牧師の読書日記 

読んだ本の感想を中心に書いています。

12月3日(月) 「ビジョナリー・カンパニー⑧」

2012-12-03 15:11:21 | 日記

 第9章は、「決して満足しない」。

 本からの引用。「実際のところ、ビジョナリー・カンパニーが飛び抜けた地位を獲得しているのは、将来を見通す力が優れているからでも、成功のための特別な秘密があるからでもなく、主に、自分自身に対する要求が極めて高いという単純な事実のためなのである。、、、、要するに、明日には今日よりも自社が強くなるように、可能なかぎり、すべてのことを行なっているのである。」

 「安心感は、ビジョナリー・カンパニーにとっての目標ではない。それどころか、ビジョナリー・カンパニーは不安感を作り出し(言い換えれば、自己満足に陥らないようにし)、それによって外部の世界に強いられる前に変化し、改善するような促す強力な仕組みを設けている。偉大な芸術家や発明家がそうであるように、ビジョナリー・カンパニーも不満を栄養に成長する。」

 「ビジョナリー・カンパニーの経営幹部は、短期的な業績または長期的な成功の二者択一が必要だという考え方を受け入れない。何よりも長期的な成功を目指しながら、同時に、短期的な業績についても高い基準を掲げている。」

 悪い意味での不平不満ではなく、聖なる不満を持って現状に決して満足しないで、長期的展望を持ちつつ短期的にも結果を残していけるような、教会形成と農業経営をしていきたい。著者たちの調査で、ビジョナリー・カンパニーは比較対象企業よりも自己(自社)改善能力に優れ、人材や新技術に対して投資をし、また動きが早いと結果が出ている。臆病になったり動きが遅いとダメなようだ。このスピード社会で遅いということは致命的なのだろう。もちろん慎重さは大切だと思うが、リーダーは早め早めの決断をする必要がある。


 続いて本からの引用。「この章には、良いニュースと悪いニュースがあった。良いニュースはこうだ。ビジョナリー・カンパニーになるための基本的な要素は極めて単純なのである。昔ながらの厳しい自制、猛烈な仕事、将来のための絶えざる努力、これが基本なのだ。この基本は極めて単純であり、どんな経営幹部にも理解できる。悪いニュースはこうだ。ビジョナリー・カンパニーになるには、昔ながらの厳しい自制、猛烈な仕事、将来のための絶えざる努力がいやと言うほど必要である。近道はない。魔法の薬はない。抜け道もない。ビジョナリー・カンパニーを築くには、長期間にわたる厳しい仕事が必要である。成功を収めても、それが終点になることはない。」

 確かに単純だ。簡単ではない、難しい。でも分かりやすい。結局は終わることのない自制と努力を日々するしかないということだ。あとは実際にやるか、それとも怠けてしまうかの違いだろう。自分に厳しくなって前者を選びたいものだ。