今日から5月だ。北海道は天気が悪く寒い。昨日作業をしたが、全体としては農作業がなかなか進まない。ということで今週は休みということになりそうだ。
第1章は「プロテスタント礼拝の研究」で、序論&総論である。著者は礼拝のカテゴリー(分類)として7つに分けている。その7つは、「会衆」、「信仰行為」、「時間」、「場所」、「祈り」、「説教」、「音楽」である。
<礼拝の環境> <礼拝の行為>
信仰行為 祈り
時間 会衆 説教
場所 音楽
著者はこの7つを上のようにまとめている。すなわち、「会衆」を中心にして、「礼拝の環境」に関わるものを左側に、「礼拝の行為」に関わるものを右側に位置づけている。この7つのカテゴリーは多種多様なプロテスタントの礼拝のすべてに現れる要素であるとしている。そして7つを簡潔に説明している。以下はすべて本からの抜粋である。
1.会衆 すべての礼拝における第一の構成要素は会衆である。、、、近年、礼拝における会衆の役割の一つの重要は側面が会衆の礼拝への「参与」という言葉で表現されるようになってきた。、、、中世後 期の西方教会では「参与」は主としてミサを「見る」ことを意味していたが、宗教改革における「参与」とはその大部分が「聞く」ことを意味していた。
2.信仰行為 私たちは第二のカテゴリーとして、「礼拝の環境」に関わるものの筆頭に信仰行為、すなわち伝統的にはスピリチュアリティ、霊性と呼ばれてきたものを挙げることにする。、、、ともあれ、信 仰行為は礼拝参加者が教会に持ち込む本質的な要素である。それが主観的なものであろうとも、会衆が教会に持ち込むものこそ、そこで人々の経験する事柄の大きな部分を決定する。
3.時間 キリスト教の本質的特性の一つに「空間的性格」を挙げることができる。、、、礼拝は場所という要素から離れて存在しない。同じことは礼拝の「時間的性格」についても言える。私たちはただあ る特定の時間に起こった出来事としての礼拝を論じることができるだけなのである。礼拝への参与は礼拝における時間と空間の要素から不断の影響を被っている。、、、礼拝に関する時間的要素 には以下のような四つの主要なサイクルが存在する。すなわち、「日」、「週」、「年」、そして人間の「一生」というサイクルである。
4.場所 場所という要素もまた礼拝経験における最も重要なものの一つである。、、、教会建築はあらゆる礼拝の研究における重要な一分野である。私たちは以下に挙げる礼拝の基本的空間の関係に注目 しなければならない。すなわち、その基本的空間としての「集いの空間」、「動きの空間」、「会衆のための空間」、「聖歌隊の空間」、「洗礼の空間」、そして「聖餐卓の空間」である。
5.祈り 聖職者と会衆はどのように神に向かって語りかけているだろうか。礼拝の基本となるこの行為は様々な形をとる。、、、祈りの形式と祈りの導き手という二つの要素が、どちらも礼拝に集う人々が 自分たちの共同体をどのように理解しているかを知るための大きな手がかりとなる。
6.説教 ほとんどのプロテスタントにとって、説教は礼拝式の中で最も大きな時間を占めている。
7.音楽 どの賛美歌が最も頻繁に歌われているかという事実は、その会衆の中に浸透している信仰行為の傾向を証明する最善の資料の一つである。
次に著者は、「礼拝の伝統」として、主な教派9つを挙げ、分類している。
本からの引用。「私はプロテスタントにおける九つの主要な礼拝の伝統について叙述したいと思う。私はヨーロッパと北アメリカにおけるプロテスタント礼拝の主要な形態は、この九つの伝統の中のいずれかに分類することが可能であると信じている。、、、プロテスタント教会のおける九つの礼拝の伝統とは、ルター派、改革派、再洗礼派、アングリカン、分離派とピューリタン、クェーカー、メソディスト、フロンティア派、ペンテコステ派の礼拝伝統である。」
左(革新) 中間 右(伝統)
16世紀 再洗礼派 改革派 アングリカン ルター派
17世紀 クェーカー ピューリタン
18世紀 メソディスト
19世紀 フロンティア派
20世紀 ペンテコステ派
著者はこの9つを上のようにまとめている。縦に時間軸をとり、上から下に向かってそれぞれの伝統の成立した時間軸に従って配置している。また横軸では左から右に向かって中世の礼拝伝統からの根本的な分離がより大きかった順に従って配置している。