牧師の読書日記 

読んだ本の感想を中心に書いています。

12月2日(日) 「ビジョナリー・カンパニー⑦」

2012-12-02 16:36:14 | 日記

 今日は再び札幌の教会から招かれて説教の奉仕をしてきた。説教箇所はテサロニケ人への手紙第一 5章16-18節。 「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい。これが、キリスト・イエスにあって神があなたがたに望んでおられることです。」 

帰りの道でブレーキを踏んでも雪のために車がすぐに止まらないでズズーとかなり進んでしまったことが数度あった。はじめての体験で本当にあせった。でもその私たちの車を横断歩道で待っていた人々が冷静に見ていたのでさすが北海道だなと思った。私たちの車が止まるまで横断歩道ヘは出ず、私たちの車が止まるのを待っていて完全に止まったのを確認してから何事もなかったように横断歩道を渡っていた。とにかく事故にならなくて感謝。


 さて第8章は、「生え抜きの経営陣」。

 本からの引用。「ウェルチの実績にケチをつけようと言うのではない。抜群の実績であるのは確かであり、アメリカの企業経営史に残る経営者であるのは確かだ。しかし、ここが決定的なポイントだが、歴代のGEの経営者もそうなのだ。ウェルチはGEを変えた。歴代の経営者もGEを変えた。ウェルチはウエスチングハウスの経営者より優れた実績をあげている。歴代の経営者もそうだ。ウェルチはアメリカの大手企業の経営者の中で広く尊敬を集め、今の時代の「経営のグル」になった。歴代の経営者もそうだ。ウェルチはGEが将来、繁栄する基礎を築いた。歴代の経営者もそうだ。私たちは目覚しい実績をあげているウェルチを尊敬している。しかし、それ以上に、百年にわたって素晴らしい経営陣を輩出し続けてきたGEを尊敬している。ウェルチのような経営者がいるのは、素晴らしいことだ。1世紀にわたってウェルチのような経営者を輩出し、その全員が生え抜きであるのは、素晴らしいというにとどまらない。GEがビジョナリー・カンパニーだと言える主な理由の一つである。」

 「ビジョナリー・カンパニーは比較対象企業よりはるかに、社内の人材を育成し、昇進させ、経営者としての資質を持った人材を注意深く選択している。後継者の育成を、基本理念を維持する努力の柱にしている。」

 「P&Gは、経営幹部を常に育成して、どのレベルでも引き継ぎにあたって断絶が起こらないようにし、基本理念を会社全体で維持することを重視している。」

 「私たちの調査の結果を要約するなら、社外から経営者を招いていては、先見性が際立つ企業になることも、その座を守ることも、極めて難しいと言える。」

 「ビジョナリー・カンパニーを築くという観点に立つなら、問題は今の世代で会社をどこまで素晴らしいものにするかだけではない。決定的な点は、次の世代で会社がどうなるか、その次の世代でどうなるか、そのまた次の世代でどうなるかである。偉大な指導者もいずれ寿命がくる。しかし、ビジョナリー・カンパニーは何世紀にもわたって前進を続け、個々の指導者が活躍できる年数をはるかに超えて、その目的を追求し、基本的価値観を貫いていく。」


 内から後継者を出すのが自然であり、基本理念を維持できる大きな秘訣だと私も思う(ただ改革が必要な場合に外から招いてうまくいく場合があると私は思う)。教会は後継者不足だ。教会において内から後継者が出れば本当に素晴らしいと思う。著者が言うように外部から招くとどうしても基本理念を維持するのに難しさが出ると思う。それは私も教会生活(自分の教会も他教会も)をしてきて見てきたことだ。願わくは後継者を育成し、永続する教会を建て上げたい。これが私の心からの願いだ。自分の時にいくら教会がうまくいっても(うまくいって欲しいと心から願っているが)、次の世代で教会がうまくいかないならこれほど悲しいことはない。牧師(私)やリーダーたちが活躍できる年数をはるかに超えて、教会の存在目的と基本的価値観を貫いて前進していく、もっと言えば次の世代にいけばいくほど加速していく教会を何とか形成したいものだ。