牧師の読書日記 

読んだ本の感想を中心に書いています。

12月1日(土) 「ビジョナリー・カンパニー⑥」

2012-12-01 07:14:55 | 日記

 第7章は、「大量のものを試して、うまくいったものを残す」。

 本からの引用。「 もちろん、どの企業もある程度は進化している。目的を持って刺激しなくても、進化は起こる。現実の世界には偶然の機会が山ほどあり、それが進路に影響を与える。個人でもそうだし、組織でもそうだ。経済全体でも、同じことが言える。しかし、ここが肝心な点だが、ビジョナリー・カンパニーでは、進化の力をはるかに積極的に利用している。この点から、この章で学ぶべき最大の点が導き出される。
<進化の過程は、それをよく理解し、積極的に利用すれば、進歩を促す強力な方法になる。そして、ビジョナリー・カンパニーは比較対象企業に比べて、進化の過程の利用にはるかに積極的である。>
 」

 「 常に内部で変異を遂げていく組織をつくり、従業員それぞれの創意工夫によって前進していく仕組みをつくろうとしたのである。マックナイトの考え方は、3Mの社員が唱えてきたスローガンによく示されている。
<独創的なアイディアを持っている人の意見に耳を傾けよう。そのアイディアがはじめは、どんなにばかげていると思えたとしても。
 激励しよう、ケチをつけるな。アイディアを出すよう、皆に奨励しよう。
 優秀な人材を雇い、自由に仕事をしてもらおう。
 部下の回りにフェンスをめぐらせば、部下は臆病になる。必要なだけの自由を与えよう。
 思いつきの実験を奨励しよう。
 試してみよう。あるべき早く。>
 」

 
 「 特に興味深い点は、市場規模だけを基準にして選択する訳ではないことだ。「少量生産し、少量売る」、「小さな一歩を大切にしよう」という標語に示されているように、大型商品が小さな一歩から生まれることが少なくない点を3Mはよく理解している。しかし、小さな一歩のうちどれが大型商品につながるのかは、事前には分からない。そこで3Mは小さなことをいくつも試し、うまくいったものを残し、うまくいかなかったものを捨てている。「どんな市場でも、どんな最終製品でも、小さすぎるとバカにしてはならないという単純な原則」を確立しているのだ。 」


 著者は今回調査したビジョナリー・カンパニー18社の中で、今後50年間、100年間、成功を続け、環境の変化に対応していく企業を一社だけ選べと言われれば、私たちは3Mをえらぶだろう、と言っている。小さな一歩を大切にして、思いついたことやひらめいたことは何でも挑戦して形にしていこうと思わされた。それは教会の伝道の働きにおいても、農業の販売促進の仕事においても、両方について当てはまる。


 続いて本からの引用。「進化の過程が最もうまく働いているケースとして、3Mを手本にするなら、ビジョナリー・カンパニーが進化による進歩を促すにあたって学ぶべき教訓は、以下の5点である。」
 1.試してみよう。なるべく早く。
 2.誤りは必ずあることを認める。
 3.小さな一歩を踏み出す。
 4.社員に必要なだけの自由を与えよう。
 5.重要なのは仕組みである。着実に時を刻む時計をつくるべきである。

 
 「3Mはウィリアム・マックナイトの時代から、社会のニーズに合致した革新的な技術を生み出すことを目標にしてきた。これこそが、会社の性格なのである。」

 「ウィリアム・マックナイトは3Mでの65年間を振り返って、その精神について、こう語っている。 <我々がどれほど互いに依存し合っているのか{共通の価値観に依存しているのか}を強調しておくべきだろう。我々にとっての課題は、人間についてのこの重要な教訓を重視しながら、個人を十分に尊重することである。、、、、進歩を続け、アメリカと世界にとって役立つ事業を続けていくためには、我々は、卓越した仕事をすると、、、選択をした人たちを正しく評価し、それによって、そのような人たちが我々すべてのために何かを創造できるようにし、新しいアイディアや製品によって生活を豊かにしていくべきだ。最高の仕事、最も難しい仕事は、冒険と挑戦の精神によって成し遂げられるのだ。> 」

 
 社会のニーズに合致していると思ったら「なるべく早く多く」試すという冒険とチャレンジ精神でこれからの仕事をしていきたい。数をこなすことが大事なのだと思う。慎重になりすぎてはじめから質を求めると質はなかなか良くならないが、量を多くしていけばいずれ突破口が来て質は良くなっていくのだろう。