里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

今年のイネは不作を免れないか

2019年07月16日 | 田んぼ

 今年のイネは一見非常に良くみえます。病気や虫も全く見られません。
 こちらの田んぼもよく揃っているように見えます。



 しかし、当地方では7月5日くらいから平年を大幅に下回る低温と日照不足が続いています。中でもこの辺りが特異的に気温が低くなっているのです。7 月8日には管区気象台から日照不足と低温に関する気象情報が発表され、2週間程度は平年より気温が低い状態が続くとの予報です。
 指導機関によれば7月10日にはイネの幼穂長が 3~4mmになっており、幼穂形成期に達したとの情報です。7月5日頃には幼穂形成が始まったと見られています。
 幼穂は人間でいえばお腹の中の赤ちゃん。最も弱く繊細なステージです。ここからイネの穂が出るまでが当地方の最大の難関で、これまで繰り返しヤマセによる冷害に悩まされてきました。
 昨日、我が家の田んぼの茎を数本取って、自分で茎を剥いてみました。老眼の眼ではっきり幼穂を確認できたのは1本だけでしたが、最後の葉となる止め葉から推察すると、全て幼穂形成期になっているとみられます。この辺りは、平野部と比べ少々生育が遅れるのですが、7月7、8日頃には幼穂ができ始まっていると見なければなりません。
 この時期の低温による冷害は障害型冷害と言われており、一日の平均気温が20℃以下又は最低気温が17℃以下の日が数日続くと危険とされています。
 この辺りの一番近いアメダスデータを見ると、今月5日以降、晴れ間が見えた13日以外すべてこの危険な気温に当てはまります。特に10、11日は最低気温が12℃台と極端に下がっており、深刻なダメージを懸念しています。
 対策は、田んぼの水を深くして幼穂を守ることですが、我が家の田んぼでは、10㎝の深さにするのが精一杯です。



 この後、低温に最も弱い「減数分裂期」と言われる時期を迎えます。稲穂の花粉ができる時期で、この時に障害を受けると花粉ができないので、穂が出ても実りません。当地方では「行灯(あんどん)穂」と呼ばれます。穂が出た後いつまで経っても穂が垂れず立ったまま透けて見えることから、昔からこう呼ばれているのです。冷害の象徴のようなものです。幼穂の長さで言うと3~12㎝、穂が出る10~15日前が、この「減数分裂期」に当たるとされています。
 昨日、茎を剥いてみた我が家の田んぼのイネはそこまでいっていませんでしたが、ごく早いものは達していてもおかしくありません。おそらく7月20日前後から25日にピークに達すると推察しています。
 週間予報によると、前半は障害が出るかどうかのギリギリの気温、後半は気温が上がってくると言う予報ですが、心配は尽きません。
 できるだけの深水は保ちます。



 一方、この時期、水田周りの草刈りは、カメムシ被害を回避するのに不可欠ですから、全て済ませました。


幹線道路の法面は先週済ませたのですが、すでに少し伸び始めています。この道路は公道ですが、そばの田んぼの持ち主が刈り払うのが暗黙の了解事項。楽ではありません。


 すでに、幼穂形成期に著しい低温に当たっている可能性が高いので、豊作は望めないと覚悟していますが、何とかこの後天候が持ち直して、深刻な冷害だけは回避して欲しいと願うばかりです。


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2 コメント

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kazさんへ (beru)
2019-07-17 09:11:16
おはようございます。
今朝は久し振りに晴れです。長いこと日照時間時間の短い日が続いていたので、稲が心配になりまね、何十年か前になりますが、冷夏の年があって、良いお米がとれなかった事を思い出します。これから梅雨が明けて、良い天気が続くよう祈るばかりです。
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beruさんへ (kaz)
2019-07-17 13:31:30
コメントありがとうございます。
こちらは相変わらず曇り空ですが、ちょっとだけ薄日が差すときがあります。
本当に天候にはかないません。当地方は平成5年、15年が大凶作でした。ひたすら天候が回復するのを祈るのみです。
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