牧師の読書日記 

読んだ本の感想を中心に書いています。

3月8日(金) 「神の家族へようこそ!」 リック・ウォレン著  パーパス・ドリブン・ジャパン

2013-03-08 08:14:17 | 日記

 本書シリーズは『健康な教会への鍵』を書いたリック・ウォレンの本で、「健康な教会への鍵」で書かれていた教育システムについて具体的に書かれている。

 サドルバック教会の教育システムには、クラス101、201、301、401があるが、本書はクラス101で、テーマは「メンバーシップ」である。神の家族である教会に加わることの意味が説明されている。

 メンバーシップはバプテスマと深く結びついている。イエス・キリストは最後に弟子たち(使徒たち)にこのように言われた。「それゆえ、あなたがたは行って、あらゆる国々の人々を弟子としなさい。そして、父、子、聖霊の御名によって、バプテスマを授け、また、わたしがあなたがたに命じておいたすべてのことを守るように、彼らを教えなさい。」(マタイの福音書28章19節、20節) すなわち、伝道→バプテスマ→教え を通して弟子を作っていく、ということになる。『使徒的宣教とその展開』で言えば、ケリュグマ(宣教&伝道)とディダケー(教え&教訓)である。この二つをつなぐものとしての、バプテスマであり、教会へ加わることであり、メンバーシップである。

 著者はこのように書いている。「 神はあなたがたが神の家族の一員(メンバー)になることを望んでおられる。これは、どちらでもいいというようなものではありません。すべてのクリスチャンは、神の家族の一員になるべきだということです。神の家族の交わりを持たないクリスチャンというのは、次のように言う人に似ています。「野球をしたいけど、どこかのチームに入るのはいやだな」「ミツバチになってみたいけど、一緒に群れるのはいやです」「楽器を演奏したいのですが、オーケストラに入りたくありません」 」

 例外はあるかもしれないが、一般的に言って子供は健全な家族がいなければ健全な成長をすることができないと思う。イエス・キリストを信じた者は、神の子となる。ということは、子供として健全に成長するために、家族が必要である、ということだ。それが教会だ。クリスチャンが教会の交わりに加わらなければ、家族のいない孤児のようになってしまう。

 本書は4つのセッションで構成されています。セッション1は「私たちの救い」です。ここではイエス・キリストを信じて救われることと、バプテスマ(水の洗礼)と聖餐の意味が説明されています。

 セッション2は「私たちの声明」です。サドルバック教会の3つの声明がなされています。第一は、私たちの目的に関する声明です。これは教会の存在目的は何かという問題です。第二は、私たちの信仰に関する声明です。これは教会が信じていることは何かという問題です。第三は、私たちの実践(ライフスタイル)に関する声明です。これは具体的に何を実践していくのかという行動指針の問題です。

 著者は、教会の目的として5つあげています。①神の臨在を喜ぶこと(礼拝) ②神のみことばを伝えること(伝道) ③神の家族の交わりに加わること(交わり) ④神の民を教育すること(弟子作り) ⑤神の愛を示すこと(ミニストリー・奉仕)。

 次に私たちの信仰声明として8つあげています。これは信仰の本質に関わる8つの教理です。①神について ②イエス・キリストについて ③聖霊について ④聖書について ⑤人間について ⑥救いについて ⑦永遠の保証について ⑧永遠について

 最後に私たちのライフスタイル声明を7つあげています。①聖書を唯一の権威とすること ②地域教会(各個教会)の自主性 ③万人祭司 ④十分の1献金 ⑤バプテスマ ⑥聖霊に導かれた生活 ⑦他の人にキリストを伝えること

 今私が考えるべきは、最初の礼拝への準備、伝道方法、伝道を通してイエス・キリストを信じた者が教会に加わること(メンバーシップ)についてである。また信仰声明として教理を確認し直すことと教理から導き出される目指すべきライフスタイルを決めていくことである。


 セッション3は「教会の戦略」です。サドルバック教会は、地域に属する教会としてこのように考えています。地域住民→群衆(礼拝に出席する人)→会衆(メンバーになった人。本書で紹介されているクラス101を受講した人)→献身的メンバー(信仰において成長しはじめている人)→核となるメンバー(献身して奉仕に関わり、教会の建て上げに積極的に参加する人)。
 そしてサドルバック教会を特徴付けている10の戦略について説明しています。
 1.求道者向けの礼拝
 2.似たような背景の人々で集まるスモールグループ
 3.目的に導かれる
 4.明確な伝道ターゲット
 5.人生の成長プロセス
 6.すべての教会員が主の働きをする
 7.生活への適用に焦点を合わせた説教
 8.信頼できるリーダーシップ
 9.受け入れられているという雰囲気
10.教会の構造をシンプルに保つ

 セッション4は「私たちの構造」です。ここでは教会運営について書かれています。 

 私が開拓しようとしている教会の目的と信仰とライフスタイルを構築することの他に、教会規約を作成し、教会運営の仕方を検討することも必要である。規約に縛られていくのはイヤなので(でも最低限の規約は必要なので)、著者が書いているようにできるだけシンプルにしたいと思っている。