牧師の読書日記 

読んだ本の感想を中心に書いています。

3月24日(日) 「21世紀のチェーンストア③」 渥美俊一著

2013-03-24 07:52:39 | 日記

 本書を読み終えた。第Ⅲ編のタイトルは、「チェーンストア産業への道」。

 著者は、チェーンストアへの道は、まずビッグストアづくりである、と書いている。本からの引用。「その基盤づくりが、ビッグストアづくりである。この祭の準備対策の五本柱とは、①自己資本を増やす ②法人所有の土地資産の拡大 ③人材集め ④教育費の投入 ⑤総売場面積(店数)を増やす ことである。①と②は金融信用の拡大のために、増資と企業収益の蓄積、法人所有の固有資産(特に土地資産)を増大することである。③と④とは、さきの熟練技術者集団づくりへのステップである。⑤は、マス化のご利益を拡げるためである。」

 最近読んだ財務の本、竹内謙礼&青木寿幸著『会計天国』(PHP)、にも資産を増やすこと(特に固定資産が増やしていくこと)が財務上大切であることが強調されていた。教会でも農業でも例外はあるだろうが、基本的には固定資産にまず投資することが大事であると思う。そうしなければ低迷をずっと続けることになってしまうだろう。早い段階で教会堂が必要だと思うし、納屋や農業機械への投資が必要である。そのことによって成長への道筋が見えてくる。それから人材集めと教育が続く。


 著者は、本部と現場の分業についてこのように書いている。本からの引用。「この本の最初で、チェーンストア経営システムの最大の特徴は、標準化された小さな力がたくさん集まって、偉大な力を発揮することだと説明した。 、、、、その内容は、① ”本部”の任務は、標準またはキマリを高度な技術水準の調査と実験とで専門的に作り上げ、それを ”現場またはセンター”に対して、教育し、指導し、監査する。 ②現場側の任務は、これに基づいて完全作業を実行させ、更にそのコストコントロールをすることで、客の満足と企業の必要な経営効率とを確保する。 という並行する二つの昨日の二人三脚なのである。」

 例としてこのように説明している。 音楽で言えば、本部(キマリをつくる)のは「作曲家・編曲家」、 現場(店舗とセンター)で①完全実行するのは「演奏者」、②低コストでするのは「指揮者」。演劇・映画で言えば、本部(キマリをつくる)のは「劇作家・脚本家」、現場(店舗とセンター)で①完全実行するのは「役者」、②低コストでするのは「監督」。


 最後に著者は「チェーンストア経営の目的」をこのように書いている。「商業者としての社会に対する任務を、①八割の人々(大衆)向けに、②年間三〇〇日(日常の暮らし)は使い(食べ)続ける生活商品を扱うことで、人々の暮らしを豊かにするためのビジネスだと、考え続けている経営であることだ。」