イネの穂は急速に色付いてきました。

田んぼの水は全て落としました。
我が家のイネは3年連続で同日の出穂。最速で7月中に穂が出揃う異例の状況となりました。
すでにこの時点で例年より数日から1週間早まっていたことになります。
その後も一貫して気温が高く、未だ真夏日、おろか猛暑日寸前。明らかに10日以上進んでいると思われます。
お盆前後に纏まった降雨がありましたが、今は排水口を開放したので、もう水は見えません。
穂はさらに垂れてきました。


日中晴天時に見るとより色付いて見えます。
穂が出揃ってもう27、8日、例年から見るとすでに30日以上過ぎたような姿に見えます。
この田んぼも一段と色付きました。もう水を溜める必要はなく土に残っている水分だけで十分です。
穂が出揃ってもう27、8日、例年から見るとすでに30日以上過ぎたような姿に見えます。
この田んぼも一段と色付きました。もう水を溜める必要はなく土に残っている水分だけで十分です。

この辺りが一番早く穂が出始まったところ。

一見殆ど刈り取り間近のように見えます。

この辺りは水口近くで青味が濃かったところで、今年は進んでいるところとより差が付いています。

それにしても何時まで異常な高温が続くのか。
例年ならこの時期に真夏日を記録することは稀。最低気温は20℃を下回ってくるのが普通です。
今年は未だ真夏日で夜温も高い。この時期、昨年と非常に似通った天候になっています。
それでも里山では朝方には冷気を感じるようになってきました。しかし、やはり高温障害の懸念は大きい。
今年は未だ真夏日で夜温も高い。この時期、昨年と非常に似通った天候になっています。
それでも里山では朝方には冷気を感じるようになってきました。しかし、やはり高温障害の懸念は大きい。
高温障害の主なものは白未熟米の発生ですが、過去2年は免れました。今年はより心配です。
また、昔から気温が高いと籾殻が厚く粒が小さくなると言われてきました。
ただ、気温は高過ぎるけれども日照が多いのはプラス要因です。
こちらの田んぼも黄金色と言っても良いくらいに色付いてきました。

やはり今年の穂は小振りのような気がします。これも昨年と似通っています。
畦の草もかなり伸びてきました。間もなく刈り払いの作業を始める予定です。

出穂から刈り取りまでの積算温度の目安は約1,000℃。計算上はあと1週間くらいで成熟に達することになります。
例年より10日以上進んでいることは間違いありません。
昨年も同様でしたが、この想定外の猛暑で作柄がどうなるかは予測困難と言うものです。
昔から「干ばつに不作なし」と言います。一見すると平年並の範疇のように見えますが果たしてどんなものか。
もっとも、このような年ほど秋雨前線や台風に見舞われることが多い。天候には裏切られるのが常です。
ところで、過日JA全農県本部から今年の玄米出荷の前払い金いわゆる概算金(60㎏当たり)の提示がありました。
昨年の同時期の概算金提示額の70%増です。昨年は他業者の買い付け額が高くJAは買い負け、結局前例のない二度の概算金の追加払いが行われました。その最終概算金と比べても30%増です。
他の主要産地でも同様の傾向で、穂が出る前から早々と高額を提示した県もありました。
大凶作だった平成5年以来の高値となりそうですが、様相は全く異なります。
今年の作柄はそんな凶作には絶対なりません。但しどの程度の作柄になるのか穫ってみるまで本当に分からない。
酷暑のレベルが半端でないからで経験則が働かないのです。概算金が高くなっているのは豊作にはならないと見ている人が多いのでしょう。
農水省は早々に今年は米の作況は発表しないと宣言しましたし、需要量も発表しないとしています。
しかし、多分こうなるだろうと見ていました。今年に間に合うような手法の見直しは出来ないと推測されたからです。
言ってみれば役割放棄で、昨年までのは人を惑わすものだったのかと言われても仕方がない。
これは拙ブログでも繰り返し指摘してきたところです。
昨年同時期にこのような投稿をしていました。「イネの登熟は一段と進み水は全て落とす(コメ不足考)」
その後も関連の投稿を何度かしていますが、今日のような状況までは想定出来ませんでした。
言えることは食管法がなくなりコメは20数年安値で放置され、一世代が経過したと言うことです。
最低賃金も確保できないような魅力のない仕事を選択する新たな人材は極めて稀としたものです。
消費者にとってはコメは空気みたいなものになっていました。安ければ安いほど良いという長年の積もり積もったマグマが一気に吹き出しただけのことです。
1年だけを切り取って減反は失敗だったと言う人もいますが、そう単純なものでもありません。
冷静に考えてそれでも20年余り安値だったのです。コメは農産物の中でも特殊です。長期間の貯蔵が可能なため簡単にはリセットできません。青果物と比べるとよく分かります。
キャベツが高いと騒いでいたのはたかだか数ヶ月前のことでその間に数分の1の値段になりました。業務用は別とし一般の人は少しの間待っていれば新たな安いキャベツが買えます。しかし、安値は何時までもは続きません。作る人が少なくなったり不作で何れ必ず値上がりします。
しかし、コメはどうでしょう。高いからと言って何時までも買わないわけにもいきません。一方安いからと言って2倍も3倍も食べるわけにもいかず、すぐ腐ってしまう青果物と違いリセット出来ないため始末が悪いのです。
そんな時は輸出をすればいいと言う無責任な人間がいます。数十万tに及ぶオーダーなのです。血の滲むような実践をされている方は大尊敬ですが、自らはやる気がなく口先だけで収入を得ている詐欺評論家には辟易です。
我々世代はあと幾らも経たず退場せざるをえませんが、それでも何年かはコメを作ります。国も増産に舵を切ると言うので短期的には作付けは増えるでしょう。コメも青果物化し、価格も乱高下する時代へと変貌していくことになるのかもしれません。