牧師の読書日記 

読んだ本の感想を中心に書いています。

3月26日(火) 「チェーンストア経営の原則と展望②」 渥美俊一著  実務教育出版

2013-03-26 07:52:51 | 日記

 第Ⅱ編のタイトルは、「チェーンストアの経営戦略」である。この本は、やはり『21世紀のチェーンストア』で書いていることと似通っている。同著者によるものなので、ある意味当然であろう。著者は、チェーンストアが目指すべきことを結論としてこのように記している。

 本からの引用。「結論として、チェーンストアの「目的」は、簡単に言えば、”豊かさの実現”だ。つまり、 ①国民大衆(8割以上の人々)にとって ②日常の”暮らし”(1年間のうち300日間)の ③シーンごとに使い分けられる商品で、客のライフスタイルの種類数が増えることと ④買い物そのものが楽しくできることで ⑤もっと生活が楽しくなること。   ビジネス「活動の本質」は、①我々の店がそこにあることで ②その地域の住民の、 ③日常の”暮らし”が ④向上するようになることである。」

 これが著者が読者にどうしても伝えたいことであるのだと思う。

3月25日(月) 「チェーンストア経営の原則と展望」 渥美俊一著  実務教育出版

2013-03-25 17:55:05 | 日記

 本書の上巻にあたるのが同著者による『21世紀のチェーンストア』である。著者はチェーンストア経営における先駆者と言える人物。本書は2編から構成されていて、第Ⅰ編のタイトルは、「チェーンストアの経営原則」。

 本からの引用。「チェーンストアが目指すものは、①国民大衆の、②日常生活における、③”暮らし”を充実させるための生活提案をすることである。そのための第一条件は、大衆品であり、同時に実用品である商品を提供することである。第二条件は、大部分の人々が気軽に買える価格であること。第三条件は、便利に入手できる状態になっていること。第四は、快適に仕える(食べられる・着られる)品質であること。そして第五は、買い物することと、それを使用することによって、暮らしをもっと楽しくできることである。」

 読んでいて「21世紀のチェーンストア」の繰り返しが多いように思うが、上記の文章が著者の伝えたいことなのだろう。私たちはチェーンストアではないが、一つの店でもこれを本当に実現していくことは簡単ではない。大変なことである。直売が始まる前に上記の文章を模索していき、できる限り良いスタートをきりたい。


 

3月24日(日) 「21世紀のチェーンストア③」 渥美俊一著

2013-03-24 07:52:39 | 日記

 本書を読み終えた。第Ⅲ編のタイトルは、「チェーンストア産業への道」。

 著者は、チェーンストアへの道は、まずビッグストアづくりである、と書いている。本からの引用。「その基盤づくりが、ビッグストアづくりである。この祭の準備対策の五本柱とは、①自己資本を増やす ②法人所有の土地資産の拡大 ③人材集め ④教育費の投入 ⑤総売場面積(店数)を増やす ことである。①と②は金融信用の拡大のために、増資と企業収益の蓄積、法人所有の固有資産(特に土地資産)を増大することである。③と④とは、さきの熟練技術者集団づくりへのステップである。⑤は、マス化のご利益を拡げるためである。」

 最近読んだ財務の本、竹内謙礼&青木寿幸著『会計天国』(PHP)、にも資産を増やすこと(特に固定資産が増やしていくこと)が財務上大切であることが強調されていた。教会でも農業でも例外はあるだろうが、基本的には固定資産にまず投資することが大事であると思う。そうしなければ低迷をずっと続けることになってしまうだろう。早い段階で教会堂が必要だと思うし、納屋や農業機械への投資が必要である。そのことによって成長への道筋が見えてくる。それから人材集めと教育が続く。


 著者は、本部と現場の分業についてこのように書いている。本からの引用。「この本の最初で、チェーンストア経営システムの最大の特徴は、標準化された小さな力がたくさん集まって、偉大な力を発揮することだと説明した。 、、、、その内容は、① ”本部”の任務は、標準またはキマリを高度な技術水準の調査と実験とで専門的に作り上げ、それを ”現場またはセンター”に対して、教育し、指導し、監査する。 ②現場側の任務は、これに基づいて完全作業を実行させ、更にそのコストコントロールをすることで、客の満足と企業の必要な経営効率とを確保する。 という並行する二つの昨日の二人三脚なのである。」

 例としてこのように説明している。 音楽で言えば、本部(キマリをつくる)のは「作曲家・編曲家」、 現場(店舗とセンター)で①完全実行するのは「演奏者」、②低コストでするのは「指揮者」。演劇・映画で言えば、本部(キマリをつくる)のは「劇作家・脚本家」、現場(店舗とセンター)で①完全実行するのは「役者」、②低コストでするのは「監督」。


 最後に著者は「チェーンストア経営の目的」をこのように書いている。「商業者としての社会に対する任務を、①八割の人々(大衆)向けに、②年間三〇〇日(日常の暮らし)は使い(食べ)続ける生活商品を扱うことで、人々の暮らしを豊かにするためのビジネスだと、考え続けている経営であることだ。」

3月23日(土) 「左岸」 江國香織著  集英社

2013-03-23 09:18:09 | 日記

 著者は直木賞を受賞したことがある作家である。本書は『冷静と情熱のあいだ』のように辻仁成氏とのコラボレーションであったので興味を惹かれて読んでみた。一人の女性の人生を追っていくことで、人生にはいろいろなことが起こり得るという視点で読めば楽しみたと言えるが、この作家と作家が作り出した主人公の道徳観には賛成しかねるし、全体として物語が長いだけで訴えてくるものが何もなかった。著者の作品をほとんど読んでいないのでよく分からないが、他の作品もこれと似たりよったりだとすると、著者は一体何のために物語を書いているのか私には理解できない。

 辻仁成氏の「右岸」は「左岸」と対をなす作品で男性主人公の視点で書かれているので、そのうち読んでみようとは思っている。

3月22日(金) 「21世紀のチェーンストア②」 渥美俊一著

2013-03-22 07:53:04 | 日記

 本書は3編構成で、第Ⅰ編のタイトルは「文明史におけるチェーンストア」であった。第Ⅱ編のタイトルは、「チェーンストア経営が目指すもの」である。

 第Ⅱ編からの引用。「チェーンストア経営の目的は、普通なら一部特権階級のみしか享受できないような本当の豊かさへと、国民大衆の毎日の暮らしを変革していくこと、と述べてきた。これを簡明に表現したのが、”生活民主主義の実現”という言葉である。、、、そこでチェーンストアの世界では、チェーンストア経営の活動目的を「経済民主主義の実現」と規定している。この「経済民主主義」とは、生活民主主義が現実のものとなるような経済の仕組み作りに努力することである。、、、、「経済民主主義」への技術的手段を総称する言葉が「マス・マーチャンダイジング・システムづくり」である。」

 「チェーンストアが考えるマーチャンダイジングプランは、最初に①人々が気軽に買える小売価格を想定し、②それに見合うコストと品質の品を、③世界中から探し出し、④それをマス化するための仕組みを研究工夫するということになる。、、、、チェーンストアが考える豊かさは、毎日の、普段の生活の”豊かさ”であって、非日常向けではないのである。、、、、チェーンストアは常に、大衆品、実用品で、しかも大衆が受け入れられる売値でかつ「使う」立場にとって「適切な品質」とは何かを、求め続けなければならないのだ。」

 私たちは規模は小さいのだが、良品質を適正価格で(できれば低価格で)、大衆品であり実用品である農産物を提供し、人々の普段の生活の”豊かさ”に貢献できればと思う。