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里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

イネの穂は急速に色付くも作柄は予測困難

2025年08月28日 | 田んぼ

イネの穂は急速に色付いてきました。


田んぼの水は全て落としました。
我が家のイネは3年連続で同日の出穂。最速で7月中に穂が出揃う異例の状況となりました。
すでにこの時点で例年より数日から1週間早まっていたことになります。
その後も一貫して気温が高く、未だ真夏日、おろか猛暑日寸前。明らかに10日以上進んでいると思われます。
お盆前後に纏まった降雨がありましたが、今は排水口を開放したので、もう水は見えません。
穂はさらに垂れてきました。


日中晴天時に見るとより色付いて見えます。
穂が出揃ってもう27、8日、例年から見るとすでに30日以上過ぎたような姿に見えます。
この田んぼも一段と色付きました。もう水を溜める必要はなく土に残っている水分だけで十分です。


この辺りが一番早く穂が出始まったところ。


一見殆ど刈り取り間近のように見えます。


この辺りは水口近くで青味が濃かったところで、今年は進んでいるところとより差が付いています。


それにしても何時まで異常な高温が続くのか。
例年ならこの時期に真夏日を記録することは稀。最低気温は20℃を下回ってくるのが普通です。
今年は未だ真夏日で夜温も高い。この時期、昨年と非常に似通った天候になっています。
それでも里山では朝方には冷気を感じるようになってきました。しかし、やはり高温障害の懸念は大きい。
高温障害の主なものは白未熟米の発生ですが、過去2年は免れました。今年はより心配です。
また、昔から気温が高いと籾殻が厚く粒が小さくなると言われてきました。
ただ、気温は高過ぎるけれども日照が多いのはプラス要因です。
こちらの田んぼも黄金色と言っても良いくらいに色付いてきました。


やはり今年の穂は小振りのような気がします。これも昨年と似通っています。
畦の草もかなり伸びてきました。間もなく刈り払いの作業を始める予定です。


出穂から刈り取りまでの積算温度の目安は約1,000℃。計算上はあと1週間くらいで成熟に達することになります。
例年より10日以上進んでいることは間違いありません。
昨年も同様でしたが、この想定外の猛暑で作柄がどうなるかは予測困難と言うものです。
昔から「干ばつに不作なし」と言います。一見すると平年並の範疇のように見えますが果たしてどんなものか。
もっとも、このような年ほど秋雨前線や台風に見舞われることが多い。天候には裏切られるのが常です。

ところで、過日JA全農県本部から今年の玄米出荷の前払い金いわゆる概算金(60㎏当たり)の提示がありました。
昨年の同時期の概算金提示額の70%増です。昨年は他業者の買い付け額が高くJAは買い負け、結局前例のない二度の概算金の追加払いが行われました。その最終概算金と比べても30%増です。
他の主要産地でも同様の傾向で、穂が出る前から早々と高額を提示した県もありました。
大凶作だった平成5年以来の高値となりそうですが、様相は全く異なります。
今年の作柄はそんな凶作には絶対なりません。但しどの程度の作柄になるのか穫ってみるまで本当に分からない。
酷暑のレベルが半端でないからで経験則が働かないのです。概算金が高くなっているのは豊作にはならないと見ている人が多いのでしょう。
農水省は早々に今年は米の作況は発表しないと宣言しましたし、需要量も発表しないとしています。
しかし、多分こうなるだろうと見ていました。今年に間に合うような手法の見直しは出来ないと推測されたからです。
言ってみれば役割放棄で、昨年までのは人を惑わすものだったのかと言われても仕方がない。
これは拙ブログでも繰り返し指摘してきたところです。
昨年同時期にこのような投稿をしていました。「イネの登熟は一段と進み水は全て落とす(コメ不足考)」

その後も関連の投稿を何度かしていますが、今日のような状況までは想定出来ませんでした。
言えることは食管法がなくなりコメは20数年安値で放置され、一世代が経過したと言うことです。
最低賃金も確保できないような魅力のない仕事を選択する新たな人材は極めて稀としたものです。
消費者にとってはコメは空気みたいなものになっていました。安ければ安いほど良いという長年の積もり積もったマグマが一気に吹き出しただけのことです。
1年だけを切り取って減反は失敗だったと言う人もいますが、そう単純なものでもありません。
冷静に考えてそれでも20年余り安値だったのです。コメは農産物の中でも特殊です。長期間の貯蔵が可能なため簡単にはリセットできません。青果物と比べるとよく分かります。
キャベツが高いと騒いでいたのはたかだか数ヶ月前のことでその間に数分の1の値段になりました。業務用は別とし一般の人は少しの間待っていれば新たな安いキャベツが買えます。しかし、安値は何時までもは続きません。作る人が少なくなったり不作で何れ必ず値上がりします。
しかし、コメはどうでしょう。高いからと言って何時までも買わないわけにもいきません。一方安いからと言って2倍も3倍も食べるわけにもいかず、すぐ腐ってしまう青果物と違いリセット出来ないため始末が悪いのです。
そんな時は輸出をすればいいと言う無責任な人間がいます。数十万tに及ぶオーダーなのです。血の滲むような実践をされている方は大尊敬ですが、自らはやる気がなく口先だけで収入を得ている詐欺評論家には辟易です。
我々世代はあと幾らも経たず退場せざるをえませんが、それでも何年かはコメを作ります。国も増産に舵を切ると言うので短期的には作付けは増えるでしょう。コメも青果物化し、価格も乱高下する時代へと変貌していくことになるのかもしれません。


トウモロコシの茎葉残渣は土作りのためすき込む

2025年08月27日 | 畑:豆類

トウモロコシは2回に播いています。
これがメインのトウモロコシで、想定より大分早く穫れお盆では穫り遅れとなってしまいました。


それでも遅れていた株があり、僅かながらお盆にも穫っています。
1回目のトウモロコシも含め出来そのものは良好で郎党にも十分供給できました。
これがお盆まで穫っていたトウモロコシの穫り跡。まだ青味が残っています。


これが1回目のトウモロコシ。大分枯れてきました。


これからこれを片付けなければなりません。
我が家では、これを外に持ち出すのではなく土作りのために畑に直接すき込みます。
この畑は暫時休ませるので、その間に腐らせます。
トウモロコシの茎や葉などの残渣は有効な有機物です。
もちろん外に持ち出して堆肥にすれば良いわけですが、我が家では最も容易なすき込みを行います。
今回はすでにマルチは取り除いてあります。これを30㎝くらいの長さに切断します。
立ったままのトウモロコシの茎を刈り払い機で刻んでしまいます。


上から刈り払い機を横に振れば容易に数本纏めて刻むことが出来ます。


刻まずに長いまますき込むことも可能ですが、さすがに土と混じりがたく腐るまで時間を要します。
1回目のトウモロコシも刻みました。


穫り残した穂も構わずそのまま切ってしまいます。全て有機肥料です。
ロータリーを深く設定し、最低速度でゆっくり耕耘します。


重複して耕耘し土とよく混じるようにします。
最後に仕上げの耕耘をすれば終了です。


トウモロコシの残渣が沢山あったようには見えないほどに土の中に混じりました。


トウモロコシの畝には相当量の肥料分が残っており、茎葉は土に残された窒素分を吸収し腐っていきます。
我が家の畑は強粘土質なのでトウモロコシの殻は土壌改良に役立つと思いやっています。
この後は、雑草の生えてくるのを見計らって除草を兼ね再度耕耘し土に馴染ませていきます。

ナスは生育旺盛で支柱を上げ切り戻しを加味して整枝

2025年08月26日 | 畑:果菜類

ナスは収穫が始まって2ヵ月余り。生育は頗る旺盛で盛んに穫れ続けています。
品種は中長なすの「くろべえ」。
気温が高いこともあり枝が伸びて人の背丈を超えるくらいになってきました。


前回支柱を上げてからまだ20日ほどながら枝が通路にまで伸び歩くのに支障を来してきました。


仕立て方はごく普通の3本仕立て。
例年、更新剪定をやることもなく穫り続けますが、今年の猛暑下では樹勢が維持できるか不安でした。
しかし、葉色も良く依然旺盛に見えます。
樹勢を判断するには花が分りやすい。


このように雌しべの柱頭が長い長花柱花なら樹勢は良。柱頭が短い短花柱花なら樹勢が弱っていると見ます。
今年の夏も更新剪定を行わず穫り続けることが可能と判断できます。
まず簡易な整枝を行います。2度目の「ふところ枝」の整理です。
「ふところ枝」とは、株の内側に向かって伸びた枝のこと。
「ふところ枝」を整理し光線が中まで入るようにします。
中心部を覗きます。


支柱や主枝が見えるように枝を整理します。 


この程度の間引きで、多くはありません


誘引は、中央の1本の支柱と畝の両側に設けた廃材利用の横パイプを上げていく簡易な方法で行っています。
横パイプに枝が密着すると枝が動かず、誘引止めしなくても垂れ下がりません。
横パイプは縦支柱にフックバンドで止めています。
フックバンドは完全には止めていないので、下から軽く叩くだけで簡単に上がります。


20㎝余り上げました。この後も上げるのでフックバンドは完全には止めません。


同様に反対側の横パイプも上げます。


全ての横パイプが上がり、枝が立ちました。


通路も大分見えるようになりました。
しかし、枝の伸びは著しく、今年支柱をさらに高くしたものの上げる余裕はそれほどなくなりました。
昨年もそうでしたが、このまま伸ばし続けるのは難しいと判断し、枝を切り戻すことにしました。
かつてスタートから切り戻し剪定の整枝を試したことがあります。しかし、結果はよくありませんでした。
当地のような寒冷地の露地栽培には不向きと判断しましたが、近年のような猛暑は想定外でした。
今回は独自の判断で伸び過ぎになると思われる枝を切り戻します。
この枝は果実を収穫したところで切り戻します。


切り戻し、枝が上がりました。


なお、本来の切り戻し剪定は花が咲いた頃に行います。


まず花の先に本葉2枚ほど付けて切り戻します。そして果実を収穫後さらに切り戻し、わき芽を伸ばします。


丈が揃い、通路も確保され収穫しやすくなりました。


収穫は波がなく穫れ続けています。


果実は柔らかく汎用性が高いので郎党の評判も良い。



厳しい残暑に耐えて咲く花

2025年08月25日 | 

呆れかえるほどの今年の猛暑。未だ残暑の域を遥かに超えて暑い。
そんな中でも草花は健気にも花を咲かせてくれます。
あれ、こんなところにあったかなと思った彼岸花、いやリコリス、はたまた夏水仙。


これがAIの回答。
リコリスとナツズイセンは、どちらもヒガンバナ科の植物で、リコリス属に属します。ナツズイセンは、リコリス属の一種で、学名をLycoris squamigeraといいます。一方、リコリスという名前は、ヒガンバナ属全体の総称としても使われます。つまり、ナツズイセンはリコリスの一種であり、リコリスという名前はより広い範囲を指す言葉です。


いつの間にか庭の奥の方に助っ人が植えていたようです。
ボルドーギク。


母が植えたもので正確な名前を知らずにいましたが、何時ぞやミヤコワスレに似た花で検索してみました。
ボルドーギクに間違いないようです。


北アメリカ原産の菊で、別名アメリカギク。


自然に増殖しました。茎がやや弱いのが難点ですが、切り花に使えます。涼しげな色合いが良い。
フヨウ。


庭とは言えないところで咲いています。一度なくなったかと思いましたが株が残っていたようです。


この時期に大輪の花が見られないのは寂しいと思っていたので復活し良かったです。


白色のフヨウもあったはずですが、見えなくなりました。
こちらは宿根ではないアスター。


助っ人作です。小生がマルチをしておいた畝に主に盆用にと植え付けたもの。


お盆直前から咲き始めたので、タイミングは良かったようです。
色が数種あります。


盆の墓参りにはアスターをよく見かけます。まだ結構残っているので生花用としても十分使えます。
咲き始めたばかりのケイトウ。


これも助っ人作。


4色ほどあるようです。


お彼岸の頃には大柄になったケイトウが見られることでしょう。
自家採種した種を通路にもバラ播いてあり方々に発芽しています。


水墨画「桔梗」

2025年08月24日 | 水墨画:草花
本画仙 色紙   


我が家の庭の外れにキキョウが何カ所かに生えています。
株立ちになっているのが母が生前手作りの大きな鉢に植えたキキョウ。
7月から長い間次々と花を咲かせます。一方では花が枯れ一方ではまだ蕾と言った状態が長く続きます。
昔は近隣の野山にキキョウがごく普通に見られました。
幼少の頃、お盆の頃になるとよく自然にある花を採ってくるように言いつけられたものでした。
よく採れたのがキキョウとオミナエシだったように記憶しています。
今はそんなことをする人間もいなくなりましたし、天然のキキョウやオミナエシも近くでは見かけません。
キキョウの花は澄んだ青紫色。猛暑の夏にはとりわけ清々しい気分にさせられます。
あまり線描きを加えず描いてみました。