぼれコンサルタントのブログ】

 ブログで、このようなことをつぶやきました。タイトルだけのご案内です。詳細はリンク先にありますので、ご笑覧くださると嬉しいです。

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■【心 de 経営】 徒然なるままに日暮パソコンに向かいて 第52段 仁和寺にある法師

2024-07-25 12:01:00 | 【心 de 経営】 徒然草に学ぶ

■【心 de 経営】 徒然なるままに日暮パソコンに向かいて 第52段 仁和寺にある法師    

  「徒然草(つれづれぐさ)」は、吉田兼好による随筆集の冒頭の文章です。作者は、兼好であるという明確な証拠はないようです。おそらく大半の方が、何らかの形で、この文章に接しているのではないでしょうか。

 徒然草といいますのは、清少納言の『枕草子』、鴨長明の『方丈記』とならび日本三大随筆の一つといわれています。

  高校生時代に戻った気分で、また、社会人として人生を歩み、自分の高校時代には理解できなかったり、誤解していたりすることを発見しながら、独断と偏見に満ちた、我流の解釈を僭越ながらお付けしました。

 徒然なるままに、日暮パソコンに向かいて、よしなしごとを、そこはかとなく書き付けてまいります。

 お届けも、徒然なるままにアップロードしますので、読者の皆様も、日暮パソコンに向かいて、末永く、徒然にご覧下さるよう、お願いします。

◆第52段 仁和寺にある法師 
 仁和寺は、京都市右京区にあります真言宗の古刹(こさつ:由緒ある古い寺)です。
 私の好きなお寺さんのひとつで、何度も訪れています。御所を移転した「御室御所」は、庭園もさることながら、その建物や内装には、魅入られます。御室桜が有名ですが、御衣黄という薄緑色のサクラの花びらの発祥の地としても知られています。
  http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/kyoto/kyoto-ninnaji.htm
 兼好は、仁和寺(にんなじ)の近くに住んでいた期間が長いようで、徒然草の中にも時々登場します。
 第52段にも登場しますが、高校の教科書の多くに掲載されている、人気の高い段です。ここでの教えも、私は、経営コンサルタントという仕事柄、講演や執筆におきまして、挿入話としてしばしば採用します。
【原文】 仁和寺にある法師
 仁和寺にある法師、年寄るまで石清水を拝まざりければ、心憂くおぼえて、 あるとき思ひ立ちて、ただ一人徒歩よりまうでけり。
 極楽寺、高良などを拝みて、かばかりと心得て、帰りにけり。
 さて、かたへの人に会ひて、「年ごろ思ひつること、果たしはべりぬ。聞きしにも過ぎて、尊くこそおはしけれ。
 そも、参りたる人ごとに、山へ登りしは、何事かありけむ。ゆかしかりしかど、神へ参るこそ本意なれと思ひて、山までは見ず。」とぞ言ひける。
 少しのことにも、先達はあらまほしきことなり。
【用語】
  かたへの人: そばの人 → 同僚
  ゆかし: 見たい、知りたい
  先達: 案内をしてくれる人、指導者
【要旨】
 仁和寺のある僧が、かねてより行ってみたいと望んでいました石清水八幡を一人で参詣しました。
 ところが、附属の極楽寺・高良神社を本殿と思い込み、拝んでから帰宅しました。このような貴重な機会を持つことができたとありがたく思って、同僚に話していたそうです。
 兼好は、早合点や思い込みに対する警鐘を発してくれているのです。
【 コメント 】
 仁和寺という格式あるお寺の僧侶ですから、きっと賢い方なのでしょう。老齢になるまで持ち続けていた念願でありました石清水八幡の参詣がようやく叶いました。当時のことですので、当然、「徒(かち)」で行くのですが、同じ京都市内にあるのですから、行こうと思えばいつでも行かれます。
 念願は長年持ち続けてはいたものの、決心がつかずにいつづけることは誰しもにあることです。
 私など、東京に3四半世紀も居住していながら、日本経営士協会関西支部の支部長が上京するまで、東京タワーに登ったことがありませんでした。しかも、その1回だけです。東京スカイツリーときましたら、まだ、一度も昇っていません。おそらく終生、昇る機会は訪れないでしょう。<笑い>
 仁和寺という古刹の高僧ですら、そうですので、凡人の私などと比較してはバチが当たってしまいますね。
 誰かが背中を押してくれたり、何かが契機となって一大決心したりしない限り、中々実現しないことというのはありますね。

 思い込みや早とちりというのは、これも誰しもが経験することです。
 仁和寺の、この僧は、極楽寺・高良神社を拝みましたが、自分では、石清水八幡宮の全てを参拝したと思いこんで、本来の目的であります、山上にある八幡宮本殿を拝まないで帰ってしまったのです。
 他の人達が、山の方に昇っていくのを見てもまだ、自分は、目的を全て果たしたと思ったのです。思い込みが、「正常化バイアス」を働かせてしまうのですね。
 同僚に「長年の念願でありました石清水八幡の参拝を果たしました。八幡宮は、噂以上に荘厳でした。それにしても、参詣者の皆さんが、山の方へ登って行きましたが、何かそちらにあったのでしょうかネ。でも、私は、八幡宮の参拝が目的でしたし、それを果たせましたので、山には登りませんでした」と、本殿を参拝するという本来の目的を達成していないのに、まじめな顔をして話したといいます。
 なにごとでありましても、軽く見ずに、兼好が言うように「案内者がいるほうが、大失敗を避けることに繋がる」ものなのでしょう。
 私達、経営コンサルタントの立場でも、多くの経営者は、「経営コンサルタントなどいなくても、これまでもやってこられたので、これからもやって行けるはずだ」と、私達におっしゃったり、自分自身を納得させていたりするのです。

 このように、私達は「○○のつもり」ということが多々あります。これを私は「つもり症候群」といい、研修等で、しばしばお話をします。この第52段は、その時の引用として紹介します。
* 

■ バックナンバー

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【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 7月24日 「あたりまえ経営のきょうか書<戦略思考編> 5-15 経営理念の役割・必要性・効果

2024-07-25 07:22:48 | 【小説風 傘寿】老いぼれコンサルタントの日記

 

  【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 7月24日 「あたりまえ経営のきょうか書<戦略思考編> 5-15 経営理念の役割・必要性・効果 

 平素は、私どものブログをご愛読くださりありがとうございます。

 この度、下記のように新カテゴリー「【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記」を連載しています。

 日記ですので、原則的には毎日更新、毎日複数本発信すべきなのでしょうが、表題のように「老いぼれ」ですので、気が向いたときに書くことをご容赦ください。

 紀貫之の『土佐日記』の冒頭を模して、「をとこもすなる日記といふものを をきなもしてみんとてするなり」と、日々、日暮パソコンにむかひて、つれづれにおもふところを記るさん。

【 注 】

 日記の発信は、1日遅れ、すなわち内容は前日のことです。

■【小説風 傘寿の日記】

 私自身の前日の出来事を小説日記風に記述しています。

7月24日(水)

 蝉が鳴き始めて、一週間弱が経過しました。

 今年初めて、早朝ウォーキング途中の公園で、蝉の抜け穴を見つけました。

 大学裏の樹の多い小径では、蝉時雨も聞かれるようになりました。

 コンサルタントを目指す人達の集まりがあり、【あたりまえ経営のすすめ】について、お話をする機会を得ることができました。

 下記のようなテーマでお話しました。

 

■第5部 【あたりまえ経営のすすめ 戦略思考編】 戦略思考で経営者・管理職のレベルアップを図る

 企業経営では、日常業務におけます事項から、経営戦略など、企業の根幹になるようなじこうまで、いろいろなレベルや内容の意思決定をしなければなりません。
 高度な戦略的な意思決定を行うには、戦略思考ができませんと、誤った方向に企業が走り出しかねません。
 一方で、戦略思考というのは、容易には身に付けることは困難です。この課題に取り組んで行きましょう。

5-2 経営理念とは何かを考える
 企業が、安定的に成長して行くためには、企業としての基礎がはっきりしていなければなりません。
 企業が目指すべき方向にそった「経営地図」が不可欠です。それが戦略であったり、経営計画であったりします。
 では、その戦略や経営計画は、どの様に構築すべきなのでしょうか。また、構築した戦略や経営計画が、それでよいのか確認する方法はあるのでしょうか。
 このような、企業の意思決定をするときの原点であり、「ものさし」であるのが「経営理念」です。

【あたりまえ経営のすすめ 戦略思考編】 5-15 経営理念の役割・必要性・効果
 これまで、原点に戻って、「経営理念とは何か」についてお話してきました。
 その経営理念は、なぜ必要なのか、どの様な役割を担っているのか、その活用による効果として、どの様なことが期待できるのかを考えてみましょう。

 経営理念が、絵に描いた餅になってしまって、有名無実の企業が多いのは、なぜでしょうか。
 その多くが、「共通目標」になっていないからです。そのために全社員に「共通認識」されている状態とはほど遠いのです。経営理念との距離感がありすぎる存在なのです。
 では、「経営理念」が「共通目標として、共通認識される」ためにどうしたらよいのでしょうか。それには、まず、経営理念の目的を共通理解させることです。

 すでに、別項でも述べましたように、まずは、時代が、経営理念という、言い古された概念ではありますが、それにもかかわらず、それを必要としていることを理解させることです。
 激動の時代ともいわれるほど、技術革新だけではなく、人間のニーズや思考法も含め、変化が大きな時代といえます。
 このような中で、自社の立ち位置が明確でありませんと、流れに翻弄され、自社が、グローバル経済環境下で、どこに位置するのかがわからなくなってしまいます。経営理念は、大海に漂う小舟の羅針盤にしばしば例えられますように、経営判断の「ものさし」の原器であるといえます。

 すなわち、経営理念は、「時代対応の基本姿勢を示す」ことに繋がります。
 経営者自身が、自分の考え方、すなわち、思想・信念・人生観・社会観・企業観・価値観などを直視し、それらを再確立または再認識することにより、自身の経営が、現状のままで良いのでしょうか、如何にあるべきなのでしょうかと、見直す契機ともなります。

 その結果、現状に即した形に、「ものさしの原器」がなっているのかどうかを見直し、改めて、基本姿勢を明確化することが求められているのです。
 すなわち、自社の存在意義や目的の再確認が成されるタイミングなのです。自社は、誰れ、すなわちどの様な厠上の人達のために存在するのか、その存在価値を見直し、明確にし、それを内外に打ち出してゆくにはどうしたらよいのか、そのために何をするかというような切り口から見直してみるとよいでしょう。
 見直した結果、大半の企業の経営理念は変更しなくても良い中味になっているのではないでしょうか。見直すことにより、意識をあらたにできれば、変更する必要がなくても、けっしてムダな行為ではありません。

 これまで、絵に描いた餅となっていたかもしれない経営理念を、どのようにして実現するのか、その実現策を再構築する良い機会です。
 経営者・管理職が、自分自身の目指すべき方向を明確にして、いかにリーダーシップを発揮するのか、経営理念が、その源泉となるのです。

 人も企業も、現状のままでは成長に限界があり、変革の必要性をわかっていながら、なかなか自己変革をすることができません。経営理念を見直すことは、自社の存在意義を再確認したり、見直したりする、最適な機会の一つといえます。

■【今日は何の日】

  当ブログは、既述の通り首題月日の日記で、1日遅れで発信されています。
  この欄には、発信日の【今日は何の日】などをご紹介します。
      https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/7c95cf6be2a48538c0855431edba1930

  ■【今日は何の日】 7月25日 ■ 味の素の日 矛盾は楽しむもの ■ 徳島天神祭 ■ 隅田川花火大会

■【経営コンサルタントの独り言】

 その日の出来事や自分がしたことをもとに、随筆風に記述してゆきます。経営コンサルティング経験からの見解は、上から目線的に見えるかも知れませんが、反面教師として読んでくださると幸いです。

■ 「すなあらし」が懐かしい昨今です 724

 7月24日は、アナログ放送が終了した日です。

 かつて、エジプト出身力士に「砂嵐」というしこ名の人がいました。。

 かつて、テレビのアナログ放送時代は、放映がない時間帯に、テレビを付けますとザーッという音とともに画面が砂嵐のような状態になりました。それを「すなあらし」といいました。

 三原色を中心とした縦横のストライプのテスト送信画面になることもありました。

 ところが、最近はそれがなくなりましたが、ご存じない方が多くなってきました。

 ひとつには、テレビ放送が24時間放映というのが日常化しているからでしょう。

 2011年7月24日正午にアナログ放送が終了し、デジタル放送に完全移行しました。

 ■ ポータブル電源

 太陽電池パネルと蓄電地 の販売をしている会社が、東日本大震災のときに、ポータブル電源を携えて被災地に赴いたそうです。

 それが契機となり、多くの自治体とビジネスを始めることができたのです。

 目先の利益だけを考えていますと、被災地に飛んでいくことなどしないでしょう。

 暗闇の中、蝋燭の光だけでもありがたいでしょうに、電灯がついたことは、被災された方はさぞかし心が和んだことでしょう。

 善意でしたことが、結局、話題となり、それがビジネスチャンスを拡大することに繋がったのですね。

 LED電球ですと、電力消費が少なく、ポータブル電源でも長時間使えるようです。

 電気容量も大きいものが出てきています。

 これからは一家に最低でも一基必要になるでしょうね。

 わが家でも利用していて、電気工事で半日電気が切れることがありました。

 その時に、冷蔵庫に繋げることができ、中の食品をかろうじて保つことができました。

■【老いぼれコンサルタントのブログ】

 ブログで、このようなことをつぶやきました。タイトルだけのご案内です。詳細はリンク先にありますので、ご笑覧くださると嬉しいです。


 明細リストからだけではなく、下記の総合URLからもご覧いただけます。
  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17

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【あたりまえ経営のすすめ】第六部 論理思考法605 有能なビジネスパーソンといわれる成功している人の特徴

2024-07-24 12:01:00 | 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<思考法編>

  【あたりまえ経営のすすめ】第六部 論理思考法605 有能なビジネスパーソンといわれる成功している人の特徴    

「筋の通った人生を送るためのリスキリング」

 この度、日本人の多くが不得意としている論理思考力体得のための書籍「ロジカル・シンキングがよくわかる本」を、新規書籍に匹敵するくらい大幅改訂をして上梓することになりました。

 ロジカル・シンキングを身に付けて、筋の通った思考をし、説得力ある表現力を身に付け、一歩上の人生を歩んでいただくことを祈念します。

 

■【あたりまえ経営のすすめ】第六部 論理思考法605 有能なビジネスパーソンといわれる成功している人の特徴

 世の中には有能なビジネスパーソンがいて、それぞれの人が、それなりにすばらしいものを持っていらっしゃいます。それを盗み取ることが、その仲間入りする人の行動で、「コンピテンシー」とは何かを理解されている人です。
 それらの人の多くは、論理的にものごとを考えられる人です。論理思考のできる人の多くは、直観力にも優れています。直観力というのは、「物事の本質や真相を、経験や推理の力を借りずに、いきなりとらえること」ができる能力です。すなわち、「真理を直観する」ことができる人なのです。
 また、そのような人というのは「直感力」も持っています。「直感」とは、「何かを瞬間的に心で感じ取ること」のできる能力をさします。すなわち、直感を働かせて、事象の本質を見抜くことができるのです。
 日本で最初にノーベル賞をとったのは湯川秀樹博士です。博士は、1935年に中間子の存在を理論的に予言した功績で受賞しました。寝ている時に、この理論を思いついたそうです。いわゆる直観力が働いた結果と言えます。このように直感力を働かせることができるためには、その基本的な知識や情報が豊富であればこそできる結果です。
 直観力が、働く人は小さな種を元に想像力が働き、これまでに存在しなかったようなことを思いつくことがあります。すなわち、直観力のある人の多くは、創造力も合わせていると考えられます。別の表現をすると勘が良いと言うことをできます。
 これらの力を持って創造力を働かせるためには、思考を充分に働かせるためには、マクロの視点とミクロの視点の両方を持ち合わせていることも必要です。マクロの視点、すなわち物事を俯瞰的に大局的な視点から見ることができる能力のことです。あまり具象的なマイナーなことにとらわれすぎてしまいますと、具象的な事象にとらわれすぎ、発想が限定的になります。その結果、創造的な発想をすることができないのでえす。
 創造的な発想にはポジティブな発想法も必要です。ネガティブな発想をしますと思考が収縮そしてしまいます。逆にポジティブな発想ができる人は発想を拡大することができます。このように発散思考ができる人は、発散思考により思いついたアイディアを収束思考でまとめ上げることができます。
 収束思考で纏めあげるということは物事を抽象的に表現できることにつながります。有能な人は発散思考で具象的なアイディアを豊富に生み出すことができる一方で収束思考による抽象化をする能力も持ち合わせます。すなわち有能な人は具象と抽象の間を行き来させ、創造的な発想ができるのです。
 ここで述べてきたことは、有能な人の発想法の一端に過ぎませんが、私たちが日常の生活や活動の中で、それらを駆使することにより、一層豊かな発想方ができるようになると確信しています。

■自己変革体験をベースにしたロジカル・シンキング書
 ビジネスに役立つ論理的思考法「ロジカル・シンキング」が図解でよくわかる入門書です。2006年に本書初版を出版してから3回の大きな改訂を含む改訂を繰り返してきたロングセラー・ビジネス書の紹介です。

 これまでは、本書出版の経緯と、類似他書外床が異なるかについてお話してきました。
 ここからは「論理思考の必要性が高まっている」についてお話してまいります。

■ 本書執筆の契機
 筆者は、必ずしも論理思考力を駆使して、商社マン10年、経営コンサルタント約半世紀を過ごしてきたわけではありません。むしろ、論理思考の必要性を痛感してきました。
 そのために、業務を通して必死に論理思考力を身に付ける努力をしました。努力をしたといいますよりは、努力をせざるを得なかったのです。
 その過程で、ロジカル・シンキングやクリティカル・シンキングが、論理思考を業務に活かせることを発見しただけではなく、ロジカル・シンキングそのものが論理思考力を身に付けるための強化ツールであることも発見しました。

■ 他書とどこが異なるか
 論理思考に関する書籍はコーナーがひとつできるほど、いろいろな書籍が出ています。ロジカル・シンキングは、その中でも比重が非常に高く、従って既刊書の数も他の分類よりも多くなっています。

  はじめに

   https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/692dfe619907f019f9a684c1add0698f

 本書は、大きく、次の5つの点で他書と異なっているといえます。

 ①論理思考を不得意としている者が執筆している

   https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/a2aa5c16f1b08723ddf21c8a752259fe

 ②講演・執筆実績から内容が進化し続けている

   https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/acb4602f301f23a95cbbe7e6ded381d0

 ③筆者自身の思考力養成体験から執筆している

   https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/5050541b16a5cae084f732d87fc44b5e

 ④ハウツー本+トレーニングブックという性格を持っている

   https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/dc36796bde9414e31b8fc27090b6fb57

 ロジカル・シンキングだけではなくコミュニケーション力も重視

   https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/e6d3d4bb4f9f347885f339deef1111bc

■ 本書の内容
 本書の目次は、下記のようになっています。
  第1章 ロジカル・シンキングの基本と本質
  第2章 ロジカル・シンキングの思考手法
  第3章 ロジカル・シンキングで活用する便利なツール
  第4章 ちょっと高度なツールでロジカル・シンキングに挑戦
  第5章 ロジカル・シンキングによるニーズ把握
  第6章 ロジカル・コミュニケーションで理解を得る

 本書第1章から2章までは、論理思考力を高めるために、ロジカル・シンキングに不可欠な基本的知識を応用力として活かすには、なにが基本で、どの様な思考手法を「体得」したら良いのかという観点を重視しました。
 第3章では、ロジカル・シンキングを行う場合に必要なツールについて、どのようなツールがあり、それをどのように使ったらより効果を上げられるのか、利用面からの分類と特質を詳説しています。
 第4章以降は、ロジカル・シンキングを実務にどの様に活かすか、とりわけコミュニケーションを効果的に進めるには、ロジカル・シンキングを通した論理思考をいかに活かすかという視点で改訂しました。
 本書は、単なる読み物として、あるいは参考書としてのロジカル・シンキングではなく、実務に使いながら、論理思考力を高められるように、「思考しながら体得する」をキーワードにして追補し、改訂しました。

■ 詳細情報・ご注文

 書店でご注文して下さると幸いです。

 アマゾンでも購入できますので、こちらからのご注文でも結構です。

  図解入門ビジネス 最新ロジカル・シンキングがよくわかる本 | 今井信行 |本 | 通販 | Amazon

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【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 7月23日 谷川岳のお花畑 高山植物を愛でる

2024-07-24 08:21:00 | 【小説風 傘寿】老いぼれコンサルタントの日記
 

  【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 7月23日 谷川岳のお花畑 高山植物を愛でる 

 平素は、私どものブログをご愛読くださりありがとうございます。

 この度、下記のように新カテゴリー「【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記」を連載しています。

 日記ですので、原則的には毎日更新、毎日複数本発信すべきなのでしょうが、表題のように「老いぼれ」ですので、気が向いたときに書くことをご容赦ください。

 紀貫之の『土佐日記』の冒頭を模して、「をとこもすなる日記といふものを をきなもしてみんとてするなり」と、日々、日暮パソコンにむかひて、つれづれにおもふところを記るさん。

【 注 】

 日記の発信は、1日遅れ、すなわち内容は前日のことです。

■【小説風 傘寿の日記】

 私自身の前日の出来事を小説日記風に記述しています。

7月23日(火)

 台風3号がフィリピン沖で発生していましたが、大型で「非常に強い」勢力に変わったと報道されました。 

 先島諸島に最接近する見込みで、暴風や高波、高潮、大雨に厳重な警戒が必要だそうです。

 その後は、中国大陸奥地の方に進む予想です。

 しかし、素人考えですが、台風崩れの低気圧となって、数日後に日本に影響を及ぼすのではないでしょうか。

 大雨をもたらして、災害に繋がらないことを願います。

 【カシャリ!ひとり旅】の写真は、整理が追いつかず、増える一方です。 何かと忙しく動いていますので、気分転換をするようにしています。 音楽を聴くことが多いですが、過去の写真や動画を見ることも楽しみです。

 【カシャリ! ひとり旅】 谷川岳のお花畑 高山植物を愛でる

カメラ

 谷川岳は、群馬・新潟の県境にある三国山脈の山である。日本百名山のひとつ。周囲の万太郎山・仙ノ倉山・茂倉岳などを総じて谷川連峰という。

  頂部は二峰に分かれており、それぞれトマの耳(標高1,963m)、オキの耳(標高1,977m)と呼ばれる。

  一ノ倉沢などの谷川岳の岩場は、その険しさから剱岳・穂高岳とともに日本三大岩場の一つに数えられ、ロッククライミングのメッカとなっている。ロープウェイのおかげで、軽装でも、谷川岳ロープウェイ「てんじんだいら」駅まで行かれる。(【Wikipedia】より作成)

 私が訪れたときは、あいにくの雨で、お花畑はぬかるみでした。

 写真を撮るのに夢中になってしまい、靴をぐっしょり濡らしてしまいました。

 それでも、好天の時には撮れないような、雨粒を花びらや葉に載せた花は、凜として自己主張をしていました。

 腕の悪さで、私が表現したい写真にはなっていませんが、ご覧下さると幸いです。

 

谷川岳のお花畑

 

 

谷川岳のお花畑をもっと見る

↑ クリック

 

 名所旧跡 インデックス

■【今日は何の日】

 当ブログは、既述の通り首題月日の日記で、1日遅れで発信されています。

 この欄には、発信日の【今日は何の日】と【きょうの人】などをご紹介します。

  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/7c95cf6be2a48538c0855431edba1930
  ■【今日は何の日】 7月24日 ■ 盂蘭盆会 ■ 天神祭 ■ アナログ放送終了日

■【経営コンサルタントの独り言】

 その日の出来事や自分がしたことをもとに、随筆風に記述してゆきます。経営コンサルティング経験からの見解は、上から目線的に見えるかも知れませんが、反面教師として読んでくださると幸いです。

  災害時に役立つポータブル電源 724

 太陽電池パネルと蓄電地 の販売をしている会社が、東日本大震災のときに、ポータブル電源を携えて被災地に赴いたそうです。

 それが契機となり、多くの自治体とビジネスを始めることができたのです。

 目先の利益だけを考えていますと、被災地に飛んでいくことなどしないでしょう。

 暗闇の中、蝋燭の光だけでもありがたいでしょうに、電灯がついたことは、被災された方はさぞかし心が和んだことでしょう。

 善意でしたことが、結局、話題となり、それがビジネスチャンスを拡大することに繋がったのですね。

 LED電球ですと、電力消費が少なく、ポータブル電源でも長時間使えるようです。

 電気容量も大きいものが出てきています。

 これからは一家に最低でも一基必要になるでしょうね。

 わが家でも利用していて、電気工事で半日電気が切れることがありました。

 その時に、冷蔵庫に繋げることができ、中の食品をかろうじて保つことができました。

■【老いぼれコンサルタントのブログ】

 ブログで、このようなことをつぶやきました。タイトルだけのご案内です。詳細はリンク先にありますので、ご笑覧くださると嬉しいです。

 明細リストからだけではなく、下記の総合URLからもご覧いただけます。

  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17

>> もっと見る

■【小説風 傘寿】老いぼれコンサルタントの日記 バックナンバー
  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/a8e7a72e1eada198f474d86d7aaf43db
 

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【経営コンサルタントのお勧め図書】 ドッラカー経営学の実践編 現場のドラッカー 究極のドラッカー  2407

2024-07-23 12:01:00 | 【経営】 経営コンサルタントの本棚

本  【経営コンサルタントのお勧め図書】 ドッラカー経営学の実践編 現場のドラッカー 究極のドラッカー    2407 

経営コンサルタントがどのような本を、どのように読んでいるのかを教えてください」「経営コンサルタントのお勧めの本は?」という声をしばしばお聞きします。
 日本経営士協会の経営士・コンサルタントの先生方が読んでいる書籍を、毎月第4火曜日にご紹介します。
 【経営コンサルタントの本棚】は、2012年に、経営コンサルタントがどのような書籍を読んでいるのか知りたいという、ブログ読者の声を反映して企画いたしました。
 幸い、日本で最初に創設された経営コンサルタント団体である日本経営士協会には優秀な経営士・コンサルタントがいらっしゃるので、その中のお一人である酒井闊先生にお声をかけましたところ、ご協力いただけることになりました。
 それが、今日まで継続されていますので、10年余もの長きにわたって、皆様にお届けできていることに誇りを持っています。
本
■    今月のおすすめ
 今月も、先月に続き、ドラッカーです。酒井先生の力作をここにお届けでいることを誇りに思っています。

   『「現場のドラッカー」
     ―実践例からドラッカー経営学の本質を学ぶ―』
   『「究極のドラッカー」
     ―ドラッカー思想の原点と特徴を知ろう―』
(国貞 克則著 角川新書)

 

本

■■ 苦しみ・努力・実践から生まれた国貞流「ドラッカー経営学」(はじめに)
 紹介本の魅力は、著者が自身の経験から、「企業はどうすれば生きていけるか」という問いに答える「ドラッカー経営学の威力」を見つけ、著書に現わしたことです。著者は、自身のコンサルティングを通して、「ドラッカー経営学」が実際の現場で適用され、著しい結果が出て行く状況を見て、「ドラッカー経営学の威力」を実感できたのです。まさに、K・K・D(仮説、検証、データ)により確認できたのです。その発見は実に、著者がドラッカー経営大学院MBA取得後20年ほど後のことでした。著者の経験・実践の故に探求できた、「ドラッカー経営学」の真髄は貴重です。それではまず、著者の本著を発刊するに至る経歴・経験を見てみましょう。
 1983年、東北大学の機械工学科を卒業し、神戸製鋼所に入社します。1995年ころ、円高で競争力の無くなった海外プラント事業部門の企画担当に就任しますが、円高で競争力が無くなってしまった状況を打開する道筋を示すことが出来ず、打開のヒントを得ようと、1996年、米クレアモント大学ドラッカー経営大学院に、会社から派遣され、留学しMBAの資格を取得します。資格取得後の2001年、会社を辞め、コンサルティング会社、Bona Vita Corporation(ラテン語で「良い・立派な」、「人生・旅路」の意味。「人々の幸せな人生のために貢献したい」想いを表す)を設立します。
 しかし、1年半ほど収入ゼロの苦渋の時期に直面し、この間、著名コンサルタントのアドバイスにより、経営学の著書を、百冊以上、読み込みます。当時読んだ経営学の著書で、手元に残っているのは殆どがドラッカーの著書とのことです。
 その後、コンサルタントとして活動する中で、「ドラッカー経営学」のコンサルタントを探していたI氏が社長をするA社に招かれ、「ドラッカー経営学」をA社の経営の中心に置く会社方針に基づき、コンサルティングします。I氏の経営手腕と著者による「ドラッカー経営学」の浸透により、赤字続きだったA社はV字回復をします。
 また、ドラッカーと親交を持ち、ドラッカーの分身と言われ、ドラッカーの著書を多く翻訳している故上田惇生氏から暖かな支援を受け、著者のドラッカー経営学の深化に繋がっています。
 著者はこれらの経験を通して、「ドラッカー経営学」の真髄を体感するに至ったのです。ドラッカーの言葉である『「知識」は本の中にはない。本の中にあるものは情報である。「知識」とはそれらの情報を仕事や成果に結びつける能力である』(「創造する経営者」)の通り、「ドラッカー経営学」の真髄は、実践を通して初めて解るのです。
 著者が実践を通して体感した『国貞流「ドラッカー経営学」』は、「ドラッカー経営学」を理解する上で貴重な知見です。
 次項で、『現場で実証された「ドラッカー経営学の真髄」』を5つのキーワードで見てみましょう。
本
■ 現場で実証された「ドラッカー経営学の真髄」を5つのキーワードで解く
 著者は言います。『「ドラッカー経営学」は、ハウツーを教えるものではなく、組織社会を生きる人間としての「生き方」と「心構え」について、書かれているものである』と。著者のこの言葉は、『ドラッカーの特徴は、膨大な知識と情報を基にした分析力と論理思考力をベースに、「知覚(Perception、悟る、看破する)」を通して、物事の「本質」を体系的に極めていること』と言い換えることが出来ます。そして、このPerceptionは魂のレベルに於いてなのです。
 ドラッカーの著書に、『「マネジメント」― 課題・責任・実践―』(1973年)があります。著書の副題にある、課題・責任・実践の中の課題とは、「課題」(Human Happiness<人間の幸せ>&Legitimacy<正統性>)に加え、「課題」を達成する為のマネジメントの「役割(Tasks)」を意味します。この「課題」と「役割」に、副題の残りの、「責任(Responsibilities)」、「実践(Practices)」を加えた4項目に、ドラッカーの著書「イノベーションと起業家精神」(1985年)で体系化された「Innovation」を加えた5項目が、ドラッカー・マネジメント論のキーワードと言えます。
 紹介本では、A社のV字回復した理由を9つ挙げています(詳細は紹介本1.をお読みください)。この「ドラッカー経営学」の実践による9つの成果の要因を分析・集約すると、上記ドラッカー・マネジメント論のキーワードと一致するのです。まさに実践を通して検証された真髄ではないでしょうか。

 この5つのキーワードから「ドラッカー経営学の真髄」を以下で見てみましょう。

【「Human Happiness(人間の幸せ)」and「Legitimacy(正統性)」】
 ドラッカーは現在の社会を、ソ連崩壊後の「ポスト資本主義社会」と捉えます。その特徴は、企業を始めとした様々な組織が社会を構成し(「組織社会」)、社会の変化に対応して多元化した組織が出現し(「多元化社会」)、主たる資源が資本から知識になる社会(「知識社会」)であるとします。
 この様な社会を良くするのも悪くもするのも、組織のマネジメントであるとし、あるべき組織の体系的マネジメント論である「ドラッカー経営学」を提唱しているのです。
 「ドラッカー経営学」の根底には二つの原点があります。それは「正統性」と「人間の幸せ」です。
 「正統性」は二つあります。それは社会的正統性とマネジメントの正統性です。「人間の幸せ」はマネジメントの正統性の結果です。
 まず、社会的正統性です。それは、「組織は高次の規範・責任・ビジョンを根拠とする社会的認知により正当化されねばならない」です。言い換えれば、組織の存在意義が、社会から敬意を以って認知されることです。
 次は、マネジメントの正統性つまり組織の存在目的です。それは、「人の強みを生かし生産的なものにする」です。言い換えると、一人一人の持ち味を生かして社会に貢献し、それにより一人一人が自己実現を果たし、一人一人が存在意義を感じ、一人一人の「人間を幸せ」にすることであるとします。これにより、社会全体の「人間の幸せ」を実現し、更には、「人間の幸せ」を基礎に組織が社会に貢献をし、社会を発展させることです。

【「Tasks(役割)」】
 次に説明する、Tasks(役割)・Responsibilities(責任)・Practices(実践)について、次のような文脈で表現できます。「誰もが、課題を達成するための役割(Tasks)を持っている中で、その役割を、責任(Responsibilities)をもって果たし、具体的な実践(Practices )を以って、成果を挙げて社会に貢献しなければならない」です。(「マネジメント」の副題である、課題(役割)・責任・実践の基本思想)
 課題を達成するマネジメントの役割は3つあります。①自らの組織に特有の目的と使命を果たす。②仕事を生産的なものにし、働く人たちに成果を上げさせる。③自らが社会に与えるインパクトを処理すると共に、社会に貢献する、の3つです。これら3つを「時間軸」で考え、実践していくのが組織の役割であるとドラッカーは言います。

【「Responsibilities(責任)、Integrity(真摯さ)」】
 役割を果たすための責任とは何か、ドラッカーの次の言葉が参考になります。「マネジャーに権利などない、あるのは責任だけだ。一人一人がやる気を出すのも責任を与えられた時だ」です。つまり、ある成果を達成するための仕事を「任される」のが責任です。マネジャーは勿論、組織のメンバーの一人一人に与えられます。責任を果たすこと、つまり、仕事を任され⇒自律により仕事を進め⇒成果に繋がり、自己実現をし、達成感を得て、承認され、“人間の幸せ”が実現するのです。責任がなければ成果は上がらず、自己実現の機会もなく、人間の幸せもないのです。
 一方、ドラッカー経営学でよく使われる、Integrity(真摯さ)についても触れておきましょう。真摯さは、Integrityの日本語訳である誠実さを超えた、周りから人間的・人格的に、真の信頼を得ることの出来る人間の資質です。一貫性があり、矛盾がなく、うわさや感情に惑わされず、ひたすら責任の遂行に向かって進む、魂レベルの資質です。経営層・マネジメント層の、誠実さや真剣さを証明する最終的な方法は、真摯さです。「真摯な人とは責任を持つ人のことである」(「教養とマネジメント」より)。

【「Practices(実践、成果、目標)」】
 具体的な実践(Practices )を以って成果を挙げて社会に貢献するにはどのようにしたら良いのでしょう。
 ドラッカーは、『成果を上げるにはまず「行うことを決めること」』だと言いました。つまり、「成果を上げるには、正しい考えを実践(行う)する意思決定をしなさい」と言っているのです。その正しい考えの実践を正しく行うためには、まず、目標を明確にしなければならないとして、「目標を設定すべき8つの分野」を提言しています。
 その目標は、 『命令ではなく「約束と責任」(Commitment)』、『“人は責任を担いたい、貢献したい、達成したいと望んでいる”を想定した「目標と自己管理によるマネジメント」』、『“組織の目標”と“個人の目標”の「一致」』を目指すべきとします。
 また、マイルストーン(中間目標・重要な節目)毎に、期日、担当者・責任者を目標に織り込み、自身の仕事振りと成果を自己管理により認識・フィードバック出来る目標設定を目指すべきとします。

 「目標を設定すべき8つの分野」による「目標の偉力」を見てみましょう。
(【図1】参照)


【「Innovation(More Better(改良)からNew Difference(新機軸)」】
 変化の時代に組織が生き延びていくには、イノベーションは欠かせません。ドッラカーはイノベーションについて2つの戦略を提起します。(「イノベーションと企業家精神」19章より)
 一つは、イノベーションを生み出す戦略です。具体的戦略としては、「イノベーションの7つの領域・機会」です。また、(ひらめきではなく)体系的にイノベーションを成功させるための要件についての提言もあります。「起業家精神の2つの原理」、「5つのなすべきこと」、「重要なカギ」です。(【図2】参照)


 二つ目は、イノベーションの基本戦略です。つまり、『イノベーションそのものが、昔からある商品・サービスにおいても、効用や、価値や、経済的な特性を変えるのである。物理的には如何なる変化を起こさなくてよい。しかし経済的には全く新しい価値を創造する。その為には、「効用創造戦略」、「価格戦略」、「顧客の社会的・経済的現実に合わせる戦略」、「顧客にとって価値あるものを提供する戦略」の4つの戦略を単体又は複合的に実践する必要がある。この4つの戦略には、一つの共通項がある。それは顧客の創造である。顧客こそ事業の目的であり、あらゆる経済活動の目的なのである』です。
 この2つの戦略がシナジーして、More Better(改良)からNew Difference(新機軸)に至る、より一層のイノベーションの成果を上げることが出来るのです。
 更に、ドラッカーは「この顧客創造戦略は、イノベーションに於いてだけではなく、“マーケティング”の“初歩”でもある」と言います。この“初歩”という言葉の意味は、組織が成果を以って社会に貢献するには、単なる「販売」に停まらずに、顧客創造戦略による「マーケティング」が必須であると言っているのです。
本
  「ドラッカー経営学」を経営の現場で実践・適用する(むすび)
 「ドラッカー経営学」を、経営の現場でどの様に活用できるのでしょう。
 それは、「ドラッカー経営学」を“To be”として捉え、自社の経営の現状(“As is”)とのギャップを認識し、改善・改革すべき課題を発見し、実践に移していくことではないでしょうか。
本
【酒井 闊プロフィール】
 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。  企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。
【 注 】  著者からの原稿をそのまま掲載しています。読者の皆様のご判断で、自己責任で行動してください。
本

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【お節介焼き情報】 ニューヨーク市で万博が開かれたのはいつ?

2024-07-23 12:01:00 | 【話材】 お節介焼き情報

【お節介焼き情報】 ニューヨーク市で万博が開かれたのはいつ?

 ちょっとした情報が、私達の智慧となることは多々あります。その情報が知恵の源泉であることに気づかないで機会損失を起こしていることは、それ以上に多いのかもしれません。

【一口情報】 ニューヨーク万博  

  1939年4月30日から、ニューヨーク万国博覧会(New York World's fair、 New York Expo 1939)が開催されました。会場となったメドウズ・パークは、ニューヨーク市の東の端にあるフラッシング地区にあります。
 私が、ニューヨークに赴任したのが1970年の12月ですので、万博を見ることはなかったどころか、私自身が生まれてもいませんでした。フラッシング地区というのは、私が滞在していたころは、日本人の居住者の多い地域でした。
 娘がそこで誕生したので、娘は日本国籍とアメリカ国政の両方を持っています。娘が誕生した直後には、私の母を日本から呼び寄せ、4人でこの公園に来ることもしばしばありました。母は、いまだにメドウズ・コロナという名前を覚えていて、時々思い出話の中で出てきます。
 ピクニックをする人も多く、中にはバーベキューをする人達もいました。公園の中央には池があり、その畔近くには万博のシンボルである地球儀があります。小さな動物園には無料で入場できます。パースリーのゴルフのショートコースもあり、パターの練習を兼ねて時々ゆきました。 

◆ 心で経営 論語や菜根譚をもとに経営者のあるべき姿を説く

 【心de経営】シリーズは、「経営は心deするもの」という意味になります。それとともにフランス語の前置詞であります「de(英語のof)」を活かしますと、「経営の心」すなわち、経営管理として、あるいは経営コンサルタントとして、企業経営をどの様にすべきか、経営の真髄を、筆者の体験を通じて、毎月新しいブログを発信いたします。
【筆者紹介】 特定非営利活動法人日本経営士協会 藤原 久子 先生
 北海道札幌市出身、20年間の専業主婦を経て、会計事務所に約4年半勤務。その後平成元年7月に財務の記帳代行業務並びに経理事務員の人材派遣業の会社を設立し、代表取締役として現在に至る。従業員満足・顧客満足・地域貢献企業を目指し、企業の永続的発展を願う。
 平成22年には横浜型地域貢献企業の最上位を受賞、続いてグッドバランスの受賞により、新聞、雑誌の掲載をはじめ、ラジオやWebTV(日本の社長100・神奈川県社長t v)に出演したりして、各種メディアで紹介されている。

■ ご挨拶
 自社の経営に当たりまして、何かと忙しい経営者に安心して事業に専念してほしいとの想いと、そして忙しい 経営者に、私たちからは「もっと心の通いあうサービス提供を」という原点を忘れてはならないと常に考えております。また、「顧客第一主義」と「企業は人なり」の精神を揺るぎないものとして持ち続けることも大切です。
 その信念に「学び」をプラスして更なる人間的魅力を形成してはじめて、従業員やお客様から信頼されるのです。そのためにも、まず自分自身を磨くことが大切です。
 人にはそれぞれ自分なりの生き方があります。経営者様をはじめ、これから経営者として歩み始めるみなさまや経営コンサルタント・士業の気づきや学ぶ機会になれば、これほどに嬉しいことはございません。
 
■ 【心 de 経営】ブログのバックナンバーを閲覧するには
 下記URLのいずれかををクリックしてください。
 
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【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 7月22日 徒然なるままに日暮パソコンに向ひて 第38段4 名利に使われて 名誉や利欲を求めることは? 

2024-07-23 08:03:00 | 【小説風 傘寿】老いぼれコンサルタントの日記

 

  【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 7月22日 徒然なるままに日暮パソコンに向ひて 第38段4 名利に使われて 名誉や利欲を求めることは? 

 平素は、私どものブログをご愛読くださりありがとうございます。

 この度、下記のように新カテゴリー「【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記」を連載しています。

 日記ですので、原則的には毎日更新、毎日複数本発信すべきなのでしょうが、表題のように「老いぼれ」ですので、気が向いたときに書くことをご容赦ください。

 紀貫之の『土佐日記』の冒頭を模して、「をとこもすなる日記といふものを をきなもしてみんとてするなり」と、日々、日暮パソコンにむかひて、つれづれにおもふところを記るさん。

【 注 】

 日記の発信は、1日遅れ、すなわち内容は前日のことです。

■【小説風 傘寿の日記】

 私自身の前日の出来事を小説日記風に記述しています。

7月22日(月)

 バイデン米大統領が次期大統領選から撤退するという報道で埋め尽くされた感のある一日でした。

 ご高齢ですので、早々に断念すべきであったと考えていますが、クリントン元大統領などの意向を受け、決断できなかったのでしょう。

 バイデンさん、お疲れさまです。

 老兵はあまり口を挟まない方が良いということを聞いていましたので、私も日本経営士協会トップを去った後は、できる限り口を挟まないようにしています。

 いざというときは、先輩としての力を発揮すれば良いのです。

 そのようなことがないことが望ましいですが・・・

 このシリーズは、数年前に部分的に当ブログに投稿しました。

 その内容を追補したり、新規に加えたりして参ります。

 

 

 「徒然草(つれづれぐさ)」は、吉田兼好による随筆集の冒頭の文章です。作者は、兼好であるという明確な証拠はないようです。おそらく大半の方が、何らかの形で、この文章に接しているのではないでしょうか。
 徒然草といいますのは、清少納言の『枕草子』、鴨長明の『方丈記』とならび日本三大随筆の一つといわれています。
 高校生時代に戻った気分で、また、社会人として人生を歩み、自分の高校時代には理解できなかったり、誤解していたりすることを発見しながら、独断と偏見に満ちた、老いぼれコンサルタントが、我流の解釈を僭越ながらお付けしました。
 徒然なるままに、日暮パソコンに向かいて、よしなしごとを、そこはかとなく書き付けてまいります。
 お届けも、徒然なるままにアップロードしますので、読者の皆様も、日暮パソコンに向かいて、末永く、徒然にご覧下さるよう、お願いします。

【 注 】 加筆等再編集して、再掲の原稿を含んでいます。

◆第38段4 名利に使われて 名誉や利欲を求めることは?
 第38段3に続きます。

【原文】
 ただし、強ひて智を求め、賢を願ふ人のために言はば、智恵出でては偽りあり。才能は煩悩の増長せるなり。
 伝へて聞き、学びて知るは、まことの智にあらず。
 いかなるをか智といふべき。可・不可は一条なり。
 いかなるをか善といふ。
 まことの人は、智もなく、徳もなく、功もなく、名もなし。
 誰か知り、誰か伝へん。
 これ、徳を隠し、愚を守るにはあらず。本より、賢愚・得失の境にをらざればなり。
 迷ひの心をもちて名利の要を求むるに、かくの如し。万事は皆非なり。言ふに足らず、願ふに足らず。

【用語】
 煩悩(ぼんのう): 心身を煩わし悩ます欲望や怒りなど
 まことの人: 絶対的な境地に立っている人
 迷ひの心: 相対的な立場に立って考える心

【要旨】
 ただし、本来人があるべき状態とは言えませんが、しいて「知恵を求め、賢いことを願う人」がいるとしたらその人にいうとしたら、「知恵というものが産まれましたから、偽りというものが生じてきた」ということをお話します。(老子の「知恵いでて大偽あり」を引用)
 才能というのは、煩悩(心身を煩わし悩ます欲望や怒りなど)の発達したものです。
 人から伝え聞いて、学んで知ることは、本当の知恵ではありません。
 どのようなものを本当の知恵というのだろうか(本当の知恵知というものなどありえないことです)。可も不可も、一本のもの、すなわち本質的には、同じものなのです。

 それでは、なにをもって「善」というのでしょうか。本当の「善」というものなど、ありえないのです。
 まことの人(絶対的な境地に立っている人)は、知もなく、徳もなく、功もなく、名もありません。
 それゆえ、そのことを、だれが知っているのでしょうか、だれがそれを伝えるのでしょうか。だれも知らないでしょうし、伝えられる人もいないでしょう。
 これは、自分で徳を隠し、愚を装っているのではなく、もともと賢愚や得失を問題にする境地に入れませんから、このようなことを言ってしまうのです。

 迷いの心を持って、名誉とか利益とかを追い求めますと、このようになってしまうのです。すべてことは、それら皆を否定すべきものなのです。それを論ずる価値もなければ、それを願う価値もないものなのです。

【 コメント 】
 この段を読んで、最初に感じたのは、般若心経の「色不異空 空不異色 色即是空 空即是色」です。
 「賢」も「愚」もなく、「善悪」もみな同じと兼好は言っています。なかなか、その境地にはなれない凡人である私です。
 「智恵出でては偽りあり」ともいっています。
 人が知恵を手に入れたことにより虚偽が生まれたといいます。アダムやイブが禁断の実を食べたことにより、性差を感じるようになることにも通じます。
 お金持ちも、出世した人も、みな、私のような凡人と同じなのですから、富や立身出世を求める必要はないということです。
 しかし、凡庸なお節介焼きの経営コンサルタントとしては、少しでも自分のクライアントの収益を改善することに固執して40年余やってきました。
 「才能は煩悩の増長せるなり」といわれましても、「企業が蓄積をした知恵を経営に活かそう」と声をかけてしまいます。
 知識を蓄えるときに、事実と伝聞は異なりますので、「伝聞は必ずウラを取りましょう」と言ってきましたし、経営コンサルタントを続ける限り、これからも言うつもりです。
 『伝へて聞き、学びて知るは、まことの智にあらず』というのは、ウェブサイトやSNSでサッと検索できるために、それでわかったつもりになってしまう傾向が昨今のわれわれへの警鐘でもあります。ネット検索や書物、TVなどで学び、知ったことは、真の智ではないということです。

■ 「日暮パソコンに向日て」 バックナンバー

   https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/eb88c477696adc4e2e78376c81b7274b

■【今日は何の日】

  当ブログは、既述の通り首題月日の日記で、1日遅れで発信されています。
    この欄には、発信日の【今日は何の日】などをご紹介します。

   https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/7c95cf6be2a48538c0855431edba1930

  【今日は何の日】 7月23日 ■ 文月ふみの日 手書きもまたいいですね

■【経営コンサルタントの独り言】

 その日の出来事や自分がしたことをもとに、随筆風に記述してゆきます。経営コンサルティング経験からの見解は、上から目線的に見えるかも知れませんが、反面教師として読んでくださると幸いです。

 著作物でも著作権を行使できないことがある 722

 著作権法の制定は、1899(明治32)年なのですね。歴史の古いのに驚きました。

 同年7月22日に「著作権法」が制定され、日本にも著作権制度が導入されました。

 日本では、著作権というのは「創作した時点で発生する」ということで、登録しなくても著作権があります。

 もちろん、著作物として登録しておけばベターでしょう。


 自然科学に関する論文は、著作権を主張できませんので、C&P自由となります。

 大阪地方裁判所の判決では、『論文に同一の自然科学上の知見が記載されているとしても、自然科学上の知見それ自体は表現ではないから、同じ知見が記載されていることをもって著作権の侵害とすることはできない。また、同じ自然科学上の知見を説明しようとすれば、普通は、説明しようとする内容が同じである以上、その表現も同一であるか、又は似通ったものとなってしまうのであって、内容が同じであるが故に表現が決まってしまうものは、創作性があるということはできない』としています。

 ただし、C&P自由といいましても、拡大解釈しますと法律に反することになります。

 あたかも自分の著作物であるかのような表現をすれば当然ながら著作権法に違反します。

 C&Pが簡単にできるからと言って、”自分の勝手な解釈”により、他者の著作物を安易に利用することは絶体にあってはならないと考えます。

(ドアノブ)

■【老いぼれコンサルタントのブログ】

 ブログで、このようなことをつぶやきました。タイトルだけのご案内です。詳細はリンク先にありますので、ご笑覧くださると嬉しいです。

 明細リストからだけではなく、下記の総合URLからもご覧いただけます。
  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17

>> もっと見る


■バックナンバー
  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/a8e7a72e1eada198f474d86d7aaf43db

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