牧師の読書日記 

読んだ本の感想を中心に書いています。

12月11日(火) 「ビジョナリー・ピープル①」 ジェリー・ポリス他著  英治出版

2012-12-11 07:45:34 | 日記

 ビジョナリー・カンパニーは企業についての本だったが、ビジョナリー・ピープルは人々についての本だ。本書は200人以上の人たちとのインタビューをもとに書かれているそうだ。誰にインタビューするかという選定作業にあたって、最低の時間を20年以上とし、ごくまれな例外を除いて経歴の足りない人は除外したとのことだ。著者たちはインタビューを終えたあと、その内容を分析して、本書で紹介している。

 本(序章)からの引用。「最も注目すべき結果の中に、成功する人は自分の信条や仕事をまっとうしようとして他人の同意を求めることはない、という確かな現実があった。彼らには社会的な圧力に屈せず、そうした圧力を跳ね返し、率先して取り組む大胆さがる。他の人から好かれようとするよりも、自分の好きなことに執念を燃やしている。彼らは、たった一度の挫折でうろたえたり落ち込んだりもしなければ、ものごとがうまく行かなくなった時に、他人に責任を押し付けるようなこともしない。逆に、自分たちが追い求める成果をあげるのにもっとも効果のある仕事に、あくまでも最優先で取り組むのだ。成功をおさめている人たちはまた、<自分がしていることに愛情を持つ>ことが、成功するための必要条件だと言っていた。」

 続いて本からの引用。「ビジョナリーな人にとって、成功の本当の定義とは、個人的な充実感と変わらない人間関係を与えてくれる、そして自分たちが住んでいるこの世界で、自分にしかできない成果を上げさせてくれる、そんな生活や仕事のことだ。」 

 著者はインタビューを重ねるうち、ビジョナリーな人が持っている本質的な要素が3つあることに気づいた、と言っている。
 一つ目は、意義だ。
 二つ目は、思考スタイルだ。
 三つ目は、行動スタイルだ。
 この三つが本書の核の部分になっている。それぞれ第一部~第三部で説明されている。

 他の人との協調性は大切だと思うが、いつも他人の同意を求めたり他人から好かれようとしていると、または社会的な圧力に屈していると、何も成し遂げることはできないのだろう。私にも彼らの持っている強さが必要だと思う。


 続いて本からの引用。「ビジョナリー・ピープルの本質を探究する過程で、言い換えれば永続するだけの価値を持つ成功を探求する過程で、著者は次のようなことを発見した。三つの要素、すなわち自分なりに定義した意義、創造力のある思考スタイル、そして効果的な行動スタイル、これら三つの要素は、三者相互の調和がとれた時に、自分の足元を固める礎となり、ベストプラクティス(成功体験)を持続させてくれる、そうした事実の発見だった。、、、、自分にとっての生きがいとは何か、ということを強く意識し、そしてその次に自らの考えと行動を一致させて自分なりの意義を定着させる。これを筆者は調和と呼ぶ。」

 「本書における筆者の責任は、会って話を聞いたビジョナリーな人が共通に持ち、しかも彼らの力になっている姿勢の一部を紹介することだ。もっと重要なことは、読者自身がいつまでも続く成功や生きがいのある人生を紡ぎだすような内省的な思考を呼び起こせるよう願っている、ということだ。」

 ビジョナリー・カンパニーを読んで多くのことを学んだが、このビジョナリー・ピープルを通しても多くのことを学べることを期待している。