牧師の読書日記 

読んだ本の感想を中心に書いています。

12月5日(水) 「 「コストコ」がなぜ強いのか 」 佐藤生美雄著  商業界

2012-12-05 09:05:50 | 日記

 先日今年度のホームセンターでの直売が終了した。昨年よりも売上が伸び、成功したようだ。これから詳細を話し合い、来年の準備をしていく。今のところ家族から私が販売促進を担当したらどうかという話が出ている。農作業に忙しく細かくお金の動きを見る人がいないからだ。これは会社を経営している父からの提案だ(私は父の仕事の事務を手伝っている)。確かに売上が伸びているのだが、働いている割には収益が出ていないのではないか、という意見だ。だからどのようにすればコストを下げ、利益を上げることができるかをチェックしたら良いだろう、でも今の体制ではなかなかそれが機能していないので私がやったらどうかということだ。この冬に今年のお金を流れを総点検し、来年どのようにしたら一番純利益が出るかを家族と話し合いながら考えていきたい。

 そこで「コストコ」についての本を読んでみた。コストコは小売業の企業だ。コストコは厳選された高価値ブランド4000アイテムを、余分な飾り付けのない倉庫型の店舗で、会員向けに低価格で販売をしている。わずか10%の荒利益で3%の営業利益をあげている。著者はコストコの強さの理由を2つ挙げている。一つ目は、「会員制ホールセールクラブ」というビジネスを持っていること。二つ目は、思いやり経営が浸透していること、としている。

 コストコは会員たちに楽しい宝探しのような買い物をしてもらうことを心がけているそうだ。本からの引用。「コストコは世界中で最高の場所だ。それは毎週日曜日に教会へ行くようなものだ。これよりいいものを手に入れることはできない。これは宗教的な体験でもある。、、、、コストコに買い物に行くと、生活の中で繰り返し消費される商品が、常に最高の品質で、大量に、低価格で販売されている。、、、、またアウトドア、スポーツ、玩具、ハードウェア、ガーデニングなどの分野の優れものが次々と出てくるし、ブランド物の軽衣料も豊富である。季節商品やギフト商品も一年中目まぐるしく変わる。会員は来店するたびに、今日はどんな新しい商品に出合うのかと楽しみに思う。これが「宝探し」の哲学である。」

 これは直売所にも大いに当てはめることができると思う。いつも固定的に置いておく野菜と果物の他に、季節ごとに(直売で言えば月ごとの方が良いと思うが)、何か旬のものをいつも用意しておくことができれば更に魅力が出てくるだろう。アイテムを絞ることも大切だ。私たちはスーパーではないのですべての野菜と果物を揃えることはできない。自分たちが作っているものと近隣の農家から仕入れるものにどうしても限定されてしまう。でもそれぞれが得意としているものを更に揃えることで直売所を魅力あるものにすることができると思う。その際に自分たちも協力農家も高品質のものでボリューム感があるものを出す必要があるだろう。まず直売所を消費者にとって魅力ある場所にすることが出発点だ。そうすればおのずと結果はついてくるのではないか。逆にそうしないで自分たちのことを考えてケチって低品質のもの、サイズが小さくボリューム感がないものを売れば、直売所は魅力がない場所になり、人々は集まらず私たちの生産物は買われず、消費者は他の店に行ってしまうだろう。何があると消費者は喜ぶのかを考え、その野菜と果物を生産している農家と私が交渉していくことが今後できるだろう。消費者に喜ばれ、場所を提供してもらっているホームセンターに喜ばれる直売所作り。そして近隣の農家も私たちも利益を得ることができる。そのような直売所作りに取り組みたい。